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地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。

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(GAU212号)クリントン国務長官、「エイズ・フリー世代の創造」への青写真示す

2012/12/31

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★「第212号」目次
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<通常記事>
●アフリカ
(アフリカ)結核対策への携帯電話活用が大きな成果:ナイジェリア
(ウガンダ)ヴィクトリア湖の漁民へのHIV対策が行き届かず
(エジプト)国連・カイロ大医学部がHIV/AIDSプログラム協力協定
(南アフリカ共和国)HIV/AIDS対策で携帯電話活用
●他
米国の黒人MSMの感染率は多くのアフリカ諸国より高い?
チュニジアの女性イメージ
クリントン国務長官「エイズ・フリー世代」実現に向けた青写真を示す
ラテン・アメリカで進むHIV感染の犯罪化:HIV対策に取り組むNGOが抗議声明

------------------------------------ Vol.9 No.212----  
◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
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(アフリカ)結核対策への携帯電話活用が大きな成果:ナイジェリア
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【2012年11月23日:アブジャ(ナイジェリア)発】サブサハラ・アフリカにおける結核の新規患者数は爆発的に増加している。世界保健機関によると2011年には人口10万人当たり260件に達した。

一方、同じように爆発的に伸びているのが、携帯電話の使用だ。アフリカの中でも大手の通信市場である西アフリカの大国ナイジェリアでの携帯電話使用の拡大について、同国の通信技術政策を担当する「通信委員会」 Nigerian Communications Commission は、「約1億台のスマートフォンが使用されており、ナイジェリアはアフリカ大陸のワイヤレス技術使用におけるリーダー的存在になっている」と自負する。

アフリカの多くの国や機関が、結核等の疾患治療を改善するためにワイヤレス技術が実際に役立つかについて調査を進めている。これは、こうした携帯電話の爆発的使用拡大という現実をかんがみると驚くべきことではない。

典型的な例として、ナイジェリア政府の国立結核・ハンセン病研修センターNational TB and Leprosy Training Center 及び米国メリーランド州に拠点を置くアブト・アソシエーツ社 Abt Associates が共同で手掛けている、結核患者の管理体制強化のための自動チェックリストの開発及び試験事業が挙げられる。200カ所の保健施設を管理するための毎月/四半期ごとの訪問にスマートフォンを導入した結果、ケアの質に大幅な改善がみられた。ナイジェリアの最大都市ラゴス内に位置するラゴス本土地方政府地域 Lagos Mainland Local Government Area では、結核とHIVの両方に感染している患者で、日和見感染症を予防するためにコトリモキサゾールの予防内服治療を受けている患者の割合が、2011年3月から1年間で33%から100%にまで上昇した。また、同期間の新規の喀痰(かくたん)飛沫陽性患者の結核治癒率も62%から79%に増加したという。

同事業に関する調査報告では、「結核に関するデータ収集においてスマートフォンを使用することにより、資料印刷の必要がなくなり、データ入力時の間違いも最小限に抑えることができるようになった。政策立案者等への報告も速やかに行えるようになり、ケアの質を改善するための方法を明確に指摘することが可能となった」と報告している。

サブサハラ・アフリカにおけるスマートフォンの急速な普及に伴い、携帯電話で患者に必要なメッセージを送るなど、この技術がより広範囲な目的に使われるようになることへの期待が高まっている。

しかし、全ての人が携帯電話を使用できる環境にはないこと、また年配の地域医療従事者にとっては、携帯電話は扱いにくく、結果として、携帯の使用が脅威になってしまう可能性もあり、保健医療におけるスマートフォンの導入拡大は慎重に行っていくべきだと指摘する声も上がっている。

原題:Africa's Cellular Solution to TB
出典:CMAJ
日付:2012/11/23
URL:
http://www.cmaj.ca/site/earlyreleases/23nov12_africas-cellular-solution-to-tb.xhtml

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(ウガンダ)ヴィクトリア湖の漁民へのHIV対策が行き届かず
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【2012年11月26日 カンパラ(ウガンダ)発】東アフリカの内陸国ウガンダは、巨大な淡水湖であるヴィクトリア湖に面している。このヴィクトリア湖で漁業を生業として生活する漁民たちにも、HIVの問題は広がっているが、対策が追いついていない。「ウガンダ国家エイズ委員会」Uganda AIDS Commission (UAC)の年次報告によると、2012年6月時点で、抗レトロウイルス薬を必要とする6225名の漁民のうち、治療を受けているのは15%だった。当局は、この層の人々は識字率が低いこと、漁民が多く住む島々は遠隔地でアクセスが不便であることが原因だとした。

「ウガンダのほとんどの漁民は、ヴィクトリア湖上の、交通が不便な島に住んでおり、多くの島では医療施設が不足しています」と、保健省で最もリスクの高い人々を担当するコーディネーターのピーター・キャンバデ氏Peter Kyambade。

「こうした人たちは、島から島へと移住を続けます。彼らとコンタクトを取るには、エンジン付のボートと燃料が必要ですが、大変な費用がかかります。HIVの予防には広範囲のアプローチが必要ですが、すべての島に診療所を配置するわけにもいきません」

情報の不足、偏見、薬の副作用、医療機関と予防プログラムの連動性の欠如、抗レトロウイルス薬の不足、医療機関の人材不足、抗レトロウイルス治療を受けられる医療機関の認定が進まないこと、漁民の移住習慣といったことが治療を妨げる原因だと指摘された。

2011年の調査では、ヴィクトリア湖に暮らす漁民のHIV感染率は22%と、国内平均である7.3%の3倍以上であった。市民団体は政府に対し、感染リスクがもっとも高い人々への抗レトロウイルス薬の提供と予防策の実施をさらに拡大するよう求めている。

首都カンパラの東に位置し、ヴィクトリア湖に面するムコノ県にある診療所では、52の島々から患者がやってくるが、約1500名のHIV陽性者のうち、現在も治療を受けている人は400名にとどまっている。「ARTを受けるべき患者のうち、1100以上のカルテが眠ったままになっています。我々も追跡することはできません」と、診療所のカウンセラーを務めるスーザン・キラビア氏Susan Kirabiraは語る。

漁村地域における対策を怠ることは、新たな感染を食い止める努力を台無しにしかねない。同国の中央からやや西によった、ヴィクトリア湖に浮かぶいくつかの島で構成されるカランガラ県などの地域では、米国大統領エイズ救済緊急計画(PEPFER)を通じて、診療所をベースとした予防策、船で行き来しなければならないような地域に対する支援プログラム、漁民を対象としたホーム・ベースド・ケア(HBC)が実施されている。

原題:Fishing Communities Missing out on HIV Treatment
出典:IRIN/Plus News
日付:2012/11/26
URL:
http://www.irinnews.org/Report/96894/UGANDA-Fishing-communities-missing-out-on-HIV-treatment

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(エジプト)UNAIDSとカイロ大医学部がHIV/AIDSプログラム協定
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【2012年11月29日 カイロ(エジプト)発】北アフリカのエジプトでは、世界エイズデーを記念し、カイロ大学医学部長のフセイン・ハリー博士Dr. Hussein KhariyとUNAIDSのウィザム・エル=ベイ国別調整官Dr. Wessam El Beihによって、カスル・エル=アニ医学部付属病院と国連合同エイズ計画エジプト事務所UNAIDS Egyptの協力協定が調印された。

この協定は、医療従事者の血液媒介感染症予防における知識や経験、そして患者の権利に対する医療倫理を高め、医療現場でのHIVに関係した偏見や差別をなくすために、多面的な支援を行うことを目的とする。

1年間の協定により複数の国連機関がカスル・エル=アニ医学部付属病院を支援し、HIV陽性者へのいかなる差別も排除し、医療サービスの質を向上させるためのトレーニングを医療従事者に対して行う。

UNAIDSの報告では、世界25カ国で新たな感染が50%以上減少しているが、中東と北アフリカでは新たな感染が増えている。「医療従事者には、人々にとって信頼できる情報源として行動し、HIVに対する偏見をなくし、HIV/AIDSについての正確な知識を広める重要な役割があります。彼らがそのような役割を効果的に果たせるよう支援することは、私たちの義務なのです」とエル=ベイ氏は語った。

原題:Protocol of Cooperation between the Joint United Nations Programme on HIV/AIDS
and Faculty of Medicine, Cairo University in Egypt
出典:PR Newswire
日付:2012/11/29
URL:
http://world.einnews.com/pr_news/125532283/protocol-of-cooperation-between-the-joint-united-nations-programme-on-hiv-aids-and-faculty-of-medicine-cairo-university-in-egypt

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(南アフリカ共和国)HIV/AIDS対策で携帯電話を活用
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【2012年11月28日ジョハネスバーグ(南アフリカ共和国)発】南アフリカ共和国で、携帯電話技術を活用することで貧困や保健の問題を解決することを目指す民間財団であるプラエケルト財団Praekelt Foundationが運営するSNSサイト、Young Africa Live (YAL) は、世界エイズデーの12月1日より、国内のHIV検査可能な拠点情報を提供する。YALは2009年12月1日、南アフリカの若者向けに、HIV/AIDSを含む、恋愛やセックス、ジェンダー、文化の問題等、若者の日常に関連のあるトピックの交流の場として設立された。利用料金はかからない。YALのユーザーは現在では130万人にも上り、性に関係するネットワークとしては国内最大である。国内でHIVカウンセリング・検査を実施している施設の大半が登録され、ユーザーは直接検索が可能だ。

また、世界エイズデーの12月1日、ハウテン州の保健省は、州民の約20%にあたる200万人に向けて携帯電話でメッセージを送信する。保健に関する重要なメッセージを届ける手段として携帯電話の技術を利用するのは、この州では初の試みだ。保健省では、男性とリスクの高いグループの安全な性行為を今年のテーマとしている。メッセージは、HIVリスクを減らす手段としての男子亀頭包皮切除や、HIVカウンセリングと検査を推奨する内容となっている。

(参考・関連記事3件)
原題:Rally Against ”Deadly” Prices for Hep C Treatment
出典:International Treatment Preparedness
日付:2012/10/31
URL:http://health.groups.yahoo.com/group/internationaltreatmentpreparedness/message/22954

原題:South Africa: HIV Testing Goes Mobile
出典:THE BODY - The Complete HIV/AIDS Resource
URL:http://www.thebody.com/content/69871/south-africa-hiv-testing-goes-mobile.html
日付:2012/11/28

原題:South Africa: HIVSA Reaches Two Million People Via Cellphone Messaging This World Aids Day
出典:Health-e News Service - The award-winning South African Health News Service
URL:http://www.health-e.org.za/news/article.php?uid=20033915
日付:2012/11/28

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米国のMSMの感染率:多くのアフリカ諸国より高い?
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【2012年11月1日】米国の一部地域では、男性と性行為をする黒人の男性(MSM)のHIV感染率が、多くのアフリカ諸国より高いという現象が生じている。米国東南部ノース・カロライナ州における398名の検査結果の分析によると、ノース・カロライナ州の男性とセックスをする黒人男性のHIV感染率が、アフリカのサハラ以南の地域を越えているという。検査を受けていない者も多くいるので、実際のHIV感染率はおそらくこの結果よりも高いと予想される。米国疾病予防・管理センター The US Centers for Disease Control and Preventionは、2006〜09年の間に、若い黒人男性のMSMの間でHIV感染率は48%に上昇したとしている。

これを受けて、研究者らはHIVまたは梅毒に感染しているとノース・カロライナ州に報告をしている若い黒人男性MSMのセックス・ネットワークを調査した。調査員はこのネットワークの関連性の特徴をとらえるために、ネットワーク・マップ、記述的・二変量統計を用いた。

このネットワークは398名のMSMと、そこでおこった419の性交渉を含んでいた。調査対象グループは299名の黒人男性(75%)と366名のMSM(92%)であった。

この中で少なくとも117名(29%)がHIVに感染していた。47%は自身のHIVの感染有無を知らなかったため、実際のHIV感染率は更に高いと思われる。150名は追跡できず39名はHIV検査を拒否した。5名の陽性者のうちの1名は調査期間中に性交渉により感染した。

多変量統計分析では、一度限りの性交渉で追跡できないセックスパートナーを持つリスクが、4.5倍に上がることが分かった。 急にHIV陽性と診断された場合には、追跡できないセックスパートナーを持つリスクを75%引き下げる。

研究者たちは「このグループに対するエイズ予防対策ではセックス・ネットワークの影響を考慮し、感染を減らすために、MSMネットワークの構造をうまく活用する方法を見つけなければならない」としている。

原題:HIV Rate in US MSM Network Higher than Some Sub-Saharan Countries
出典:Abstract, JAIDS Journal of Acquired Immune Deficiency Syndromes
日付:2012/11/01
URL:
http://journals.lww.com/jaids/Abstract/2012/12010/Investigating_a_Sexual_Network_of_Black_Men_Who.16.aspx

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チュニジアの女性のイメージ
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【2012年11月7日】これまで、世俗的な政府により女性の権利に関する取り組みが進んでいたチュニジアは、権威主義体制やイスラームに基づく政治体制によって統治されている、イスラーム教徒主導のアラブ諸国にとって、教訓を得る?モデル″とされてきたが、その実態は大きく異なっているのではないかといわれている。

2011年にチュニジアで実施された全国調査によれば、成人女性の約半数は何らかの暴力に苦しんでおり、8割近いケースで暴力を行使した相手が性的パートナーとなっている。現在の政府のもとでも、警察官によって性的暴力の被害に遭った女性が裁判で闘っている。チュニジアにおける女性の権利が後退していることは否めず、政府主導による女性解放というのは、「政府が女性の権利を守っている」と政府自身が主張する単なる政治的なパフォーマンスにすぎないことがわかる。

チュニジアは1956年にフランスから独立を果たし、女性の立場に関しては立法上では他のアラブ・イスラーム諸国と比べて良好だった。しかし、経済的自立は保障されず、女性解放運動は立ち止まってしまった。1989年になると新たな女性解放の動きがみられたが、それも政府主導であり、女性の活動家らは「国家の脅威」として弾圧を受けた。

2010〜11年に、ベン・アリー独裁体制が崩壊したジャスミン革命後、一時的に女性の権利に対する声は大きくなった。目的は独立後に制定された法律である「個人の地位に関する規範」The Code of Personal Statusを国民投票によって改正することであり、今年3月の議会では、イスラーム色の強い政権与党と、女性の権利保護を公約に掲げる野党との議論が繰り広げられた。しかし、政権与党はイスラーム社会における宗教や文化のアイデンティティーを守る動きを見せており、女性解放に向けた動きはなかなか進まず、これらをめざす活動形は、むしろイスラームの敵とみなすような雰囲気さえ漂う。この動きは、立法のみならず政治の分野でも顕著であり、革命後の選挙でも言葉による暴力やハラスメントが続いているだけでなく、政権与党が「女性にやさしい」というイメージを作り出すために女性を利用している状態が続いている。

原題:State Feminism in Tunisia: Reading between the Lines
出典:OpenDemocracy
日付:2012/11/7
URL:
http://www.opendemocracy.net/5050/amira-mhadhbi/state-feminism-in-tunisia-reading-between-lines

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クリントン国務長官「エイズ・フリー世代」実現に向けた青写真を示す
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【2012年11月30日 ワシントンDC(米国)発】11月29日に米国務省が発表した報告書、「PEPFAR(米国大統領エイズ救済緊急計画)の青写真:エイズ・フリー世代の創出  PEPFAR Blueprint: Creating an AIDS-Free Generation」によると、世界はエイズの流行を4、5年以内にコントロールし、エイズを小さな問題にまですることが可能であるという。

ヒラリー・クリントン米国務長官 が1年前に掲げた「エイズ・フリー世代の実現」という目標、は、より多くのHIV陽性者が治療を受けられ、HIV感染率の高い国では男性亀頭包皮切除が実施され、全てのHIV陽性妊婦が母子感染予防のための治療を受けられるようになれば、実現可能であるという。

これらの戦略によって、年間のHIV新規感染者の数を、抗レトロウイルス薬治療を開始する人数よりも減らす重要な転機となる。

クリントン国務長官は報告書の中で「私たちはこの公約を果たさなければならない。地球規模の保健問題の歴史は、結局、成果が出なかった大計画であふれている。」と述べた。一方で、報告書には具体的な目標やスケジュール、必要な資金額や資金の提供元に関する事柄は含まれていない。

PEPFAR(米国大統領エイズ救済緊急計画)は、2003年にジョージ・ブッシュ前大統領によって開始されたプログラムで、エイズ問題解決のために35カ国以上の国々で年間66億米ドル(約5540億円)を投じ、主要な活動として510万人のHIV陽性者に抗レトロウイルス薬治療を提供している。

「エイズ・フリー世代の実現」とは、2011年11月にクリントン国務長官によって発表されたスローガンである。クリントン氏は2012年7月に開催された第19回国際エイズ会議においてヒーロー扱いされ、12月1日の世界エイズデーまでに「エイズ・フリー世代」のロードマップを完成させることを約束していた。

報告書の発表に同席していた国連合同エイズ計画UNAIDSのミシェル・シディベ事務局長は、近く退任する予定のクリントン氏に対して、「あなたは、世界の一面を変えるために尽力した人物として、人々の記憶に残るでしょう。(エイズ・フリー世代への関わりを)途中で投げ出さず、続けてください。私たちはあなたを必要としています」と訴えた。

原題:Clinton reveals ‘blueprint’ for reaching an ‘AIDS-free generation’
出典:The Washington Post
日付:2012/11/30
URL:http://www.washingtonpost.com/national/health-science/clinton-reveals-blueprint
-for-reaching-an-aids-free-generation/2012/11/29/7e564160-39d0-11e2-b01f-5f55b193f58f_print.html

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ラテンアメリカで進むHIV感染の犯罪化:HIV対策に取り組むNGOが抗議声明
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【2012年11月29日】ラテン・アメリカおよびカリブ海地域で活動する、国際NGO「国際HIV/AIDS同盟」International HIV/AIDS Alliance 関連のNGO、およびその戦略パートナーである「ラテン・アメリカおよびカリブ海トランスジェンダー・ネットワーク」REDLACTRANSと「ラテン・アメリカおよびカリブ海セックス・ワーカー・ネットワーク」RedTraSexは、世界エイズデー2012において、他人にHIVを移す可能性のある人々に対する法的な規制の負の効果について注意を喚起するための機会として活用した。

昨年、ドミニカ共和国、ニカラグア、エルサルバドル、エクアドルの各政府は、他者へHIVを感染させる事を犯罪とする法律を制定した。ラテンアメリカ・カリブ海地域で活動するNGOや戦略パートナーにより発表された声明は、このような法律がいかにHIVへの対応を遅らせるかについて表明している。

「これらの法律は、HIV予防のための取り組みや、秘密の守られた自発的なHIVカウンセリングと検査、保健サービスへのアクセス、さらに、HIVやその他の性感染症への適時な治療への取り組みを妨げている。犯罪化はHIV陽性者および最も脆弱な人々の人権を侵害している。国連合同エイズ計画UNAIDSを含め、法律がもたらす悪影響の証拠は多数存在する。エイズと法律に関するグローバル委員会the Global Commission on HIV and the Lawのレポート『HIVと法律:リスク、権利と保健』(2012年7月)では、見せかけの公平性に従ってこうした法律を履行することは、根本的に公正でなく、倫理的に有害であり、また、物理的に不可能だとしている。このような法律は、HIV感染者の性と生殖に関する健康とその権利だけでなく、生きていくことにすら罰則を与えている。

我々、本生命への賛同団体は、HIVを他者に感染させることや、HIV感染を公表しないことを犯罪化する方針や法律を拒否する。また、地域社会、市民社会、企業、政府にこのような風潮が出てきていることへの注意喚起を強く要請する。そして、現行の法律から、非難や差別を減らすことに貢献できる、包括的で前向きな枠組みへの変更を可能にする、新しい規範等を施行するための情報や証拠の提供に、積極的に参加することを提案する。

我々は公的な政策決定者に対して、感染リスクの高い人々(トランスジェンダー、女性のセックスワーカー、男性の同性愛者、男性とセックスをする男性、薬物使用者)に特化したHIVとSTIの感染予防への取り組みを倍増させることを強く要求する」

原題:Alliance Sounds Warning on Criminalization of HIV
出典:International HIV/AIDS Alliance
日付:November 29, 2012
URL:http://www.aidsalliance.org/NewsDetails.aspx?Id=291467

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編集後記
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編集員Wです。ますます寒くなりましたね。そんな中、なんと家から徒歩3分のところに銭湯を発見しました!灯台下暗しとはこのこと、喜び勇んで通っています。
みなさんも、どうか暖かくして風邪に気をつけてくださいね。今年もご愛読いただきありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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