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(GAU312号)グローバルファンドはヴェネズエラの危機を救えるか

発行日:3/12

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★「第312号」目次
●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・グローバルファンドはヴェネズエラの危機を救えるか
・(ケニア)「グローバルファンドの支援対象国」を卒業する国々の三大感染症案件はどうなる?
・抗レトロウイルス治療を受けている母親の母乳から乳児への感染のリスクはどの程度?
●アフリカの地域別記事
・ジンバブエ政府が2016年に1億個以上のコンドームを配布したと発表
・ウガンダで500人の少女が毎週HIVに感染している
「その事実にウガンダの誰が注意を払っているだろうか」
・(南アフリカ) 薬物使用者を犯罪者のように扱わないで

------------------------------------ Vol. 13 No.12 ---

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
◆連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル3F
・電 話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
・電子メール:info@ajf.gr.jp
◆バックナンバー:下記ブログをご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/ajf/
◆Melma!を通しての購読申し込みは
http://www.melma.com/backnumber_123266/
◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は、事前に発行者にご連絡をお願いします。

<対策・課題別・地域別(アフリカ以外)記事>
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グローバルファンドはヴェネズエラの危機を救えるか
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【2017年2月14日】世界エイズ・結核・マラリア対策基金(略称:グローバルファンド) The Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malariaが、最終的にヴェネズエラのNGOである「ヴェネズエラHIV陽性者ネットワーク」 Red Venezolana de Gente Positiva(RVG+)からの援助要請を拒否した。正式な返答には7か月を要した。しかし、ヴェネズエラのHIV陽性者は、他の機関を通じて援助を受けられるかもしれない。

グローバルファンドによると、ヴェネズエラは上位中所得国で、一人当たり国民所得がグローバルファンドの受益国となる水準を越えているため、支援対象国となることができない。

2016年6月6日、RVG+の理事会は、グローバルファンドの理事会と事務局に対し、HIVと結核に対する緊急人道支援を求める文書を提出した。同団体によると、同国では経済危機により保健サービスが弱体化し、数千人もの人が抗レトロウイルス治療を受けられていない。

要求から7か月が経過した2017年1月18日、グローバルファンドのノルベルト・ハウザー理事会議長 Norbert Hauserと、マーク・ダイブル事務局長 Mark Dybulは現在の政策枠組みでは、資金供給することはできないと返答した。

この回答に対して、1月31日、RVG+やヴェネズエラの市民社会は、公的文書を発表し、容認できないと主張した。グローバルファンドが過去に、ロシアの市民社会の行う薬物使用者へのプロジェクトに特別援助を施した事例を引用し、ハウザー氏とダイブル氏はリーダーシップに欠けると主張し辞任を求めた。

★他の組織からの反響

世界HIV陽性者ネットワーク The Global Network of People living with HIV(GNP+)や国際エイズ・サービス組織評議会 The International Council of AIDS service Organization(ICASO)、エイズ・ヘルスケア財団 AIDS Healthcare Foundation (AHF) などがグローバルファンドに懸念を示した。市民社会と同様にパートナー機関からも請願書への署名が募られた。

★グローバルファンドからの2通目の文書

2月2日、グローバルファンドは、「ヴェネズエラ政府からの援助要請がないため、グローバルファンドは資金供給できないが、汎米保健機構 Pan American Health Organization(PAHO)や国連合同エイズ計画 Joint United Nations Program on AIDS(UNAIDS)の裏方として援助を行う」と述べた。

★さらなる反響

2月10日、エイズ・ヘルスケア財団はグローバルファンド理事会への公開書簡でダイブル氏の辞任を求めた。世界銀行によると、1998年から現在までの間でヴェネズエラは2014年にたった一度しか高所得国に分類されていない。過去にロシアに対する緊急援助を承認したこともあり、高所得国であるという理由で援助の受益資格がないというのは不当だと批判している。

★グローバルファンドに関する独立報道機関である「エイズパン」AIDSPANのコメント
グローバルファンドがなぜヴェネズエラへの資金供給を渋るのか理解に苦しむ。なぜヴェネズエラにロシアにしたことと同様にできないのか。PAHOとUNAIDSを通じて援助をすると決めたものの、なんの結果も示していない。ロシアの事例のように、政府を通じてではなく政府周辺で援助をする方が適切と思われる。現段階では課題が多い。
原題:
After initially rejecting a plea for assistance from Venezuelan NGOs out of hand, the Global Fund now says it may be able to help
出典:aidspan
日付:2017/02/14
UR:http://www.aidspan.org/gfo_article/after-initially-rejecting-plea-assistance-venezuelan-ngos-out-hand-global-fund-now-says

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(ケニア)「グローバルファンドの支援対象国」を卒業する国々の三大感染症対策はどうなるのか
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【2017年2月13日、ナイロビ発】グローバルファンドは、その支援を低所得で疾病負荷の重い国に重点的に拠出することを戦略的に定めており、中所得国は政府とグローバルファンドが共同で資金を出す「共同資金拠出」となるうえ、上位中所得国になると、一部の「対策のカギとなる集団」への対策の資金拠出を除いて、グローバルファンドの支援対象から「卒業」することとなる。こうした中所得国のことを「移行国」といい、グローバルファンドは、この「移行」プロセスを円滑に進めるための方針を定めている。

移行国におけるグローバルファンドの支援案件は現在、13か国、17案件あるが、これらの案件を申請している組織は、2017〜2019年の資金割り当て額を申請する際に、支援卒業対象案件に使用する「移行案件申請」 transition application を活用することになりそうだ。GFの支援要件には、支援除外となる現資金の支援を受けている国または案件は支援要件の変更があってから1配分期間まで資金提供を受けることができる、と明記されている。この追加の配分期間は「移行資金transition funding」として知られている。

他の申請者はGFが要請すれば「移行案件申請」を活用できるが、移行のためのアプローチしかできない申請者もいる。現在、12案件(HIV:アルバニア、アルジェリア、キューバ、結核:アルバニア、ベリーズ、ドミニカ共和国、パナマ、パラグアイ、スリナム、トルクメニスタン、マラリア:ボツワナ、スリランカ)が移行資金の提供を受けており、移行案件申請を活用している。1つ以上の案件で移行資金を受けている国は資金配分通知文にてその旨の告知を受けている。

また、上記12案件には含まれていないが、イラクの結核案件も移行資金の提供を受けている。GF事務局は、グローバルファンドに関する独立報道機関であるエイズパン AIDSPAN に対し、「イラクは、グローバルファンドが有する、『困難な案件実施環境』 challenging operating environment(COE) を対象とする特別な資金拠出政策に基づき、例外的に移行資金の継続が認められている」と述べた。イラクは移行申請ではなくCOE資金の利用を申請するだろう。

移行申請を利用する予定の他の案件にはベリーズ、マレーシア、パナマ、スリナムのHIV案件及びルーマニアの結核案件が含まれている。

一方、ブルガリアの結核案件とパラグアイのマラリア案件については、2017年の支援対象リストに含まれているが、移行申請はしないようだ。ブルガリアはすでに結核分野についてGFから資金提供を受けず、国内資金への移行が成功するようプログラム実施期間中に必要な手段を講じる旨を示している。パラグアイについては、マラリア流行が限りなく低くなり、過去数年間は国内での発生例は記録していないため、現在は今の支援が終了する2018年末までにWHOよりマラリア排除国の認定を受けるための支援となっている。

移行案件申請を提出する国は移行活動計画の作成を求められている。活動計画は、資金要請書の提出までに作成する必要があり、作成前に移行準備評価 transition readiness assessment (TRA)の実施が望まれている。

資金支援要件には、移行資金は移行活動計画を含んだ活動への資金を提供するためだけに使われる。すなわち、最終移行資金の申請時にはほとんどのサービス提供活動及び保健関連製品の調達は国内の資金で賄わなければいけないとされている。

2016年10月、GFは2025年までに生じるとされる移行リストを公表した。

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原題:At Least 17 Components Will Be Using the Transition Application during 2017-2019 Allocation Period
出典:AIDSPAN
日付:2017/2/13
URL:http://www.aidspan.org/node/4092
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抗レトロウイルス治療を受けている母親の母乳から乳児への感染のリスクはどの程度?
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【2017年2月22日】母親が抗レトロウイルス治療を受けている乳児の母乳哺育と母子感染の関係について、世界保健機関 WHO のHIVと抗レトロウイルス治療に関わる乳児哺育ガイドラインを検証する観点から、これまでの実験的・監察的研究をレビューする形で調査を行った。

主に2005-2015年に英語で作成された研究論文などから、1439の引用と72の研究抄録について検討し、11の研究を特定して調査した。ARTを受けている母親と6ヶ月の乳児全体の感染率は、3.54%で、12ヶ月の乳児の感染率は4.23%である。

出生後の感染率は6ヶ月時で1.08、12ヶ月時で2.93。抗レトロウイルス治療は、おおよそ母子感染予防プログラムに限って提供され、出産後6ヶ月以上は提供されていない。母乳と人工乳の今号で提供した場合の感染リスクに関するデータを示した研究は存在しなかった。

本研究により、母親の抗レトロウイルス治療のもとで出生後のHIV感染リスクが大きく低下したという論拠が示された。しかし、母子感染予防のための抗レトロウイルス薬の提供が6カ月で終わると、感染リスクは増加するので、現在世界保健機関が勧めている、すべての人に生涯にわたってARTを提供するという方針を支持する結論となった。

キーワード
抗レトロウイルス治療、HIV、母子感染の防止、母乳、体系的批評、メタ分析

原題:Postnatal HIV transmission in breastfed infants of HIV-infected women on ART: a systematic review and meta-analysis
出典:Journal of the International AIDS Society
日付:2017/2/22
URL:http://www.jiasociety.org/index.php/jias/article/view/21251

<地域別記事(アフリカ)>
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ジンバブウェ政府、2016年に1億個以上のコンドームを配布したと発表
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【2017年2月13日 ハラレ(ジンバブウェ)発】南部アフリカの内陸国ジンバブウェの保健省によると、2016年に配布されたコンドームは1億以上で、2014年の同時期の8000万から増加したという。保健省からの情報では、昨年は1億950万個のコンドームが使われた。保健省によると、コンドームが配付された男性は、延べ人数として1億500万人、女性は450万であったが、女性のコンドーム配布率は低いままである。国連のデータでは、ジンバブウェは、37カ国中10番目にコンドーム使用率が高い。上から、スワジランド、ナイジェリア、ウクライナ、ベリーズ、モーリシャス、ガボン、レソト、ハイチ、ジンバブウェの順である。

保健省によると、安全な性行為のためにコンドームを使用することで、ジンバブウェにおけるHIVの新規感染率は低下してきたという。国家エイズ評議会 National AIDS Council によると、2009年から2015年の間で、成人のHIV感染率は半減し、2010年から2015年の間で児童の感染率は30%低下した。HIV・エイズ関連の死亡率も、2015年までに成人と児童の両方で30%減少した。

ジンバブウェでは、1300万人の国民のうち、約150万人がHIVに感染している。バレンタインデーには、「おしゃれに」をテーマにした「国際コンドームデー」を祝った。宣言で保健省は、世界保健機関や国連合同エイズ計画 UNAIDS が最も効果の高いHIV予防策と認めるコンドームを確実に促進させると述べた。「男性あるいは女性がコンドームを使うことで、無計画な妊娠を防ぎ、家族計画にも利点となる」

ジンバブウェ・ヘルスケア基金 The Health Care Foundation Zimbabwe は、コンドームは今でもHIV予防の最も効果がある鍵となる要素の一つとしている。「今こそ、コンドーム用の資金拠出を減らすのではなく、増やす時である」と述べた。ジンバブウェでは、政府やNGOが無料でコンドームを配布している。

原題:Zimbabwe: Over 100 Million Condoms Distributed in 2016, Says Government
出典:New Zimbabwe
日付:2017/2/13
URL:http://allafrica.com/stories/201702140379.html 

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ウガンダで500人の少女が毎週HIVに感染している
「その事実にウガンダの誰が注意を払っているだろうか」
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【2017年2月9日】ウガンダ・エイズ委員会Uganda Aids Commissionが数日前に発表した報告が本当であれば、来年の今頃までに2万6,000人の少女がHIVに感染している可能性は極めて高い。もしこの傾向が続くのであれば、2029年までに、自分の娘や孫娘がHIV陽性者である可能性も高い。一方で、自分の息子や孫息子、夫もまた無関係ではない。

まず、この数値の重大性を理解する必要がある。ウガンダの議員数はおよそ400人である。もし500人の少女が毎週HIVに感染しているとすると、毎週HIV陽性者で議会が満席になり、100人分の議席が足りなくなる。1年間で考えると、いかに多くの少女がHIVに感染しているかがわかる。この数値には少年や青年が含まれないことを留意しなければならない。

ここで3つの根本的な疑問が出てくる。それは、(1)かつてHIVとの闘いにおいてロールモデルの国であったウガンダが、いまや敗北したことを意味するのか、(2)過去の栄光を「取り消す」のか、(3)若者へのHIV/AIDSの意識に関するメッセージやキャンペーンを伝えるうえで使う戦略を再考する必要はないのか、という疑問である。いずれもそのとおりだと思う。さまざまな関係者(市民社会団体、両親、学校、宗教、文化団体、ピア)によって構築された取り組みは、政府による明確なガイドラインの支援を受けて再強化される必要がある。

たとえば、ウガンダのNGO、リーチ・ア・ハンド・ウガンダReach A Hand Ugandaが昨年10月に、誰が若者への性教育を行うかを知る目的で、「第3回世代間対話」を開催したとき、多くの若者は、両親が性についての話を嫌がることに懸念を示していた。それは特定の地域社会でタブーとされているか、リプロダクティブ・ヘルス・ライツの課題を解決するうえで助けになる適切な情報がないためであり、結果的に学校生活の中では、教師に性教育の責任を委ねることになる。他方で、教師は教育カリキュラムに学問的な内容を取り入れることを最優先にしており、その他の教育に関しては後回しになっている。また性教育がなされたとしても、HIV・AIDS予防に重要な点は強調されていない。

結果として、悪循環が生じ、10代での妊娠や未成年者の結婚の増加、高い退学率、リスクの高い中絶やHIV陽性者の出産の増加につながっている。ウガンダの若者は、活動的であり、リスクを冒しやすく、なおかつ情報が不足しているために、多様なリプロダクティブ・ヘルスの問題にさらされやすい。

2017年〜2018年度の予算は、今よりさらに引き上げる必要がある。そして、コンドームなどのリプロダクティブ・ヘルス・サービスや商品を含む、医療サービスをさらに利用できるようにすることが、若者におけるHIV対策にとって重要である。

原題: Uganda: 500 Girls are Infected with HIV Every Week, is Anyone in Uganda Paying Attention?
出典: The Monitor
日付:2017/2/9
URL: http://allafrica.com/stories/201702100013.html

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(南アフリカ) 薬物使用者を犯罪者のように扱わないで
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【2017年2月8日ケープタウン(南アフリカ共和国)発】南アフリカ共和国でHIVや結核に取り組んでいるNGO「結核・HIVケア協会」は、「『麻薬戦争』より『健康被害軽減』 Harm Reduction 政策をとるべきだ」と訴える。

同団体は、は、薬物使用者向けの月1回の教育ミーティングを開催しているNGOである。いくつかの都市で展開しており、安全な投与方法とオーバードーズを避ける方法を教育している。先日、南ア東部の港町ダーバンで起きた薬物使用者の死が、ドラッグによる健康被害と危険性を軽減させるハーム・リダクション・サービス(健康被害軽減サービス)の必要性を指摘している。

ヘルスワーカーの逮捕

しかしながら、コミュニティおよび警察権力のネガティブな態度と、“薬物に対するメンタリティーの争い”が問題を引き起こしている。1月にはツワネ(南アの行政首都プレトリアを含む行政区)で3人のヘルスワーカーが、薬物使用者に滅菌水を渡したとして逮捕された。

同団体が活動している3つの都市で、ハームリダクションへの反対を受けたことが記録されている。例えば、ダーバンで最もよく起こる問題の一つは、未使用であっても警察が針を没収し薬物使用者が逮捕されるというものである。多くの薬物使用者は、逮捕されるかもしれないので針は持ち歩かないと話している。

新品の未使用の針ときれいな“調理台”(ヘロインと水を混ぜ暖めるもの)を持っていたため逮捕され、裁判を待つために10日間ウエストビル刑務所に入っていなければならなかった薬物使用者もいた。また別の者は、マリファナの所持を認めさせるため針を没収し分析に回すと脅され、結果が出るまで刑務所に居なくてはならなかったと主張している。

ハームリダクションの支持者によると、そのような対応は薬物使用者に麻薬使用用の注射針を共有させることを強制しているとしている。そうなれば、感染症のリスクは上昇する。

1つのケースを紹介する。ココ(Coco)とベリンダ(Belinda)は薬物使用者であり、二人ともすでに亡くなっている。二人ともHIV陽性で、ココは結核でもあった。彼らの友人は、ベリンダはひどい頭痛に悩まされていて、死の直前片目が失明したと話している。彼女は腕や足の血管のほとんどが薬物のためダメージを受けていて、首の血管から薬物を摂取したため、亡くなる直前に首に腫瘍ができたのではないかと友人らは証言している。

また、トニー・アントニオ氏(Tony Antoniou)は、針の共有で肝炎にかかり、その治療を結核・HIVケア協会のヘルスワーカーの助けにより最近開始した。彼は結核・HIVケア協会のヘルスワーカーに感謝している。

“針を提供する人々は偉大だ”

TB/HIVケア協会は近年薬物使用者のB型、C型肝炎検査を開始し、現在までにダーバンで少なくとも70の陽性者を同定した。アントニオ氏は、「結核・HIVケア協会は偉大である。誰も私たち薬物使用者をののしらなかった。一旦薬物使用者やホームレスになると、『人間のくず』という分類に入ってしまう”と述べている。

薬物使用者はHIV対策においてキーとなる集団であると考えられている。結核・HIVケア協会は「ステップアッププロジェクト」として、きれいな針を提供し、薬物使用者を教育し、感染症陽性となった場合の治療の手助けを行い、権利について教育している。

薬物使用者逮捕の一時停止

結核・HIVケア協会は新品または使用済み針の所持による薬物使用者逮捕の一時停止を求めている、と、同団体の全国政策アドボカシー・人権マネージャーのショーン シェリー(Shaun Shelly)マネージャーは述べている。

シェリー氏は、UNAIDSの研究では、“注射器交換プログラム”は安全でない器具の共有とHIV感染を減少させたほか、費用効率が良く、薬物の使用割合を上昇させていないことを示しており、警察内部でも注射器の所有という定義が明らかでないと述べている。

2015年11月16日から2016年2月15日までに、警察に没収された未使用針が78例、押収されたハームリダクションパック36例、10例が未使用針の所持により逮捕、12例が使用済み針の所持で逮捕と報告されている。

差別の壁

差別は、適切なヘルスサービスと教育を提供するのに障害となっている。ミーティング出席のため薬物使用者が集合することに対する住民の抗議によって、結核・HIVケア協会はオフィスをスタンフォードヒルからウムビロに引っ越さざるを得なかった。

しかし、昨年のイベント「処罰でなく支援を」 Support Don’t Punish では、ダーバン警察署が、警察として薬物使用者が支援を必要としており、不当に扱われるべきでないということを理解している、と述べた。彼は率直に現在の方針の問題点。

著名なコミュニティ活動家で、「私たちのベレアを救え」(Save Our Berea: Bereaは南ア・ハウテン州の町)の設立者でもあるシェリー ジョンソン氏(Cheryl Johnson)は、ハームリダクションを支援している。

「正当な、あるいは不法な薬物の使用は我々の世界の一部であることを認識する必要がある。持続した教育のためにも、警察権力に対して、思いやりを持つことを啓発するべきであり、薬物使用者はプログラムや政策の策定に本当の声を届けなくてはならない。それらを築き上げるには時間がかかる」と彼女は述べている。

原題:Don’t Treat Drug Users as Criminals, Say Health Workers
出典 : GroundUp
日付:2017年2月8日
URL: http://www.groundup.org.za/article/free-needles-drug-users-helps-society/


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編集後記
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自宅近くのベーグル屋で編集作業を行っていると、日も暮れてきました。グローバルファンドの記事はなかなか難しいものもあるかと思いますが、ぜひお読みください。国際機関の運営や考え方の一端がわかると思います。

(編集責任者 MI)

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