国際情勢

グローバル・エイズ・アップデート

地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。

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49号(Global AIDS Update)

2006/08/05


■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

グローバル・エイズ・アップデイト
GLOBAL AIDS UPDATE
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第49号 2006年(平成18年)8月3日
Vol.2 -No.26 Date: August 3, 2006

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

◆発 行:アフリカ日本協議会
◆連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル2F
・電 話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
・電子メール:info@ajf.gr.jp
◆バックナンバー:下記ブログをご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/ajf/
◆Melma!を通しての購読申し込みは
http://www.melma.com/mag/66/m00123266/
◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は
 事前に発行者にご連絡をお願いいたします。

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はじめに:発行趣旨
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○HIV/AIDS問題は、現代世界に於ける保健医療上の最大の問題の一つです。
○しかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。
○このメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝えるメディアが必要だという認識から生まれました。
○HIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語で要約し、隔週で発行いたします。

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■「第49号」目次
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● アフリカ地域
1.南アフリカ共和国:UNGASS+5 に市民社会の声を届けるため奮闘した市民団体
2.世界エイズ・結核・マラリア対策基金、ナイジェリアへの資金拠出を停止
3.アフリカ連合: アフリカ連合委員長がHIV感染予防に向けて一層の努力を呼びかけ

● 北米地域
1.米国:HIV陽性者への厳しい入国規制

● 国際的な動き:
1.ロシア:G8保健大臣会合に対する市民社会のアドボカシーで14名が逮捕
2.マイクロビザイド:レモン・ライムジュースのマイクロビサイドとしての安全性に赤信号
3.世界基金:第6回新規案件募集は成功するか
4.国際薬物使用者会議: 世界の薬物使用者が行動を起こすきっかけに


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★ 南アフリカ共和国:UNGASS+5 に市民社会の声を届けるため奮闘した市民団体
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「国連HIV/AIDS対策レビュー総会」(UNGASS+5)が5月31日から6月2日まで開催された。南アフリカ共和国では、HIV/AIDSに取り組む市民団体が、この総会で市民の声を伝えるために奮闘した。

この会議は、2001年の国連総会で採択された、「HIV/AIDSに関するコミットメント宣言 Declaration of Commitment on HIV/AIDS 」 に示された、5年間の達成状況見直しを目的として、5月31日から6月2日まで、ニューヨークにて開催された。

コミットメントでは、公共部門と民間部門の協力の推進が明示されている。しかし、南アフリカ共和国でHIV/AIDSに取り組む市民団体は、、南アフリカでは会議の準備段階での政府との協議、また国家を超えた国際的な協議が持たれなかったことを強く訴えた。

「UNGASS+5で市民活動団体が何をすべきか」という議論は、「どの団体が行けるか」という議論以上に重要であるにも関わらず、十分に議論がなされていない。「国際エイズ・サービス組織評議会」 International Council of AIDS Service Organisations (ICASO) のマリー・アン・トーレス氏 Mary Ann Torres は、市民社会の準備段階への関与は、会議そのものへの出席よりもより大きな影響を持つと指摘している。ところが、会議に参加する南アフリカのNGOのうち、準備段階から参画している団体は、ほんのわずかである。

UNGASS+5は、各国の進行状況に関する報告書の編集を、市民社会参加の重要な機会のひとつと定めている。しかし、同国の有力市民社会組織らは、政府の経過報告に対して市民社会が意見を表明する機会を与えられないまま、報告書が提出されたと訴えた。南ア政府のHIV/AIDS対策を監視する市民社会評議会は、ICASOの後援で、進行状況のより公正な見解を伝えようと、市民社会側の国別報告書、いわゆる「シャドーレポート」を提出した。

4月中旬には、コミットメント宣言と、2001年に採択された「HIV/AIDSに関するアブジャ宣言」 Abuja Declaration on HIV/AIDS の、実行拡大を求める地域的取り組みとして、ナイジェリアの首都・アブジャに、アフリカの市民社会から80人以上の代表が集まった。会議の最後に発表された声明は、市民社会の有意義な参加の不足への失望を表明すると共に、2つの宣言の中でアフリカ各国政府が達成できていない、多数の重要な目標に言及し、その中でも予防分野が最も達成されていないと主張するものであった。南アフリカの市民団体は、南アフリカ政府が、自らサインした「アブジャ宣言」を守っていないと批判している。

原題:SOUTHERN AFRICA: Fudging the UNGASS report card
日付:20 April, 2006
出典:IRIN Plus News
URL:http://www.plusnews.org/AIDSreport.asp?ReportID=5878&SelectRegion=Southern_Africa

(編集部注:本記事の原文は、国連HIV/AIDSレビュー総会以前に書かれたものです。日本語要約にあたっては、国連総会へのプロセス、およびその成果に関するいくつかの情報を活用してまとめました)

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★ 世界エイズ・結核・マラリア対策基金、ナイジェリアへの資金拠出を停止
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世界エイズ・結核・マラリア対策基金は2006年4月、ナイジェリアで同基金が拠出して行われているプロジェクトが十分な活動実績をあげていないとして、資金提供を停止した。

世界基金の資金拠出は活動実績のモニタリング・評価をベースにして実施されており、基金側は、いつでも拠出の停止を決定する権限を持っている。世界基金のプロジェクトは5年単位であり、このうち最初の2年を「第1期」(フェーズ1)、後半の3年を「第2期」(フェーズ2)とし、第1期の実績が芳しくない場合、理事会が、第2期に移行しないで案件を廃止することを決定したり(No Go)、第2期のプロジェクトのあり方に変更を命じる(Revised Go)のが通常である。

ナイジェリアに対する交付停止の決定に先立って、これまでに承認された130の拠出案件のうち、他にも3つの交付金が「これ以上拠出しない」という決定(No Go)をされた。セネガルへのマラリア対策プロジェクト、南アフリカ共和国へのHIV/TB予防プロジェクト、およびパキスタンへのマラリア対策プロジェクトである。

世界基金事務局から理事会に提示された文書によると、ナイジェリアのARV(抗レトロウイルス薬)供給プロジェクトでは、第4四半期までに14,000人が治療を受けられるようにするとの目標が設定されていたが、実際には、第4四半期までに同資金のプロジェクトによりARV治療を受けた事例は一例もなかった。その後、第7四半期までに事業は伸展したが、結局、24,000人という目標に対して、実際には6,865人しかアクセスできなかった。それ以外にも、多くの目標が達成されなかった。

また、ナイジェリアから提出された活動報告書には、「ARV治療を受けている人数」というデータが、「すべての治療薬が使用された場合に、治療を受けられると見込まれる人数」に関するデータに変更されるなど、疑わしいデータの記載が見られた。さらに、不適切な支出もあった。ナイジェリアの国別調整プログラム(CCM)は、実情を適切に評価せず、また多くの問題点を報告しなかった。CCMの改革も予定されていたが、まだ実施されていない。

ただし、世界基金の資金拠出によって現在ARV治療を受けている人々は、資金拠出が停止されても、代替策が検討される間は、あと2年は引き続き治療を受けることができる。また、ナイジェリアは「第5回案件募集」(Round 5)のARVプロジェクト案件の承認を受けている。 

原題:Global Fund Terminates Nigeria HIV Grants for Inadequate Performance
日付:30 April 2006.
出典:AIDSspan website
URL:http://www.aidspan.org/gfo/latest/index.htm


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★ アフリカ連合: アフリカ連合委員長がHIV感染予防に向けて一層の努力を呼びかけ
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2006年4月11日、アフリカ連合(AU)本部のあるエチオピアの首都アジスアベバで開かれた「アフリカにおけるHIV感染予防促進年」の開始を記念する式典において、アルファ・オマール・コナレ Alpha Oumar Konare アフリカ連合(AU)委員長は、HIV感染予防に向けての一層の努力を呼びかけた。「HIV感染予防の責任を負っているのは世界保健機構(WHO)や国連合同エイズ計画(UNAIDS)だけではない。アフリカ国民である我々全てにその責任がある」と委員長は語った。「HIV/AIDSと共に生きる人、エイズによる死者、エイズによって孤児となった子供、新たなHIV感染者、そのどれをとっても、アフリカは世界の中で最も高い比率を占める。効果的な対策がとられていないという点でも、アフリカは世界有数だ。HIVの拡大を止めるためにアフリカは今すぐ行動しなければならない」。UNAIDSによると、2005年に新たに感染した人は500万人を記録し、うち64%にあたる320万人はサハラ砂漠以南の地域に住んでいる。

「アフリカにおけるHIV感染予防促進年」は、各国の保健省大臣等が共同宣言へ署名し、正式に開始された。共同宣言には、「エイズに関する差別、偏見などへの対策を含めた、HIV予防のための社会的環境を作るために適切な方針や法律を作成する」とある。また、感染予防方法や検査、カウンセリングに対する国民の意識を高める手段を議論していくことや、抗レトロウイルス薬がより容易に利用できるよう努力することなども、盛り込まれている。

自分のHIV感染有無を知っているアフリカの人々は全体の10%にも満たず、HIV検査やカウンセリングを実施している施設は、アフリカ全体の人口の24%しかカバーできていないという。1980年代以降、アフリカでは5000万人がHIVに感染し、2200万人が犠牲となった。彼らの大部分は生産年齢である。「感染拡大が始まって20年経つのに、このような数字が出てくるのは受け入れがたい。女性、若者、そしてもっとも生産力のある年齢層が、もっともHIV/AIDS の影響を受けている。このままでは、人口統計的にも経済的にも、そして政治的、社会生活面においても、国に深刻な打撃を及ぼしかねない。予防促進年の導入は、アフリカにとって警鐘となるだろう」と、ルイス・ゴメス・サンボ Luis Gomes Sambo WHOアフリカ地域ディレクターは述べている。

原題:PanAfrica: Continent Must Step Up Prevention Efforts to Stop HIV/Aids-AU
日付:April 12, 2006.
出典:all Africa website
URL:http://allafrica.com/stories/200604120427.html


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★ 米国:HIV陽性者への厳しい入国規制
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米国の出入国管理法では、HIV陽性者の入国に対して厳しい規制が存在する。5月末から6月初旬にニューヨークで開催された国連HIV/AIDS対策レビュー総会では、この厳しい規制のもとで、多くのHIV陽性者を含む参加者が米国に入国した。それは、どのような法的状況のもとで行われたのか。

HIV陽性者に対する米国の出入国管理法は、非常に複雑である。米国では、「公衆衛生にかかわる感染症」患者の査証申請および入国は禁じられている(出入国管理および国籍法 The Immigration and Nationality Act、212条A項の1)。HIV/AIDSは「公衆衛生に関わる感染症」と定義されている。ただし2006年国連エイズ対策レビュー総会は、米国司法長官により「特例」と認められており、HIV陽性者の査証申請が可能である。だがその条件として、感染の有無を明らかにしなければならない。

B-1もしくはB-2査証申請時に、「特例」措置が適用あるいは不許可された場合、CLASS(領事監査支援システムConsular Lookout and Support System) 、あるいはTECS(会計執行情報システムTreasury Enforcement Communications System) に陽性者として氏名が登録される。CLASSとは、査証申請者の「氏名照会」を行う国務省のシステムである。TECSは、合衆国税関、国境担当官、入国管理局、国務省、法務省への照会システムである。CLASSあるいはTECSシステムにてHIV陽性と表示された場合、将来にわたって米国への入国が困難になるおそれがある。

特例措置を適用せずに入国する場合は、入国前に渡されるI-94W用紙に「公衆衛生の危機に値する感染症(HIV/AIDS含む)」に感染の有無を記入しなければ、6ヶ月以下の滞在ビザの取得が可能である。一方、特例措置により入国する場合は、感染の有無を記入する必要がある。この場合、担当官による二次審査や、入国申請辞退を促される可能性がある。二次審査を指示されたら、弁護士に相談するのが望ましい。もし感染の有無を申告しなかった場合、査証詐欺とされる場合もある。

HIV陽性者が治療薬をアメリカ合衆国に持ち込む場合、「公衆衛生の危機に値する感染症」に対する薬を所持していても拘束されないという原則があるにもかかわらず、入国審査官がHIV/AIDS関連の医薬品を発見した場合、便宜的に所持者を拘束する場合もある。

このような厳しい入国規制の存在する国でHIV/AIDSに関する公的な会議を行うことは適切といえるだろうか。米国では、1992年に国際エイズ会議が開催される予定であったが、市民社会の強力な運動の結果、アムステルダムに会場が変更された。それ以来、米国では国際エイズ会議は開催されていない。

原題:To All HIV Positive Visitors Coming to the United States to Attend the 2006 High Level Meeting on AIDS
日付:May 2006
出典:Gay Men’s Health Crisis
URL:http://www.unaids.org/unaids_resources/UNGASS/20060508_HLM_Waiver_en.pdf 

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ロシア:G8保健大臣会合に対する市民社会のアドボカシーで14名が逮捕
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4月28日、モスクワで開かれた主要国保健大臣会合に対して、エイズ関連の活動団体である「フロント・エイズ」 FrontAIDS の活動家が会議場近くの「赤の広場」でデモを行った。デモでは次のような事項を要求し、HIV/AIDSを含めた感染症課題への関心を喚起した;

・治療薬へのアクセスの向上を!
・治療薬の普及を阻む国際知的財産権協定を見直せ!
・治療薬服用者に対する代替療法の利用を含めたWHO基準による治療手段を確立せよ!
・ワクチンや治療薬の臨床治験に関わる倫理ガイドラインを遵守せよ!

これらデモの要求は、世界で多くの人々が治療薬へのアクセスができずに亡くなり、また特許権のために治療薬へのアクセスが困難であることを知らずに亡くなっている現状による。特許権は、製薬会社の知的財産権を保護し、治療薬の売買で多額の利益を上げることができる一方、多くの人々が特許権のために治療薬を購入することができずに、亡くなっている。そのため、「フロント・エイズ」は製薬価格の低下を求め、より多くの人に治療薬へアクセスできるよう呼びかけている。

なお、デモの際には活動家14人がモスクワ当局に逮捕されたが、彼らの多くは、HIV陽性者であり、ロシアにおける長期抑留は彼らの健康に破壊的な影響を与えることが予想される。「フロント・エイズ」は逮捕された活動家の釈放に向けて、各国に支援を呼びかけている。

(編集部注:この記事は4月のものですが、7月にサンクトペテルスブルグで行われたG8サミットにおいても、「フロント・エイズ」の抗議行動があり、逮捕者が出たそうです。別途、報道するかと思いますのでご注目下さい)

原題:Medicines Not Bombs
日付:28 April 2006
出典:Front AIDS
URL:メーリングリストからの引用です。 
詳細を希望の方は、info@ajf.gr.jp までお問い合わせください。


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★マイクロビザイド:レモン・ライムジュースのマイクロビサイドとしての安全性に赤信号
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編集部注:マイクロビサイドは 「殺菌剤」(HIV/AIDSの文脈では殺ウイルス剤)と訳され、HIV/AIDSとの関連では、女性の膣内もしくは男性・女性の肛門の中に入れておくことにより、相手の体液が入ったとしても、マイクロビサイドの効果により、HIV感染を防げるというものです。これまでHIV予防の主軸をなしてきた男性用コンドームは、いわば男性主導のHIV感染予防策でしたが、もしマイクロビサイドが開発されれば、女性が自らHIVから身を守ることができます。現在、開発が進められており、感染症に関わる新規医療技術開発の一つの柱をなすものであると言えます。本記事は、以前、レモン・ライムジュースがマイクロビサイドとして一定の有効性があるとの研究があり、その研究のその後についての記事です。

2006年3月28日に開催された、「マイクロビサイド開発連合」 Alliance for Microbicide Developmentの通常総会において、レモン・ライムジュースの、膣への使用によって起こりうる影響に関する新しいデータが発表された。これは、米国、南方調査研究所Southern Research Institute のキャロル・ラックマン=スミス氏 Carol Lackman-Smith らが、レモン・ライムジュースと殺精子剤ノンオキシノール9 Nonoxynol-9 (N-9) の、細胞への有毒性と抗HIV作用を比較する臨床前調査を行ったというもので、結果として、レモン・ライムジュースが引き起こした細胞の損傷は、N-9と同程度であることが明らかになった。この調査結果は、レモン・ライムジュースにおけるマイクロビサイドとしての使用の安全性に疑問を投げかけるものとなった。

損傷の程度を下げるために、ジュースの濃度を下げると、HIVの複製を妨げるほどの効果がなくなるため、効果と副作用のバランスが保たれない。一方、N-9は、細胞の損傷を引き起こすという理由で、すでにマイクロビサイドから除外されている。このことを考えれば、N-9以上の炎症を起こす製品がマイクロビサイドとして使用可能であるとは考えにくい。

ロンドンにあるセント・ジョージ病院 St. George Hospital のロビン・シャトック博士 Dr. Robin Shattock は、レモン・ライムジュースは男性のペニスや尿道にも炎症を起こす可能性があることを明らかにした。米国バージニア州アーリントンに本拠を置くNGO、「避妊調査・開発プログラム Contraceptive Research and Development CONRAD」 のクリスティン・モーク博士 Christine Mauck らによって発表された予備データもまた、この懸念をさらに支持するものであった。モーク博士らは、禁欲中の女性ボランティア48人が膣にライムジュースを使用する臨床試験を行った。この試験の最終結果は、未だ分析中であり、4月下旬に南アフリカ共和国ケープ・タウンで行われる「マイクロビサイド2006会議」 Microbicides 2006 Conference において発表される。しかしながら、この研究結果では、濃度の低いライムジュースを使用した女性に比べ、より高い濃度のライムジュースを使用した女性の方が膣の損傷と炎症に苦しんだことを、示唆しているという。

完全な分析結果の発表までは、HIV感染を防ぐためのレモン・ライムジュースのマイクロビサイドとしての使用には、特別な注意が必要とされる。

参考HP: 
マイクロビザイド開発連合 Alliance for Microbicide Development http://www.microbicide.org/
南部諸州研究学会 Southern Research Institute http://www.sri.org/
避妊調査・開発プログラム Contraceptive Research and Development CONRAD  http://www.conrad.org/

原題:"New data suggest safety concerns regarding use of lemon and lime juice"
日付: 06 April 2006
原典:Global Campaign News
出典:Alliance for Microbiside Development 
URL:
http://www.microbicide.org/publications/show_story.html?NewsID=359&print_story=1


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★ 世界基金:第6回新規案件募集は成功するか
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世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)は4月27日、開催中の第13回理事会において新規プロジェクト案件の募集を開始することを決定、発表した。今回で通算6回目の新規案件募集(ラウンド6)は、事前の計画案提出および審査を経て、今年11月に開かれる第14回理事会において承認される見通しとなった。また来年度で、5年間にわたって行われていた「ラウンド1」の案件が終了する。今回の新規案件募集では、そうした事業対象国・地域の応募も視野に入れており、このような案件継続においても考慮がなされる。

世界基金はエイズ・結核・マラリアの三大感染症対策のために4年前に設立され、現在までに全世界エイズ対策資金の25%、結核・マラリア対策資金の65%が世界基金より拠出されている。第6回案件募集の対象は、2010年までにエイズ治療および予防アクセスを全ての人々に供給する「ユニバーサル・アクセス」の達成と、結核やマラリアによる死者数を2015年までに半減させることを目標とする。

案件は各国の国別調整メカニズム(CCM)が、それぞれ世界基金事務局に提出し、これを独立した専門家委員会である技術審査パネル(TRP: Technical Review Panel)が審査する。質の高い案件は理事会で承認されるが、まず2年間の資金拠出決定が認められた後、当該事業の結果次第で残り3年間の資金拠出が追加される。

案件提出の締め切りは8月3日で、推薦案件は11月1〜3日に中米グアテマラにおいて開催される理事会で承認される。また世界基金は第6回案件への資金拠出に際し、同時に資金拠出を担うドナーらも募集しており、まずは向こう2年分の資金を案件承認までに必要な資金拠出を募集している。

問題は、第6回新規案件募集に対して適切な案件が多く集まったとして、それらを全て承認できる資金が世界基金に集まるかどうかである。世界基金に十分な資金がなければ、案件を承認することはできない。現在のところ、世界基金には、第6回新規案件募集による案件の承認にあてることができる資金は少なく、このまま行けば、新規案件を十分承認できず、案件募集が失敗する可能性すらあると言われている。世界の市民社会は、ドナー国や民間セクターなどに対して、第6回新規案件募集を失敗させないために資金拠出を要請するキャンペーン「FUND the GAP」に取り組んでいる。

世界基金はエイズ・結核・マラリア対策に対象を絞った資金拠出組織であり、各国政府から市民社会、企業まで様々な団体が参画している。基金は、案件への直接介入は行わないが、案件対象地域や組織の連携のもと、資金の運用を適切に管理し指標達成に向けた支援を行っている。これまで基金を通して38万人余りにARV治療を供給し、マラリア対策のため770万人に対して蚊帳の供給を行い、100万人以上の結核患者にDOTS (Directly Observed Treatment. Short-Course:直接監視下短期化学療法)を導入している。

原題:Global Fund Board launches sixth grant round
日付:27 April, 2006
出典: The Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria
URL:http://www.theglobalfund.org/en/media_center/press/pr_060428.asp

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★国際薬物使用者会議: 世界の薬物使用者が行動を起こすきっかけに
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2006年4月30日、薬物使用者の健康と人権を守るための国際会議International Drug User Activists Congress が開催され、世界中から100人以上の薬物使用者が、カナダの都市バンクーバーに集結した。「この会議は、各国の薬物使用者同士が連帯する貴重な機会だ」とオーストラリアの薬物使用者連盟のアニー・マデンAnnie Maddenは述べる。会議では、ネットワーキングや情報交換の場に加え、ピア・エデューション、人権、治療啓発活動、人権、倫理問題などに関するスキルを得るための多くのセッションが用意されている。

同会議は、4月30日から5月4日まで同じくバンクーバーで開催されている第17回薬物ハーム・リダクション国際会議 International Conference on the Reduction of Drug Related Harm と時期が重なったため、両方の会議で報告を行った参加者も多い。ブルガリアの団体ホープ・ソフィアHope-Sofiaからの参加者は、「ハーム・リダクション国際会議で、医師、研究者、政策決定者、ヘルスワーカーの中に混じって、薬物使用者が実際の経験に基づいた報告を行ったことは、他の参加者にとってもまたとない機会となった」と述べている。

薬物使用者の団体は、過去あるいは現在、禁止薬物を使用している人々や、現在薬物治療を受けている人たちによって構成されている。こうした団体は世界中にあり、市民社会の形成や政府のプログラムに貢献している。例えばカナダでは、バンクーバー薬物使用者ネットワークVancouver Area Network of Drug Usersが、HIV/AIDS、肝炎、薬物の過剰使用防止のために、管理された注射所を設置することに貢献した。タイの団体は、 HIV/AIDS予防とケアサービスへのアクセス拡大や、人権侵害の事例報告を行っている。また英国の団体は、政府の国家C型肝炎予防計画に協力している。

ジョン・モーダント・トラストJohn Mordant Trustのアンドリア・エフシーモウAndria Ehfhimiouj氏は、「薬物使用者は社会から差別され偏見を抱かれている。たとえばネパールの著名な活動家1名に、今回カナダ入国ビザがおりなかった。こうした差別に対して声をあげるべき時だ。我々はこの会議が、薬物使用者が行動を起こしていく契機となると信じている」と述べた。

原題:Drug User Activists Unite at International Congress
日付:28 April 2006
出典:Google Groups / AIDS Beyond Borders
URL:
http://groups.google.co.in/group/AIDS-Beyond-Borders/browse_thread/thread/df35561aa85db362/da86d02c1efb77db#da86d02c1efb77db


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■□編集後記
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数ヶ月前のことですが、コンゴ難民の友人から手紙が届きました。今は米国に移住し、安定した暮らしをしているとのこと。彼の母国のコンゴ民主共和国で実施された、大統領および議会選挙の行方が気になります。資源の豊かなコンゴで、すべての人々が安定した暮らしができるのはいつのことなのか、考えずにはいられません。

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