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グローバル・エイズ・アップデート

地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。

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(GAU310号)結核の「症例探索」を触媒的投資で支援するグローバル・ファンド

2017/02/12

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★「第310号」目次
●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・グローバル・ファンドの総合監察官事務所、「思い切って言おう!」
 腐敗監視・防止キャンペーンで成果
・グローバル・ファンドが支援する結核の「症例探索」の重要性
・トランプ政権は米国のエイズ援助をどう変えようとするのか?
●アフリカの地域別記事
・ナイジェリア、230万人の人がHIVの治療を受けないまま過ごしている
・リビア、国連機関が患者へのHIV治療のギャップを埋める
・(タンザニア)HIVの流行を防ぐためにはコミュニケーションが不可欠である
------------------------------------ Vol. 13 No.10 ---

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
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・電 話:03-3834-6902
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<対策・課題別・地域別(アフリカ以外)記事>
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・グローバル・ファンドの総合監察官事務所、「思い切って言おう!」
 腐敗監視・防止キャンペーンで成果
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【2017年1月15日】12月9日は、国連の「国際腐敗防止デー」 International Anti-Corruption dayに指定されている。途上国のエイズ・結核・マラリア対策に資金を供給するグローバル・ファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金) The Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malariaの総合監察官事務所 Office of the Inspector General(OIG)は、腐敗への意識を高めるため、「思い切って言おう! I speak out now!」キャンペーンを始動した。グローバル・ファンドの資金を悪用する腐敗問題に関して、総合監察官事務所では2015年の終わりまでに、腐敗に関する数百もの報告を受け取っており、2014年と比較して30%も増加している。これらの報告の1/3以上が、浪費した資金を取り戻すための提案や、グローバル・ファンドの影響力を高める活動につながった。

今回のキャンペーンでは、報告の質や即時性を高めることが目的であり、第一段階としては、現地スタッフや上層部が不正や汚職のサインに気づくことができるよう、eラーニングのプラットホーム(www.ispeakoutnow.org)を提供している。また、事務局に加え、予備調査の対象として選ばれたマラウイ共和国、コートジボワール共和国、ウクライナの3ヵ国がキャンペーンの主対象となった。

★マラウイ共和国での成功
資金濫用に関する報告の多いマラウイ共和国では、保健省や腐敗防止局 the Anti-Corruption Bureau、米国国際開発庁 United States Agency for International Development(USAID)とともに薬剤横流しの問題に取り組むこととした。わずか3か月の間に40もの報告があり、総合監察官事務所とマラウイ警察、腐敗防止局で構成される専門調査団は数多くの逮捕、罰金、起訴につながる根拠を見出すことができた。

★コートジボワール共和国で高まる薬剤窃盗・横流し問題への意識
結核の化学療法薬であるRHZE(リファンピシン、ヒドラジド、ピラジナミド、エタンブトールの4薬)が盗まれ、ストリートマーケットで様々な病気の万能薬として転売されている。「ストリートの薬はあなたを殺す! The medicine of the street kills!」というスローガンを用いたシラク財団 the Chirac Foundationの活動を基にキャンペーンが行われた。

★ウクライナにおける賄賂問題への取り組み
本来は無料のオピオイド代替療法 Opioid Substitution Therapy(OST)を受けるために、薬物使用者が賄賂を支払わなければいけない問題へ取り組んだ。地元のOSTホットラインと協力し、OSTセンターからの報告は増加したが、実際に賄賂を支払わなければない状況なのかどうか根拠は見いだせなかった。

★次のステップ
第二段階としては、事務局に対してより効果的な方法を用いるとともに、特定の国や地域に限らずより広範囲を対象に取り組んでいく予定だ。調査結果は右記のページ
http://www.theglobalfund.org/en/oig/reports/)で利用可能である。

原題:The Global Fund’s I Speak Out Now! Campaign Encourages The Reporting of Fraud and Corruption Easily through Online Reporting
出典:aidspan
日付:2017/01/15
URL: http://www.aidspan.org/node/4051

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・グローバル・ファンドが支援する結核の「症例探索」の重要性
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【2017年1月16日発】触媒的投資を通じてグローバル・ファンドは「触媒的投資」 catalytic funding を通じ、結核の症例探索 case finding に1億2500万ドルを拠出することとなった。

昨年後半、世界的な結核の流行にテコ入れをする二つの取組みが発足した。世界保健機関(WHO)によると2015年に1040万人が結核を発症し、うち48万人は多剤耐性(MDR)結核である。推定180万人が結核が原因で死亡しており、うち40万人はHIVにも感染している。

グローバル・ファンドが11月の理事会で承認した8億ドルのうち、1億2500万ドルは結核症例探索 case finding に計上された。このことは各国での症例探索が重要であることを意味している。

一方、12月の国連総会(UNGA)では、結核の流行を終結させるため、2018年に「国連総会結核ハイレベル会合」を設定することが決定している。

ストップ結核パートナーシップの常任理事であるルシカ ディトゥ(Lucica Ditui)博士は、「結核症例探索が重要であることを各国に認識してもらう必要がある」と、グローバル・ファンドに関する独立した報道機関である「エイズパン」 Aidspanに対して述べた。

グローバル・ファンドの触媒的投資は2017-2019年の資金拠出期間に沿って行われており、昨年グローバル・ファンド理事会が承認した次の6ヵ年戦略に計画されているものである。目標はHIV、結核、マラリアに対する効果を最大化することである。

「見逃していた症例を見つけ適切に診断し、適切に治療することをしなくては何も食い止めることはできない」とディトゥ博士は述べている。しかし同定されていない、あるいは報告されていない症例数は2013年から増加しており、治療が難しく費用が高額な多剤耐性結核患者4人に1人しか症例が把握・報告されていないという計算になる。

結核患者が見落とされ、治療を受けることができない、症例探索に対する乖離の理由は国ごとに異なるが、多くの患者は、病院や診療所からの距離が非常に遠かったり、所得に比べて治療費が高かったり、社会的に差別を受ける、といった、ヘルスケアシステムへのアクセス障害に直面している。

グローバル・ファンドは、ストップ結核パートナーシップとの協力において、多額の触媒的投資を行うほか、TB研究、診断と治療、特にMDR-TBのスクリーニング、最先端の診断技術の普及、民間セクターの関与を含んだシステムを各国に導入し、最適化させることを手助けしている。

グローバル・ファンドは資金拠出のために二つの異なるアプローチを用いている。一つ目は、1億1500万ドルをマッチングファンドとして配分する。資金は最終的に結核および多剤耐性結核の70-80%が見逃されていると推察されている国々に配分される。グローバル・ファンド触媒的投資報告によるとこれらの国には、インドを含む11か国が含まれる。

ファンドはまた、700万ドルを戦略的投資から触媒的投資に割り当てる。特に主要な集団では、症例検索のためにさらに300万ドルをコミュニティの確立や革新的なアプローチに割り当てる。

ディトゥ博士は、ジェンダーや性的嗜好や貧困状況に関わらず、伝統的に症例を見つけるのが難しいコミュニティがあると述べている。彼女はグローバル・ファンドに、このようなコミュニティで症例を見つけるための革新的な戦略に資金を使用するよう要請している。

一方、ディトゥ博士は、国連総会結核ハイレベル会合に「結核対策への政治的、経済的支援が必要であること、また結核の研究開発も大きな必要性があることを明らかにすること」を期待している。

ストップ結核パートナーシップの議長でもある、南アフリカの保健大臣アーロン モツォアレディ(Aaron Motsoaledi)博士および「ストップ結核パートナーシップ」およびそのパートナーは、これまで政府に支援を働きかけ、最終的に、ブラジル、フランス、タイなど7か国で構成する「国際保健・外交政策イニシアチブ」の主要な国々により国連総会に諮られ、会議開催が可決された。

マリオ ラヴィリオーネ(Mario Raviglione)WHOグローバル結核プログラム責任者は、チームではすでに会議の議題について議論をしていると述べている。

結核に関する国連総会ハイレベル会合は、「持続可能な開発目標」 SDGs の文脈の中で、2017年11月のモスクワでの結核に関する世界閣僚会議をフォローする という文脈で開催が決定された。ラヴィリオーネ氏は「結核は保健衛生という視点のみで対処できる病気ではないため、グローバルリーダーシップが必要である」と述べている。

原題:More Global Attention for Tuberculosis, Including Increased Funding to Find Missing Patients
出典 : aidspan
日付:2017年1月16日
URL: http://www.aidspan.org/node/4054

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トランプ政権は米国のエイズ援助をどう変えようとするのか?
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【2016年12月1日】米国のドナルド・トランプ新政権は、まだ国際協力についてどのように取り組むかの判断を示していないが、HIV/エイズ問題に取り組む市民社会組織は、HIV/エイズに関する米国の財政拠出の削減について警鐘を鳴らしている。米国政府は国際的なHIV対策の最大の支援国であり、13年前、ジョージ・W・ブッシュ政権において発足した、「米国大統領エイズ救済緊急計画」 U.S. President’s Emergency Plan for AIDS Relief(PEPFAR)はHIV/エイズ対策のためにこれまで約600億米ドルを拠出している。

トランプ大統領はPEPFARの予算に関して特に言及していないが、「グローバリズムではなく、米国第一主義が我々の信条だ」というコメントや、米国は我々を嫌う国々に対する対外支援を止めるべきだという発言から、トランプ大統領が対外支援の予算を削減し、結果的にHIV/エイズの予防・治療への財政拠出の削減につながるのではないかという懸念が一部の開発専門家の中で高まっている。開発関係者のトップはインタビューの中で、過去の共和党政権下で行われてきたように、トランプ政権が各種組織やPEPFARの資金提供、つまり家族計画サービスを制限するのではないかという不安があると述べた。

一方で、PEPFARのデボラ・L・バークス大使Deborah L. Birxは世界エイズデーWorld AIDS Dayである1日、PEPFARが「これまで(民主党と共和党の)二大政党からの強力な支援を受けてきた」と述べた。アナリストらは、資金拠出の削減を行うと両党からの強い反発につながると予想している。

米国は全世界、とりわけ、HIV感染率が最も高いことで知られる、アフリカ諸国での治療の劇的な増加において大きな役割を果たしている。米国の資料によると、救命治療を受ける人数は2014年の49%から2015年までに56%に上昇したという。さらにエイズ関連の死者数は2015年で45%減少して110万人となり、子どもにおけるHIVの新規感染者数は2001年以降、70%以上減少している。

PEPFARの新たな情報によると、HIV感染がマラウイ、ザンビア、ジンバブウェで年配者・乳児において抑制されており、その3ヵ国はPEPFARから多くの支援を受けている。同プログラムは2015年に設定された実施目標を上回り、現在抗レトロウイルス治療を受けている人々は1,150万人に達し、200万人の乳児への感染を防止しているという。

しかし、最近のHIV/エイズに関する統計では、いまだに不安要素が浮き彫りになっている。2015年での新規感染者数は約210万人であり、その大半がサハラ以南のアフリカ地域にみられる。そのうちの約3分の1が15〜24歳までの若者であり、その4分の1が女性だ。PEPFARによると、サハラ以南のアフリカ地域において、若い女性や少女は同年代の男性に比べると14倍もHIVに感染する傾向にあるという。

カイザー家族財団Kaiser Family Foundationのグローバルヘルス・HIV政策理事長であるジェン・ケイツ氏Jen Katesは、これに加えて、HIV/エイズ対策への米国以外の国の支援も縮小しており、2015年に10億米ドル以上減少し、これは5年ぶりの減少だったと話す。ケイツ氏によると、欧州政府が難民危機によって、エイズ対策との「競争的需要」に直面したため、資金が縮小したという。ケイツ氏は、世界的なHIV/エイズ対策への支援における米国の資金拠出の今後の削減は悪いニュースだと述べる。

開発専門家の一人は、米国が単独でエイズと闘っているという見解について警告し、国家の資金拠出がHIV/エイズの対策プログラムに対して50%以上であることを示すUNAIDSの数値を引き合いに出した。専門家は、もし米国が資金の削減を行うと、他の支援国にとっても、財政拠出を抑える言い訳になってしまうとの懸念を示した。

原題: What the Trump Administration could Mean for US HIV/AIDS Spending
出典: Devex
日付:2016/12/1
URL: https://www.devex.com/news/what-the-trump-administration-could-mean-for-us-hiv-aids-spending-89235

<地域別記事(アフリカ)>

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ナイジェリア、230万人の人がHIVの治療を受けないまま過ごしている
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【2017年1月25日 ラゴス(ナイジェリア)発】西アフリカの人口大国ナイジェリアで抗レトロウイルス薬への耐性を持つ感染が増えていることについて、医療専門家は警鐘を鳴らしてきた。しかし、その前に、国内のHIV感染者で何の治療も受けていない人は少なくとも230万人いる。

昨日、ラゴスでこれを公表した、ラゴス大学医学部血液・輸血学のスレイマン・アカンム教授Suleiman Akanmuは、HIV感染者は国内全体で320万人いるが、治療中なのはわずか90万人にすぎないと語った。

ナイジェリアの抗レトロウイルス治療(ART)に関する国家対策チームの委員長でもあるアカンム教授は、このことについて、世界保健機関 WHO が主催した「薬剤耐性検査、幼児期の早期診断とウイルス量」に関する「合同ステークホルダーサミット」joint stakeholder’s summit でも発言した。アカンム教授は、HIV治療の第2・第3選択薬が利用できないことのみならず、定期的なウイルス量検査を実施できないことも非難した。

★失敗した第1の医薬品
「第1選択薬を投与された患者の多くが薬への耐性を作ってしまい、第二の薬を投与されるはずであったがまだ利用できる状態ではない。約90万のナイジェリア人が第1選択薬を使用しているが、そのうち何人が失敗したかわからない。なぜなら、体内のウイルス量を探知するウイルス量検査を定期的に実施していないからである。ナイジェリアに、容易に検査ができる施設があれば失敗を特定でき、第2の薬に移れる」とアカンム教授は主張した。

効果的にウイルス量検査を行うためのさらなる研究と国内研究所へのサポートをアカンム教授は求めた。「研究が鍵である。世界の他の地域では、通常患者は、ARTの前に薬剤耐性検査を受けるが、我々の状況では実現していない。耐性は、ウイルスが複製できる能力から生まれるため、複製できないような形で薬を投与しなければならない」と話した。

フォーラムでは、WHOのナイジェリア代表であるウォンディマゲネフ・アレム氏 Wondimagegnehu Alemu が、公衆衛生において薬剤耐性を調査・特定するだけでなく調査の改善を支援するガイドラインを作るよう医療機関へのコミットメントを表明した。

WHOナイジェリアのエイズ・結核・マラリア担当であるレックス・ムパザンジェ氏 Rex Mpazanje は、薬剤耐性は避けられないが、プログラムの結果に対する耐性の影響を最小限にすることが重要だと述べた。「ナイジェリアは、薬剤耐性について多くの取り組みを行ってきたが、国家レベルでうまく調整できていないことが課題だ。この会合を利用して薬剤耐性の観点からやってきたことをすべての人に広めるために知識を持ち寄りたい。現在、ナイジェリアは、どの薬を使うべきかというWHOのガイドラインに常に従っており、よくやっている」と話した。

原題:Nigeria: In Nigeria, 2.3 Million Persons Living With HIV
出典:Vanguard 
日付:2017/1/25
URL:http://allafrica.com/stories/201701250332.html 

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リビア、国連機関が患者へのHIV治療のギャップを埋める
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【2017年1月3日】内戦が続く北アフリカのリビアにおいて、医療サービスが崩壊し、命を救う医薬品の提供ができなくなっているため、数週間前から、世界保健機関 WHO がリビア内のHIV陽性者に必要とされる抗レトロウイルス薬(ARV)の配布を開始した。

2011年に紛争が始まってから、HIV感染率は上昇し続けている。リビアの医療体制に関する先般のWHOの分析は、医薬品の不足を含めた、医療サービス全体の低下を示している。

ARVの不足が深刻化し、HIV感染者の生命が脅かされ、保健省に問題の解決を求める市民デモが起きた。保健省はその後WHOに接触し、薬の供与と配布の支援を求めたのである。これまでのところ、WHOは450人の患者に3ヶ月分の薬を提供した。WHOは、保健省と緊密に連携しながら、特に血液の安全性についての検査と医療体制の評価方法を開発、実施している。このイニシアチブは、2011年から始まる紛争時に停止したHIV関連のインフラ を回復する目的がある。

昨年、リビアには6330人がHIV患者として登録された。18〜19歳の10人が、ARV薬の不足によって死亡した。他の多くの患者は、投与計画を縮小させられている。すなわち、彼らの病状は悪化しており、死亡率はますます高くなっているのである。

同国では、何年もの間、文化的障壁や差別によって、効果的なHIV予防プログラムが妨げられてきた。WHOは、これらの障壁を減らすために、HIV患者への医療サービスの計画、調査、提供に焦点をあてることで、治療とケアへの普遍的なアクセスを提言している。この目標を達成するために、WHOは2017年中ARV薬の供給を保証できるように援助国から120万ドルを必要としている。

原題:UN Health Agency Fills Gap in HIV Treatment for Patients in Libya
出典:allafrica
日付:2017/1/3
URL:http://allafrica.com/stories/201701060337.html 

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(タンザニア)HIVの流行を防ぐためにはコミュニケーションが不可欠
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【2017年1月18日、ザンジバル(タンザニア)発】タンザニア本土の沖合に浮かぶザンジバル島では、親子間でセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス SRHR に関するコミュニケーションが求められている地域の一つである。この地域において、HIVHIVに関するフォーラムが開催され多くの人が集まった。

タンザニアにおけるHIV感染率はここ10年間で減少しているが、ザンジバルに住む、最もHIV感染の影響を受けやすい集団 Most At Risk Population;: MARP のいくつかのグループにおいては上昇を続けている。保健省の統計では、長い間ザンジバルのHIV感染率は0.6%で推移していたが、この統計はザンジバル島全体の人口をカバーしていないと指摘されている。

住民の一部を対象としたHIVに関する調査の結果は、HIV/AIDSを克服するにはまだ長い道のりがあることを念頭に置きつつ、すべての国民が健康で幸せな生活を送るために、持続可能な開発目標 SDGs のゴール3(保健)を達成するためのロードマップを示している。

ザンジバルのHIV感染率増加はMARPs内での増加によるものだと特定された。HIV陽性者が直面するスティグマ、沈黙の文化、人材不足は新規HIV感染を食い止め、感染者へケアと治療を与える障害となっている。

昨年の世界エイズデー啓発イベントにおいて、ザンジバル・エイズ委員会 Zanzibar AIDS Commission(ZAC)はリプロダクティブヘルスに関する知識の共有を含めた親子間の適切なコミュニケーションの不足のようなHIV感染の拡大となる事象について問題提起した。

世界エイズデーは、HIVは過去のものではなく、より多くの対策資金の投入や啓発、偏見への戦い、教育の改善が必要だと一般市民や政府に訴え続けており、今回のイベントでもHIVについて親子で話しをする機会を提供した。

しかし、ほとんどの親は普段から子どもとその様な話をする機会がないため、イベントでも話しがはずまなかった。セーブザチルドレンの担当者はその理由として、「ザンジバルでは、性に関して子供を教育することについて、親や家族の一員がやらなければいけない義務と考えられておらず、多くの親や関係者は、むしろ不快に思っているからだ」と指摘する。

おそらく、親は不十分な知識のままで話しをすることをためらっており、また親自身が性に関する教育を進んで受けていない、過去の性に関する思い出したくない経験なども話を避ける理由となっており、ますます性に対するメッセージが悪いものになっている。

ザンジバル・エイズ委員会 ZAC は、若者は自宅や学校、年長者から情報を得られなければ他から得るため、間違った情報等によって望まれない、また無防備な性行為を含むHIV感染リスクの高い行動を行うかもしれないため、性に関する正しい理解を促すとともに人間の性が人生の中で重要なものであることを示すためにもセクシュアル・アンド・リプロダクティブ・ヘルスに関する教育は重要だ、と述べる。

そのためにも、コミュニケーションスキルは重要であり、自宅や学校のプログラム、において大人が会話の機会を導き、若者と向き合っていかなければいけない。

親として、若者へ行動変容に関するカウンセリングはリスクの高い行動を避け人生がより良いものとなるための正しい選択を支援する主要な側面を持っている。WHOによれば、HIV感染者3,600万人のうち、40%が感染に気付いていないと報告している。HIV予防啓発や自己診断は自身の状態を知ることになり、対処方法を知ることになる。タンザニアでは、15歳以上の女性78万人がHIVとともに生きている。

原題:Tanzania: Communication Is Vital to Halt HIV Prevalence
出典:Tanzania Daily News (Dar es Salaam)
日付:2017/1/18
URL:http://allafrica.com/stories/201701180415.html

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編集後記
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今日は日本のエイズに関する取り組みについて討議する大事なイベントが大阪であり、今、新幹線で大阪に向かっています。名古屋・京都間は雪でゆっくり運転、ということですが、果たして何時ごろ着くのか…。名古屋までは、実にいい天気で、富士山や南アルプスの山並みの展望を楽しみました。

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