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(GAU185号)マレーシア警察、セクシュアリティ・フェスティバルを禁止

発行日:12/18

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★「第185号」目次
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地域情報

●アフリカ
世界基金、先進国の拠出不足で第11回新規案件募集を中止
アフリカにおける薬物使用:南ア共和国の「フーンガ」を例に
女性用コンドーム、カメルーンで無料に
タンザニアの金鉱山で労働者にHIV啓発

●知的財産権・医薬品アクセス
TPPとエイズ治療:オーストラリアの立ち位置は?
●米国・カナダ
クリントン国務長官、「エイズを終わらせることは米国の責務」と発言:市民団体は称賛
●東南・南アジア
マレーシア警察、セクシュアリティ・フェスティバルに禁止措置:市民社会は反発
●データ・統計
長期のHIV治療で骨は弱くなるか?

------------------------------------ Vol.8 No.8----  

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
◆連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル2F
・電 話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
・電子メール:info@ajf.gr.jp
◆バックナンバー:下記ブログをご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/ajf/
◆Melma!を通しての購読申し込みは
http://www.melma.com/backnumber_123266/
◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は、事前に発行者にご連絡をお願いいたします。

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★世界基金、先進国の拠出不足で第11回新規案件募集を中止
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【2011年11月24日ジョハネスバーグ発】世界エイズ・結核・マラリア対策基金は11月21日・22日の2日間、ガーナの首都アクラで理事会を開催し、第11回新規案件募集(ラウンド11)を中止し、2012年からはG20に属する上層中所得国 Upper Middle Income Countriesで比較的疾病負荷の少ないロシア、中国、ブラジル、アルゼンチンには資金提供を行わないことを決定した。

次に新規案件に拠出できる機会は2014年まで延期となった。

世界基金はラウンド11に代わり、暫定資金拠出メカニズム Transitional Funding Mechanism: TFMを設置して、2014年までに資金が不足する被援助国に対して緊急で救済を行うとしているが、この措置は既に世界基金の資金で行われている治療・予防・ケアの案件があり、ラウンド11の募集が延期されることで資金が途切れてしまう場合の救済措置に限定されている。

国境なき医師団Medecins Sans Frontieres: MSFは、世界基金の下した決定は、HIV治療拡大の妨げになり、多剤耐性種結核治療にも制限が出ると指摘している。

世界基金は通常、前半の2年間(第1期)と後半の3年間(第2期)の2期に分けて資金提供を行っている。

発展途上国ではHIV陽性者の70%が治療を世界基金からの援助に頼っている。特にジンバブウェ、マラウイ、モザンビークは国家HIVプログラムとして、世界基金からの援助資金に大きく依存しているため、2014年の新規案件への拠出機会に向けた提案書の準備にとりかからねばならない。

案件の不採択により世界基金の資金提供を受けられなかったアフリカ南部の小国スワジランドでは、2011年初頭からエイズ治療薬が不足しており、第11回新規案件募集の中止は死活問題である。

南アフリカのロビー団体治療行動キャンペーンTreatment Action Campaign : TACの運営は、近年、大部分が、南ア政府が資金受領機関を務める世界基金からの拠出資金によって賄われている。現在、世界基金からの76万ドルの支払いが遅延しており、TACはこのまま資金が支払われなければ、2012年1月末に全雇用者を解雇せざるを得ないとの声明を発表した。

ケニア、レソト王国、南アフリカ共和国を始め、途上国の多くの国々では、エイズ治療への普遍的アクセス実現に程遠い状況であるにも関わらず、資金不足を理由に、ラウンド11が中止されてしまった。

一方、新たに設けられた暫定資金拠出メカニズムや、既に承認されている第10回新規案件募集(ラウンド10)への拠出資金も不足しており、第11回新規案件募集の中止だけでは資金不足を補えない。高中所得国であるアルゼンチンやメキシコ、中国などHIVの拡大が比較的軽度な国に対する資金拠出を打ち切って、上記資金の捻出にあてざるを得なかったというのが現実である。

2011年、世界基金の拠出した援助資金の不正使用に関する報道により、援助国であるスウェーデン、アイルランド、ドイツは同基金への資金提供を保留。一方、スペイン、イタリアも同様に資金提供しないと発表した。しかしながら、スウェーデンは2011年11月初めに資金提供を再開、ドイツは2011年の未払い分と2012年の誓約した資金を全額支払うと発表した。

近年、誓約を実行しない援助国が増えている。2009年、誓約を実行しなかった国は15%であったが、昨年はほぼ倍に増加している。

国境なき医師団(MSF)の「医薬品アクセス・キャンペーン」事務局長であるティド・フォン・シェーン=アンゲラー氏 Tido von Schoen-Angerer は、「HIV感染者増加に歯止めをかけるため、各政府は誓約を実行するよう努力すべきである。特に世界基金は被援助国への資金援助を持続できるような政策を早急にとるべきである」と声明を出した。

原題:HIV/AIDS: Global Fund Cancels Funding
出典:Plus News: Global HIV/AIDS News and Analysis
日付:11/24/2011
URL:http://www.plusnews.org/report.aspx?ReportID=94293

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★アフリカにおける薬物使用:南ア共和国「フーンガ」を例に
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【2011年10月24日 ジョハネスバーグ発】アフリカの最南端に位置する南アフリカ共和国は近年著しい成長を遂げたが、その好景気の裏で、最大都市ジョハネスバーグやケープタウン、その他の地域では、若者の注射による薬物乱用が問題となっている。

薬物使用者は貧困により通常使用している薬物が入手できない場合、より安価で危険性の高い調合薬物を使用する傾向にある。

南アフリカ共和国のクワズールー・ナタール州などでは、数年前からエイズ治療薬(抗レトロウイルス薬 ARV)とマリファナ、安価なヘロインを調合したフーンガという薬の使用が広がっている。同国ではあらゆるものを薬物に調合しておりARV薬までもが調合に使用されている。

フーンガ使用者によれば、薬によって自分のあらゆる問題を忘れることができる、という。しかし、薬の効用は長く続かないため、1日に少なくとも2、3回飲む必要があり、一日あたり200ランド(約2000円)費やすこともある。

しかし、フーンガを調合するためにARV薬を病院から盗む人、HIV陽性者から買い取る人や強奪する人まで出ており、事態は深刻さを増している。

南アフリカ共和国政府は、ARV薬は費用がかかることから2008年までARV治療に関する政策を制限していた。現政府はARV治療に積極的に取り組んでいるが、その治療薬が麻薬の調合に使われ、薬物依存を増やすという予想外の副作用をもたらしている。

南アフリカ共和国ではおよそ600万人以上がHIVに感染しており、80万人がARV薬による延命治療を受けている。ジョハネスバーグのある病院の院長は、「フーンガの使用者が増えれば、ARV薬精製に必要な原薬にも制限が出てくるであろう。」と懸念している。

南アフリカ共和国のスラム街に住む若者たちが使用しているもう一つの薬物にニャオペがある。ニャオペはその効果を高めるためにネズミとりの毒を混ぜることがある。

その他、痩せる効果があるとして販売されているチックという薬物の使用者も増えている。

チックを服用すると、顔はやつれ、目はくぼみ、髪や肌も健康的ではなくなり、口の中や周りに痛みを感じるようになる。薬物依存者は薬による「ハイ」状態を求めて、詐欺行為や窃盗を働いて薬を入手している。

南アフリカ共和国ではコカインやヘロインが高価なため、こうした安価な薬物の使用が広がってきている。薬物ビジネスには、ナイジェリア人や少数のタンザニア人などの外国人も関わっている。ジョハネスバーグのスラム街に住む黒人の若者や、他のアフリカ諸国からやって来た貧困な外国人たちが薬物の被害者となっている。

原題:News: Africa: ARVs Abused 'To Get High'
出典:The Citizen
日付:10/22/2011
URL:http://www.thecitizen.co.tz/sunday-citizen/40-sunday-citizen-news/16396-arvs-abused-to-get-high.html

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★女性用コンドーム、カメルーンで無料に
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カメルーンでは、女性用コンドームの普及のために、美容院や商店などの協力を得て販売促進が行われているが、商店主はその在庫管理に頭を痛めている。首都ヤウンデの美容院 'La Chance Beaute' の店先では、 女性用コンドームブランド「プロテクティブ」Protectivのポスターが目に飛び込む。

帰り際、顧客のエリゼ・ンディ Elise Ndiがコンドームを注文すると、美容師のンゴノNgonoは、ポスターと同色の小袋を奥から取り出し、「もう一つしか残ってないわ。残りは私が使うの。」と言い、エリゼに手渡した。

そもそも、コンドームは男女共に使用する一般的な避妊具である。カメルーンで女性用コンドームが知られるようになったのは、2009年以降である。

地元活動組織の提案で、商店でも販売されるに至った。在庫を溜めないように指示されているンゴノは、「100 フラン (0.15 ユーロ) では売れないわ。」と、漏らす。毎月50個から100個の製品が入庫される。

エリゼは、 Protectiv 製品を頻繁に買うわけではないと言う。「必要な時にしか買わないわ。取り扱っている店が少ないの。男性用コンドームは手に入りやすいから、使うのはそっちね。」協力店舗には女性用コンドームの周知ポスターが大量に配布されているが、販売員のイブラヒムIbrahim は、「もう入荷はしません。売れないですから。」と、語る。

コンドームの売上げから収益金を得る計画を立てた組織もあったが、狙い通りにはいかなかったようだ。イブラヒムは、「文化的背景も原因のひとつです。店に入って「コンドームはある?」と質問できる女性は少ないのです。私たちが勧めると購入するのですが。」と、説明する。

ジョホ・ンギ・オンバラ Jojo Ngui Omballaが代表を務める「カメルーン青年活動家協会」Association of Active Cameroonian Youths (AJAC)は、女性用コンドームに対する反応について調査を行った。

ジョホは、都市部では女性用コンドームがかなり受け入れられていると強調し、「地域によって事情が異なります。私たちは69の美容院から協力を得ていますが、それぞれうまくやっています。ヤウンデでうまくいっていないのであれば、違う方法を模索しなければならないでしょう。」と語った。

原題:Cameroon: Female Condoms for Free in the Country
出典:allAfrica.com
日付:11/22/2011
URL:http://allafrica.com/stories/201111230495.html

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★タンザニアの金鉱山で労働者にHIV啓発
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タンザニア北部、ヴィクトリア湖近くにあるノース・マラ金鉱山 North Mara Gold Mineでは、世界エイズ・デーに先立ち開始された2週間の無料エイズ検査キャンペーンの利用促進が盛んに行われている。キャンペーンは11月16日に開始され、従業員の感染予防対策の一環でもある。個人情報の秘匿が周知されており、周辺の村々から集められた労働者も対象となっている。

同金鉱山は、タンザニアの鉱業分野に莫大な投資を行っているカナダ資本のアフリカン・バリック・ゴールド社African Barrick Gold (ABG)により稼働されている。2,100人の従業員を抱えるこの大企業が、従業員へのエイズ検査を推進している。

検査責任者デニス・シプリアン医師 Denice Cyprian は、「評判は上々です。初回103人、2回目は85人が受診しました。会社側は、感染者に対する差別・解雇は決して行わないとしています。あくまでも、従業員が健康状態を把握し、彼らの生活を向上させることが目的です。また、感染抑制効果も期待しています。」と、説明した。

「多くの従業員に受診してもらうために、抽選会を企画しました。当選者は、世界エイズ・デーに合わせ12月1日に発表されます。」と語るのは、社交委員会委員長、兼安全衛生部長代理のルーベン・エシキア氏 Reuben Esikiaだ。当選者には、冷蔵庫、電子レンジ、テレビ、サファリバック、携帯電話、毛布などの賞品が用意され、受診促進に一役買っている。

金鉱山地区にはHIV感染者が多いと言われているが、シプリアン医師は、「昨年の感染率は2%で、今年はこの数字を下回ると予想されます。これまで、30名の感染予防指導員を育成しました。」と、期待を寄せている。また、マラ地方の北部タリメ鉱山Northern Tarimeでも、従業員選抜の指導員を育てる方針である。

「指導員の勉強会は、頻繁に行っています。感染者への差別撤廃や性感染症Sexual Transmitted Diseases (STD)、また、母子感染についても勉強しました。」と、指導員の一人ウィリアム・ニャモハンガ William Nyamohangaは語る。

シプリアン医師は、「月平均500個から700個のコンドームを無料配布していますが、数は不足気味です。より手に入れやすいよう、環境を整えます。」と、説明する。鉱山全体では、毎月15,000個を配布しており、その数は毎月上昇しているとのことである。

原題:Tanzania: Gold Mine Introduces HIV/Aids Plan among Workers
出典:Daily News
日付:11/23/2011
URL:http://dailynews.co.tz/feature/?n=25746&cat=feature

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★TPPとエイズ治療:オーストラリアの立ち位置 
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環太平洋パートナーシップ協定(TPPもしくはTPPA)は、環太平洋圏における自由貿易を促進するという理由で歓迎されているが、結局、誰かが代金を支払わされるはめになるようだ。アメリカ合衆国の製薬業界の圧力団体からの強い圧力は、TPPに関わる下層中所得国 Lower Middle Income Countries の人々が、手頃な価格のHIV治療薬へのアクセスを失うことを意味する。

オーストラリア政府は東南アジアや太平洋の国々におけるHIVとの闘いやHIV患者のケアを支援する強い政策やプログラムを講じてきた歴史がある。

アジア太平洋地域経済協力会議APECの加盟国と、ベトナムやマレーシアのようなTPP交渉参加国にとって、同じTPP交渉参加国であるオーストラリアが、ジェネリックHIV薬へのアクセスを制限するTPPA協定案の文言に反対することが、国民のジェネリック薬へのアクセス確保にとって重要となってくる。

アメリカ合衆国政府のTPP交渉担当者は、TPPに途上国におけるジェネリック薬品の生産や販売を制限する文言を加えることを強く推している。しかし、2011年6月、オーストラリアのケビン・ラッド外務大臣 Kevin Ruddは国連総会で、HIV治療薬は地域に関係なく必要とする人すべてが入手できるべきだと語った。

一方、米国のヒラリー・クリントン国務長官 Hillary Clintonは1週間前に「私たちは近い将来、エイズのない世代を見られるはずだ。そして、手頃な治療へのアクセスは1つの鍵であり、これは実現可能だ。」と言った。

世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)は、11月21-22日に理事会を開催する。そこでの議題は、先進国政府からの拠出金が休息に減少していることにどう対処するかということである。スペインやギリシアなど南欧の国々からの資金は途絶している。

財政危機は資金的な支援の停止や削減を導く。HIV薬の価格高騰はより大きな危機を招く。多くの下層中所得国はHIV治療薬の供給の大部分世界基金に依存している。2010年の世界エイズ・デーで、オーストラリアのギラード首相は「私たちは結束して、旅が終わり我々の仕事は完了したと言えるまで、それぞれの心に希望の光をともし続けよう」と述べ、エイズ治療への普遍的アクセスの必要性を強調した。

国連の全加盟国は2011年6月に全会一致で2015年までにHIV陽性者全体の50%が治療を得られるようにするという目標に合意した。現状、わずか30%しか治療を受けておらず、世界的な経済の不安定性からこの状況はしばらく変わらないだろう。

オバマ大統領とはオーストラリアの首相は、TPP協定によってエイズ治療へのアクセスを阻まれることなく、全ての人々が入手可能なジェネリック薬の流通を継続できるよう保証すべきである。これが、私たちが必要とするリーダーシップの姿である。

原題:Free Trade Needs to Protect Vulnerable HIV Sufferers
出典:Crikey.com
日付:2011/11/18
URL:http://www.crikey.com.au/2011/11/18/free-trade-needs-to-protect-vulnerable-hiv-sufferers/

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★クリントン国務長官、「エイズを終わらせることは可能」と発言:市民団体は称賛
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国際女性HIV陽性者コミュニティ The International Community of Women Living with HIV/AIDS : ICW Global は、1992年に創設され、120か国に15,000人の会員を擁する女性HIV陽性者を支援する世界的ネットワークである。女性HIV陽性者の置かれている状況を広く知らしめ、彼女たちが生活上のすべての決定において平等の権利を獲得するために取り組んでいる。ICWはすべての女性HIV陽性者が、性とリプロダクティブ・ヘルス、そして尊厳を含む健康に対して自らの権利を理解し行使できる世界を目指している。

ICW Globalは、11月8日に米国国務長官のヒラリー・ロッダム・クリントン氏が、「エイズのない(エイズ・フリー)世代」という遺産を次世代に残すことは可能であるとはっきりと述べた発言を歓迎している。オバマ政権が描く「エイズのない世代」とは、「事実上、HIVに感染して生まれてくる子どもがいない世界、子どもたちが10代、そして成人になっても感染のリスクが現在よりもかなり低くなり、そして彼らがもしHIVに感染したとしても、エイズを発症するのを抑え、他の人々へ感染するのを防ぐための治療にアクセスすることができる」世界を想定する。クリントン国務長官は、「エイズのない(エイズ・フリー)世代をつくること」は、現在の米国政府にとって優先的事項であると力説した。そして、それはエイズ患者や医学研究者、支援者や企業、財団といったすべての国民を含む米国のリーダーシップにより可能であることを確認した。

米国政府は、ワクチン開発や予防の技術(たとえば、女性の感染を防ぐマイクロビサイド)、そのほか人命を守るための革新的なアイディアの研究に大規模な予算を投入している。また、大統領緊急エイズ救済計画(PEPFAR)において患者一人あたりにかかる抗レトロウイルス薬(ARV)による治療の年間コストを2004年の1,100米ドルから今日の335米ドルへと引き下げた。現在、PEPFARは、オバマ政権が掲げるグローバル・ヘルス・イニシアティブGlobal Health Initiativeを構築するための土台のひとつである。「米国政府は、PEPFARを通じてサブサハラ・アフリカ地域の4か国に対し、複数の予防を効果的に組み合わせる施策を急速に拡大するために新たに6,000万米ドルを追加投入し、その影響を評価することになる。」とクリントン氏は説明した。

ICW Globalは、クリントン国務長官とオバマ政権の努力を称賛するが、米国政府はそれぞれの対応において、積極的に女性のHIV陽性者を中心におくべきだと主張する。ICW Globalの国際アドボカシー・オフィサーであるベリ・ハルBeri Hull氏は、「世界中の女性HIV陽性者は、感染を抑える積極的な活動が失敗したのは、性と生殖に関する健康と権利 Sexual and Reproductive Health and Rights が無視され、女性に対する構造的な障壁が依然として残っているからであることを、身をもって体験している。」と述べる。

クリントン氏は、米国の取り組みを「組み合わせの予防」のひとつとして述べた。それは最も効果的だと証明されている予防法で、(1)母子感染の防止(2)自発的な男性の亀頭包皮切除手術の拡大、そして(3)HIV患者の治療の規模拡大を含む。科学と政治が一丸となり、強固な財政的支援があれば、母子感染をゼロにして、HIVに感染していない子どもが成人まで成長するのを母親が見届けることは可能である。「予防としての治療」の普及を実現させるためにも、同様のコミットメントが求められる。クリントン氏は、HIV陽性者の治療は、患者が働いたり、家族を養ったり、地域に貢献したりといった「間接的に社会と経済の利益にもなる」と付け加えた。

クリントン氏は、「組み合わせの予防」を成功させるには、コンドームの使用やカウンセリング、HIV検査そして他の効果的な介入と組み合わさなければならないと言う。またこうした成功は、「少女や女性への差別をなくしたり、彼女たちをHIV感染の高いリスクにさらすことになるジェンダーによる暴力や搾取をやめ、そして、単に同性愛者というだけで人々を犯罪者扱いするような法律の撤廃などのスティグマをなくすような組織的、社会的変革によって決まる。」とも主張した。

ICW Globalの議長であるパトリシア・ペレス氏Patricia Perezは、「米国政府があらゆる対応において女性HIV陽性者の有意義な関与を促すことは、エイズのない(エイズ・フリー)世代を確実なものとするために重要となるだろう。」と強調した。

原題:ICW Global Welcomes Remarks by Secretary of State Hillary Clinton on U.S. Global AIDS Leadership and Calls the Administration to Proactively Engage Women Living with HIV/AIDS in the Fight to End the Epidemic
出典:ICW Global
日付:11/12/2011
URL:https://es-es.facebook.com/note.php?note_id=290906894272943

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★マレーシア警察、セクシュアリティ・フェスティバルに禁止措置:市民社会は反発
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アジア太平洋地域で男性とセックスをする男性の健康と権利について取り組む団体のネットワークである「アジア太平洋地域男性とセクシュアル・ヘルスに関する連合」The Asia Pacific Coalition on Male Sexual Health: APCOMは、毎年マレーシアの首都クアラルンプールで開催されてきた「セクシュアリティ・フェスティバル」を本年マレーシア警察が全面禁止したという発表に対し、懸念の声を上げている。

2011年は「クイア・ウィザウト・フィアー」Queer without Fear (恐れることなくクイア(≒セクシュアル・マイノリティ、LGBT))というテーマで11月1日〜13日に開催予定だった。そのイベントは、LGBTコミュニティの同等の権利と、人間としての尊厳を提唱し、NGOやアーティスト、活動家などが参加するはずだった。警察はイベント開始直前に禁止を宣言したが、この動きに対し同国内のイスラーム系団体は、「同性愛を促進している」フェスティバルは禁止されるべきとして支持を示している。

マレーシアでは男性と性行為を持つ男性(MSM)を含む、HIVに社会的な脆弱性を持つ人々の間で、HIVが広がり続けている。イベント主催者と支援者はこのイベントがレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの個人の人権を提唱し、そして、HIVの認識を高め国内の健康志向を強化するために重要な歯車になると指摘する。

APCOMはマレーシアで起こっているMSMなどのグループに対して続く極端な偏見や差別に拍車をかけかねない今回の禁止措置を撤回するようにマレーシア当局に要求した。偏見はHIVの問題に取り組むときに、重要な要素である。もしマレーシア当局がHIV対策に効果的に取り組み、この件について国としてやるべきことを果たす意思があるのであれば、今般のイベントの禁止のような行動はこれらの努力の大きな妨げになるだろう。

APCOMはMSMやHIVに関するコミュニティ団体や政府セクター、技術専門家、国連の地域連合である。主な目的は政治支援や投資の増加、アジア太平洋におけるHIVサービスの報道を支持することである。APCOMは経験や知識を共有するため様々なグループの代表によって持ち寄られた訓練や学びの普及を促進している。

原題:Lift the Ban on Malaysia's Sexually Rights Festival
出典:Australian Federation of AIDS Organisations
日付:11/07/2011
URL:http://www.afao.org.au/what-we-do/international-program/advocacy-alerts/queer-without-fear

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★長期のHIV治療で骨は弱くなるか?
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抗レトロウイルス薬の多剤併用療法(combination antiretroviral therapy: cART) を受けている中年男性は、HIV陰性者と比較して、6年間の期間では骨密度の減り方に差がないことが、研究により分った。

これまで、抗レトロウイルス療法を受けているHIV陽性の大人と子どもにとって、HIVやcARTが骨密度にどのような影響を与えるかは、はっきりしていなかった。これまでの複数の研究では、相反する結果が出ていたが、これらの研究はいずれも1,2年の期間にわたってしか行われていなかった。

しかし今回、抗レトロウィルス療法を受けているHIV陽性者と、HIV陰性者の骨密度についてのいくつかの研究をメタ分析した結果、cARTによる治療を受けている人々の骨密度は、概して安定していることが明らかになった(Bolland MJ, et al. Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 2011; 96: 2721-2731)。骨密度は、cART開始後一年目は減少したが、その後は一定に保たれていた。

ニュージーランドで行われた新しい研究では、cART療法を受けている44人のHIV陽性の男性と、37人のHIV陰性者の男性を比較している。追跡調査が始まった時、参加した陽性者の平均年齢は49歳で、HIVに感染してからの年数は平均8年間、そしてcARTを受け始めてからの期間は平均で50カ月だった。

6年間の追跡調査を通して、腰椎の骨密度は、HIV陽性のグループの方が、HIV陰性のグループよりも、顕著に増加した。(5.3%、95%信用区間:3.8% - 6.5% に対して、0.3%、95%信用区間:-1.0% - 1.6%, P値 <0.001) HIV陽性者グループも、陰性者グループも、腰部全体の骨密度には差がなく、(-0.6%, 95%信用区間:-1.7% - 0.4% に対して、 -1.0%, 95%信用区間:-2.2% - 0%, P値 = 0.8) また、全身の骨密度にも、差はなかった。(0.3%, 95%信用区間:-0.3% - 1.0%, に対して、0.5%, 95%信用区間:-0.2% - 1.1%, P値 = 0.15). HIV陽性者の除脂肪体重は増加したが、陰性者のグループでは増加しなかった。

「cART治療を受けているHIV陽性者の中年男性には、6年間で加速的な骨密度の減少は見られなかった。」と研究者たちは結論付けた。「同様の患者に関しては、定期的な骨密度のモニタリングは短期・中期的には必要ないだろう。」

原題:No Sign of Bone Loss in Middle-aged Men Taking Cart for 6 Years
出典:Internatinoal AIDS Society
日付:11/14/2011
URL:http://www.iasociety.org/Default.aspx?pageId=5&elementId=14038

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編集後記
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編集員Wです。今日は新大久保にいきました!通勤途中の割に今まで降りたことがあまりなかったのですが、あまりの賑わいぶりに驚きました。韓国で大人気のカタツムリエキス美容液やシートパックも、食品もなんでも売ってるんですねぇ。はまってしまいそうです!

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  5. IOM国際移住機関 “Migration”

    最終発行日:
    2017/05/23
    読者数:
    1456人

    IOMは世界的な人の移動(移住)の問題に取り組む国際機関です。IOMが世界各地で実施している、人身取引対策や人道復興支援などの活動紹介を現地からのレポートを織り交ぜてお送りします。

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AJF

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(特活)アフリカ日本協議会は、アフリカの人々の地域自立の支援、アフリカの人々との対等なパートナーシップの構築、アフリカに関わる人々のネットワークの形成、アフリカ理解の促進とアフリカの自立支援のための政策提言などを行っています。

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