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(GAU309号)グローバルファンド「卒業」国における負の影響:ボスニア・ヘルツェゴビナの場合

発行日:1/29

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★「第309号」目次

●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・グローバルファンド、2017年1月から3年間の地域別・国別配分額を発表
・(インドネシア、西パプア州)鉱業労働と軍事化がHIV拡大を招く
・(インド)マニプール州の女性の高い薬物使用率
・グローバルファンド「卒業」の負の影響=ボスニア・ヘルツェゴビナの場合
●アフリカの地域別記事
・(ジンバブエ)「5万のHIV自己テストキットが役立つ」
・(タンザニア)「母子間のHIV感染が20%減少」
・(リベリア)WHOが患者のHIV治療ギャップを埋める
・(ウガンダ)都議会リーダーがHIVへのファンディングを増加
----------- Vol. 13 No.7 ---

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
◆連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル3F
・電 話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
・電子メール:info@ajf.gr.jp
◆バックナンバー:下記ブログをご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/ajf/
◆Melma!を通しての購読申し込みは
http://www.melma.com/backnumber_123266/
◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は、事前に発行者にご連絡をお願いします。

<対策・課題別・地域別(アフリカ以外)記事
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 グローバルファンド、2017年1月から3年間の地域別・国別配分額を発表
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 【2016年12月15日 ジュネーブ発】途上国のエイズ・結核・マラリア対策に資金を拠出する国際機関、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(略称:グローバルファンド)は、支援を受ける各国に、2017年1月から3年間の間に拠出できる出来る資金額を通知した。

 グローバルファンドはHIV、結核、マラリアへの感染予防、治療、ケアのためのプログラムの効果を高め、強靭で持続可能な医療制度を確立するための洗練された配分法を採用してきた。

 それは効果を最大限に高めるために、負担が重く貧しい国々により多くの資金を集中させるというものである。とりわけ重点が置かれるのは、男性とセックスする男性(MSM)、セックス・ワーカー、薬物使用者といったHIV対策の「鍵となる人口集団」Key Population におけるHIV感染と多剤耐性結核、マラリアの脅威の終息のための取り組みである。また資金が減少している場合には、持続可能なペースでの削減を行う。
 
 支援を受ける各国には、2014年から2016年までの支出レベルよりも平均15%増の資金を交付される。より多くの資金が、HIV、結核、マラリアの脅威が極めて深刻な国における対策プログラムに対して、すなわちサハラ以南のアフリカの、成人女性や10代の女性のHIV感染率が高い国々、多剤耐性結核対策に苦労している国々、マラリア禍が最も深刻な15ヶ国に割り当てられる。

 2017年から2019年までの配分期間の間に現在利用可能な資金の総額は111億米ドルである。これには国別資金配分向けの103億米ドル、革新的な出資向けの8億米ドルが含まれている。

 今後、グローバルファンドに追加支援金が拠出されるならば、将来にグローバルファンドが各国に拠出可能な資金総額を増やすことが出来る。

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原題: Global Fund Notifies Countries on 2017-2019 Allocations.
出典: The Global Fund  
日付: 2016/12/15
URL: http://www.theglobalfund.org/en/news/2016-12-15_Global_Fund_Notifies_Countries_on_2017-2019_Allocations/

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(インドネシア、西パプア州)鉱業労働と軍事化がHIV拡大を招く
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【2016年11月21日カンベレ(インドネシア)発】
 鉱業と軍事化がインドネシアのパプア地域にどのようにHIVの流行をもたらしたのか

マティナ・ワナゴさん Martina Wanagoは、インドネシアのパプア地域(ニューギニア島の西半分)にいるHIV陽性者である。彼女は伝統的な暮らしをしており、他の大勢の人々と同じく自身の不調の原因を知らなかった。神に祈ることしかできなかった彼女だったが、近くの病院で治療を受けることができた。この病院は米国の「フリーポート・マクモラン」」Freeport McMoRanという世界最大の鉱業会社によって作られた病院で、この会社によって原住民にもたらされた数少ない発展のひとつである。

実はパプアの資源は、独立を求める武装組織の蜂起と、インドネシア軍との間の内戦で、何千何万という先住民が犠牲になったことを含むその屈折した半世紀と密接な関係がある。また近年の鉱業開発と軍事化、そして医療制度の資金不足は、パプアのHIV流行を助長している。

ティミカ Timikaはフリーポートによって所有されている、1950年代には千人に満たない原住民の村だったが、鉱山労働のため移住して来た男やそれを目当てにしたセックス・ワーカーによって膨れ上がり、1990年代には一万二千人規模の街になった。1997年から2002年の間で、女性セックス・ワーカーのHIV陽性率はゼロから1.4%に跳ね上がり、この街から、健康ケア機会がない離れた村にまでHIVは広がった。

パプアでは十万人に320名がAIDSとして報告されているが、国の平均のほぼ20倍にあたり、HIV陽性者の88%は自身の感染を知らなかった。

◆鉱業と軍事とHIV

ワナゴさんと夫は生活支援を探すつもりで街に出たが、代わりにHIVと接触した。他の大勢と同様、夫はセックス・ワーカーからウイルスにかかり、そしてそれを妻に移した。

パプアや南パプア地域を仕切る役人の一部は、副業として違法な性産業に関わっている。そうした州役人曰く、57の売春宿と180名のセックス・ワーカーがおり、引退・現役軍人、警察官や一般移住者などが関わっている。 またパプア地域で性産業に携わる女性の3.5%はHIV陽性であると保健省の研究が明らかにした。

過去10年、パプア地域では流行阻止のための予防プログラムが実施されたが、原住民におけるHIV陽性率は2.9%で高止まりしたままだ。しかし、検査でHIV陽性が発覚した85%もの人々が自分のステータスに気づいていなかったため、検査プログラムの必要性が強く示唆される。

◆エイズ・アクティヴィズム

世界の様々な国において、HIVは「死の病」ではなく、管理可能な慢性疾患となっていることを示した。しかしそれには医療制度が最低限整っていることが必要である。

保健省の報告によると、インドネシア領西パプアの中には、クロアチアより大きい5万3千平方メートルの土地・40万人の人口に対して、70床の病院ひとつと15の診療所(うち2か所は医師不在)しかない地域もあるという。

西パプアの高地地方、バンティ Banti にあるワワ病院 the Waa Waa Hospital ではHIV治療を提供している。病院は近隣の村から1日100〜120名の患者を受けているが、住民の大多数は遠方に住んでおり近代医療へのアクセスがない。

遠方の村では超自然的な治療や信仰に頼っているため、そこで何が起こっているかほとんど分からない上に、HIVの拡大は「政府がHIVを意図的に入れ、先住民を全滅させようとしており、真剣に行動を起こさずわざと病気の蔓延を見逃している」という説が流布されている。

この説には何の根拠もないが、先住民の中にはその説を信じている人もいる。一方、インドネシアの治安当局はそれを公言する者を逮捕・虐待し、時には殺しているという。

 「国際法に則れば私たちには自治権がある。ここは私たちの土地だ」と、先住民は語る。

ワナゴさんも精力的に活動しており、自身の経験を例に人々にコンドームの使用を呼びかけている。

●原題: How mining and militarisation led to an HIV epidemic in Indonesia’s Papua
●出典:IRIN
●日付:21 November 2016
●URL: https://www.irinnews.org/special-report/2016/11/21/how-mining-and-militarisation-led-hiv-epidemic-indonesia’s-papua

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(インド)マニプール州の女性の高い薬物使用率
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【2016年11月17日マニプール(インド・マニプール州)発】インド東部のマニプール州に住む女性、ボイヌBoinu は結婚後、夫が家に女性を連れ込んだことが原因で、友人たちにヘロイン heroin の注射を勧められた時に使用した。現在29才の彼女は、薬物使用者のHIV予防を目的とした現地のNGO、ニルヴァーナ財団Nirvana Foundationのプロジェクトに登録された女性薬物使用者、236人のうちの1人である。6年間、セックス・ワーカーとして得た収入を薬物購入に充てる習慣から逃れられず、路上生活を送っていた。マニプール Manipur 州には、彼女のような薬物使用者が何百人といる。

マニプール Manipur における人々の暮らしは他州よりも厳しく、暴力、貧困、失業や民族間の緊張状態は、生活者を薬物使用へ押しやっている。加えて、いわゆる「黄金の三角地帯」 Golden Triangle に隣接し、薬物が簡単に安価で手に入る環境にある。2012年の研究によれば、マニプールの女性は、男性に比べて支援を求めたりケアを受けたりできる可能性が低い。さらに、セックス・ワークを通して薬物使用を悪化させる傾向が高い。

ヘロインとHIV感染に対して、州は厳しい闘いを続けている。マニプール州エイズ抑制協会パートナーNGOフォーラム(Manipur State Aids Control Society Partner NGOs Forum のヴィクラム・シン・ネプラム会長 Vikram Singh Nepram は、HIV陽性者かつ薬物使用者のケアを行うためプロジェクトを運営し、その結果、薬が手に入るようになった。しかし、今も多くの女性薬物使用者がおり、HIVは課題のごく一部である。

ニルヴァーナ財団 Nirvana Foundation のソーバナ・ソロクハバム事務局長 Sobhana Sorokhaibam は、2010年に女性対象の活動を始めてから、女性のニーズが男性といかに異なるかを理解した。「女性は、家族と社会の両方に追いやられる。環境が原因で薬物を使用するにもかかわらず、差別のレベルは想像を絶する」。財団代表が、マニプール州で実施されているプロジェクトは、どれも女性薬物使用者の社会的・経済的脆弱性に対応できていないと指摘しているにもかかわらず、2013年12月時点で、女性薬物使用者は、国家エイズ抑制プログラム National Aids Control Programme の第4フェーズでようやく加えられたにすぎない。

さらに、2015年8月時点で、公衆衛生センターと地域保健センターが不足している。ヘロインもその一種であるオピオイド opioid 系薬物の問題に取り組む「オピオイド代替療法センター」23施設のうち10施設が、公共医療センターやコミュニティ医療センターの指定を外された。また、女性薬物使用者対象のプロジェクトを実施する4つのNGOは、どれも公的な治療センターに認定されていない。

治療の効果が少なくなるほど、薬物を簡単に手に入れることができるようになってしまう。薬物使用者の年齢が低下している中、選択肢が少なくなれば、路上で生活する女性は一層の困難を抱えることになる。

原題:Great highs and astounding lows: The drug problem among Manipuri women 
出典:Scroll
日付:2016/11/17
URL: https://scroll.in/article/821617/great-highs-and-astounding-lows-the-drug-problem-among-manipuri-women

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グローバルファンド「卒業」の負の影響=ボスニア・ヘルツェゴビナの場合
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【2016年12月19日】東ヨーロッパのバルカン半島北西部に位置するボスニア・ヘルツェゴビナ(BiH)では、HIV感染率が一般人口で0.1未満、ハイリスクとされる集団でも0.5%未満と低い。同国を対象としたグローバルファンドの資金援助が2016年9月で終了した。この国では薬物の所有と性的サービスの提供は法律で禁じられている。

同性間性行為自体は違法ではないが、同性婚は認められていない。男性を性の対象とする男性 MSM やセックス・ワーカー、注射による薬物使用者などのカギとなる集団 key affected populations とHIV陽性者に対するスティグマや差別は強く、医療従事者においてすら差別がある。

グローバルファンドの資金拠出が終了したことで、このような人々が最も影響を受けるだろうか。同国がグローバルファンドの対象国でなくなったことによって、少数民族であるロマ人や移住者、獄中者など、社会から置き去りにされた人々も、グローバルファンドの支援が途絶えた。

ファンドの援助中は、治療やケアの国内対策費の60−70%がHIV対策に向けられてきた。ハームリダクションやモバイルサービスなど予防サービスの費用は、グローバルファンドにより拠出されていた。グローバルファンドによってカバーされていたHIVの予防とコントロールは、本資金終了後に解決すべき課題となっている。

グローバルファンド「卒業」後、以下の3つの課題が挙げられる。

(1)この国の保健システムが未整備な状況と、国家統制経済から自由主義経済へ移行できないことに関連する課題。実際、国家保健予算の不足があるため、国家レベルで対応するものもあれば、州レベルで対応するものもあるのが実態である。

公立の保健機関の20か所でHIVの自発的なカウンセリングとテストが行われている。抗レトロウイルス薬による治療(ART)は、すべての必要とする人々が利用可能で、治療は首都サラエボや、2番目に大きな都市であるバニャ・ルカ、ボスニア北東部に位置するトゥズラにある感染症クリニックで実施されている。しかし、ART耐性検査は設備不足とトレーニング体制の不備のため実施できていない。

(2)契約に関する法律の不備により、市民団体が省庁から資金を受け取ることはできるが、団体が活動するために必要なヘルスケア資金に関する契約ができないという課題。このため、市民団体が実施するほとんどのサービスは、以前はグローバルファンドによって拠出を受けていたが、現在では慢性的な資金不足に陥っている。例えば、市民団体によるHIV予防や啓発、教育活動は、モバイルサービスなどと同様に資金不足に直面している。この資金不足の結果、HIV陽性者やハイリスクと言われる人々の権利や、アドボカシー、啓発活動などスティグマや差別をなくす社会的支援が欠落するだろう。そして、公的機関によるスティグマや差別の問題解決にあたるヘスルケアワーカーのような専門家の養成も資金不足に陥ることになるだろう。

(3)体系的な方法が欠如している上、データの質も不均一であるため、データ収集やサーベイランスに関する課題。以前はグローバルファンドがデータ収集とサーベイランスのフレームワークとガイドラインを提供していた。

こういったことから、グローバルファンドの撤退に対して同国は十分に対応できていないようにみえる。

そこで次の項目を提言として挙げる。
HIV対策が適材適所に計画されるためには資金と時間の両方が必要である。例えば、時間については、健康、社会、そして教育サービスに必要な契約のシステムをつくるためにある程度の時間が必要である。こういったサービスは市民団体によって提供されるが、費用と予算は政府によって提供されることになる。

また、グローバルファンドの働きかけにより、他の国際援助機関やドナーがこの国および同様の国が直面する課題をしっかりと認識して援助を結集することは重要であろう。この提案は、ボスニア・ヘルツェゴビナがEUの隣国のひとつであることから、とりわけEUに関係が深い。EUは、ボスニア・ヘルツェゴビナがHIV/AIDSに適切に対応するのを妨げている政治的課題をうまく解決できるように、政治的影響力と資金を利用することができるかもしれない。他の国際ドナーもカギとなる集団に対するセイフティネットをつくるために重要な役割を担うことができる。


原題:Significant Impacts Exist as a Result of Global Fund Withdrawal from Programs and Service Delivery in Bosnia and Herzegovina
出典:aidspan
日付:2016/12/19
URL:http://www.aidspan.org/gfo_article/significant-impacts-exist-result-global-fund-withdrawal-programs-and-service-delivery


<地域別記事(アフリカ)>
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(ジンバブエ)「5万のHIV自己テストキットが役立つ」
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【2016年12月29日】(記者:ウォルター ニャムコンディワ)アフリカ南部の内陸国、ジンバブウェ政府が国家的また世界的な目標に沿ってHIVの検査の選択肢を拡大し、少なくとも5万の自己テストキットが国内に配布された、政府は、2020年までに人口の90%が自分の(感染しているかどうかの)状態がわかることをめざしている。

保健・児童ケア省にあるHIVサービスのトレーニングオフィサーである、ベアトリーチェ・ドュプワ氏Mrs Beatrice Dupwa は、ヘラルド紙に対して、自己テストキットは人々に対してより多くのオプションを提供する追加的なアプローチであると述べた。

人々はこのテストを自分の家で安心してやってみることができるし、これで批判的なサイトを見てしまうことによって生じる不安やスティグマなどもなくなるだろう。

「これ(自己テストキット)は、すでに抗レトロウイルス治療を受けている人が試してみて、陰性になっていた場合には、治療をやめてしまうかもしれません。そのような人々には勧められません」と述べる。「なぜなら、治療が成功している人々は、ウイルス量が検出限界値より下になっており、ウイルス抑制が達成できているのですが、実はウイルスは検出されないだけで体内に潜在しているからです」

ドュプワ氏は、特にセックス・ワーカーやトラック運転手など感染可能性の高い人々は、このテストを3ヶ月間隔でやってみるだろうと話している。

自己テストキットは、カップルの間で、相手が自分を感染させたことがわかると、相手を責めてドメスティック・バイオレンスにつながるおそれがあるが、ドュプワ氏は、今のところ、そのような事実は確認されていないと述べている。

原題:Zimbabwe: 50 000 HIV Self-Testing Kits Availed
出典:All Africa / The Herald
日付:2016/12/29
URL: http://allafrica.com/stories/201612290113.html 

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(タンザニア)「母子間のHIV感染が20%減少」
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【2016年12月29日 ダルエスサラーム(タンザニア)発】(記者:ダンスタン・ミル Dunstan Mhilu)保健データによるとHIV母子感染はこの5年間で20%減少した。

記者に対する概況説明において、タンザニア・エイズ委員会 Tanzania Commission for Aids(Tacaids) の幹部である、レオナルド・マボコ医師 Dr. Leonard Maboko は、この減少は2010年と2015年との記録の比較に基づいていると述べた。彼は、これは保健省、Tacaids、そしてNGOを含む鍵となる人々の尽力により国民の意識が向上したことによると説明した。

マボコ医師は、HIVに対する公共の意識は5年前より向上し、それによって血液検査を受ける人が著しく増加したと言う。マボコ医師はデータを示し、2015年には、86%の妊婦が検査や抗レトロウイルス薬を服薬するために妊産婦ケアに参加したと述べた。さらに、HIVに感染している妊婦の少なくとも90%が母子感染を防ぐために計画された治療下にあるという。

0〜14歳の子どもへの新規感染数が2010年の1万4000人から2015年には6500人に減少しており、これは50%以上の減少である。2015年は、世界的に少なくとも3700万人がHIV感染あるいは感染リスクを抱える人がいると推定されている。一方で、東部および南部アフリカでは、1900万人が検査で陽性と診断されており、そのうち150万人がタンザニアである。

マボコ医師は、女性はよりHIVの影響にさらされている。それは、生物学的な要因であったり、女性器切除であったり、性に関して巧みに処理されてしまうこと、そして父系制度の影響があること、などによると話す。2016年6月まで、世界の1800万人が抗レトロウイルス薬(全体の48%)を服薬しており、東部および南部アフリカでは1300万人(54%)が、そしてタンザニアでは80万人(53%)が抗レトロウイルス薬を使用している。

タンザニアでHIVに最も影響を受けているトップ5地域は、ヌジョンベ州Njombe(14.8%)、イリンガ州Iringa(9.1%)、ムベヤ州Mbeya(9%)、シニャンガ州Shinyanga(8%)、そしてルブマ州Ruvuma(6%)である。マニャラ州Manyaraは最も影響が少ない(1.5%)。今後の進め方について、マボコ医師は、男女ともコンドームの使い方を含む行動変革キャンペーンが継続されるべきであると述べた。

さらに、この病気と闘うために、12月1日、エイズトラスト基金(the Aids Trust Fund)に副大統領が就任した。このエイズトラスト基金とは海外のドナーだけに頼ることを減少させるために、国の資金を活用させようというものである。マボコ医師は、この基金の開始時に3億4800万タンザニア・シリングSh(約1740万円)が集められていると明らかにした。

原題:Tanzania: Mother-to-Child HIV Transmission Down 20%
      Tanzania: Mother-to-Child HIV Transmission Down 20pc 
出典:All Africa/THE CITIZEN
日付:2016/12/29
URL: http://allafrica.com/stories/201612290350.html
http://www.thecitizen.co.tz/News/Mother-to-child-HIV-transmission-down-20pc/1840340-3500918-8vv6yk/index.html

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(リビア)WHOが患者のHIV治療ギャップを埋める
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【2017年1月3日】北アフリカのリビアで、数週間前、世界保健機関(WHO)は、長年切望されていた抗レトロウイルス薬 ARV を、リビアのHIV陽性者たちに供給し始めた。内戦開始後、リビアで医療サービスが崩壊し、生命維持の医薬品を患者に提供することができなくなった事後対応である。2011年にリビアで内戦が始まってから、HIV感染率は上昇を続けている。WHOによる最近の分析により、医薬品不足を含め、リビアの医療システムは崩壊していることが示された。

ARV薬の欠乏はHIV陽性者の命を危険に晒し、即座に問題を解決するよう保健省に対する抗議行動をさえ誘引した。これまでに、WHOは450人もの患者に3ヶ月分の医薬品を提供した。WHOは監視システムと保健システムの評価メカニズムー特に、血液の安全性に関する開発と実行について、保健省と共に取り組んでいる。

このイニシアチブは、2011年の内戦開始と共に停止したHIV関連のインフラを再始動する目的がある。昨年、リビアには6,330人がHIV患者として登録されていた。うち18、9歳の10人は、ARV薬の欠乏により死亡した。その他大勢の患者は、薬の投与を減らさざるを得なかったため、現在はHIVがかなり進行して、彼・彼女らの命の危険が高いことになる。

長年、リビアでは文化的要因による障壁やHIVに対するスティグマにより、効果的なHIV予防プログラムが遅れていた。WHOは、これらのバリアの一部を崩すために、HIV患者のための医療サービスのプランニング、監視とHIV治療と管理への普遍的アクセスに焦点を当てて支援している。これら目標を達成し、2017年も一年を通してARV薬の供給を継続するために、WHOはドナーに120万ドルの寄付を呼びかけている。
(715文字)
原題:Libya: UN Health Agency Fills Gap in HIV Treatment for Patients in Libya
出典:UN News service
日付:2017/01/03
URL: http://allafrica.com/stories/201701060337.html

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(ウガンダ)都議会リーダーがHIVへのファンディングを増加
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【2017年1月3日ジンジャ(ウガンダ)発】東アフリカの内陸国ウガンダにおいて、都市部の市長や市議会などでつくるリーダーたちの委員会が、エイズ対策に費やされる多額の年間予算をこれまで軽視されてきた人びとをターゲットとしたHIV/エイズ流行への闘いに費やすことを決意した。

アフリカHIV対策市長・地方自治体指導者連合(AMICAALL)のメンバーは、HIV/エイズ対策の対象外とされて来た人びとを今後も軽視しつづければ、国内のHIV/エイズ流行をさらに悪化させることになる、と述べた。度々見過ごされてきた弱い立場の人々には、読み書きのできない者、都市部の貧困層、ハウスキーパーやスラム移住者が含まれる。

委員会は、目的を果たすために予算の3〜5%を確保することが要求されるであろう、とウガンダ都市部行政機関協会 UAAU のマジド・バタンブゼ議長兼ウガンダ市長は述べた。リーダーらは、HIV予防をその他医療サービス、若者を擁護する法律制定と施行に統合することを推奨した。また、リーダーらは、予防の拠点としてHIV/エイズ流行が蔓延する地点をマップ化することと、HIV予防とSRHサービスを活動に取り入れるよう、宗教的かつ文化的リーダーらと会合を行うことを決定した。負の影響を持つ慣習を含め、少女に対する暴力、健全な養育環境の欠如、地域のHIV対策活動がうまくコーディネートされていないこと、HIV/エイズとSRHキャンペーン活動にリーダーが携わっていないこと等は、現状対策の妨害となっているいくつかの要因として挙げられる。

2011年の統計によると、15〜49歳の成人では、2004年から2011年までの間、HIV感染率は、5.4%から7.3%に増加した。特に、女性はHIV/エイズ感染率が高い(女性:8.3%、男性:6.1%)。ウガンダでは総計146万1,756の人びとがエイズに感染しており、そのうちの62万2,180人は男性で、83万9,596は女性であった。ただ解釈には注意が必要である。なぜなら、女性は血液検査を含めた医療サービスを男性よりも受ける傾向が高いからであって、女性のHIV/エイズ感染は一見高いように見えるだけかもしれない。

会合では、ドナー援助の減少について懸念が示され、既存の必要額と実際額とのギャップを埋めるために、政府にはHIV/エイズのための資金拠出について検証するよう意見交換がなされた。

原題:Uganda: Urban Council Leaders to Increase Funding for HIV
出典:The Monitor
日付:2017/01/03
URL:http://allafrica.com/stories/201701030008.html  

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編集後記
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新年あけましておめでとうございます。今年もしっかりと、エイズの情報を追いかけていきたいと思います。皆さまどうぞよろしくお願いします!(編集責任者 MI)

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(特活)アフリカ日本協議会は、アフリカの人々の地域自立の支援、アフリカの人々との対等なパートナーシップの構築、アフリカに関わる人々のネットワークの形成、アフリカ理解の促進とアフリカの自立支援のための政策提言などを行っています。

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