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(GAU263号)エボラ問題に連帯を!声をあげる世界のエイズ活動家たち

発行日:12/27

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★「第263号」目次

●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
(米国)米国のHIV治療=ウイルス量検出可能値以下になっているのは30%
(米国)エボラ問題に連帯を:世界のHIV活動家たちが声を上げる
(スイス)UNAIDS、2030年にエイズ流行を終わらせるための具体的指標を示す
(インド)ムンバイのHIV陽性者における薬剤耐性結核の深刻さ

●アフリカの地域別記事
(エチオピア)女性用コンドームがセックスワーカーに権限を与える
(ケニア)携帯メールが妊産婦ケアと乳幼児のHIV検査を向上させる
(南アフリカ共和国)世界エイズデー、更なる課題への対応が焦点に
(南アフリカ共和国)アフリカ、HIV感染者の高齢化によりがん発症率が高くなる

------------------------------------ Vol. 11 No. 9---

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
◆連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル3F
・電 話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
・電子メール:info@ajf.gr.jp
◆バックナンバー:下記ブログをご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/ajf/
◆Melma!を通しての購読申し込みは
http://www.melma.com/backnumber_123266/
◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は、事前に発行者にご連絡をお願いします。

<対策・課題別・地域別(アフリカ以外)記事>

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(米国)米国のHIV治療=ウイルス量検出可能値以下になっているのは30%
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【2014年11月28日 アトランタ(アメリカ合衆国)発】米国疾病管理予防センターCenters for Disease Control and Prevention(CDC)は、2011年の米国にいる成人のHIV陽性者を対象に、HIVの診断と適切な治療を受ける人数の割合の推定を行った。

CDCによると、2011年における18歳以上のHIV陽性者は120万人と推定されている。そのうちHIV感染の診断を受けたのが86%、HIV感染の疑いがあると診断され、何らかの医療を受けているのが40%、抗レトロウイルス治療Antiretroviral Therapy(ART)を受けているのが37%、ウイルス量が検出可能値以下になっているのは30%である。

また、65歳以上のHIV陽性者のうちウイルス量が検出可能値以下になったのは37%である一方、18〜24歳では13%、25〜34歳では23%、35〜44歳では27%となっており、若年層ではかなり低い比率となっている。

成人のHIV陽性者のうちウイルス抑制が達成されていない人は推定839,336人で、そのうちHIV感染の診断を受けていない人が20%、診断を受けたが何らかの治療を受けていない人が66%、治療を受けているがARTを受けていない人が4%、ARTを受けているがウイルス量が検出可能値以下でない人が10%となっている。

さらにCDCによれば、2011年においてウイルス抑制を達成した割合は30%であり、26%だった2009年からほぼ横ばいである。ウイルス量抑制の割合を増やすには、HIV感染の未診断数を減らし、治療を受けるHIV陽性者の割合を増やすのが最も有効だとCDCは主張している。

●原題:CDC Estimates Only 30% With HIV in US Have Undetectable Viral Load
●出典:International AIDS Society
●日付:2014/11/28
●URL: http://www.iasociety.org/Default.aspx?pageId=5&elementId=16111

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(米国)エボラ問題に連帯を!世界のHIV活動家たちが声を上げる
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【2014年10月23日 ニューヨーク(アメリカ合衆国)発】「エボラ問題に連帯を。立ち上がれ、食い止めよう、エボラをなくそう」最近インターネットを通して、長年のエイズ活動家たちがこのメッセージを発信している。

「エボラの流行は増殖を無視したのが原因だ。エイズの教訓がいかされていない」と、HIV国際治療準備連合International Treatment Preparedness Coalition (ITPC)のリーダーの一人であるグレッグ・ゴンザルヴェス氏 Gregg Gonsalvesは述べ、増殖が速く、致命的なエボラ・ウイルス病(エボラ出血熱 ※編集部注)の流行を止める行動を強く促すよう主張している。

多くの専門家が指摘するように、エボラ・ウイルス病のこの地域での急拡大は公衆衛生の世界的な対応、さらにはリベリアやシエラレオネ、ギニアをはじめとした、貧困国における国家医療制度の脆弱性をあらわにした。公衆衛生に関する効果的な緊急対応策は決して十分でない。

「国境なき医師団」で活動するエイズ活動家 レイチェル・コーエン氏Rachel Cohenは、「政治的責任を明らかにする必要がある。政府や政府間組織にはリーダーシップや調整機能が依然として十分ではない」と述べた。

今年の10月17日には米国でエボラ・ウイルス病の対策責任者が任命されたものの、エイズ活動家たちは関係機関と指導者らに説明責任を果たすよう求めている。

一方、ナイジェリアは、今回のエボラ・ウイルス病を制圧した国の一つであるd。モレニケ・ウコポンHIV医学倫理・研究専門家Morenike Ukpongは、HIV陽性者と同じように、エボラ・ウイルスの感染患者は差別の対象となってしまうと示唆している。

そのような差別から患者を守るために、HIVの世界的運動と同様、まず、感染者の出たコミュニティへの教育とカウンセリングの提供、感染者が周囲からの評判に立ち向かう力を養うことが必要である。

そしてHIV/AIDSと同様、エボラ・ウイルスによって孤児となった子どもたちがおり、コミュニティ教育を導入すれば、この状況に変化がもたらされるに違いないともウコポン氏は述べた。

女性によるHIVに関するアドボカシー(政策提言、実現のための行動をさす)に取り組む市民社会の連合体である「アテナ・ネットワーク」ATHENAのコーディネイター、タイラー・クローン氏Tyler Croneは、「エボラの終息には、連帯の重要性が鍵となる。侮辱や差別への対応、公正性を共有する方法は、HIV運動で協力しておこなってきた。このメッセージに耳を傾けてほしい」

(編集部注:エボラ・ウイルスによる疾患は、日本では感染症予防法の規定により「エボラ出血熱」と呼ばれていますが、実は、出血症状を呈するケースが全体の10%程度と少ないため、近年は、国際的には「エボラ・ウイルス病」Ebola Viral Disease (EVD) と呼ばれることが通常です。本メールマガジンでは、同疾病の表記として「エボラ・ウイルス病」を採用します。

●原題:Acting Up for Ebola: International HIV Activists Launch Solidarity Call
●出典:The Body
●日付:2014/10/23
●URL:http://www.thebody.com/content/75142/acting-up-for-ebola-international-hiv-activists-la.html?getPage=1

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UNAIDS、2030年にエイズ流行を終わらせるための具体的指標を示す
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【2014年11月18日 ジュネーブ(スイス)発】国連合同エイズ計画UNAIDSは、最新の報告書「ファスト・トラック:エイズ流行を2030年までに終わらせるために」 Fast-Track: ending the AIDS epidemic by 2030 の中で、同機関が提唱するファスト・トラック目標を達成すれば、2030年までに、2,800万人の新たなHIV感染と、2,100万人のエイズによる死亡を防ぐことができ、HIV/エイズは世界保健の脅威ではなくなるだろう、と報告した。

一方、UNAIDSは、もし今後5年の間にHIV対策事業を急速にスケールアップしないと、新規のHIV感染率は今よりも高い状態に戻ってしまうだろう、と警告している。

UNAIDSのミシェル・シディベ事務局長 Michel Sidibé は、「今後の5年間が、永遠にエイズを終息することができるか、または制御不能なレベルまで跳ね上がって更に蔓延させてしまうかの、決定的な分かれ道になるだろう」と話した。

報告書はカリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)で、同校のアート&グローバル・ヘルス・センター Art & Global Health Centerのセンター長のデイビッド・ギア氏 David Gereの主催で行われ、UNAIDS事務局長と共に、国連平和大使で、アフリカ・アウトリーチ・プロジェクトを立ち上げたシャーリーズ・セロン氏 Charlize Theron も同席した。UNAIDSは、2020年までに必要な人の90%が検査を受け、陽性と判明した人の90%が治療を受け、その90%でウイルス量が低下するという「90-90-90目標」を発表しているが、この「ファスト・トラック目標」には、「90-90-90」が含まれる。

UNAIDSによると、2014年6月の時点で1,360万人が抗レトロウイルス治療(ART)を受けており、2015年までの目標である1,500万人の達成への大きな前進が見られた。しかし、子どもの治療に関しては、目標数値には程遠く、更に努力が必要とされる。

HIVへの対応では、広範囲で大幅な前進が見られ、良い結果をもたらすために、より効率的で効果のあるプログラムを行う方法について、多くの教訓が得られてきた。

同報告書ではまた、これらの目標達成には、投資が絶対的に必要であるということにも注目している。低所得国は2020年までに最大で97億米ドル、低中所得国は同様に87億米ドルの資金を必要としている。不足しがちな国内投資を補うためには、国際的資金の支援が必要で、特にHIV対策資金への国内資金導入割合が10%前後しかなく、9割を援助に頼っているような低所得国は、そのニーズが高い。

十分な投資が得られれば、資金的なニーズも2020年からは減少していく見込みだ。2030年までには低所得国と中所得国で年間必要になる資金は、2020年の356億米ドルに比べ、8%低く、328億米ドルになる予定だ。これらの資金によって、2020年にARTを受けられる人の数は、2015年の2倍に増えるだろう。

UNAIDSの同報告書では、HIVの影響を最も強く受けている国、都市、そして地域に注目し、資金は、最も大きなインパクトが出る地域に集中的に配分することを推奨している。

特に、世界中のHIV新規感染者数の89%がいる30か国においては特別な努力が必要とされており、これらの国々の国内では、ファスト・トラックの目標達成に向けて、人材や組織、戦略的な国際パートナー、そして国内外の支援を、大々的に動員する必要がある。

報告書は、HIVによって最も甚大な影響を受けている全ての人たちに手を差し伸べることの重要性を説いており、最も必要としている人たちへのアクセスの問題を課題として提起している。

●原題: UNAIDS reports that reaching Fast-Track Targets will avert nearly 28 million new HIV infections and end the AIDS epidemic as a global health threat by 2030
●出典:UNAIDS Press Release
●日付:2014/11/18
●URL:http://www.unaids.org/en/resources/presscentre/pressreleaseandstatementarchive/2014/november/20141118_PR_WAD2014report

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(インド)ムンバイのHIV陽性者における薬剤耐性結核の深刻さ
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【2014年10月21日 ムンバイ(インド)発】インドでは、結核治療において、薬剤耐性結核が深刻な問題になっている。しかし、全国規模でのデータが未だ無く、薬剤耐性結核がHIV陽性者にどの程度の影響を与えているのかも不明である。

この地域では、HIV陽性者の多くがHIV検査を受けておらず、また、薬剤耐性結核に感染していても治療を受けていないケースが大半であり、HIVや結核による死亡も、こうした人々が大半を占める。

2013年から14年にかけて、インドの首都であるムンバイの医療センターを受診したHIV陽性者のデータをもとに、薬剤耐性結核の有病率の調査が行われた。HIV陽性者を対象にした横断研究は、医療センターを受診した大人から子どもまでの患者を対象に行われた。

塗抹顕微鏡検査、薬剤感受性テストを通過した、液体培養菌の第一及び第二選択の結核薬をすべての推定される結核患者に実施した。この分析の目的は、薬剤耐性結核の割合、結核の新規感染者や病歴がある患者について調査することにある。

2013年3月から2014年1月の間に医療センターを訪れた14,135名が対象になった。この中の1,724名が結核と疑われた。72名は塗抹顕微鏡検査、202名は培養で結核菌が判明した。

また薬剤耐性結核を持つ結核患者は68名だと分かった。結核の新規感染者の中で薬剤耐性結核を持つ患者は25%、結核の病歴が患者では44%となった。

上記で述べた薬剤耐性結核のデータで、HIV陽性者は薬剤耐性結核の検査を受けるべきことが明らかになった。すべての患者に塗抹顕微鏡検査を実施するが、薬剤耐性結核を持つ患者よりも通常の結核患者を優先的に行う必要がある。また、耐性のある薬剤が判明した後は、患者ごとに適した治療を実施する必要がある。

●原題:Alarming Levels of Drug-Resistant Tuberculosis in HIV-Infected Patients in Metropolitan Mumbai, India
●出典:PLOS ONE
●日付:2014/10/21
●URL: http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0110461

<地域別記事(アフリカ)>

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(エチオピア)女性セックスワーカーを力づける女性用コンドーム
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【2014年12月1日】東アフリカの国エチオピアでは、1年前に新たな女性用コンドーム(FC2)が導入された。これまで導入されていた古いタイプの女性用コンドーム(FC1)については、利用者の一部から、使用時に雑音がするという苦情が出ていたが、FC2はそれを改善し、雑音がすることはなくなった。

26歳のフレヒウォット・ベライFrehiwot Belayは、エチオピアの首都アジスアベバでセックスワーカーをしている女性である。彼女はFC2により、「危険にさらされている女性が主導権を持てるようになった」と述べた。

世界各国でコンドームの供給を行っている非営利組織、DKTインターナショナルのエチオピアのプログラム、DKTエチオピアでは、「ワイズ・アップ・プロジェクト」Wise-Up Project を展開している。これはFC2を知ってもらい需要を生む目的で、国内の28の市でセックスワーカーやそのクライアント、およびパートナー向けに予防活動を行っている。

プロジェクト担当のイェネネシュ・タレケンYenenesh Tarekegn氏は「私たちはFC2によってHIV感染や他の性感染を減少できると信じている」と述べた。DKTエチオピアはFC2をまず高等教育を受けている学生や学校を出た若者、セックスワーカーへ広めようとしている。 

以前、エチオピアには男性用コンドームしかなかった。先述のフレヒウォットさんのようなセックスワーカーは、客からコンドームを使わないセックスを強いられ問題を抱えていた。 

男性用コンドームは男性に装着するため、使用は男性主導になってしまう。FC2は女性用コンドームなので、女性に主導権が与えられる。

2013年のエチオピアの15歳から19歳の新規感染者数は30万人だった。そのうち、女子の新規感染者数は男子の2倍である。女性は生物学的にも社会文化的にもHIVに対して弱い立場にある。

DKTはFC2を周知させ使用量を増やしたいと考えている。そして、国連人口基金UNFPAから女性用コンドームのトレーニング費用の支援を得ようとしている。 

課題は高い材料費による製品価格で、1個あたり0.15ドルかかり、男性用コンドームの3倍になる。 

WHOは2007年から2011年のサハラ以南アフリカにおけるセックスワーカーのHIV陽性率は36.9%と発表している。 

女性用コンドームはHIV感染予防の1つだが、セックスワーカーは金融不安や業務条件の多様性などによりHIVに対して弱い立場に追いやられているという課題にも目を向けなければならない。

●原題:Female Condom Empowers Ethiopian Sex Workers to Prevent HIV
●出典:Key Correspondents
●日付:2014/12/01
●URL: http://www.keycorrespondents.org/2014/12/01/female-condom-empowers-ethiopian-sex-workers-to-prevent-hiv/

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(ケニア)携帯メールが妊産婦ケアと乳幼児のHIV検査を向上させる
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【2014年12月2日】東アフリカのケニアでは、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)によりケニアにおけるHIV陽性と診断された妊産婦の産後検診の受診率や、早期の乳児HIV検査率が改善されたことがわかった。

出産後の母体の健康維持、乳児の早期HIV検査や授乳による垂直感染予防には、産後の検診が欠かせない。しかしサハラ中部の地域では、多くのHIV陽性の母親が産後ケアを受けていないと報告されている。

今回研究者らは、ケニアのニャンザ州において無作為に選んだHIV陽性の妊婦たちを2つのグループに分け、あらかじめ研究内容を知らせた形で比較試験を行った。片方のグループには単に通常のケアを行うだけとし、もう一方のグループには産前に8回、産後に6回のメールを送信した。

最終的に結果が得られた381人のうち少なくとも産後検診を一度受けた者はSMSグループの194人のうち19.6%にあたる38人で、通常ケアの11.8%よりも1.5倍高かった。早期乳児HIV検査率は両グループとも高かったものの、SMSグループの方が92%と特に高く、通常ケアグループの85.1%を7%も上回った。

研究者は、SMSが産後の母親の検診率を大きく向上させると結論付けた。しかし全体としての検診率は依然として低く、「サハラ中部地域のHIV計画で、身近でアクセスしやすい療法の拡大を検討するべきだ」と推奨している。

●原題:Texting Improves Maternal Care, Infant HIV Testing in Kenyan Trial
●出典:International AIDS Society
●日付:2014/12/02
●URL:http://www.iasociety.org/Default.aspx?pageId=5&elementId=16125

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(南アフリカ共和国)世界エイズデー、更なる課題への対応が焦点に
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【2014年12月1日 ピートレティーフ(南アフリカ共和国)発】2014年12月1日、南アフリカ共和国のマプマランガ州ピートレティーフで開かれた世界エイズデーの公式行事に対して、治療行動キャンペーンTreatment Action Campaign(TAC)の1,000人を超えるメンバーがデモ行進を行った。これにより、ムプラマランガ州のHIV陽性者 PWAsが抱える問題、特に薬の在庫が危機的状況にあることや、保険制度の崩壊などへの注目が集まった。

公式行事当日の朝、TACによるカレマ・モトランテ南アフリカ共和国副大統領Kgalema Motlantheとの会談の申し出があり、問題解決に向けた対応が期待されたが、その会談は実現されなかった。

TACはこれを受け、世界エイズデーの公式行事に出席しないことを明らかにした。TACはPWAsと共にスタジアムの外に座り込みを続け、副大統領との会合が確約されるまで行事に参加せず座り込みを続けるという。

世界エイズデーの行事には多額の費用が注ぎ込まれ、エイズ被害の深刻な地域でお祭り騒ぎが一日行われるだけで、エイズ問題への対応に進展がないとTACは指摘している。

TACはモトランテ副大統領や保健省、その働きに敬意を払うものの、今も多くのPWAsは犠牲になっているという現実に憤りを感じているという。

また、この行事は南アフリカ国家エイズ委員会South African National AIDS Council(SANAC)が主催して開かれているが、SANACはPWAsが抱える問題に対し何もせず、また、生命を脅かす諸問題への対応を担う地方エイズ評議会の大半が機能していないことについても口を閉ざしたままだとTACは話す。

●原題:South Africa: Nothing to Celebrate on World AIDS Day in Mpumalanga
●出典:Treatment Action Campaign
●日付:2014/12/01
●URL:http://allafrica.com/stories/201412010754.html

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(南アフリカ共和国)HIV陽性者の高齢化でがん発症率が高く
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【2014年11月29日 ケープタウン(南アフリカ共和国)発】HIV陽性者は長期的にがんを発症するリスクが高いとされている。HIV陽性者が600万人以上いる南アフリカ共和国では、HIVに関連したがん患者の増加が懸念されている。

南アフリカ共和国のケープタウンでおこなわれた集会で、米国ジョージ・ワシントン大学のシルヴィア・シルバー教授 Sylvia Silverは、アフリカにおけるHIV関連のがんの増加の可能性を述べた。

南アフリカ共和国での高いHIV感染率の影響は、すでにがん発症数に表れている。に反映されている。皮下組織や口、鼻などにできるがん腫瘍であるカポジ肉腫を発症する患者が、2000年では849人だったのが、2007年までに200%近くまで増加した。

HIV陽性者は陰性者の数千倍もカポジ肉腫になる確率が高く、免疫システムに影響を与える非ホジキンリンパ腫では、発症する確率が少なくとも70倍も高くなる。

また最新の研究によると、肛門がん、肝臓がん、肺がんのような他のがんも、HIV感染者は発症する確率が高くなるという。

南アフリカ共和国のステレンボス大学 Stellenbosch University解剖病理学部長であるヨハン・シュナイダー教授 Johann Schneiderによると、HIV陽性者ががんになるリスクが高いのには、いくつかの危険因子があるという。

「抗レトロウイルス治療(ARV)により、HIV陽性者は、長く生きられるようになるが、高齢化とともにがんも増加する。また多くのがんはある種のウイルス感染とも関係している」と同教授は話している。HIVは免疫システムを弱め、がんを引き起こすウイルスにも感染しやすくなる。

抗レトロウイルス治療(ART)はカポジ肉腫や非ホジキンリンパ腫の発症を抑えるのに役立っているが、これら2つのがんの発症率は陰性者よりもARTを受けているHIV陽性者のほうが依然として高い。

●原題:Africa: Cancer Likely to Increase as People with HIV Liver Longer
●出典:allAfrica
●日付:2014/11/29
●URL:http://allafrica.com/stories/201412011073.html

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編集後記
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2014年最後のGAUは263号でした。

世界エイズデーの認知度が年々上がる中、
未だ解決とは程遠い状況にあるさまざまな課題への対処が
エイズを2030年までに解決するためのカギであると感じました。

今年のGAUも、翻訳ボランティアの方をはじめ、
本当にたくさんの方のご協力によって皆様にお届けできていることに感謝申し上げます。

来年もまた世界のエイズニュースを届けてまいりますので、
どうぞよろしくお願い致します。

では良いお年を! (GAU編集担当 A)

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