国際情勢

グローバル・エイズ・アップデート

地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。

全て表示する >

(GAU313号)グローバルファンド事務局長選、再スタートへ

2017/03/28

----------------------
★「第313号」目次
●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・グローバルファンド事務局長選、再スタートへ
・グローバルファンド、5カ国におけるコミュニティの参画事例について報告書をまとめる
・(カナダ)「統合化サービスモデルは、構造的弱者である薬物使用HIV陽性者に重要な役割(バンクーバーでの質的研究)」
●アフリカの地域別記事
・国連が定める「エイズ差別ゼロの日」:差別・スティグマをなくすために
・(南アフリカ)薬が結核、AIDS患者に与える新たな希望
・(ジンバブウェ)受刑者がチクルビ刑務所での7年を振り返る
------------------------------------ Vol. 13 No.12 ---

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
◆連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル3F
・電 話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
・電子メール:info@ajf.gr.jp
◆バックナンバー:下記ブログをご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/ajf/
◆Melma!を通しての購読申し込みは
http://www.melma.com/backnumber_123266/
◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は、事前に発行者にご連絡をお願いします。

<対策・課題別・地域別(アフリカ以外)記事>
--------------------------------------
グローバルファンド事務局長選、振出しに戻る
--------------------------------------
【2017年2月28日 ジュネーブ(スイス)発】途上国のエイズ・結核・マラリア対策に資金を拠出する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)は、マーク・ダイブル現事務局長の任期満了に伴う退任後の次期事務局長の選出について、これまでの選考プロセスを破棄し、もう一度やり直すことを決定した。理由は、「選考上で浮上した問題により、結論を出すことができなくなった」とのこと。

最近まで、事務局長選考委員会 the Board’s Executive Director Nomination Committee (EDNC)は、下記の中から事務局長を選ぶ予定だったが、実際は委員会全員による面接も行われなかったようだ。

?ムハンマド・アリ・パテ博士 Dr Muhammad Ali Pate:ハーバード公衆衛生大学院出身、前世界銀行の保健専門家、前ナイジェリア保健省大臣
?スバヌ・サクセナ氏 Subhanu Saxena:インドの大手ジェネリック薬製薬会社シプラ社の元最高経営責任者(昨年辞職)
?ヘレン・クラーク氏 Helen Clark:国連開発計画の事務官、前ニュージーランド首相

委員会は、公正で透明性が高く、功績ベースの規範を持ち、勤勉さと専門性のもとで事務局長の選出に当たることとなっていた。また、新たな事務局長を選ぶ際は世界でのエイズ・結核・マラリアの流行を終わらせるための戦略を実行できる、先見の明があるリーダーであることが最優先であるとした。

◆ニューヨーク・タイムズによるリーク

2月13日、選考委員会から最終候補者名と根拠が記された報告書がメンバーに極秘扱いで送付されたが、漏洩された。一番に“暴露”したニューヨーク・タイムズ紙のドナルド・マクニール記者 Donald McNeilは、名簿に書かれているのは上記の3名であると特定、選考委員会は、ファンドへの最大の援助者で予算の1/3を担うアメリカから、厳しい審査を受けるだろうとした。関係者は彼らの経歴、つまりパテ氏のツイッターでのトランプ大統領批判、インドのジェネリック製薬企業幹部であったサクセナ氏の登用などにより、トランプ政権からの支援を減少させて可能性を懸念していた。また元UNDP事務局長のクラーク氏に関しても、「トランプ政権は国連事業に敵対的で、少なくとも支援の40%を削減予定だ」とした。 

マクニール氏は、グローバルファンドの広報責任者のセス・ファイソン氏Seth Faisonの発言を引用し、これらの理由により、どの候補者も取り下げられるべきではないという認識が委員会にあることを報道した。また、委員会では、選挙中にトランプ氏を批判した人々も現在はトランプ大統領と働いていることを挙げ、また国連の関係とビジネスの関係はどの候補者も事実上回避できない上、ファンドから資金提供をうけたことのある政府で働いたことのある者を除外するのは現実的でないとの認識が委員会にあるとの報道を行った。

 ◆リークへの反応 

この報道もあって、最終候補者リストに掲載された3名のうち、ヘレン・クラーク氏は立候補を辞退するに至った。また、最終選考者の名前の公表(非公式)は、グローバルファンドの有権者に多くの驚きを引き起こした。関係者たちは、公にトランプ大統領を攻撃したパテ氏がなぜ選考に残っているのか疑問に感じ、また2013年にナイジェリアで制定された反ゲイ法、「同性婚禁止法」が、彼が政府に在籍中に可決されたにもかかわらず、パテ氏が政府の職の任期が終わっても、同性婚禁止法に反対する意見を表明していないことが問題だと指摘されている。また、サクセナ氏については、インドのジェネリック企業でグローバルファンドへの売り上げもあるシプラ社の直近の最高経営責任者であったことで、事務局長として適格性があるのか疑問の声が上がった。また両候補者ともジェンダーや基本的人権の尊重に関して不安の声が挙げられている。

こうしたことから、理事会は最終的に、選考プロセスのやり直しを決定したものと考えられる。

●原題: Board to “Restart the Process” of Searching for a New Executive Director
●出典: Aidspan
●日付:28 Feb 2017
●URL: http://www.aidspan.org/node/4108

---------------------------------
グローバルファンド、5カ国におけるコミュニティの参画事例について報告書をまとめる
---------------------------------
【2017年2月27日】途上国のエイズ・結核・マラリア対策に資金を供給する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)は、各国における三大感染症の当事者コミュニティとの連携の強化を、資金拠出における重要な課題として認識している。去年11月にグローバルファンドが公開した報告書には、HIV、結核とマラリアに対する効果的なコミュニティとの連携に関する、5カ国の参画事例がまとめられている。

カンボジア
カンボジアの事例は、グローバルファンドの資金で行われる結核対策の案件のコンセプト・ノート作りと、同じ案件での国レベルの対話におけるコミュニティの参加促進のための包括的で革新的なプロセスについて記述している。結核案件の準備のための国レベルの対話は、まずコンセプト・ノートに技術的なインプットを行うための対話の部分と、コミュニティによるコンサルテーションを行うという部分の二つから成り立っている。このコンサルテーションについては、調査、インタビューのみならず、地方4か所及び首都プノンペンの1か所を選んで2014年4月~5月に行われ、100名以上が参加したフォーカス・グループ・ディスカッションについて触れられている。

このケーススタディでは、コミュニティの効果的な参画は、グローバルファンドの案件を申請する際に国レベルで設置することとなっている「国別調整メカニズム」の強く効果的なリーダーシップによって可能となった。政府が包摂性と透明性、前向きな計画、開発パートナーからの支援などが相まって初めて、コミュニティの案件への参加がありうるのである。開かれて、革新的で、よく進行を練られ、デザインも分権もよくまとまったコンサルテーション・プロセスは、いろいろな意味で今後の各国に対する教訓となるであろう。

エルサルバドル
トランスジェンダーの組織が、案件形成に向けた国レベルの討議において重要な役割を果たした。国レベルの討議に向けた小規模の会合により、案件のコンセプト・ノートにトランスジェンダーの人びとに特化したプログラムを導入することに同意を得ることができた。

キルギスタン
2014年〜2015年の結核・HIV案件のコンセプト・ノート準備に向けた本対話の前段階での討議により、結核のコミュニティが、国レベルでの対話に初めて深く参与することができた。コミュニティシステム強化のための助言を受けた一方、コンセプト・ノートの作成プロセスに不明瞭な点が多いことや、コミュニティのメンバーの多くが理解することのできない言語である英語で記述されている点が懸念されていた。そこで、ワークショップでは、市民団体メンバー30人が、各自2つのモジュールのコンセプト・ノートの草案を作成し、実際のノートと比較して、内容に隔たりが少ないことが確認した。

ベナン
案件形成の段階におけるプログラム構成における、適切な教育プロセス重要性や市民社会支援の有効性が示された。グローバルファンドに関わるコミュニティの依頼を受け、カナダの専門家のNGOである「カナダHIV/エイズ法律ネットワーク」と、ベニンの社会に詳しく、コミュニティ強化や組織に専門知識を持つ個人コンサルタントが技術的な支援を提供した。その中で、HIV陽性者、薬物使用者や性的暴力やジェンダーを理由とする暴力の危険に晒されている人びとにとって有益な法律支援、研修、対話やサポートサービスを含む新しい取り組みの方法が開発された。

シエラレオネ
エボラ・ウイルス病対策の教訓から、市民社会の団体は、コミュニティのネットワークである「影響を受けている主要人口の権利向上連合」CARKAPを発足させた。CARKAPは組織として未熟であったため、能力強化のための支援が3つのフェーズにおいて提供された。肝であるフェーズ1では、4つの課題への取り組み強化に対する取り組みがあった。課題は、1)コミュニティをベースとしたプロジェクトの評価、2)市民社会グループと議員や利害関係者との年2回の会議開催、3)保健機関調整委員会の委員選出プロセスの明瞭化、4)CARKAPとメンバー団体の体制強化の主要活動から構成された。

原題:Global Fund releases case studies on community engagement 
出典:aidspan
日付:2017/2/27
URL:http://www.aidspan.org/node/4106

--------------------------------------------------
(カナダ)「薬物使用HIV陽性者へのサービスの統合化モデルの重要性
--------------------------------------------------
【2017年3月3日】社会構造的な不平等が、構造的に弱い立場に置かれている薬物を使用するHIV陽性者(PLHIV)のHIV治療へのアクセスやその継続を阻害している。薬物使用HIV陽性者における、HIVに関連した対策の成果におけるこういった差別は、HIV治療において「予防としての治療」(Treatment as prevention: TasP)の最適化の阻害要因となっている。カナダ西部の都市バンクーバーにおいて、HIV陽性の薬物使用者それぞれのニーズに合わせて考案され、統合されたHIVケア・サービス・モデルがどう関与しどのようなインパクトを与えるかを評価するためにコミュニティ全体で「予防としての治療」が導入され、調査が実施された。

この調査では、HIV陽性者30人を対象として質的インタビューを実施した対象者は統合されたHIVケア・サービス・モデルおよびハーム・リダクション・アプローチ(健康被害軽減アプローチ)によるケアが実施されているHIVケア施設である「ドクター・ピーター・センター」Dr. Peter Centre から集められた。インタビューの逐語録から分析ソフトを使って帰納的に分析し、この施設からの参加者がサービスを利用する道筋を分析し、このHIVケア・サービス環境が、薬物を使用しているHIV陽性者という構造的弱者におけるHIVケアへのアクセスやケアの継続にどのように影響を及ぼすかを明らかにした。

その結果、薬物使用HIV陽性者がHIVケアの継続を促進したり、抗レトロウイルス治療へのアドヒアレンス(治療方針にン自ら適切に応じること)を促進する支援にアクセスできるHIVケア施設へ行くかどうかは、参加者の構造的脆弱性が決定要因となっていた。また。統合されたHIVケア・サービス環境は、参加者の食事や住居などの生活に関するニーズを満たし、過度の貧困の中で生きることで起こる困難を軽減させていた。さらに、多種多様のサポートへのアクセスは、参加者が習慣的なサービス利用パターンを確立でき、また支援的なケア・サービスを継続できるような、構造的な環境を作り出していた。全体的に、阻害要因を低くしたサービスモデルは、HIVケアへの社会的および構造的阻害要因を軽減すること、また薬物を使用しているHIV陽性者が「予防としての治療」を実施することを可能にすることが明らかとなった。

これらの結果より、HIV陽性者への保健や支援などのサービスへのアクセスをすすめていくための統合されたサービスモデルの、重要な役割が明らかとなった。薬物を使用しているHIV陽性者に対してそれぞれのニーズに合わせたサービスモデルを含めた構造的な介入の実施により、薬物使用HIV陽性者の状況を「予防としての治療」の最終的な目標に近づけることが可能になるだろう。

原題:Integrated HIV care and service engagement among people living with HIV who use drugs in a setting with a community-wide treatment as prevention initiative: a qualitative study in Vancouver, Canada
出典:Journal of the International AIDS Society, Vol 20, No.1(2017)
日付:2017/3/3
URL: http://www.jiasociety.org/index.php/jias/article/view/21407


<地域別記事(アフリカ)>
-----------------------------------------
国連が定める「エイズ差別ゼロの日」:差別・スティグマをなくすために
-----------------------------------------
【2017年3月1日】3月1日は国連が定める「エイズ差別ゼロの日」Zero Discrimination Dayである。HIV/AIDS対策を主導する国連機関は、医療現場における差別ゼロのために「声を上げよう」と訴える。

国連合同エイズ計画(UNAIDS)のミシェル・シディベ事務局長 Michel Sidibeは、「医療現場は安全に援助を行える環境でなければならない。差別が受療の妨げになることは容認できない。医療現場における差別をなくす努力は重要であり実現しなければならない」と述べた。

健康を享受する権利は基本的人権であり、それはすべての人々にとって、適切な費用でタイムリーにかつ質の良い医療ケア・サービスが受けられることを意味する。しかし、差別は医療現場に広範囲にわたって存在しHIV治療へのアクセスの重大な障壁となっている。

UNAIDSが公表する「HIVと共に生きる人々のスティグマ指標」のデータによると、50か国で、HIV陽性者の8人に1人が医療機関から拒否されたと報告している。

欧州連合(EU)/ 欧州経済地域(EEA)加盟国のおよそ6割の国において、医療従事者のスティグマや差別によって、男性を性の対象とする男性(MSM)や注射による麻薬使用者に対して十分なHIV予防サービスが提供されていないと報告されている。

毎年3月1日は、一人ひとりがいかに変革を担えるかを強調し、そして公正かつ公平な社会の実現のために「エイズ差別ゼロの日」と定められている。シディベ氏は、「すべての人が尊厳を重視され差別や抑圧、虐待がなく生きる権利がある。差別は個人を傷つけるだけではなく、すべての人々を傷つける。一方、あらゆる形態の多様性を歓迎し受け入れることはすべての人々に恩恵をもたらすだろう」と述べる。

原題:Africa: ‘Make Some Noise’ for Safe, Supportive HIV/AIDS Care, Says UN on Zero Discrimination Day
出典:allAfrica
日付:2017/03/01
URL:http://allafrica.com/stories/201703010700.html 

-----------------------------------------
(南アフリカ)治療薬が結核、AIDS患者に与える新たな希望
-----------------------------------------
【2017年3月2日】結核やCD4細胞が極度に少ないAIDS患者のなかには、抗レトロウイルス治療を開始すると少なくとも一時的に症状が悪化することがある。

これは逆説的な現象で、免疫再構築症候群(TB-IRIS; Tuberculosis-Immune Reconstitution Inflammatory Syndrome)とよばれる。抗レトロウイルス治療が開始されると免疫システムが修復され始めるが、このことは病気に対する炎症反応を過剰にし、発熱やリンパ節の肥大などといった、結核の新たな、あるいは悪化した症状が現れてくる。

南アフリカ・西ケープ州のケープタウン郊外のタウンシップ、カエリチャKhayelitshaでの最近の研究では、結核とHIV患者に対して、ステロイドがこの免疫再構築症候群の発症を抑えるであろうという予測で、ステロイド剤「プレドニゾン」が4週間投与された。この結果は、シアトルでのレトロウイルスおよび日和見感染学会年次大会(Retrovirus and Opportunistic Infections: CROI)において、グレム マンジェス教授Prof. Graeme Meintjes が発表した。

プレドニゾンはこれまでTB-IRISの初期治療に使われてきたが、これは患者にTB-IRISの症状が現れはじめてから使用される。これまで結果は良好であり、プレドニゾンは症状を軽減し、入院期間を短縮させてきた。ほかにも、240人の患者に対して実施されたプレドニゾンと抗レトロウイルス治療(PredART)臨床試験ではTB-IRISのケースが30%“顕著に減少”している。

プレドニゾンとはコルチコステロイドというステロイド剤で、アレルギー異常や皮膚症状、ぜんそくなど様々な症状を治療するために使われている。

《マンジェス教授らの研究では》4週間にわたり120人の患者にプレドニゾン、他120人にプラセボが投与され、両グループには結核治療と抗レトロウイルス治療がなされた。その1年後に追跡調査され、プレドニゾンのグループは12週間で5人、プラセボのグループで4人の死亡が観察された(差が小さくほぼ確実に偶然によるものである)。両グループとも調査から外れたのは9人であった。

TB-IRISを発症したのはプレドニゾングループで33%、プラセボグループ47%であった。これは偶然ではなくほぼ確実にプレドニゾンの効果があったといえる。

プレドニゾングループでは17名が入院、プラセボグループは27人であった。しかしマンジェス教授はこのことについて統計的有意差はないと言う。

この試験では、これまで抗レトロウイルス治療を受けたことがなく、CD4細胞が100以下のHIV陽性者を対象者とした。CD4が100以下とはAIDSの進行を意味し、CD4細胞が少ない患者はTB-IRISを発症するリスクがより高い。

HIV陽性者におけるステロイド投与は、《ウイルス感染する》カポジ肉腫と呼ばれる癌の一種のような感染の増加に関連がある、とマンジェス教授は言う。このため感染リスクは試験中ずっとモニターされていた。しかし、試験の結果からはプレドニゾンは感染や癌の過剰なリスクもなく良好な耐性があった。マンジェス教授によると、考えられる理由として全患者が抗レトロウイルス治療を受けたことがあげられた。

原題:South Africa: Drug Offers New Options for Patients with TB and AIDS
出典:All africa
日付:2017/3/2
URL: http://allafrica.com/stories/201703020053.html

--------------------------------------------------
(ジンバブウェ)受刑者がチクルビ刑務所での7年を振り返る
--------------------------------------------------
【2017年2月28日】アフリカ南部の内陸国ジンバブウェの刑務所は、定員超過と深刻な資金不足に苦しんでいる。刑務所の食費には、本来、年間1300万ドルが必要であるが、2016年の国予算からは310万ドルしか与えられなかった。医療供給と関連サービスに充てられたのは、たったの301,000ドルで、必要資金である520万ドルの6パーセントにしか満たない。深刻な資金不足によって食料不足や暴動、人間としての生活の侵害などの問題を引き起こしている。
NewZimbabwe.comが今回取材したのは、チクルビ最高厳戒刑務所における7年の刑期を終えたロブソン・ジャック氏(48歳)だ。ジャック氏は、2009年に窃盗罪で刑務所行きとなった。出所時、ジャック氏は7年前に収監された時と同じ服と靴を履いていた。「チクルビ刑務所に関する話は嘘じゃない」とジャック氏は語った。ジャック氏が収容されていた監房には他に39人の被収容者がおり、精神病を患っている人びとだけでなく、末期のエイズ、結核、ヘルペスやその他感染力の強い病気にかかっている人びとがいた。収容者は蚤、排泄物や血液にまみれた汚いぼろきれの敷いてある床の上で寝ていた。「ここ最近、我々は腸チフスで2人の同胞を失った」というジャック氏の申し立ては棄却された。ジンバブウェ刑務所・矯正サービス(ZPCS)当局者側の主張によると、腸チフスの死亡者は刑務所ではこれまでにまだ記録されていないと言う。

出所後、家族と再会する前に、ジャック氏は7年間を共に過ごした同胞を助けることに尽力した。そのために、ジャック氏は同胞の入所者数人からの手紙を持ち出すことに成功した。手紙には、食料、洗面用品、親類の訪問や法的支援を求める入所者の悲痛な叫びが綴られていたからだ。刑務所の食事は、ホウレンソウが主で、時折出てくるサザ(ジンバブウェの伝統的な主食で、とうもろこしの一種を挽いた粉を練ったもの)のトウモロコシ粉は、鶏の飼料を思い起こさせたが、入所者は生き抜くために食べた。

ジャック氏は、入所者の親類をどうやって探し出すか分からなかった。そのため、ジャック氏は、ロットン・ロー治安判事裁判所で、収容者を知らないか、無料で入所者を支援してくれる弁護士がいないか聞き回った。また、刑務所に収監されている家族がいるジンバブウェの人びとに向け、ジャック氏は次のように語った。「犯罪を犯して刑務所行きになった親類に対して、家族はひどく怒りを感じることがあるが、考え直すべきだ。もし身内が刑務所にいるのなら、世話を続けて欲しい」

原題:Zimbabwe: Inmate Relives Seven-Year Chikurubi Horror
出典:NewZimbabwe.com
日付:2017/2/28
URL:http://allafrica.com/stories/201703010080.html

------------------------
編集後記
------------------------
先週は結核に関する大きな国際会議が東京であり、韓国でグローバルファンド支援の取り組みをしている市民社会の代表2名を日本に呼んでいろいろな団体を訪問しました。また、多剤耐性結核に関するセミナーも開催。多剤耐性結核の問題の深刻さを改めて確認しました。 (編集責任者 MI)

------------------------
★メールマガジンご案内
------------------------
★「グローバル・エイズ・アップデート」は、世界のHIV/AIDS問題の最新動向を網羅するメールマガジンです。

★HIV/AIDS問題は、現代世界における保健医療上の最大の課題の一つです。しかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。

★このメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝えるメディアが必要だという認識から生まれました。HIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語に要約し、隔週で発行しています。また、発行後すぐにブログにも更新。過去記事をカテゴリーごとに確認したい方はこちらからどうぞ。

http://blog.livedoor.jp/ajf/

★継続して購読を希望される方は、以下の講読申込票をメールマガジン発行元(特活)アフリカ日本協議会までご送信下さい。また、本メールマガジンを発行している「Melma!」の以下のサイトから登録することもできます。

http://www.melma.com/backnumber_123266/

---------------------------------------
<講読申込票>info@ajf.gr.jpまで
---------------------------------------
★氏名
★所属(あれば)
★メールアドレス
★ご在住の市町村
★コメント
---------------------------------------



規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2004-09-14  
最終発行日:  
発行周期:隔週  
Score!: 80 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。