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地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。

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(GAU311号)90-90-90目標を越えて:予防と検査への努力が大事

2017/02/26

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★「第311号」目次
●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・「90-90-90目標」を越えて:予防への焦点化が大事
・三大感染症対策の資金管理のリスクが高い国での資金活用マネジメントは改善必要
=グローバルファンドの総合監察官が見解=
・グローバルファンドの資金によるプログラムでエイズ治療を受けている人口、
  一千万人を超える
●アフリカの地域別記事
・マラウイの伝統的首長たちが「食べ物と引き換えのセックス」報告書に怒りを示す
・ナイジェリア、2030年までにHIVをなくすために十分な援助が必要である
・南アフリカ共和国、新たなHIV感染を抑制する国家開発計画
------------------------------------ Vol. 13 No.11 ---

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
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・電 話:03-3834-6902
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<対策・課題別・地域別(アフリカ以外)記事>

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「90-90-90目標」を越えて:予防への焦点化が大事
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【2016年12月19日】 ここ20年以上の間に、以前よりずっと多くの人びとが抗レトロウイルス薬治療を受けられるようになったお陰で、HIV感染症はコントロール可能な慢性疾患になった。HIVに感染しても今ではシンプルで安全で安価な治療を受けながら長期に渡り健康に生きられる。国連合同エイズ計画 UNAIDS の推定では、2015年には世界のHIV陽性者の46%が抗レトロウイルス薬治療を受けられるようになった結果、2010年以来年間のエイズ関連死者数は26%減少したという。

この朗報は私たちを、世界のHIV対策の中心に治療へのアクセスを位置づけるよう後押しする。今後さらに多くのHIV陽性者が治療を受けられるようになってゆけば、今以上にエイズ関連死も減るに違いない。しかし治療の広がりばかりに注目し過ぎて、年間のおおよその新規感染者数が期待ほどには減っていないことを忘れてはならない。驚くほど多くの人びとが治療を受けられるようになった一方で、HIVへの新規感染は期待ほど減っていない。

 当然だが、抗レトロウイルス薬療法にアクセス出来るのは、既にHIV陽性だと診断された人びとに限られる。新規感染事例の何%が、自分の感染を把握していない、感染直後の急性期もしくは感染初期の人から生じたかはわかっていないが、系統発生的研究によると、新規感染事例のうち相当数が、感染を把握していない人々から生じたことを強く推測させる。それゆえ、診断を受けていない陽性者の40%にできるだけ早くアプローチし、検査を受けてもらうことが非常に大事なのである。

この取り組みのターゲットは、HIV感染リスクが極めて高いにも拘らず、HIV予防、検査、治療にアクセスする者の割合が低い、男性、若者、HIV対策の鍵となる人口集団(男性とセックスする男性、セックス・ワーカー、薬物使用者など)である。と言うのもこれらの感染リスクの高い人々のHIVへの新規感染を予防し、将来の治療コストの発生を防ぐことが必要だからだ。

 UNAIDSが掲げる「90-90-90目標」とは、2020年までに、HIV陽性者の90%を診断し、その90%を治療につなげ、その90%のウイルス量を検出可能値以下に抑制する、というものだ。このうち、大抵は2020年までにHIV陽性者の90%が抗レトロウイルス薬治療を受けられるようになること、つまり2つ目の「90」目標に重点が置かれる。しかしHIVへの新規感染を劇的に減らし長年続いて来たHIV禍の拡大を止めるためには、治療だけでなく、国連が定めるHIV予防目標の達成と、そのための十分な資金集めも重要なのである。

原題: Beyond the 90-90-90: Refocusing HIV Prevention as Part of the Global HIV Response.
出典: The Journal of the International AIDS Society         
日付: 2016/12/19
URL: http://www.jiasociety.org/index.php/jias/article/view/21348

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三大感染症対策の資金管理のリスクが高い国での資金活用マネジメントは改善必要
=グローバルファンドの総合監察官が見解=
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【2013年1月31日ジュネーブ(スイス)発】2017年1月23日、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)の資金管理や案件実施の不正などを捜査する独立した監察機関である「総合監察官室」 Office of Inspector General: OIG は、2016年に行った監査の結果を公表した。それによると、グローバルファンドの三大感染症対策の資金管理に問題を生じやすい「高リスク国」におけるグローバルファンド拠出資金の活用は、概して不適当なものがあり、改善が必要であることが分かった。

・背景
グローバルファンドは、外部リスク指標(External Risk Index: ERI)として知られている分類をもとに、グローバルファンドが三大感染症対策資金の拠出の対象としている国のうちの47カ国を、資金管理上の「リスクの高い国」、もしくは「リスクが非常に高い国」として分類している。 

ERIは、三大感染症のプロジェクト実施に関する外部リスクを高める政治、経済、統治、事業に関する要因を測定する10の指標からなるものである。2016年4月、グローバルファンドは、47カ国中、24カ国を「厳しい運営状況(COE)」であると特定した。グローバルファンドは、2012年に、各国への資金拠出の仕方について、これまでのプロポーザルベースの「案件募集」モデルに変えて、「新規資金拠出モデル」 New Funding Model を採用した後、上記の47か国について、合計57億ドルの資金を提供することを承認し、2016年以降、26億ドルを出資している。外部リスクを高める要因は国によって異なるうえ、政府の資金運営能力に限界があるため、資金は国連機関やNGOによって管理されている。

また、グローバルファンドは、高リスク環境における資金管理のために、補助的セーフガード対策(ASP)を利用している。ASPは一時的措置で、資金調達を確保するために追加対応が必要とグローバルファンドが判断した場合に適用される。通常、事務局はASPにおいて、対象国がグローバルファンドの資金を受けるときに設置する「国別調整メカニズム」 Country Coordination Mechanisms: CCM と協議して、どのような組織が対策資金を活用してプロジェクトを実施する責任団体となるかを選定し、対策資金の使途に対して厳しい管理体制を設けている。

管理体制には、「ゼロキャッシュ」対策が含まれ、二次的受領者は、事前に拠出金を受けることはなく、代わりに、(a)保障が必要であるという適切な請求書やその他関係書類の提出をもとに支払われるか、もしくは (b)主要資金管理団体 Principal Recipient からプロジェクト実施団体に直接支払われる。

また、グローバルファンドは、財務代理機関や調達機関を資金運営のために活用することもある。財務代理機関は、グローバルファンドによって、非常に高い、もしくは高い資金管理リスクのある23カ国に設置されている。グローバルファンドは、財務代理機関に、助成金の歳出を事前検討、承認プロセスによって歳出の監視と適切性の確証に関する業務を付与することがある。また、調達機関は、資金調達活動を運営するよう業務を付与される。

・監査結果

OIGの監査は、高リスク国における資金運営について、(1)既存の措置が適切で成果を出しているか、(2)既存の措置が効果的に施行されているか、の2点に着目した。結果、これらの国々におけるグローバルファンドの資金運営には上記2領域において欠陥があったが、一方で、OIGは、厳しい環境下において成果を出したことを評価もしている。OIG は、「グローバルファンドの助成したプログラムは、対策を良い方向へと導く一助となった」とウェブ上で公開された監査概要にて報告している。高リスク13カ国では、2000年から2015年にかけて、HIV発生率が少なくとも50%減少した。同様に、高リスク7カ国における結核の発症率が、同期間に少なくとも50%減少した。さらに、マラリアが死因の死亡率は、高リスク14カ国において、同時期に少なくとも50%減少した」

・既存の対応方法

OIGは、監査結果より、高リスク環境における資金運営の既存プロセスや措置方法の有効性は、「大幅な改善が必要」と結論づけた。OIGによると、高リスク国における既存の措置法やイニシアチブはポジティブな影響を与えている一方、事務局が主体となって新たな脅威を特定・査定する能力は限られている。リスクの特定と分類に関しては、早急なリスク対応のための早期警告メカニズムが整っておらず、対応に遅れが生じることとなる。広報活動の中には、新たなリスクに関する情報を集めて査定する指標がいくつかあるが、事務局がいかにその情報を決議に利用するのかは不明のままである。

それに加え、各国で編成されたチームは、高リスク国での資金運営に柔軟性はあるが、リスク選好の定義が欠如していることや、支援金受給に必要な最低限の検証は、これらの環境で査定されたリスクへの対応力に影響する。例えば、紛争被災地に対策網を張るために、関係書類がどの程度必要か決めるプロセスにより、事業の開始が遅れてしまうことがしばしばある。

監査はまた、緊急事態に対する備えが不十分であり、その結果、国ごとに編成されたチームは、緊急事態時、1から対策を練ることがよくある。監査が行われた時点で、厳しい運営状況であると認定されている47カ国中、たった3カ国しか、非常事態における対応プランを開発していなかった。OIGの見解では、資金運営の包括的な枠組みが欠如していることが、非常事態にうまく機能しない一因であるとし、現在事務局は、各国チームの資金マネジメント方針について、運営対策を作成中である。

・実施とモニタリング

さらに、OIGは、補助的措置やツールの既存の実施方法とモニタリングについても、「大幅な改善が必要」であると結論づけた。監査報告によると、高リスク環境の対策に充てられた資金を活用するための方法は、対応すべきリスクに対し、常に対応していなかった。例えば、財務代理機関による保証サービスの質に差がある。外部監査報告によると、財務代理機関が少なくとも12ヶ月は配置されていたはずなのに、不適格かつ実証のない事務処理によって、高リスク国7カ国に対して14の対策資金が供給されていた。なお、グローバルファンドによる国の議決権行使の原則を尊重するために、補助的セーフガードは短期型であるべきとされる。しかし、短期型措置の停止に向けた明確な戦略は一貫して導入されておらず、2004年以降ASPから移行した国は2カ国しかない。

さらに、OIGは、グローバルファンドのモニタリングが最適とは言えない状態であると述べた。高リスク19カ国中、11カ国は、資金の有効性が再検討されないまま、最低5年間は補助的セーフガード対策(ASP)が施行されている。また、運営対策の規定とは裏腹に、事務局は監査及び財務委員会に一度も状況報告をしていなかった。財務代理機関の評価は毎年行う必要がある一方、各国チームによる再検討は一貫的に行われていないのが現状である。OIGの分析によると、5カ国における2014年と2015年の歳出のうち、少なく見積もっても57%(4200万ドル)が人件費、間接費(光熱費、借用費など)や企画に充てられていた。間接的費用はプログラム活動に充てる財政能力に影響する。

以上、今回の監査結果からグローバルファンドは高リスク国において有益な影響を及ぼしている点については評価できるものの、資金運営には課題がいくつかあり、改善の余地があることが示された。

原題:Significant improvement required in grant management in high-risk countries: OIG 
出典:aidspan
日付:2017/01/31
URL:http://www.aidspan.org/node/4076

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グローバルファンドの資金によるプログラムでエイズ治療を受けている人口、一千万人を超える
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【2017年1月31日】グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)は2017年1月17日、2016年上半期の実績を発表した。発表資料によると、グローバルファンドの資金によるプログラムで、新たに78万7,000人が抗レトロウイルス治療を受けた。これまでに治療を受けたHIV陽性者は1,000万人を超えたが、これは2015年末から9%増加し、前年と比べ17%増加したことになる。

ケニア、タンザニア、モザンビークの3か国だけでこの6ヶ月間の増加分の70%を占める。ケニアでは、すべての抗レトロウイルス治療プログラムがグローバルファンドの資金で行われている。また、結核菌塗抹検査で陽性と確認され治療を受けている人数が140万人増え、累計で1,560万人となった。これは、2015年末から9%増加し前年比で15%増加したことになる。アジアのインドとバングラデシュの2か国が6ヶ月間の増加分の56%を占めた。

さらに、2016年上半期で、およそ5,400万張の殺虫剤処理蚊帳が提供され、累計で7億1,300万張になった。2015年末から8%増加し前年比で19%増加した。

最も多く蚊帳が配布されたのはコンゴ民主共和国、ナイジェリアそしてセネガルだった。この3ヶ国で2015年6月からの増加分の75%を占めた。

原題:Number of People Receiving ART Through Programs Supported by The Global Fund Reaches 10 Million
出典:aidspan
日付:2017/1/31
URL:http://www.aidspan.org/node/4079

<地域別記事(アフリカ)>
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(マラウイ)「ンサンジェ県の伝統的指導者ら、「食事と引き換えのセックス」を告発する報告書に怒り
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【2017年2月2日 ンサンジェ(マラウイ)発】(オーウェン・カムラ Owen Khamula筆)南部アフリカの内陸国・マラウイの最南端、モザンビークに挟まれたンサンジェ県の伝統的指導者 Chief たちは、「ンサンジェ県内の伝統的指導者たちが、洪水の被害にあった女性たちを政府の救援物資と引き替えに売春させている」という調査報告に対して、怒りを示している。

女性の権利のために活動しているNGO「市民エンパワメントのためのリンク」(Link for Citizen Empowerment : The Link)、は、同県や周辺で女性の権利のために活動している団体であるが、この団体によると、ンサンジェ県の飢餓や貧困にある少女や女性たちは、そのような状況につけいる伝統的な指導者らによって、人道支援の見返りとして、性行為を強要されているという。

同県の伝統的指導者、マレミア氏 Chief Malemiaは、同国の「ネーション」紙の週末版Weekend Nation newspaperに掲載されたこの記事について、「ばかばかしく、県内の伝統的指導者のイメージに傷をつけている」と述べた。「ンサンジェ県にはそんなばかなことをする伝統的指導者はいない。間違っており、ありえない」と言う。

調査を実施した団体でもある「リンク」の事務局長ジェフター・ムワンザ氏Mr. Jephter Mwanzaは、これは調査の結果から得られたものであり、調査の結果は価値があると述べた。

既婚の女性でさえもこの「食べていくためのセックス」という枠組みにくみこまれている。そのうちの一人、ンゴナ村Mgona Village 出身であるクリスティアナ・ロボさんMs.Christiana Loboは、2倍の配給を受けるために援助関係者と関係を結んでいたという。

ンサンジェ県のチクワワ地域 Chikwawa のマクウィラ伝統統治区 Traditional Authority (T/A)およびマクウィラ伝統統治区 Makhuwira T/Aの、ある地区開発委員会の委員長は、チゼンガ村Chizenga Village 出身で、教室で既婚女性とセックスをしているところを目撃されている。

ンサンジェ県知事であるギフト・ラポゾ氏Mr. Gift Rapozo は、県内で起きている、このような救援物資との引き替えとしての女性や少女たちへの「暴力」に彼自身が気づいているものの、それが「暴力」であるとは意識できない女性や少女もいると述べた。

しかしラポゾ氏は、伝統的指導者たちが犠牲者たちに語らせまいとして脅迫するような作戦をとっているため、犠牲者の多くは声にだせないという。ウィーケンドネーション紙のラポゾ氏の記事には、「伝統的指導者のなかには、村内でそういった悪行を密告するものには相応の対処をすると脅迫する者もおり、そのせいで女性たちは本当のことが言えないでいる」とある。

一方、ジェンダー・児童福祉省のジェンダー部門の事務局長であるメアリー・シャワ医師Dr.Mary Shawa はこの悪行を非難している。シャワ医師は、「こういったことは悲しい事態であるが、私たちはこのような悪行に反対する、という意識づけをしていくべきである」と述べている。

偶然にも、ンサンジェ県はHIV陽性者であるマラウイ人の男が、未亡人になったばかりの女性とコンドームなしでセックスをしていたことで24時間投獄されていたところでもあった。

「未亡人浄化」とも言われるこの行為は、夫の死後、妻はセックスをしなければならないというものだが、数年前に禁止されている。マラウイで「ハイエナ」として知られる悪名高い人物エリック・アニヴァEric Anivaは自身がHIV陽性であることを隠したまま100人以上の女性や少女と性行為をしていた。

原題:Malawi: Nsanje Chiefs Angry With 'Sex for Food' Report in Malawi Press
出典:All Africa/Nyasa Times
日付:2017/2/2
URL: http://allafrica.com/stories/201702020410.html

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ナイジェリア、2030年までにHIVをなくすために十分な援助が必要である
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【2017年2月1日アブジャ(ナイジェリア)発】西アフリカの人口大国ナイジェリアにおいて、2030年までにHIV/AIDSをなくすための目標を達成する唯一の方法は、十分な資金援助だとナイジェリア全国エイズ管理局 National Agency for the Control of AIDS (NACA)のサニ・アリユ長官 Sani Aliyuは言う。

 アリユ長官はアブジャで行われた、「ナイジェリアのHIV/AIDSへの応答:我々の運命への責任をとる」をテーマに掲げた第3回全国エイズ会議でそう話し、国がHIV/AIDSをなくすための戦いに勝つには、今すぐ行動するべきだと強調した。

アリユ長官は、国が(自力で)HIV/AIDSのプログラムへ資金提供できないことを嘆く。支援国の資金提供、特に最大の資金貢献元である米国大統領エイズ救済緊急計画 PEPFARが、2012年の約4億9千万ドルから2016年の3億6千万ドルへと減少傾向にあるとし、ナイジェリア人が自らの運命に対し責任を取らなければならないと述べた。

「我々が『検査即治療』(検査で陽性と判明した全員へ即治療を提供すること)戦略を達成するためには、国連合同エイズ計画 UNAIDS が定めた、90-90-90目標を達成しなければならない。この目標は、HIV陽性者の90%が自分のステータスを把握し、その90%が抗レトロウイルス治療を受け、そして治療を受けている90%の人のウイルス量の検出限界値以下に抑制されている、という状況を目指すものである」

アリユ長官は、政府に選択肢はなく、提供してもらった資金によるプログラム実行の責任を取らなくてはいけない、と強調した。

「この疾病に対して予算を引っ張れる人たちは、その予算で対策を係属欲しい。HIVに対して予算を持っていない人たちは、今が予算を取りに行くべき時だ。私たちは支援国の資金提供が減少していることを知らなければならない」と彼は言う。

長官は、全国エイズ管理局の立場からエイズ問題に言及した一方、人々は感染から生き残るだけでなく、流行を打ち負かさなくてはいけないということを理解しなくてはならないと述べた。

アリユ長官の主張を支持するように、ナイジェリアの「全国HIV陽性者ネットワーク」 Network of People Living with HIV/AIDS in Nigeria (NEPWHAN)のヴィクター・オモセイェ会長 Victor Omoseyeは、他の国々のように国家支援基金を設立するよう政府を促している。

「国家エイズ信託基金を設立することは、国内の資金を確保するうえで一つの前進になるだろう」とオモセイェ氏は述べる。例えば、国家エイズ信託基金が機能している英国やウガンダ、ボツワナのような国々では、「あらゆる国があらゆる国に何を提供しようとも、信託基金に対する支援となる」とオモセイェ会長は断定する。 

一方、オモセイェ会長は、2007年と比較し、多くの人々が治療へのアクセスができるようになったというエイズ管理局の努力を賞賛した。

「差別は少なくなった。今日、私たちは国家を少しずつ前進させている。しかしまだまだ協力していく必要がある。私たちが運命を自分の手中に収めるには、国家的対応を維持していくことだ」と彼は語った。

●原題: Nigeria: Adequate Funding Needed to Eliminate HIV/Aids by 2030 - Naca DG
●出典: All Africa (The Premium Times)
●日付:1 FEBRUARY 2017
●URL: http://allafrica.com/stories/201702010636.html

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南アフリカ共和国、新たなHIV感染を抑制する国家開発計画
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【2017年2月6日】現在、南アフリカ共和国では約700万人がHIV・エイズを抱えて生活し、その50%が抗レトロウイルス治療にアクセスしている。南アの中心部ハウテン州にある行政首都のプレトリア Pretoriaでは、2030年までに新たな感染者をゼロにという目標を掲げる。目標は国家開発計画 National Development Plan(NDP) に定められ、関係者や市民と協力し2030年までに達成を目指している。近年、国では「検査と治療 test and treat」協定を採用し、陽性の判断を受けた人は、抗レトロウイルス治療を開始できる。2030年までに平均寿命70才以上を目指すため、協定は重要なステップである。

国の開発分野における設計を担当するNDPは、HIV陰性者への啓発を推奨している。シリル・ラマポーザ副大統領 Cyril Ramaphosa は、南アフリカ共和国全国エイズ協議会 South African National Aids Council(SANAC) の議長を務めた昨年、セックス・ワークに対し政府が被曝全感染予防薬 Pre-Exposure pill を提供するという条項を発表した。脆弱層のグループ(セックス・ワーカー、ゲイ、トランスジェンダー)の個人は、HIV感染のリスクを減らすため、1日1回摂取ができ、薬局で入手可能である。

しかし、NDPが述べるところによると、新たなHIV感染がなくなっても、相当数のHIV陽性者に治療が必要である。また、結核感染率の課題が残り、薬剤耐性HIVのリスクは拡散している。成果は出ているが、感染と感染が政策へ与える影響は、少なくとも2世代、3世代にわたり続く可能性が高い。2015年には、国在住の26万6000人がHIVに感染したという推定がある。また、毎週、思春期の少女と15才から24才までの若い女性、約2000人がHIVに感染している。

新たな感染を抑制するにあたり、保健部門はエイズにより命を落とす人数の減少に役割を果たした。2009年以降、国の母子感染予防プログラム prevention of mother to child(PMTC)infection program は、特に女性や子どもなど弱者コミュニティに関して、政府が力を入れるプログラムの1つである。新生児のHIV陽性率は、2008年の8.5%から2015年には2.4%に低下し、10万人以上の乳児がHIV感染を免れた。

また、国は2016年11月のHIVワクチン臨床試験をきっかけに1歩を踏み出した。HVTN 702として知られるHIVワクチンの臨床試験には、国から5000人超のHIV陰性の男女が参加した。国内でワクチンが最低50%有効であることを示せば、世界初の認可HIV予防ワクチンになる可能性、HIV予防の面で他国をリードする可能性がある。必要とされる試験が施され、ワクチンは非常に有効である可能性が高い。世界で最も高いHIV陽性率を持つため、本試験は南アフリカ共和国にとり励ましとなる。試験結果は、2021年末に公表予定である。

原題:National Development Plano to Curb New HIV Infections
出典:Sounth African Government News Agency
日付:2017/2/6
URL:http://allafrica.com/stories/201702070075.html

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編集後記
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オランダで開催された、グローバルファンドを支援する世界の市民社会の戦略会議から帰る途中で編集作業をしています。今いるのは、ポーランドのフレデリック・ショパン国際空港。東欧地域もエイズの問題は深刻です。(編集長MI)

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分野1高松さん
●監査報告の発信元がスイスのジュネーブになっていたので、この記事も同じでよかったでしょうか。

はい、問題ありません。グローバルファンドの事務局はジュネーブにありますので。

 分野2 長澤さん
 冒頭には発信日のみで、発信元がわかりませんでした

大丈夫です。発信元がわからない場合は書かなくて大丈夫です。


分野3紺野さん
大きな間違いはないと思うのですが、Discussionの前半の although it is unclear what proportion
of new infections occur during acute and early infection prior to
treatment initiation, phylogenetic studies suggest that it might be
substantial. Thus, better testing approaches to reach the 40% of
people with undiagnosed HIV infection as early as possible are
critical. は、 「新規感染のうち何%が治療開始前に急性ないし初期感染の間にあるのか分かっていないにも拘らず、系統発生学では急性ないし初期感染の状態にあることが重要視される。それゆえにHIV陽性だと診断される前の人びとの40%に可能な限り早期に治療を施すために、検証型の取り組みが決定的に重要だし必要なのだ」

これですが、以下のような論理構成です。

(1)新規感染が、検査を受ける前の、感染してすぐの急性期(=一応、風邪のように熱がでたりする)や感染初期の人から生じているかどうかはわからない。
(2)しかし、系統発生学的調査からすると、それは強く推認される。
(3)なので、検査でHIV陽性との診断を受けていない40%の人々にアプローチし、検査を早期に促すことが必要である。

で大丈夫か、第三者の目で確認お願いします。
それと文字数の関係で今回の要約には反映されていませんが、DiscussionとConclusionsで1度ずつ出てくる、population-levelはどういう意味ですか?自然な日本語にするなら、「劇的な」かなと解釈したのですが…。

地域1 菊池さん
・Chiefを「市長」としています。 ・T/Aの意味がわからなかったのでそのまま記載してしまっています。 

Chiefは、伝統的指導者です。アフリカの国の村落の場合、近代的行政区の仕組みを一方では作りつつも、伝統的指導者に権限を与え統治機能の一部を付与するという二重の統治方法が良く見受けられます。また、T/Aは Traditional Authorityで、そのような統治が行われている行政区と考えられます。

・Secretary for
Gender in the Ministry of Gender, Child Welfare
がわかりませんでした。初めのGenderをジェンダー部門、とし、Ministry of Gender, Child Welfare
を、ジェンダー・児童福祉省としています。 よろしくお願いします。

この訳でよいと思います。つまり、ジェンダー児童福祉省のジェンダー部門事務局長、でよいと思います。

地域2野口さん
3. PEPFERの資金援助額の横に補足のような%表示があったのですが、何に対する%かが不明だったため削除しています。 
5.よく見ると文に主語がなかった箇所や何を言いたいのかよく分からない文などがあり、出来るだけ意味を汲み取って訳したつもりです。(信託基金のところは汲み取れなかったため、一度ご確認ください。)また、唐突に出てきた内容、削除しても他に影響をあたえないような内容は削っています。
◆で示したTest & Treat戦略部分の記述に関して、90−90−90の内容が細かく記載されており、一応直訳しましたが90−90−90に置き換えて説明を補足でいれてもいいかなと思いました。
Budget lineはネットで調べて経済用語の「予算線」と訳しましたが、シンプルに「予算」でもいいかもしれません。

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