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(GAU237号)第11回アジア太平洋地域エイズ国際会議特集

2013/12/22

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★「第237号」目次

●地域別記事:特集=第11回アジア太平洋地域エイズ国際会議(ICAAP 11)
インドネシア政府、エイズ対策強化へ
バンコクで開催されたICAAP11に数千人が参加
ICAAP:HIV検査と早期治療の重要性を強調
エイズを世界的な課題として復権させるための呼びかけ
アジア太平洋地域における若者へのHIV/エイズ啓発

●対策・課題別記事
(アメリカ)HIVの早期治療はコスト高だが、より長く生き延びられる
 (ベトナム)メタドン代替療法の積極的導入へ
(南アフリカ)「治療行動キャンペーン」新結核薬の臨床試験の遅れを批判
(ジンバブウェ)12,838人のセックス・ワーカーが参加

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●地域別記事:特集=第11回アジア太平洋地域エイズ国際会議(ICAAP 11)

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インドネシア政府、エイズ対策強化へ
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【2013年11月22日 バンコク(タイ)発】インドネシア共和国政府は、国内のHIV新規感染者の増加を抑えるために、予防介入の規模拡大を図っている。

保健省疾病対策・環境保健局長のチャンドラ・ヨガ・アディタマ氏 Tjandra Yoga Aditamaは、第11回アジア太平洋地域エイズ国際会議 ICAAP 11のなかで次のように述べた。「我々は、HIV感染リスクが高い集団に対する包括的な予防介入とケア・サービスの継続を進めてきた。これにはHIV検査、カウンセリング、治療サービスの拡大が含まれている」。

2012年に国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、2001年から2011年の間に依然として新規感染者が25%以上増加している9か国のひとつとしてインドネシアをあげた。

さらに、インドネシア政府の保健省が、2012年にHIV検査やカウンセリング、治療サービスの強化を地方の各保健所へ指示したにも関わらず、ゲイ・コミュニティやセックス・ワーカーらのための予防プログラムがこれらの集団の25%以下にしか届いていないとも指摘されている。

国内のおよそ9,000の医療施設が「供給者主導主導HIV検査およびカウンセリング」provider initiated HIV testing and counseling (PITC) を開始した。「医療者は感染のリスクがある人にHIV抗体検査を勧めるようトレーニングされている」とアディタマ氏は述べる。検査希望者は誰でも自発的検査およびカウンセリングを受けることができる。

アディタマ氏によると、2012年に800,000人(人口2億7,000万人)がHIV検査を受けたが、目標は2015年には300万人が検査を受けることである。

インドネシア政府はCD4値(免疫力の指標となる細胞数)に関係なく抗レトロウイルス治療(ARV)を妊婦や一方がHIV陽性者であるカップルを含むHIV感染者に提供している。ちなみに、WHOはCD4値が、500個/?以下になった時にARVを開始するのを推奨している。

CD4値やウイルス量を測定する検査やHIV検査の費用は、政府の保健予算や国際援助で賄われている。

活動家らはこの方針を歓迎しているが、まだ十分ではないと考えている。国内のNGOである「独立した若者連合」Independent Young People Allianceの地方コーディネーターであるムハンマド・レイサ氏 Muhammad Reysaは、若い人々にもっと焦点を当てた予防対策が必要であると話している。ユニセフによると、インドネシアでは、2011年に、新規感染者の18%を15歳から24歳までの若者が占めたという。

レイサ氏は若者がコンドームを使いたがらないことが問題であるという。「若者たちはコンドームがHIV感染を予防することは知っていても、それを購入することを恥ずかしく感じている」という。

インドネシアでは、セックス・ワーカーや性的マイノリティ、注射による薬物使用者を含むHIV感染のリスクが高い人々のうち30%を若者が占めている。

原題:Indonesia Accelerates HIV Response
出典:IRIN
日付:2013/11/22
URL:http://www.irinnews.org/report/99183/indonesia-accelerates-hiv-response

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(タイ)バンコクで開催されたICAAP11に数千人が参加
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【2013年11月19日 バンコク(タイ)発 】第11回アジア太平洋地域国際エイズ会議(ICAAP11)がタイ王国首都バンコクのクイーン・シリキット国際会議場で2014年11月18日から22日まで開催された。19日の開会式には数千人が参加した。開会式では、新規HIV感染者ゼロ、差別ゼロ、AIDS関連の死者数ゼロという長期目標を達成するために、差別を終わらせ、より協調して行動することが強く求められた。そして若い人々に対し、2013年のICAAPのテーマ「3つのゼロ−革新への投資」に沿ってより積極的に役割を担うように述べた。

ICAAP 11の開催国組織委員会 Local Organizing Committee (LOC) の事務局を務めたタイのNGO「人口・コミュニティ開発協会」Population and Community Development Association (PDA) の議長、ミーチャイ・ウィラワイタヤ氏Mechai Viravaidyaは「我々がやるべきことはAIDSへの対応を未来の若者へ託すことである。彼らは次のステップを導くべき人々なのだ」と述べた。タイ政府のプラディット・シンタヴァナロン保健大臣Pradit Sintavanarongは、タイではHIV陽性者全員が抗レトロウイルス治療を受けられるよう改善しており、国内のカバー率はアジア太平洋地域の国と比較して最も高い70%だと述べた。

国連合同エイズ計画UNAIDSの「差別ゼロ」政策を支持する、ビルマの国会議員であるアウン・サン・スー・チー氏Aung San Suu Kyiは、「私たちがHIVの状況や性的指向に関係なく人々を支援し、尊厳のある生活へ導くことで変化をもたらすことができる」とビルマからのビデオ・メッセージで述べた。

UNAIDSのアジア太平洋地域サポートチームのリーダー、スティーブ・クラウス氏Steve Krausは、「新規のHIV感染者数は過去5年以上同じ状況である。私たちは何年も普遍的アクセスについて話してきたが、同性愛者を罰する法律のような、エイズ対策の制約になっているものを改めるべく、声を上げるべきだ。2015年の国連ミレニアム開発目標の期限まであと800日しかない。私たちはこれまでに達成した成果を基礎にして前進すると同時に、目標達成に向けてもっと焦点を絞る必要がある」と述べた。フィジー共和国のラトゥ・エピリ・ナイラティカウ大統領H.E. Ratu Epeli Nailatikauは「AIDSに対する最大の障壁は差別である。法や政策にHIV陽性者の人権を確立し、懲罰的な法を終わらせるべきだ」と述べた。

原題:Thousands attend ICAAP11 opening ceremony in Bangkok
出典:New Vision
日付:2013/11/19
URL:http://icaap11.org/index.php/media/news/167-icaap11-news-3

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(タイ)ICAAP会議:HIV検査と早期治療の重要性を強調
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【2013年11月20日 バンコク(タイ)発】タイの首都バンコクで開催された第11回アジア太平洋地域エイズ国際会議 ICAAP 11では、WHOのスローガンである「『ゼロ』の達成」Getting to Zeroに向けた最大の課題は、検査を受ける人の数を増やし、より多くの陽性者が早期に治療を開始することであると強調された。

米国に本部がある国際NGO、FHI360の世界保健・人口・栄養部門のグループリーダー、ティモシー・マストロ博士 Dr. Timothy Mastroは、記者会見の場で次のように話した。「男性同士の性的パートナー、セックス・ワーカー、そして薬物使用者を含む、特に影響を受けやすい集団に対して、総合的なサービスを提供しなければならない。これらの人たちは、差別されており、検査と治療のサービスにアクセスできていない。」

タイ公衆衛生省の疾病抑制局の副局長ソムサック・アクスリップ博士 Dr. Somsak Akkslip は、「検査と治療は、当省の新たな戦略課題だ。自発的カウンセリングと検査VCTのアウトリーチプログラムは、国内の4県で実施されており、今後更にコミュニティ・ベースのアプローチで、10県まで拡大していく予定だ」と話した。

「男性の性的保健に関するアジア太平洋連合」APCOMは、同地域の38の国のうち18カ国で、男性同士の性行為に対して何らかの刑罰が処せられる法律があり、このことが、彼らがHIV対策のための施設などに行って検査を受けることを阻んでいる、と指摘する。同連合事務局長のミッドナイト・プーンカセトワッタナ氏 Midnight Poonkasetwattana は、「検査で陽性だった際に、医療施設で嫌な思いをしたら、その後継続して治療を受ける意志がそがれてしまうだろう。私たちは、陽性の人が、同じコミュニティの仲間(ピア)に同伴されて検査を受けたり、フォローアップの治療を継続できるよう、コミュニティ・ベースのピア・サポートプログラムを推進している」

記者会見では、これらの取組みについて語られる一方で、国際支援の資金が縮小傾向にあり、各国政府が不足分の埋め合わせをしなければならない状況になっているとも伝えられた。

インドの国家エイズ管理機構National AIDS Control Organisation のアラダナ・ジョーリ氏 Aradhana Johriによると、インド政府による資金の増額と、長期的で対象人口を絞った予防計画が功を奏し、新規の感染数は推計で300万減少したと言う。「一つの方法ですべてが解決できるような方策はないのです。地域に蔓延する問題をとっかかりに、その場所に適した解決方法を見つけ、経過をモニタリングし、疫学的なエビデンスをもとに、プログラムを実施していかなければならないのです」インドでは実際、過去10年間に新規感染数を半分に減らすことができたが、新たに薬物使用者の感染が増加傾向にある。今後、さらに拡大しないよう集中的にこの問題に取り組んでいるという。

今回のICAAPでは、「3つのゼロの実現:イノベーションへの投資」をテーマとしている。この「トリプル・ゼロ」とは、「新規感染をゼロにする」、「エイズによる死亡をゼロにする」、そして「差別をゼロにする」の3つを指している。

原題:ICAAP Stresses Need for HIV Testing and Early Treatment
出典:The 11th International Congress on AIDS in Asia and the Pacific (ICAAP11)
日付:2013/11/20
URL:http://icaap11.org/index.php/media/news/170-icaap11-news-5

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(タイ)エイズを世界的議題に戻すための呼びかけ
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【2013年11月22日 バンコク(タイ)発】2013年11月22日金曜日、タイのバンコクで開催中のアジア太平洋地域エイズ国際会議 ICAAPで、HIVおよびエイズを国際協力における主要課題として復権させるための呼びかけが行われた。「HIVを議論の俎上に乗せることは重要な課題です。我々はHIVの治療面では大きく前進しましたが、長期課題である『3つのゼロ』(新規感染ゼロ、差別ゼロ、エイズ関連死ゼロ)の達成に向けて全体的な取り組みを進めるには、現状を伝え、啓発していくことが不可欠です」と、アジア太平洋地域エイズ担当国連事務総長特使 プラサダ・ラオ氏Prasada Raoは同会議の記者会見で述べた。

ICAAPの今年のテーマは、「3つのゼロの実現:革新への投資」だ。オーストラリアの前最高裁判事でHIV・エイズ活動家でもあるマイケル・カービー氏Michael Kirbyはこう述べた。「『ゼロ』という単語ではなく、ゼロに『近づけよう』という部分を強調するのが非常に大切です。というのも、紛れもなく、差別をゼロにし、新規感染をゼロにすることは、未だ達成されない目標だからです。『3つのゼロ』を不用意に掲げてしまうと、HIV・エイズが現実にはまだ続いているにもかかわらず、人々は、『エイズは終わった』と捉えかねません」

また、カービー氏は国連の数値を引用し、2012年にアジア太平洋地域でのHIV陽性者数は約500万人だったと述べた。2012年の新規感染者数は合計35万人で、2001年の数値から26%下降した。2012年の死亡者数は27万人で、2001年より18%下降した。カービー氏によると、2012年にはHIV・エイズ対策に22億ドルを拠出しており、うち6割はアジア太平洋地域内で拠出された資金だという。「つまり、アジア太平洋地域は、実質上、エイズ対策の前進に大きく貢献しているのです」と同氏は述べた。

しかしながらカービー氏によると、多くの国々では、セックス・ワーカー、男性とセックスをする男性(MSM)、薬物を使用する人々などを、犯罪者扱いされることや差別から守るために、法的措置が依然として必要とされているそうだ。「HIV・エイズが未だ続いている一方、我々が掲げているゼロ目標の一つである『差別ゼロ』は、それに向けた法的措置を実施することを必要としているのだと強調することが重要です」とカービー氏は述べた。

原題:Calls for Action to Restore HIV to Global Agenda
出典:The 11th International Congress on AIDS in Asia and the Pacific (ICAAP11)
日付:2013/11/22
URL:http://icaap11.org/index.php/media/news/178-icaap11-news-9

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アジア太平洋地域における若者へのHIV/エイズ啓発
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【2013年11月18日バンコク(タイ)発:グローバル・エイズ・アップデート編集部】タイ王国の首都バンコクにて、11月18日から22日までの5日間、第11回アジア太平洋地域エイズ会議 ICAAP 11が行われた。本会議では、HIV/エイズ対策において核となる特定の人口集団Key Affected Populations (KAPs)にフォーカスした(または主体の)シンポジウムが数多く催された。「若者」Young PeopleはKAPsのうちの一つであり、会議の初日に開かれた若者向けのセッションには、同地域の若者が多く参加した。

このセッションでは若者へのHIV/エイズ啓発について考えていくというものであった。セッションの始めに若者の啓発に求められるアクション案として四つ紹介された。一つ目は「若者が主体的にかかわっていくようにすること」、二つ目は法や教育、就労の場といった「核となる環境に働きがけをおこなっていくこと」、三つ目に家族や社会、宗教そして自己に対して「差別・偏見をなくしていくよう働きかけていくこと」、そして四つ目は「より効果的に資金などのリソースを分配していくこと」である。また、その後行われたグループディスカッションでは「偏見・差別をなくしていくためにどうすればよいのか」をテーマに各国の若者同士が意見を交換し合った。

意見交換はそれぞれの国の状況も交えながら進められた。このディスカッションにおいて、国を問わず最も多かった意見がFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアを通じた啓発、また教育機関での啓発というものであった。しかしながら、具体的にメディアでどのようなアプローチで行えば良いかといった意見は出てこず、またイスラム教国家をはじめとする保守的な国では教育機関であろうともそうした啓発がタブー視されてしまう、などといった課題も浮き彫りとなった。どの国においても「差別・偏見」の問題が未だ深刻であり、その対策が懸念される。

今回のセッションでは若者への啓発を考える際に非常に重要なベースとなるアイディアが紹介された。だが今後そうしたアイディアを実現させていくためには、各国の特定の状況に合わせてより具体的な策を若者をも巻き込みながら考え、変化させ汎用していく必要がある。

●対策・課題別記事

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(アメリカ)HIVの早期治療はコスト高だが、より長く生き延びられる
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【2013年11月22日 】アメリカ合衆国で行われた研究により、免疫の強さを表すCD4数の値が高いうちから治療を始めたHIV陽性者の方が、治療費は高額になるものの、長く生き延びられることが分かった。また、彼らはCD4数が少なくなってから治療を始めた陽性者よりもHIVを感染させる可能性も少ない。CD4数が高い時期から治療を開始したHIV陽性者が、より長命である理由は、AIDSを発症したり、AIDS以外の病気にかかる危険性が低いからである。彼らが最新の診断基準に基づいた治療を受けることは、生涯の医療費に影響するだけでなく、HIV陽性者としての生活やHIV感染にも影響を及ぼす。

HIV/AIDSの感染と進行に関する一定のモデルに基づいて行われたこの分析では、合計1万人を次の4つのグループに分けて追跡調査し、生涯医療費から3%を割り引いて計算した。グループ1)CD4数が200cells/μL以下、グループ2)201以上350cells/μL以下、グループ3)351以上500cells/μL以下、グループ4)501cells/μL以上。研究者たちは、HIV陽性者が、陽性との診断を受けた段階でケアを開始し、ケアを続け、CD4数が500になった段階でHIV治療を開始する資格を得られる、との仮定に基づいて研究に臨んだ。

その結果、HIV治療の平均的な生涯医療費は、CD4数が200以下になっ手治療を開始した人で25万3千USドル、501以上900cells/μLの人で40万2200USドルかかる。


質の高い生活を送れるかどうかという基準で補正した生命年 quality-adjusted life years をみると、CD4数が200以下の段階で治療を始めた人は、HIVに感染しなかった場合と比べて生命年が7.95年減少するが、501以上で治療を始めた人は、生命年の喪失は4.45年にとどまる。また、治療を開始してから何年平均余命があるかについては、200以下で開始した人は30.8年であるが、501以上では38.1年に上昇する。また、生涯において本人から他者にHIVが感染する推測数は、200以下で開始した人が1.4であるのに対し、501以上の人は0.72と、半減する。

研究者はこの数値から、HIV感染の早期診断と治療は生涯治療費が増加するが生活の質を改善し寿命を長くし新規感染の危険性を約半分に低下させる効果があると結論付けた。

原題:Earlier HIV Diagnosis and Care Cost More But Prolong Life in US Model
出典:International AIDS Society
日付:2013/11/22
URL:http://www.iasociety.org/Article.aspx?elementId=15593

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(ベトナム)メタドン代替療法の積極的導入へ
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【2013年11月26日】ベトナム社会主義共和国の保健省HIV/AIDS予防局の統計によると、同国には、現在およそ17万人の薬物使用者がいる。同国では、今後HIV/AIDS予防の観点から、これら薬物使用者にメタドンを使った代替療法を強く勧めている。

メタドンはすでに世界中で長年広く使われてきた。米国では1964年から使われており、薬物使用者のためのメタドン治療センターは750カ所にのぼる。
フランスでは1990年から導入され、5千カ所ものセンターが有り、アジアでは香港で1972年以降使われており、殆どの薬物使用者はメタドン代替治療を受けている。

ベトナムでは、やや遅めの2008年にメタドン治療のサービスが始まった。当初は6の都市や郡で15の専門クリニックという小規模なスタートだったが、年々増設され、今では全国に62のクリニックがあり、2008年から2013年までの間に1万4千人が治療を受けてきたという。しかし、このプログラムでは、を必要としている全体数の20%にすぎない。このため、ベトナム国立精神保健研究所では、医療施設や麻薬中毒者のための薬物解毒センターでメタドン治療を受けるよう勧めている。

メタドンは、ブプレノルフィンやナルトレキソンなどを使ったその他多数の薬物中毒治療法の一つに過ぎない。実際にはどの治療法が適しているかは、その国の社会経済状況によって決まるだろう。ベトナムでも近年、社会経済状況が改善し、グローバル化が進む中で、世界中の経験値をもとにした最新の治療方法を用いて、より明るい未来への希望の灯りをともしたい。

原題:Vietnam urges more methadone treatment for people who use drugs
出典:Citizen News Service
日付:2013/11/26
URL:http://www.citizen-news.org/2013/11/vietnam-urges-more-methadone-treatment.html

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南アフリカ「治療行動キャンペーン」新結核薬の臨床試験の遅れを批判
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【2013年11月19日 ケープタウン(南アフリカ共和国)発】南アフリカ共和国のHIV陽性者のアドボカシー・グループである「治療行動キャンペーン」Treatment Action Campaign (TAC) は、ヤンセンファーマが現在開発中の新結核薬の臨床試験の遅れについて、以下のような声明を発表した。

=ヤンセンファーマ製薬会社は新結核薬、ベダキリンの臨床試験を急いで取り行う必要がある。
=新結核薬や結核診断方法開発のために、同会社は早急に投資額を増やすべきだ。

こうした強い要望の背景には、現在南アフリカ共和国なども含めて行われている、多剤耐性結核に対する基本的な治療に、ひどい副作用があり、臨床試験も十分に行われていない薬が使用されていることがある。きちんと臨床試験が行われた新結核薬が絶対に必要なのだ。

ジョンソン&ジョンソングループ Johnson & Johnsonの一員であるヤンセンファーマ製薬会社 Janssenが開発した「ベダキリン」Bedaquilineは、多剤耐性結核を根絶できると確信されている新結核薬だ。二つの第2層の臨床試験では、この新薬を用いて体内の結核菌をなくせることが証明できたが、薬の安全性に疑問が残った。1回目の臨床試験では、ベダキリンの使用量を調節した時よりも、多くの多剤耐性結核がいなくなった。この事実は統計的に重要な結果となった。薬が原因で大量の結核菌がいなくなったとは知られておらず、多くの研究者が偶然によるものだと考えているように思われる。しかし、第3層の臨床試験が完了するまでは、どちらが正しいのかということはわからない。ほとんどの場合、医薬品として承認されるには第3相の臨床試験が必要なのだ。

2012年12月、アメリカ食品医薬局 United States Food and Drug Administrationは、2022年までに第3相の臨床試験を終えることを条件に、ベダギリンを迅速承認制度の対象とすることを決定した。我々はもちろん、第3相の臨床試験が必要なことは納得している。しかし、2022年が目標では遅すぎるし、新結核薬の臨床試験を行い安全性を確かめることが緊急に必要なのだ、ということが理解されていない。そもそも、米国は結核の低蔓延国で、ベダギリンが必要な患者は少数だ。

同医薬局がこのような決定をした理由は、ヤンセンファーマ製薬会社が第3相の臨床試験を急いで行う意向を示さなかったことである。これは、第3相の臨床試験を実施しても、思ったほどの利益が見込めないと判断したことが理由に挙げられる。世界中の活動家は同製薬会社がすぐに第3相臨床試験の実施をするようプレッシャーをかけなければならない。

南アフリカ政府機関である医薬品協議会 South Africa’s Medicines Control Council (以下MCC)に、南アフリカでベダキリンを登録するための、同製薬会社の申請状況について問い合わせたところ、現在検討中という回答があった。3回目の臨床試験と安全性に関するデータの不足から、MCCが登録を許可しないことは十分考えられる。この薬のリスクや利点などの情報が患者にきちんと伝えられるのであれば、南アフリカ共和国のHIV陽性者団体として、「治療行動キャンペーン Treatment Action Campaign」は、人道的観点から、「例外的使用」compassionate use という枠組みで、薬剤耐性のある患者にベダキリンを提供する活動を行う。 すでに南アフリカでは、これに必要な手続きは行われている。

結核の根本的な問題は、資金不足から対策が後回しにされていることにある。

米国の治療行動グループによって発表された最新の報告書によると、公的機関と民間企業の結核研究への年間投資額は共に減少したことが明らかになった。

以下関連記事
http://www.treatmentactiongroup.org/tb/press/2013/double-blow-private-sector-funding-tb-research-drops-sharply-amid-severe-public-sector

「世界中で蔓延し、感染すると致死率がもっとも高い危険因子のHIV/エイズの方が結核よりも危険視される。2012年、860万人が結核を発症し、その内の180万人が死亡した」という、世界保健機関 World Health Organization (WHO)が述べたことを考えれば、投資額の低下がいかに道徳に反する行いかがわかる。

以下関連記事
http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs104/en/

世界中の人々が一丸となって、より良い新結核薬や結核診断方法の開発への増資を政府や製薬会社に必死で訴えかけるべきなのだ。

原題:Unconscionable Delay of TB Drug Trial
出典:Treatment Action Campaign
日付:2013/11/19
URL:http://www.tac.org.za/news/unconscionable-delay-tb-drug-trial

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(ジンバブウェ)12,838人のセックス・ワーカーが参加
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【2013年11月12日ジンバブウェ発】アフリカ南部に位置するジンバブウェでは2009年以降、性の健康・HIVエイズ研究センター THE Centre for Sexual Health, HIV and Aids Research (CeSHHAR) によって国内の12歳から60歳の12,838人の女性がセックス・ワーカーとして登録された。これら女性のうち、10,455人がその後、性病の治療を受け、2,132人がHIV陽性との診断を受けて結果とし以降、抗レトロウイルス治療を受けている。彼女たちセックス・ワーカーは、追加料金と引き換えに、避妊具を使用することなく1日に最大で12人の男性の相手をしている。

「これらの統計には、名乗り出て登録した女性のみが含まれており、セックス・ワークをしている女性の大半は、まだ埋もれた状態にあります。セックス・ワーカーは増加するHIVのリスクにさらされていますが、一方で、予防や治療などのサービスにアクセスする見込みは少ないのです」とCeSHHAR性労働プログラム・コーディネーターのシボンギル・ムテトワ氏 Ms. Sibongile Mtetwa は述べた。

CeSHHARはこのような現状に対し、セックス・ワーカーの間のHIV感染や顧客へのHIV感染を減らし、セックス・ワーカーの権利を向上させるために、「女性の声」 Sisters with a Voice というプログラムに取り組んでいる。このプログラムによって、セックス・ワーカーは性感染症や避妊などにかかる際に、保健サービスへのアクセス権が与えられている。「このプログラムは5つの拠点で始められ、現在ではジンバブウェ国内27か所で行われています。また、CeSHHARは全セックス・ワーカーと接触するために更なる拠点の開設を計画しています。性労働者の権利に対する敬意や保護・支持を向上させ、HIV予防のためのユニバーサルアクセス、治療やサポートを促進させることが目標です」とムテトワ氏は述べた。

また、セックス・ワークという仕事への差別によって、公共医療機関で治療を受けることができないと主張する者もいた。ある女性は、「性労働者である場合、病気が公表されてしまうため、公共医療機関において性感染症の治療を受けることが難しく、大多数が伝統的な性感染症の治療に走ってしまいます」と語った。

しかしながら、性労働者たちは、彼女らが生きるために選択した手段は危険なものであることと認めている。「わたしたちセックス・ワーカーは、男性、特に兵士に対しても問題があると感じています。彼らは、HIV感染の心配はないと言って、コンドームを付けることを拒むのです」とある女性は言った。
国連人口基金のプログラムアナリストであるサムソン シディア氏 Mr Samson Chidiya は「ジンバブウェでのHIV感染者の72%が異性との性交渉によるものだという点を考慮すると、セックス・ワーカーはHIV問題解決の鍵です。セックス・ワーカー間のHIV予防はセックス・ワーカーやその顧客、顧客のパートナーや顧客のパートナーから産まれる乳児を予防するということを意味します。また、ジンバブウェではセックス・ワークという職業の存在を受け入れることが必要です」と述べた。

原題:Zimbabwe: 12383 Sex Workers Register
出典:THE HERALD
日付:2013/11/12
URL:http://allafrica.com/stories/201311121137.html?viewall=1

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編集後記
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寒くなってきましたね!この季節に食べたくなるのは、お鍋!テレビのコマーシャルでやってる白菜と豚バラのお鍋が食べたい。。お鍋って簡単だからいいですよね。私の今年のこだわりは、自分でちゃんと出汁をとること!昆布を一晩つけたり、せっせとやってます。
読者の皆様のオススメレシピも教えてください!

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