国際情勢

グローバル・エイズ・アップデート

地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。

全て表示する >

53号(Global AIDS Update)

2006/09/29



■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

 グローバル・エイズ・アップデイト
       GLOBAL AIDS UPDATE
----------------------------------
 第53号 2006年(平成18年)9月28日
  Vol.3 -No. 2 Date: September 28, 2006

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
◆連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル2F
・電 話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
・電子メール:info@ajf.gr.jp
◆バックナンバー:下記ブログをご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/ajf/
◆Melma!を通しての購読申し込みは
http://www.melma.com/mag/66/m00123266/
◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は
 事前に発行者にご連絡をお願いいたします。

*********************
------------------
はじめに:発行趣旨
------------------

○HIV/AIDS問題は、現代世界に於ける保健医療上の最大の問題の一つです。
○しかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。
○このメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝えるメディアが必要だという認識から生まれました。
○HIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語で要約し、隔週で発行いたします。

----------------------
■「第53号」目次
----------------------

地域情報
●アフリカ
ケニア:工業所有権法の改訂案、市民社会の圧力で廃案に

●北米地域
カナダ: HIV/AIDSを直視しないアジア系社会

●アジア
1. アジア: 刑務所がHIV拡大の「温床」に
2. タイ:エイズ治療薬の特許を申請したグラクソ・スミスクライン社に
HIV陽性者たちが抗議

●東欧・中東
1.イラク: HIV陽性者の夫婦が殺される
 〜激化するHIV陽性者への暴力〜
2.イラン: 中東におけるHIV政策の「モデル国家」?
 〜健康被害軽減(ハームリダクション)の導入進む〜
3. ロシア・東欧: 静脈注射薬物使用者のHIV感染拡大

国際関係 
アフリカ、アジア地域ではエイズが十分報道されていない
 〜国際ジャーナリスト連盟が調査〜

NGO情報
ヒューマン・ライツ・ウォッチ:人権を無視したHIV検査に懸念表明

-------------------------------------------- Vol.3 _ No.2 ★----

-------------------------------------
★ケニア: 工業所有権法の改訂案、市民社会の圧力で廃案に
-------------------------------------

ケニア政府は2006年7月27日、工業所有権法の改訂案を廃案にすることを決定した。ケニアのマーサ・カルア法相 Martha Karua はケニア国会で、改訂案は政府と国民のどちらの利益にもならない、と発表した。この改訂案廃案の決定は、政府が市民社会の強い圧力に屈した結果である。

廃案となった改訂案は、国内の病院で使われている安価なジェネリック薬の輸入を禁止し、高額な特許薬が使われるよう促す内容のものであった。この改訂案が可決された場合、必須薬の価格は1,000%以上も上昇すると予想されていた。

この改訂案に抗議し、7月25日エイズ活動家たちがナイロビの街路でデモ行進を行った。この抗議活動は、エイズ・結核・マラリア市民社会連合 United Civil Society Coalition on HIV and Aids, Tuberculosis and Malaria、国境なき医師団 Medecins Sans Frontieres (MSF)とケニア・エイズと戦う女性たち Women Fighting Aids in Kenya(WOFAK)によって組織された。彼らは、安価な薬へのアクセスは人間の基本的な権利であると訴えた。

ケニアでは全ての州立病院と70の地区病院が、カウンセリング、検査とARVを含めた包括的なHIV・エイズ治療を行っている。国家エイズ管理委員会 National Aids Control Council によると、ARV治療を受けている患者の数は、2002年にはわずか3,000人であったが、2005年秋までには54,000人まで増加したという。 

原題:Reprieve as Karua acts to keep Aids drugs cheap 
日付:7/28/2006
出典:allAfrica.com
URL:http://allafrica.com/stories/200607280349.html 

-------------------------------------
★ カナダ: HIV/AIDSを直視しないアジア系社会
-------------------------------------

1997年1月、薬物使用者である26歳のエリック・ルー Elrick Luは、HIV陽性と診断された。そのとき彼は自殺を考えたという。彼は、HIVやエイズに関する知識もほとんどなく、感染してしまったら、あとはただ死を待つ病気と理解していた。憂鬱になった彼は麻薬を使い続け、結果、刑務所送りになるという悪循環の人生を歩んでしまった。しかし、2006年現在、彼は、長年の薬物使用生活から身を引き、「エイズに向き合うアジア人の会」 The Asian Society for the Intervention of AIDS:ASIA という、アジア社会のエイズ問題に取り組むNGOのカウンセラーとして働いている。

ASIAの共同責任者の一人であるマイケル・ウォン氏 Michael Wong は、「アジア人社会においては、エイズに関する知識が欠け、安全なセックスについても軽率な考え方をもつ人が多く、同性愛、麻薬使用についても未だに存在を認めない風潮が残存している。」と述べている。

ブリティッシュ・コロンビア疾病管理センターBritish Columbia Center for Disease Control BCCDCの調査によると、ブリティッシュ・コロンビア州の2004年の新規感染の中で、アジア・南アジア・アラブ/西アジア出身者の占める割合は5.9%と報告されている。アジア人コミュニティでは、HIV抗体検査の受検者は減少傾向にあるが、ウォン氏は、こうした数字は現実を過小評価しているという。コンドームを使用しないセックス、同性愛による性感染、静脈注射の回しうちと、感染経路は様々であり、教育こそが個人をHIV感染から守るために必要であるとウォン氏は述べる。

ASIAは、長年にわたり、チャイナタウンで生活する人々に対し活動を展開しているが、いまだにその効果があらわれていない。その要因として、アジア社会において、エイズは白人の病気である、という偏見が未だに残っているのではないかと考えられているためである。

カナダのエイズ問題に取り組む民間団体「エイズ・バンクーバー」 AIDS Vancouver の エヴァン・モー氏 Evan Mo は、「アジア人社会で暮らす人々は、HIV感染を家族や社会にカミングアウトすることは、恥ずべきことであると認識している」と話している。

そして、ASIAでボランティアをしている女性は、「アジア人は自分が白人よりも清潔であると考えている。しかし、本当に追求すべきは、アジア人社会において、自分の問題を話しにくい環境があり、特にエイズ問題ともなれば余計話しづらい。問題は、問題を隠してしまうことである」と述べている。カナダのアジア人社会では、エイズという存在と向き合うのは、偏見と差別により、いまだ困難な状況である。

原題:Canada: HIV-positive Asians suffering in silence
日付:July 27,2006
出典:westender.com website
URL:http://www.westender.com/portals-code/list.cgi?paper=49&cat=23&id=697205&more=

-------------------------------------
★ アジア: 刑務所がHIV感染拡大の「温床」に
-------------------------------------

アジア各国の刑務所における安全でない性交渉 unprotected sex や薬物使用は、アジア各国のHIV拡大の一因となっている。インドネシアの首都ジョグジャカルタに事務所を構え、エイズプログラムを行っている国際NGO、ファミリー・ヘルス・インターナショナルのスタッフ、エリザベス・パイサニElizabeth Paisani は、「刑務所でHIVに感染し、刑期終了後、社会復帰とともに感染を拡大させてしまうケースは極めて高い。」と警鐘を鳴らしている。

人権活動家は、長年アジア各国の刑務所事情の改善を訴えてきた。この地域では、受刑者に対する暴行、結核や腸チフスに対する治療ケアはほぼ皆無であり、刑務官の汚職により、受刑者が獄中で性交渉を行ったり、薬物を得ることができる場合が多い。受刑者の中でのHIV陽性者数を公表している国もあるが、それは氷山の一角にすぎない。インドネシアの刑務所では、1999年、刑務所内感染は報告されていなかったが、2003年、受刑者の25%が陽性者であった。タイ・バンコク郊外のクロンプレム中央刑務所Klong Prem Central Prisonでは、受刑者の25%がHIV陽性である。

このような傾向はアジア諸国だけでなく世界中に広がっている。南アフリカ共和国の刑務所では、エイズに関連する病気による死亡率は、500%増加したという。UNAIDSの上級アドバイザー アニン・ディア・チャッタジー Anindya Chatterjee は、受刑者は経済的にも恵まれず、HIV感染に脆弱である。また、社会的な注目の低さから、事態は思った以上に深刻だと言う。

ジョグジャカルタやバリの刑務所では、新しい受刑者に対して、性交渉や薬物使用について情報を提供し、ヘロインの代替薬物としてメタドンMethadoneを供給している。しかし、問題は刑務所で、HIV抗体検査や治療への予算が確保されていないことである。タイで、コンドームが積極的に配布される一方、イスラム教国のインドネシアでは、コンドーム無料配布や、注射針の配布への拒否反応が強い。同性間でのセックスや薬物使用を促進してしまうのではないかと懸念されているためである。しかし、タイのエイズ・アクセス協会 AIDS Access Foundationの活動家ソマチャイ・クラチャンサエンSomachai Krachangsaengは、刑務所内でコンドームや注射針の交換が難しくとも、情報提供に関しては十分に行うべきであると勧告している。

原題:Prisons Called 'HIV FACTORIES'  in Asia
日付:August 7, 2006
出典:The Associated Press
URL: http://www.outinamerica.com/home/news.asp?articleid=7512

-------------------------------------
★タイ:エイズ治療薬の特許を申請したグラクソ・スミス・クライン社に
HIV陽性者たちが抗議
-------------------------------------

2006年8月7日、約500人にのぼるタイ人活動家たちが、英国の多国籍製薬企業グラクソ・スミスクライン Glaxo Smith Kline (GSK) 社のバンコク支社の外で、抗議活動を行った。この抗議活動は、GSK社が抗レトロウイルス薬(ARV)コンビビル Combivir の特許取得申請をしたことに反対して行われた。

コンビビルは、ラミブジン lamivudine とジドブジン zidovudine という2種類のARVを混合したものであり、タイのHIV/AIDS治療では、標準的に用いられている。これまではGSK社が特許を取得していなかったため、タイ国営の製薬公社である政府製薬機構 Government Pharmaceutical Organisation (GPO) がコンビビルのジェネリック薬を製造することにより、HIV陽性者への安価なアクセスを実現していた。ジェネリック薬はタイにおけるARV治療の基礎をなしており、現在タイでは80,000人以上のHIV陽性者がジェネリック薬による治療を受けている。

GSK社は今までコンビビルを『コンビッド』 Combid(r) という名前で、ジェネリック薬の約6倍もの価格で販売してきた。今回のコンビビルの特許取得申請が認められれば、GPOはジェネリック薬を作ることができなくなる。その結果、競争がなくなり、コンビビルの価格がさらに上がることが予想される。

このGSK社の特許申請に反対して、HIV/AIDS団体、弁護士、知識者や薬剤師が連携し、法的異議を申し立てた。コンビビルはラミブジンとジドブジンの二種類の薬を混合して一剤化したものであるが、彼らは、ただ2種類の薬を混合しただけでは発明とはみなされず、特許を受けるには値しない、と主張している。タイや他の国でも、多くのARVの特許申請がこのような主張により却下されてきた。この訴訟は、現在審議が進められている。

国境なき医師団 Medecins sans Frontieres (MSF) やオックスファム Oxfam 等、多くの国内外の団体が、GSK社の特許申請に反対するこのような運動を応援している。 
 
原題:Call on GSK to withdraw its application for AIDS drug patent 
日付:7 August. 2006
出典:メーリングリストからの出典となります。詳しくは info@ajf.gr.jp にお問い合わせください。 

-------------------------------------
★イラク: HIV陽性者の夫婦が殺される
 〜激化するHIV陽性者への暴力〜
-------------------------------------

7月末、イラクのある町で、ファリッド・アッバス氏 Farid Abbas と妻のハニア・オマール氏 Hania Omar が相次いで射殺された。二人は血友病患者で、非加熱製剤によりHIVに感染した。犯人は未だ見つかっていないが、目撃者の証言によると、「HIV感染はイスラムの信念に反する」と叫んでいたという。また、生前のファリッド氏のもとには「エイズはいかがわしい病気であり、国の安全のために殺す。」という趣旨の脅迫電話がかかっていたという。

イラクでは、保守層の間でHIV/AIDSが同性愛や麻薬使用などと関連した宗教的な冒涜と認識されており、HIVが血液で感染するという認識が乏しい。これは、長い間、HIV/AIDSへの偏見を助長する政策がとられてきたことに起因する。フセイン政権時代には、HIV陽性者は親族とともに特別な病院に収容されていた。

殺害された夫婦も、フセイン政権下では、ファリッド氏の妹とともに約9年間を隔離された病室で過ごしていた。ファリッド氏のその他の7人の兄弟は彼らが既に亡くなったものとみなし、無関心を装っていたという。

他にもHIV陽性者の殺害事件が相次いでいる。地元NGOである「イラク慢性疾患患者支援協会」 the Iraqi Aid Association for Chronic Patients (IAACP)によれば、今年の1月と2月に、2人のHIV陽性者が殺害されており、HIV陽性者に対する差別が色濃く残っていると見ている。IAACPの広報担当者は、「イラクのHIV感染に関する認識はとても低く、HIVは狂犬病を患った犬と一緒で社会から抹殺されるべきものと信じている人までいる。」と話す。「イラク性的健康・性感染症協会」The Iraqi Organisation for Sexual Health and Sexually Transmitted Diseases (IOSH&STD) のディレクター、アル=ムフェルジ博士 Dr. al-Mufergiも、イラクでは予防の重要性および正しい認識が浸透していないと述べている。

原題:IRAQ: HIV-positive couple murdered
日付:9 August, 2006
出典:IRIN Plus News
URL: http://www.plusnews.org/aidsreport.asp?reportid=6245

-------------------------------------
★イラン: 中東のHIV政策の「モデル国家」?
 〜健康被害軽減(ハームリダクション)の導入進む〜
-------------------------------------

2006年4月17日から20日の3日間、イランの首都テヘランにおいて、国連薬物犯罪事務所 United Nations Office on Drugs and Crime UNODC、UNAIDS、世界銀行、イラン政府の共催で、薬物中毒者のHIV感染に関する予防専門家会議が開催された。パキスタン、アフガニスタンをはじめとする「黄金の三角地帯Golden Triangle」だけでなく、薬物の生産・密輸の最も盛んな国からの代表者が一堂に会した同会議では、イランの経験が高く評価された。

2004年、世界中に300万人を数える静脈薬物使用者 IDU のうち、少なくとも20万人がイランの人々であると言われている。しかし、社会的差別やスティグマにより、IDUらに対する直接的な予防措置(つまり根本的に薬物使用をやめるということ)は困難である上、薬物使用に関連した性感染も軽視できない。イランの健康被害軽減(ハームリダクション)政策の成功は、漸進的な政策転換の賜物である。イランでは1990年代に薬物対策に関する政策転換が行われた。薬物使用の違法化とそれによる薬物供給の削減は以前から継続的に実施されていたが、1990年代中盤に第2段階として治療プログラムの導入が行われた。禁欲主義から健康被害軽減政策への見事な転換である。

イランでは、NGOだけでなくセクターを越え、保健相、刑務所、法務省らの連携が生まれた結果、2001年、国家健康被害軽減委員会 National Harm Reduction Committee が設立された。さらに、予防・治療・ケアを一本化したクリニックTriangular Clinic をNGOとの協力により刑務所内にまで設置するにいたっている。またIDUらが訪れやすいドロップインセンターの運営など、独特のプログラムを展開している。

イランは今後、現状の効果を維持、あるいはさらに改善し、類似プログラムの実践を目指す近隣諸国のための課題として、モニタリングと評価システムを整える必要がある。また、IDUのパートナーへの予防措置や路上生活者のケアなど、宗教団体も含めた市民社会側の受け入れ体制を整え、官民で健康被害軽減について取り組んでいく必要がある。

原題:HIV/AIDS harm reduction in Iran
日付:12 August, 2006
出典:The Lancet
URL: http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140673606691320

-------------------------------------
★ロシア・東欧: 静脈注射薬物使用者のHIV感染が拡大
-------------------------------------

2006年6月 ロシア・第二の都市で開催されたサンクトペテルブルグサミットについては、レバノンの首都ベイルートにおけるイスラエルの軍事侵攻に関する討議に報道機関の注目が集まった。その一方で、G8諸国はサミットにおいて、ロシアを含む東欧及び中央アジアでのエイズの急速な感染拡大についてコミュニケを開催、討議した。

G8諸国は、HIV感染拡大を防ぐために、科学的根拠に基づいた包括的な予防戦略を実施すべきという協同声明を発表した。しかし、静脈注射常用者 Injection Drug Users IDUs間のHIV感染拡大に関しては二つに意見がわかれている。米国政府は、麻薬静脈注射針の交換に反対の姿勢をとっているが、現実には、東欧及びアジア地域では、注射のまわし打ちが放置され、静脈注射によるHIV感染が急速に拡大している。

現在東欧・アジア地域において、IDUs という限られた人口集団での局限的な流行にとどめられるか、あるいは一般大衆まで感染が拡大するか、大きな分かれ道に立たされている。急速に感染拡大をしている今、米ロをはじめ、その他のG8諸国が、科学的な効果が実証されている予防戦略を促進していかなければならない。IDUに対して健康被害軽減(ハームリダクション)プログラムの具体的の推進のためには、清潔な注射針交換needle exchange やメタドンによる麻薬依存治療、コンドームの使用を含めた性教育などが必要である。

米国は、最大のドナーであるが、IDUらに対して保守的な立場を取り、効果的な予防戦略を展開できていない。この程、米国地球規模エイズ調整官事務所 U.S. Office of the Global AIDS Coordinator はIDUに関する緊急プランを発表したものの、HIV抗体検査受検をしなければ薬物使用者の薬物治療は行わないとガイドラインに明記した。こうした条件付けは、IDUらにとって、HIVと向き合うことを遠ざけるリスクになるのでは、と考えられている。

エイズは人権問題である。科学的な分析に基づき、効果が実証されている方法については、差別や偏見に惑わされることなく実行されなければならない。何百億ドルもかけて行われた米国の調査により、何が効果的であるかは既にわかっている。つまり、あとは実行のみなのだ。

原題:How to contain AIDS epidemic
日付:July 23, 2006
出典:The Providence Journal
URL:
http://www.projo.com/opinion/contributors/content/projo_20060723_23rich.11f2dc8.html

---------------------------------------
★アフリカ、アジア地域ではエイズが十分報道されていない
 〜国際ジャーナリスト連盟が調査〜
----------------------------------------

7月26日、国際ジャーナリスト連盟 International Federal Journalist(IFJ)は、アフリカとアジア諸国のメディアが、HIVやエイズについての報道を、本来行うべき規模で取り扱っていないと報告した。IFJは、各国のメディアに対し、メディアの質を上げ、またより多様性に富んだ報道をすべきだとし、HIV陽性者の状況をさらに報告するべきと指摘した。

IFJは2005年12月に、カンボジア、インド、ナイジェリア、フィリピン、南アフリカ、ジンバブウェのメディアを2週間以上モニタリングした。結果、HIVやエイズに関する報道はほんの数回しかなかった。一般に、メディアでも、放送よりも新聞記事や書籍のほうが、より多くHIVやエイズ問題について取り上げている傾向があるが、ジンバブウェでは、ラジオが国民の主な情報源になっているが、放送時間の約3%しかHIVやエイズ問題について取り上げていないのが現状である。カンボジアでは、12月1日の世界エイズデーにおいてさえも、メディアの3%しかHIVやエイズ問題について取り上げていない。この地域では、エイズ問題は、一般の関心をひかない課題とされ、また、同性愛などとともに、社会的なタブーとして扱われている問題とみなされている。

IFJは、アフリカ、アジア地域各国のメディアのガイドラインを発展させ、ジャーナリストや編集者が適切にエイズ問題を報道できるように研修すべきである、と述べている。

原題:PanAfrica: African And Asian Media 'Must Report More On Aids'
日付:August 3, 2006
出典:Allafrica.com
URL:http://allafrica.com/stories/200608030805.html
(Allafrica.com)

-------------------------------------
★ヒューマン・ライツ・ウォッチ:人権を無視したHIV抗体検査に懸念表明
-------------------------------------

8月10日、国際的NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ Human Rights Watch (HRW)は、ドミニカ共和国やルーマニア、ジンバブウェにおいて、HIV抗体検査が、受検者の秘密保持や検査前後のカウンセリングを行わないなど、人権を無視した形で導入されていると懸念を表明した。この発表は、8月13日から18日にかけてトロントで開催された国際エイズ会議に先駆けて行われたものである。

HRWは、上記以外にもインドやサウジアラビア、レソト、マラウイ、シエラレオネ、中国、ボツワナで、十分な配慮をしないままHIV抗体検査プログラムが実施されていると指摘した。HRWは、該当国が適切な検査を実施するようWHOやUNAIDSが勧告するべきだと主張している。

現在、多くの国が実施しているHIV抗体検査は、国連機関が策定したガイドラインを参考にしており、自発的に受診できるようになっている。また、担当する医療関係者には守秘義務を課したうえで、陽性だった場合には十分なカウンセリングが受けられるシステムを導入している。こうした検査が功を奏した国は多く、ウガンダではHIV感染が98%も減少した。HRWのHIV/AIDSプログラム・ディレクター、ジョー・アモン氏 Joe Amon は、HIV抗体検査そのものがHIV感染予防に効果があるという直接の根拠はないが、適切な検査は多大な成功を収めていると述べている。一方、アモン氏は同様に、HIV抗体検査の機会拡大は重要であるが、一方で受検者が守られなければ検査プログラムは逆効果にもなりかねないと警告している。

より詳しい情報はhttp://www.hrw.org/campaigns/aids/2006/torontoをご参照下さい。

原題:AIDS Conference: Drive for HIV Testing Must Respect Rights
日付:August 10, 2006
出典:Human Rights Watch
URL: http://www.hrw.org/english/docs/2006/08/09/canada13944.htm

------------------------
■□編集後記
------------------------

すっかり秋ですね。秋と言えばNGO業界(にかかわらず?)がイベントで忙しくなる季節ですよね。グローバル・エイズ・アップデイトを発行しているアフリカ日本協議会は、9月30日・10月1日と東京・日比谷公園で行われます、「グローバル・フェスタ2006」にブースを出展いたします。

今年は、200以上のブースが出展され、2日間で7万人が来場する見込みだそうです。(そう考えると前回の国際エイズ会議の3倍強ということになりますよね・・・)エイズに限らず、様々な国際イシューが、様々な角度からわかるかもしれません。

東京近郊にお住まいの皆さま、ぜひ足を運んでAJFのブースに遊びに来てくださいね。

------------------------
■□メールマガジンご案内
------------------------

○メールマガジン「グローバル・エイズ・アップデイト」は、世界のHIV/AIDS問題の 最新動向を網羅するメールマガジンとして発行しています。

○このメールマガジンは、購読者の皆さまに逐次お送りするほか、HIV/AIDSや国際保健・医療関係のメーリングリスト、関係機関等に継続して送付いたします。ただし、メーリングリスト等への投稿は、徐々に減らす形となります。継続してお読みになりたい方は、以下の講読申込票をメールマガジン発行元(アフリカ日本協議会)までご送信下さい。また、本メールマガジンを発行している「Melma!」の以下のサイトから登録することもできます。
http://www.melma.com/mag/66/m00123266/

---------------------------------------
<講読申込票>info@ajf.gr.jpまで
---------------------------------------
○氏名
○所属(あれば)
○メールアドレス
○ご在住の市町村
○コメント
---------------------------------------

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2004-09-14  
最終発行日:  
発行周期:隔週  
Score!: 80 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。