国際情勢

グローバル・エイズ・アップデート

地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。

全て表示する >

(GAU316号)グローバルファンドの「触媒投資」って?

2017/05/07

----------------------
★「第316号」目次
●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・グローバルファンドの「触媒投資」とは何か?
・(ケニア)グローバルファンドへの案件提案書により多くのオペレーショナル・リサーチ及びインプリメンテーション・リサーチを含める必要がある
・コミュニティ・エンゲージメントの高いMSMほどエイズや梅毒の検査を受診している:中国での調査
・(ケニア)米国の海外援助削減方針、開発援助業界を震撼させる
●アフリカの地域別記事
・(ジンバブウェ)プリペックスを用いた男性割礼が破傷風感染をもたらす
・(ウガンダ)ンバレのカップルの半数以上が複数のセックスパートナーを持つ
・(ジンバブウェ)アメリカの援助削減の危機下にあるHIV対策資金
------------------------------------ Vol. 13 No.14 ---

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
◆連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル3F
・電 話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
・電子メール:info@ajf.gr.jp
◆バックナンバー:下記ブログをご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/ajf/
◆Melma!を通しての購読申し込みは
http://www.melma.com/backnumber_123266/
◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は、事前に発行者にご連絡をお願いします。

<対策・課題別・地域別(アフリカ以外)記事>
-----------------------------------------
 グローバルファンドの「触媒投資」とは何か?
-----------------------------------------
【2017年4月17日(AIDSPAN)】途上国のエイズ・結核・マラリア対策に資金を供給する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)は、2016年11月の第36回理事会で、新規資金拠出モデル New Funding Model 導入に伴って始まった新たな資金スキームである「触媒的投資」 Catalytic Fund に8億ドルを充てることを承認した。

「触媒的投資」は国別の資金配分を通しては取り組むことができないプログラム、活動、戦略的な投資に資金を拠出するスキームであり、グローバルファンドの戦略目的にかなう形で資金を活用することが必須要件となっている。触媒的投資には、マッチングファンド(今回の承認額:3億4,600万ドル)、多国的なアプローチ(2億7,200万)、戦略的イニシアチブ(1億7,200万ドル)の3種類がある。

マッチングファンド
マッチングファンドは、新規資金拠出モデルが導入された際に導入された「インセンティブ・ファンディング」制度に代わる形で2014年以降導入された資金拠出の仕組みで、対策のカギとなる脆弱な人口層 Key and vulnerable population、人権、データ収集能力の強化など、グローバルファンドの戦略的優先事項に対して、各国にあてがわれた資金の一部を活用することを促進するための資金となっている。

マッチングファンドはHIVについて「対策の鍵となる人口集団」「人権」「思春期の少女および若い女性」、結核については見落とされた結核発症事例の発掘、「強くしなやかで持続可能な保健システム」については「保健人材問題への取り組みとサービス供給の統合」「データシステム構築」という形で、3分野、6課題について拠出される。拠出対象となる国は事前に通知されるが、資金を獲得するためには、対象となる課題について独自のターゲットを設定し、また、国家予算からマッチングファンドの金額と少なくとも同額の資金を拠出しなければならない。

多国間アプローチ
グローバルファンドの2017-22年戦略に即した形で、限られた数の、グローバルな対策の鍵となる複数の国を対象とした案件を実施するものである。これは、以前の資金サイクルにおいては「地域プログラム」と言われていたものに替えて、今回の資金サイクルから導入されたものである。地域プログラムについては、グローバルファンドが関心表明を募集し、最も能力が高いと考えられた組織にプロポーザルを用意させるというやり方であったが、「多国間アプローチ」は、グローバルファンドと、ストップ結核パートナーシップなどのパートナー組織で案件を準備してしまい、それを実施するという形をとっている。これは、マラリア(1億4,500万ドル)、結核(6,500万ドル)、HIV(5,000万ドル)、RSSH(1,200万ドル)という、4つの対象枠に対して資金が配分されている。

戦略的イニシアティブ
事務局などによって形成され、中央で管理される案件で、分野横断的なため、あるいは資金サイクルに入らないため、各国に配分される通常の案件では実行できない課題に対応する案件である。14の戦略的イニシアティブがRSSH、結核、マラリア、“さらに広範囲の分野”に渡って存在している。

半分以上の戦略的イニシアティブ資金(9,600万ドル)が以下のRSSHイニシアティブに配分されている。
?持続的な活動、移行計画、配分効率向上への支援(1,500万ドル)
?技術支援、コラボレーション活動支援、ピアレビュー(1,400万ドル)
?データシステム、データ生成、プログラミング活動と質の向上支援(1,000万ドル)
?調達とサプライマネジメント支援(分析と計画、イノベーションチャレンジ、医薬品の事前適格性評価とin vitro診断)(4,200万ドル)
?ネットワーク形成支援(1,500万ドル)

また、2,400万ドルは次のマラリア・イニシアティブに拠出されることが決定している。(a)21か国のマラリア廃絶、(b)新たな種類の長期残効型蚊帳の市場参入を促進するイニシアティブ、(c)新規マラリアワクチンの試験的な導入。

加えて、1,000万ドルは二つの戦略的イニシアティブを通じて結核症例発見のためのプログラムに組み込まれている。

残りの4,200万ドルについては、 (a) 2,200万ドルは技術評価委員会(TERG)の評価のため、(b) 2,000万ドルは緊急事態における医療サービスの崩壊への対応の準備、という二つのイニシアティブに拠出されることが決まっている。

原題:More Information on Catalytic Investments
出典 : aidspan
日付:2017年4月17日
URL: http://www.aidspan.org/node/4168

--------------------------------------------------
調査報告:グローバルファンドへの案件提案書にもっとオペレーショナル・リサーチとインプリメンテーション・リサーチを
--------------------------------------------------

【2017年4月19日、ナイロビ(ケニア)発(AIDSPAN)】WHOを含むスイスの研究機関は、グローバルファンドにおけるオペレーショナル・リサーチ及びインプリメンテーション・リサーチ(OR/IR)の現状分析を実施し、グローバルファンドへの案件提案書にOR/IRを含めるためにはGF事務局及び技術協力パートナー、各国政府は、より多くの努力をしなければならないとの調査報告を学会誌「グローバリゼーションと保健」Globalization and Healthにて発表した。

オペレーショナル・リサーチとは、特定の計画についてどのような投入を行うことが最も効率的かについて調査する手法であり、インプリメンテーション・リサーチとは、ある社会的条件のもとで何らかの投入を行った場合にうまく機能するかについて調査する手法である。この調査の最終目標は、どのようなオペレーショナル・リサーチやインプリメンテーション・リサーチがグローバルファンドの予算に含まれるべきで、そのためには何が影響しているかという理解を深めることであるが、研究チームは6か国の案件提案書の分析や各国の国別担当チーム、ファンド・ポートフォリオ・マネージャー、GF事務局へのインタビューを実施した。なお、分析はマラリアと結核に特化し、HIV/AIDSは除外された。

研究チームは、中低所得国では疾病対策のために有効性が実証された標準的な介入方法が未だ多く適用されているが、より効果的に介入するためには疾病が存在するある特定の状態においてこれらの調査手法を実施すべきだと指摘する。

GFは2008年の案件からこれらの調査手法を含めるよう要請しているおり、ガイドラインやハンドブックも開発・運用された。しかしながら、これらの調査手法への関心が徐々に薄れてきており、またこうした調査等に関する引用が上記文献にほとんどないため現場の状況に合わせてこうした調査手法をどう運用すべきが不明な点も多い。

研究者は、オペレーショナル・リサーチおよびインプリメンテーション・リサーチの必要性や需要、研究結果の吸収能力、予算等を加味したうえで自国から他国、またはプログラム間においてこうした調査を実施することによる考えられる変化を検討した。その結果、9割以上の査読済提案書でこれらの調査に関する言及はあったが、そのほとんどは疫学または行動学的研究であり、3分の1の提案書は分野が広すぎて分類不可能、国家レベルでの調査アジェンダを引用している提案は1つのみであった。

また、オペレーショナル・リサーチやインプリメンテーション・リサーチの結果を普及する努力も弱く、グローバルファンドは結果を統合するデータベースを持っていない。これらの調査手法を対象とした予算を運用する際、限られた予算に不明瞭な研究アジェンダ、低い研究能力、コンセプトノート作成時に学術界の参加が少ない、等の障害も確認された。

関係者へのインタビューでは、GF自体がこれらの調査手法に本当に関心を持っているのが、またこれらの調査手法を提案書に含むことがGFより積極的に求められていないのではないか、とGFへの疑問を抱くような回答も見受けられた。解決策としては、これらの調査手法を実施するために一律の割合を求めるのではなく、与えられた予算で今まで以上に柔軟に運用できるよう関係者からの要望も挙がった。

これらの結果をもとに、研究者はGFに対しこれまでの運用を改善し、これらの調査手法をより適用しやすいようなシステムを構築することを提言するとともに、各国に対しこうした調査の重要性を認知するとともに予算の確保並びに研究能力の向上、調査の結果を適宜拡散することを求めた。

原題:More Operational and Implementation Research Initiatives Should Be Included in Funding Proposals
出典:AIDSPAN
日付:2017/4/19
URL:http://www.aidspan.org/node/4173

--------------------------------------------------------------------------------
(中国)コミュニティへの参加の高いMSMほどエイズや梅毒の検査を受診している
---------------------------------------------------------------------------------
【2017年4月3日】低所得国や下位中所得国(LMICs)において、男性とセックスする男性におけるHIVと梅毒の検査率は依然として低い。一方、高所得国においては、しばしば強固な市民社会のある環境下で、鍵となる人々のHIV検査を促すためにコミュニティ参画の手法がますます使われるようになった。そこで、中国におけるMSM間のHIVおよび梅毒の検査と関連する要因を社会人口学、行動学、コミュニティへの参画の点から評価することを目的に調査が行われた。

この調査では、過去3ケ月にコンドームを使用しないセックスをした全国の16歳以上のMSMに対して、2015年11月にクロス・セクションのオンライン調査を行った。社会人口学、性行動、HIV検査、梅毒検査、セクシュアル・ヘルスにおけるコミュニティ参画に関するデータを収集した。我々は、セクシュアル・ヘルスにおけるコミュニティ参画を、セクシュアル・ヘルス・プログラムに対する認識や支持を評価する6つの要素を使って定義した。6つの要素のあるコミュニティ参画の根本的な要因にかかわる構造は、探索的因子解析を通して決定した。単変数、多変数のロジスティック回帰がHIV・梅毒検査の相関を特定した。

1189人のMSMを対象とした調査の結果は以下の通りである。54%がHIV検査を、30%が梅毒検査を受けたことがあった。因子解析によって3段階のコミュニティ参画を提示し、このモデルで79.5% の分散が観察された。26%が最小限の、54%が中程度の、20%が高いコミュニティ参画を報告した。多変数のロジスティック回帰調査では、セクシュアル・ヘルスにおけるコミュニティ・エンゲージメントが大きいMSMは、HIV・梅毒検査を受けたことのある可能性がより高いことがわかった。 

中国のMSMにおいて、HIV・梅毒検査は重要である。中国では、コミュニティ参画は検査を促すのに有効であり、介入を発展・展開する上で考慮されるべきである。一方、HIV介入におけるコミュニティ参画の役割をより理解するためにはさらなる研究が必要とされる。

原題:Community engagement in sexual health and uptake of HIV testing and syphilis testing among MSM in China: a cross-sectional online survey
日付:2017/4/3
URL:http://www.jiasociety.org/index.php/jias/article/view/21372 

--------------------------------------------------
(ケニア)米国の海外援助削減方針、開発援助業界を震撼させる
--------------------------------------------------

【2017年3月13日】米国のドナルド・トランプ大統領が示した、軍事関連予算を大幅に増額する一方で、グローバルファンドなどへの拠出を含む海外援助予算を削減する方針が、開発援助業界を震撼させている。

トランプ大統領は予算の削減規模についての言及はしていないが、現予算の3分の1程度が削減されるのではないかと見込まれている。2017-2019年のグローバルファンドへの拠出は、オバマ政権時代に年間US14.3億ドルを約束しているが、議会による予算承認は毎年実施しなければならないため、これが減額となればグローバルファンドにとっては大きな痛手となる。

しかし、過去の政権でも新大統領と議会は予算内容でしばしば対立していることから、政治関連誌「ポリティコ」Politicoによると、トランプ大統領の意向はそのまま現実のものとならないだろうとの意見がある。一方、予算削減案はすでにホワイトハウスへ回覧されており、ティラーソン国務長官も、国務省の再編計画に基づき海外援助についてはより詳細な分析をすると表明していることから、開発援助予算は急激な削減とはならないが、段階を踏んで減額されていくのではないかと推測されている。また、CNNは、国務省が国連への拠出予算の50%減額をホワイトハウスから求められており、トランプ政権には、国際機関への資金拠出を減らしたいという意向があると報じている。

海外援助関連予算削減というトランプ大統領の提案に対し、関係者は様々な反応を示している。ある民主党議員は、「国務省及び開発予算は連邦予算の1%に過ぎず、これらを削減したからといって、他の支出を増加させることができるわけではない」とForeign Policy誌にて指摘、別のNGO関係者も同誌にて、「小さい靴を履くのに無理やりつま先を切り詰めることと同じだ、と述べている。別のグループは、「国防と同様、外交と開発の強化はアメリカをより安全にするには必要不可欠だ」と述べ、オンライン上のフォーラムでも今回の予算削減案は実現不可能だと指摘している。

また、外交関係委員会のブログでは、ジャーナリストのローリー・ギャレット Laurie Garret が米英の資金に頼りすぎている国際保健関連の諸問題は、政権が変わるたびに危険にさらされている、と述べ、その他、サム・ローウェンバーグSam Loewenbergやアマンダ・グラスマンAmanda Glassman、ローレンス・ゴスティンLawrence Gostin等のジャーナリストや学者もLancetやJAMAなどの学会誌やブログ上にて同様な警告を鳴らしている。

最後に、どのくらいの国家予算が海外援助に利用されているかという質問に対して、正解はイスラエルやエジプトへの軍事費用も含めて1%未満だが、平均的なアメリカ人の回答は、「25%」というものである。開発援助への資金は巨額だという誤解が付きまとっているようである。

----------------------------------------------------------------
原題:Proposed Cuts to U.S. Foreign Aid Has the Development Community Very Worried
出典:AIDSPAN
日付:2017/3/13
URL:http://www.aidspan.org/node/4124
----------------------------------------------------------------

<地域別記事(アフリカ)>
----------------------------------------------------------
(ジンバブウェ)プリペックスを用いた男性割礼が破傷風感染をもたらす
----------------------------------------------------------
【2017年4月17日】インドで開発され、アフリカのいくつかの国に導入されている、男子亀頭包皮切除用の器具「プリペックス」Prepex (一般的には「リング」Ringとして知られる)を使用して男子亀頭包皮切除を行う男性は、破傷風の予防接種を受けていない場合、破傷風感染のリスクがあることが分かった。

これを要因として、政府は、男子亀頭包皮切除の処置を受けようとする男性に対してより多くの破傷風ワクチンを利用可能にし、本格的な国の予防接種の実施を来月開始することになった。医療研究における最新の事実によって、政府はプリペックス器具の使用を縮小し、患者が破傷風の予防接種をしているか否かを質問することにしている。他国の研究でも、予防接種を受けていない男性はリングによる割礼後、破傷風感染のリスクが高いことが明らかになった。

破傷風は破傷風菌による深刻な感染症であり、この細菌は脳や神経系に影響を及ぼす毒を生み出すので、筋肉の凝りにつながる。破傷風感染により、深刻な筋肉の痙攣、深刻な呼吸困難を引き起こし、死に至ることもある。細菌の胞子が怪我や傷を通して体内に入り、細菌を放出して体内に広がると、人は破傷風感染を発症する。

保健・児童福祉省のエイズ・結核部門の長である、オーウェン・ムグルンギ博士Dr Owen Mugurungiは、Prepexを使用することによる破傷風感染の進行を確認した。ムグルンギ博士は、プリペックス器具で割礼したい男性は破傷風の成人用予防接種を受けた証明を提出すべきだと述べた。

さらに彼は、破傷風感染への警戒について、男性の亀頭包皮切除に関する最新の世界保健機関(WHO)のガイドラインと一致するといい、「自発的医学的男子亀頭包皮切除プログラムThe Voluntary Medical Male Circumcision(VMMC)programmeは必要に応じて、すべての依頼人へのサービスの質を再検討し、改善し続けている。新しいWHOのガイドラインは、プリペックス器具を使用してVMMCを受けるすべての男性が成人のときに破傷風の予防接種を受けるべきだと推奨している。我々は現在、予防接種の証明を提出できる人にプリペックス器具での割礼を行っている」と語った。

ジンバブウェの破傷風感染率は低く、1,000人の生児出生につき新生児の破傷風の症例は1件未満と記録しており、効果的な予防接種のプログラムを行っているという。

ムグルンギ博士は、「破傷風の予防接種は、妊婦、子ども、負傷している患者など、様々な依頼人に提供されてきた基本サービスである。VMMCプログラムに組込むことは、そのような集団の依頼人への基本サービスの強化の一環であり、新しいやり方というわけではない」と述べた。

新しいガイドラインの下で、男子亀頭包皮切除を受けようとする男性は、割礼の処置までに2回の破傷風トキソイドワクチンtetanus toxoid containing vaccine(TTCV)を受ける必要があるという。一部の男性は、長期的にみて破傷風の予防接種によるメリットが分かったので、予防接種が必須条件だとしても、プリペックスの使用に関心を示している。

ムグルンギ博士は、この背景を考慮し、同国が成人男性への破傷風の予防接種を全国で拡大するため、資源を投入したと話した。今日までに、91万5,000人超の男性がプログラムの開始以降、男子亀頭包皮切除の施術を受けている。これによって、HIVに感染したパートナーからの感染の可能性が少なくとも60%低減すると考えられている。

原題: Zimbabwe: Circumcision Exposes Men to Tetanus...Ring Device Affects Unimmunised
出典: The Herald
日付:2017/4/17
URL: http://allafrica.com/stories/201704170301.html

----------------------------------------------------------------
(ウガンダ)ンバレのカップルの半数以上が複数のセックスパートナーを持つ
----------------------------------------------------------------
【2017年4月20日】東アフリカの内陸国ウガンダの東部、ケニア国境にほど近いムバレ県 Mbale District では、2016年のHIV/AIDS報告書によると、カップルの50%以上が、長期にわたって複数のセックスパートナーと関係を持っていることが明らかになった。

この結果について、ウガンダの日刊紙「デイリー・モニター」が取材したところ、ムバレ県のHIV・エイズ担当のロバート・ワンドワシ氏  Robert Wandwasiによると、複数のセックスパートナーがいるカップルのうち、コンドームを使用しているのはわずか50%にすぎないという。ワンドワシ氏は、カップルの3.8 %は正しい方法で定期的にコンドームを使用しているが、46.2%は可能な時にのみ使うので、感染の危険にさらされていると話した。報告によると、女性に比べ男性の方が複数のセックスパートナーがいる人が多い。これにより、この地区内でウイルスの拡大を止めるのが難しくなっているという。ワンドワシ氏は、「さらに悪いことに、この地区での、HIV検査とカウンセリングの受診率は低い」と話した。ワンドワシ氏によると、HIV陽性率は3%にとどまっているけれども、複数のセックスパートナーをもつ人が多いので感染率は上昇するという。 

報告で明らかになったのは、地方の住民の中でHIVについての知識は未だに足りておらず、また、49.4%の母親しか保健センターに行かないので、HIV陽性の子供を持つカップルは増え続けている。ワンドワシ氏は、「とくに地方において母子感染に関する知識は低いままで、政治・宗教指導者を含めたコミュニティはプログラムについて伝えていない」という。

しかし、ンバレ県のヤシン・ワボンバ副議長 Yasin Wabombaは、問題は、コミュニティ間のモラルの形成にあると非難した。ワボンバ氏は、この問題に対処するために、地区の保健所や他のステークホルダーに対してコミュニティでの啓発活動を行うように要請した。ウガンダのエイズ調査によると、現在、ウガンダのHIV感染率は7.3%で、昨年の6.4%より上昇している。

原題:Uganda: '50 Percent Couples in Mbale Have Multiple Partners'
日付:2017/4/20
URL:http://allafrica.com/stories/201704200023.html 

-------------------------------------------------
(ジンバブウェ)アメリカの援助削減の危機下にあるHIV対策資金
-------------------------------------------------
【2017年4月10日発】米国政府の社会福祉予算から給付金を受ける多くの非政府組織は、南部アフリカの内陸国ジンバブウェを含む多くの途上国で、HIV / AIDS対策の主要な資金拠出を行っている。しかし、ドナルド・トランプ大統領 Donald Trump率いる新政権は、先日予算を180億ドル削減すると発表した。非営利団体への助成金も削減対象となっており、HIV/AIDSへの持続的な資金供与が脅威にさらされている。

米国政府は、抗レトロウイルス治療を受ける推定90万人のジンバブウェ人のうち74万4千人を支援する、世界エイズ・結核・マラリア対策基金 Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria(GFATM)への最大の資金拠出国である。さらに、米国大統領エイズ救済緊急計画 President’s Emergency Plan for AIDS Relief (PEPFAR)や米国国際開発庁 United Stated Agency for International Development(USAID)を通じて、ジンバブウェにおける様々なHIV /AIDS対策を支援している。しかしCNNによると、2018年の最新の米国の予算計画ではアメリカ疾病管理予防センター Center for Disease Control(CDC)やPEPFARへの予算削減がなされると発表されており、とくにUSAIDは10億ドルの予算削減に見舞われている。

ところが、ジンバブウェ米大使館の広報担当者であるデビッド・マクワイア氏 David McGireは、それらの予算削減について認識不足であるようだ。ジンバブウェは2017年に約1億4500万ドルもの資金供与をPEPFARから受けており、来年度も同等レベルでの資金調達を計画していると述べているのだ。

最近の進展としては、HIV/AIDSへの国内資金を増やすようにという要求が再燃していることだ。グローバルファンド The Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malariaは、ジンバブウェに約4億ドルの資金供与をしているが、資金調達の3分の1を米国政府に頼っており、予算削減の影響を確実に受ける。そのため、プログラム下で治療を受けている74万4千人すべてが、十分な薬を確保できるよう同国へ迫っている。

さらに国家エイズ委員会 National AIDS Committee(NAC)の財務部長であるアルバート・マニェンジ氏 Albert Manenjは、クウェクウェで開催された結核会議において、結核やHIV /AIDS対策への国内資金増加を政策立案者に提唱するよう国会議員へ促している。

保健・児童福祉省のエイズ・結核局長であるチャールズ・サンディ博士 Charles Sandyによると、グローバルファンドは、国家結核プログラムの主要な資金拠出機関でもあり、結核対策も予算削減の影響を受ける。そのため、政府は毎年約2,000万ドルの拠出をする必要があると述べている。さらにエイズ結核局長のオーウェン・ムグルンギ博士 Owen Mugurungi は、これは政府が国民の健康にもっと投資するようにという警鐘だと述べている。

原題:Zimbabwe: HIV/Aids Funding Under Threat As U.S Cuts Grants
出典:allAfrica
日付:2017/04/10
URL:http://allafrica.com/stories/201704100134.html

------------------------
編集後記
------------------------
最近、グローバル・エイズ・アップデートの記事の前半を飾っている、グローバルファンドに関する記事の多くは、ケニアのナイロビに本部があるグローバルファンドに関する独立報道機関である「AIDSPAN」が発行する「グローバル・ファンド・オブザーバー」の記事です。結構難しい記事が多いですが、途上国のエイズ・結核・マラリア対策に資金をどのように有効に供給するかという取り組みを10年以上展開してきた結果、いろいろな手法の開発などにおいて多くの実績が出ていると思います。じっくり読んでいただけると助かります。(編集責任者 MI)

------------------------
★メールマガジンご案内
------------------------
★「グローバル・エイズ・アップデート」は、世界のHIV/AIDS問題の最新動向を網羅するメールマガジンです。

★HIV/AIDS問題は、現代世界における保健医療上の最大の課題の一つです。しかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。

★このメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝えるメディアが必要だという認識から生まれました。HIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語に要約し、隔週で発行しています。また、発行後すぐにブログにも更新。過去記事をカテゴリーごとに確認したい方はこちらからどうぞ。

http://blog.livedoor.jp/ajf/

★継続して購読を希望される方は、以下の講読申込票をメールマガジン発行元(特活)アフリカ日本協議会までご送信下さい。また、本メールマガジンを発行している「Melma!」の以下のサイトから登録することもできます。

http://www.melma.com/backnumber_123266/

---------------------------------------
<講読申込票>info@ajf.gr.jpまで
---------------------------------------
★氏名
★所属(あれば)
★メールアドレス
★ご在住の市町村
★コメント
---------------------------------------

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2004-09-14  
最終発行日:  
発行周期:隔週  
Score!: 80 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。