国際情勢

グローバル・エイズ・アップデート

地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。

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42号(Global AIDS Update)

2006/04/28

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

 グローバル・エイズ・アップデイト
       GLOBAL AIDS UPDATE
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 第42号 2006年(平成18年)4月27日
  Vol.2 -No.19 Date: 2006, April 27

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

◆発 行:アフリカ日本協議会
◆連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル2F
・電 話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
・電子メール:info@ajf.gr.jp
◆バックナンバー:下記ブログをご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/ajf/
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http://www.melma.com/mag/66/m00123266/
◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は
 事前に発行者にご連絡をお願いいたします。

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はじめに:発行趣旨
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○HIV/AIDS問題は、現代世界に於ける保健医療上の最大の問題の一つです。
○しかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。
○このメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝えるメディアが必要だという認識から生まれました。
○HIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語で要約し、隔週で発行いたします。

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■「第42号」目次
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地域情報
● アフリカ
1.アフリカ: 鳥インフルエンザで4億9,500万ドルの損失?
2.ウガンダ: 緩和ケアの成功例が示す教訓
3.セネガル: 二重の迫害を受けているHIV陽性の男子同性愛者

● アジア太平洋地域
バングラデシュ:イスラム世界におけるエイズへの取り組みのモデルになりうるか

国際機関
WHO:HIV/AIDS理事会決議 ― 全てのエイズ患者に予防・治療・ケアのサービスへのアクセスを

NGO・ドナー情報
1.MSF:エイズ治療薬供給について製薬会社を非難
2.エイズ医療財団:エイズワクチンに対する資金提供増加に疑問を投げかける

国際会議
1.国際会議: トロント会議におけるMSM関連イベント
2.東欧・中央アジア: 東欧・中央アジアエイズ会議 5月に開催

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★ アフリカ: 鳥インフルエンザで4億9,500万ドルの損失?
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アフリカ連合(AU)通常閣僚評議会 the African Union Ordinary Executive Council は、鳥インフルエンザはきわめて深刻な経済的問題をもたらすとの報告を発表した。この報告は、1月21日に行われたAU首脳サミットに先駆けて行われた外相会議で提出されたもので、次に鳥が飛来してくるのが、アフリカであると予測されており、アフリカ大陸全体は深刻な脅威にさらされている。鳥インフルエンザは、野鳥だけでなく家禽である鶏、あひるやがちょうへも感染していくことが確認されているため、人的被害だけではなく、地方では深刻な経済的打撃となると、予想されている。AUの報告によると、1億6,500万羽の家禽が死亡もしくは感染拡大の予防のために処分されることになり、損失総額は約4億9,500万ドルを超えるとみられる。アフリカでは感染症対策が他の地域に比べて進んでおらず、鳥インフルエンザの流行は地方で家禽を飼って生計を立てている人々、特に女性を直撃する恐れがある。
専門家も、鳥インフルエンザがいつアフリカ大陸に上陸するか予測を立てられていない。発症や死亡をできるだけ避けるために最も有効な手段であるワクチンや抗ウイルス薬の供給が急務である。現況では、アフリカを筆頭とする多くの途上国が、インフルエンザが流行してもワクチンを入手する手段を持たない。
WHOが発表した鳥インフルエンザの推定死亡者数は200万〜740万人だという。アフリカでは、家禽の飼育および生産やその流通システムにおいて人間と鳥の直接的な接触が多いため、感染の可能性が他の地域よりも高い。

原題:Africa Risks Losing $495m If Bird Flu Hits - Report
日付:2006 January 23
出典:Allafrica.com website
URL:allafrica.com/stories/200601230693.html

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★ ウガンダ: 緩和ケアの成功例が示す教訓
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ウガンダでは、緩和ケアサービス palliative care service の成功例が、全国規模で拡大している。成功の要因は、患者を中心に据え、治療の量よりも質に焦点を当てている点にある。
発端は、ホスピス・アフリカ・ウガンダ Hospice Africa Uganca が1993年に首都カンパラで開始した緩和ケアサービスである。さらにウガンダ政府も安価な経口粉末モルヒネの輸入を許可したため、今日では、モルヒネはすべてのミッション系病院や政府によるサービスプログラムに配布されている。1998年には、ウガンダ南西部に位置する ンバララ簡易ホスピス Mobile Hospice Mbarara やリトル簡易ホスピス Little Hospice Hoima で、医学生や看護学生に対し、緩和ケアに関するトレーニングが開始され、現在では全国三ヶ所で緩和ケアサービスとそのトレーニングが実施されている。
ホスピス・アフリカ・ウガンダの5年間にわたる訴えが功を奏し、緩和ケアは、2000年のウガンダ国家保健戦略の重要な要素として組み込まれた。さらに2004年には、医師や看護士だけでなく助産師もペチジン pethidine と呼ばれる合成モルヒネを処方できるように法改正を行うなど、ウガンダ政府も緩和ケアに力を入れている。
ウガンダの成功例から、アフリカで緩和ケアサービスを成功させるポイントとして挙げられるのは、献身的なスタッフチームの確保、スタッフの仕事は量より質を重視して評価すること、患者の苦痛と症状の緩和に注力すること、急速な拡大はサービスの質の低下に結びつくので患者数の増加にこだわらないこと、計画策定は現地事情に詳しい現場のスタッフが行うこと、モニタリングと報告体制の確立、現地ニーズに即したトレーニングの実施、などである。国側も、ウガンダ政府の例にならって、国際麻薬統制委員会 International Narcotics Control Boardと協力して経口モルヒネを普及させる、医療関係者による薬(特に鎮痛剤)の処方権限を拡大する、地域のニーズと合致した質の高い緩和ケアを重視するなどの施策をとるべきである。

参考HP : ンバララ簡易ホスピスホームページMobile Hospice Mbarara 
http://hospiceafrica.or.ug/mbarara/index_mbra.htm
ホイマホスピスホームページ Little Hospice Hoima
http://hospiceafrica.or.ug/hoima/index_hoima.htm

原題:Uganda's palliative care model for Africa
出典:id21 insight
URL: http://www.id21.org/insights/insights-h08/art04.html

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★ セネガル: 二重の迫害を受けているHIV陽性の男子同性愛者
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編集部注)アフリカ西部の国、セネガルは、国民の大部分がイスラム教を信仰し、同性愛は違法とされている。同国でGay/MSMsは、(Men who have sex with men 男性とセックスする男性)であること、HIV陽性者であることによる二重の苦難に直面している。この記事では、24歳の男性セックスワーカーであるダウダウ Doudou (仮名)のケースを用いて、セネガルのGay/MSMsに対する現状を伝える。

ダウダウは、「仲間の命を奪った2003年5月の交通事故が、全ての始まりでした」と回想する。その事故で彼の足は多発性骨折に見舞われ、ほぼ1年間は松葉杖を使わなければならなかった。彼は、家で動けずに家族と一日中顔をつきあわせるうち、家族が自分の性的指向を受け入れないことを悟った。同性愛者であることを理由に、ダウダウは家族から家を追い出された。
僅かな貯蓄を使ってセネガルの首都ダカールに部屋を借りた彼は、Gay/MSMsへの支援活動や定期的にHIV/AIDSの情報提供を行う NGO ‘And Ligeey’(セネガルの地方で使われるウォロフ語 Wolof で”ともに働く” という意味) へと向かう。
2004年、ダウダウがHIV抗体検査を受けたのは、MSMのワークショップに参加している時であった。ワークショップは、男性同性愛者間における感染率の把握を目的とした調査の一部として行われ、セネガルのMSMの21.5%がHIV陽性者であることが判明した。ダウダウもその時に感染がわかった。2005年に行われた人口統計と健康に関する国民調査によれば、セネガルの全人口の0.7%がHIV陽性者である。
政府の効率的なキャンペーン、HIV抗体検査や予防政策により、セネガルはアフリカでHIV感染率が最も低い国のひとつとなっているが、同性愛が違法とされているため、Gay/MSMのコミュニティは、エイズ・プログラムには表立って出てこない。
ダウダウは家族に自分がHIV陽性であることを話していない。「私が骨折した時に家族から受けた仕打ちを見れば、私がエイズで寝たきりになったときの最悪の事態が想像できます。」と彼は語る。
学歴がないので、正規雇用の仕事は得られず、自動車事故の前は、セックスパートナーからの経済的援助に頼っていた。パートナーは、子供を持つためだけに女性と結婚していた。同性愛は社会的不名誉なので、子供のいる既婚者として二重生活をしている者もいる。2004年の調査によれば、24%の男子同性愛者は女性とも性的関係を持っている。
ダウダウは貯金を使い果たした後、友人とともにダカールの郊外に一時収容施設を見つけたが、現在は首都から80キロ南にあるムボールの海辺地方に住んでいる。‘And Ligeey’のメンバーによれば、生活するためにセックス・ワークをしているという。Gay/MSMsは仕事を見つけるのが難しい。
事故から2年経ってなお後遺症に悩まされ、医療費もまかないきれず、携帯電話さえ売ってしまい、彼に残されたものは何もない。

原題:SENEGAL: HIV-positive gays face double stigma
日付:2006 February 17
出典:IRIN Plus News
URL: http://www.irinnews.org/AIDSreport.asp?ReportID=5696&SelectRegion=West_Africa&SelectCountry=SENEGAL

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★バングラデシュ:イスラム世界におけるエイズへの取り組みのモデルになりうるか
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国連事務総長特別顧問 special adviser to the UN secretary general のナフィス・サディク氏 Nafis Sadik は、1月26日にデイリー・スター紙のインタビューに応じ、「バングラデシュは、HIV/AIDSなどイスラム世界においていわゆるタブーとされている問題について、他のイスラム国が意識を高める模範になる。」と話した。
アジアHIV/AIDS国連事務総長特別代表 the UN Special Envoy for HIV/AIDS in Asia も務める同氏は「HIV/AIDS対策においては指導者のサポートがとても大切だ。バングラデシュでは、マラ(イスラム教における宗教指導者)に対してHIV/AIDSへの意識を高めるトレーニングが行われている。他のイスラム教国に対してもそれを伝授していくべきだ。」とも話している。
バングラデシュではHIV感染率は低く抑えられているが、感染拡大しているインドやミャンマーから国境を越えて性産業従事者や麻薬密売者が流入してくるため、彼女は警告を重ねている。またバングラデシュ保健省大臣は、麻薬の静脈注射使用者の間でのHIV感染者の増加を懸念しているようだ。
サディク氏によれば、カジュアルな性交渉や性産業において麻薬使用が常習化し、それが感染の拡大につながっている。「バングラデシュの中心部では、2001年から2005年の間に、麻薬の静脈注射使用者の間でHIV感染率が1.4%から4.9%まで増えた。この現象は、10年前の南アフリカ共和国と似ている。南アジア地域でも、この10年間で同様に爆発的に感染が増えるだろう。」彼女自身も南アジアのパキスタン出身で、特に若い少女たちの感染を懸念する。
サディク氏はバングラデシュの議会に対し、特に女性の教育や母子感染などの予防について多大なる期待を寄せている。

このインタビューは1月にダッカで開催された第2回南アジアHIV/AIDS地方議会セミナー Second Sub-regional Parliamentary Seminar on HIV/AIDS in South Asia でサディク氏がスピーチをした際に行われた。セミナーにはバングラデシュのカレダ・ジア首相 Khaleda Zia も出席しており、サディク氏は「カレダ首相は、女性用コンドームの普及や、思春期の性教育など、積極的に取り組んでいる。」と首相の方針を賞賛した。
サディク氏は、これまでもタイやカンボジアにおいて地域のHIV/AIDS対策を指導してきた。サディク氏は「カンボジアの首相はHIV/AIDS対策に前向きに取り組んでいる。タイではHIV感染予防の運動を首相自ら率いており、性産業においてはコンドームの使用を法律で義務付けるなど実効性のある政策をとっていた。」と当時を振り返った。

原題:Bangladesh model for Muslim world to fight AIDS -Nafis Sadik tells The Daily Star-
日付:2006 January 27 
出典:The Daily Star website
URL:http://www.thedailystar.net/2006/01/27/d6012701107.htm

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★WHO:HIV/AIDS理事会決議 ― 全てのエイズ患者に予防・治療・ケアサービスへのアクセスを
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2006年1月27日WHO常任理事会が終了し、包括的HIV/AIDS予防、ケアや治療に関して第59回国連総会で議論するよう決議した。総会は2006年5月22日から27日にかけて開催される予定。WHOの理事会は保健分野に精通する32人の委員からなり、任期は3年。
下記はWHOの事務局が常任理事会に提出したレポートの概要である。
エイズは20年以上にわたり最も深刻な伝染病の一つであり、現在までに約6,000万人がHIVに感染しそのうち約2,000万人が死亡している。毎年500万人の新規感染者が出るなど、状況は年々悪くなる一方だが、しかしこの4年の間に、世界各国の資金援助やサポートが充実してきており、世界銀行や先進諸国、多くの団体が参加している。
2003年12月、WHOとUNAIDSは共同で、2005年末までに途上国の300万人のHIV陽性者に対して抗ウイルス薬治療のアクセスを実現する「3 by 5」という取り組みを始めた。多くのWHO加盟国がこの目標を実現するために努力した結果、エイズ問題が特に深刻なアフリカのサブサハラ諸国で治療へのアクセスが改善され、アジア、東欧、中央アジア、ラテンアメリカやカリブ諸国でも状況が好転した。最終的に2004年から2005年の間に、50カ国において治療を受けている人の数が44万人から100万人へと倍増した。
各国政府主導のイニシアチブも加速してきている。3 by 5の開始当初はHIV/AIDSが流行拡大している49カ国のうち3カ国しか取り組みをしなかったが、2005年までには34カ国までに増えた。
3 by 5は国際レベルでも認識され、2005年にはG8諸国が、WHOやUNAIDSなどの国際機関と協力して2010年までに、全ての人々がHIVの予防、治療及びケアへのアクセスできるようになるよう、最大限の努力をすると発表した。これらの状況の進展により、エイズの蔓延に苦しむ諸国に対して、公衆衛生についての指導や技術的サポートなどのコンサルテーションも始まった。
各国主導のこのような取り組みにおいて、最も重要となるのは、政府、民間、宗教団体、HIV/AIDS患者のネットワークなどの多くの機関・団体の協力である。
そのためにWHO加盟国で構成されるグローバル戦略委員会が設立される。この委員会は国際レベルでの解決法を模索しつつ、各国での取り組みをレビューし、2006年9月に開かれるHIV特別委員会で検討される予定の世界行動計画を作成する。
これまで、多くの国々で、診断、処方箋システムの脆弱性、診療所などのインフラ及び人手不足などの問題が明らかになった。このような問題を解決するため、経験とオペレーションリサーチによって得られた知見によって新しい政策や戦略、プログラムが作成されている。
ただ、各国には大きな課題も残されている。資金援助の総額は増加してはいるものの、まだ実際に必要な額には及ばない。また、子ども用の抗ウイルス剤治療薬の不足や、若者、セックスワーカー、麻薬常用者、同性愛者などに対する平等な治療へのアクセスや医療従事者の育成のための投資など、今後のHIV/AIDS対策にはさらなる課題が山積している。

原題:WHO Executive Board Resolution on HIV/AIDS: Universal access to prevention, care
日付:2006 Feb 1
出典:AIDS_ASIA listserv
URL:http://health.groups.yahoo.com/group/AIDS_ASIA/message/397

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★ MSF: エイズ治療薬供給について製薬会社を非難
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国境なき医師団(MSF)は2月7日、大手製薬会社ギリアド・サイエンス社Gilead Sciences Inc. が効果的なエイズ治療薬を第三世界で入手可能にするとした約束を破ったとして非難した。ギリアド社は自社製品であるHIV/AIDS治療薬ビリアドViread(ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤)を広く供給すると誓約していた。
ギリアド社は、ギリアド・アクセス・プログラムを数年前に発表し、2003年4月にはアフリカの全ての国と他の15の途上国に対して「無償」で薬を供給すると発表していた。さらに、合計97カ国にプログラムを拡大して2003年8月には、先進国では患者一人当たり年間約5,000ドルで販売しているビリアドを途上国では208ドルと大幅に切り下げた。ギリアド社の取締役会長ジョン・マーティン氏John Martin は2003年4月、ビリアドは他の多くのエイズ治療薬に比べて副作用が少なく、1日に1度摂取すればよいことをアピールしていた。
しかしMSFによると、同社は91カ国から医薬品販売の承認を受けていないため、実際には薬を供給していなかった。同社が承認申請を怠った結果、治療のための薬剤併用療法に必要な薬を入手困難にしていると批判的なコメントを発表している。
ギリアド社の広報担当者は今年2月7日、対象となる途上国の半数で承認を申請し、他の国々にも今年中に申請を行うと発表した。「承認には我々が考えていたより多くの時間がかかる。これはギリアド社にとって重大な責任問題だと認識している。」ギリアド社は当初途上国の承認を得ずに「一時輸出」として治療薬を送ろうと試みたが、実際には失敗したという。また、安価な薬をすでに約2万人の患者に提供したという。一方でMSFは他の製薬大手3社は数十カ国の第三世界諸国に安価なエイズ治療薬を供給する承認を得ていると発表した。MSFのダニエル・バーマン氏Daniel Berman は、「ギリアド社は不誠実だ。ギリアド社のアクセスプログラムは嘘である。」と非難した。
なおビリアドは、米国では2001年10月に、欧州では2002年2月にそれぞれ承認されており、昨年は7億790万ドルを売り上げている。

原題:Biotech company Gilead criticized for AIDS drug supply
日付:2006 Feb 7,
出典:sfgate.com website
URL:http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/n/a/2006/02/07/financial/f140121S68.DTL&type=health

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★ エイズ医療財団:エイズワクチンに対する資金提供増加に疑問を投げかける
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エイズ医療財団AIDS Healthcare Foundation(AHF)は、スイスのダボスで1月25から29日にかけて開催された世界経済フォーラムで、エイズワクチン開発への資金提供が6億8千万ドルから12億ドルに増額されることについて、あえて疑義を述べた。同財団は米国を本拠とする最大のエイズ組織で無料のエイズ治療診療所をアメリカ国内をはじめアフリカ、中央アメリカ、アジアにおいて運営している。現在世界中のHIV陽性者のうち95%もの人々が、必要としている抗レトロウイルス(ARV)薬を手にすることができていない。
ワクチン研究に年間5億ドル以上も費やされているにもかかわらず、ウイルスの複雑さと適応性のために現時点で有効なエイズワクチンは完成していない。多くの専門家は、この領域での顕著な進展が見られるのには今後10年以上かかるだろうと考えている。
AHFのウェインスタイン会長Michael Weinstein は、「ARV薬が世界中のほとんどのHIV陽性者の手に届かないことを考えると、研究者がワクチン開発に対して現実的な結果を示せず、解決策も見出されていない今、エイズワクチンへの資金提供が増加していることを疑問に思わざるを得ない。この先10年以内の完成は無理だとされているワクチン開発を、今現在効果をあげているARV薬の普及と引き換えにしてしまうことになる。ワクチン開発も必要ではあるが、今現在エイズと生き、死に向かいつつある人々のことを忘れてはならない。今治療を受けることができないでいる何百万もの人たちの命を無駄にしないよう努力していくべきだ」と話している。
現在HIV陽性者の数は世界で4千万を超えるが、ARV薬による治療を受けられるのは200万人以下であり、治療を受けられない人々の多くは途上国に住んでいる。

原題:AHF Questions Push For More AIDS Vaccine Funding While World Awaits ARV Treatment -95% of Those in Need of Treatment Worldwide Still Lack Access to Life-saving ARVs – 
日付:2006 January 26
出典:AEGiS website
URL:http://www.aegis.com/news/pr/2006/PR060130.html

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★ 国際会議: トロント会議におけるMSM関連イベント
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今年8月13日-18日に、カナダのトロントで、第17回国際エイズ会議が開催される。この会議では、ゲイ/バイセクシュアル男性/MSMs(男性とセックスをする男性 Men who have sex with men)とその支援組織によるネットワーク作りや情報交換のための、各種のイベントやアクティビティが計画されている。そこでは、先進国や途上国で現在活動中のゲイ/バイセクシュアル男性/MSMs関連団体や、特に途上国で予防、啓発、ケアサポートなどに従事する団体でこれからMSMsに関する活動に取り組もうとしている人たちなどの、幅広い参加を求めている。
イベントが目的としているのは、ゲイ/バイセクシュアル男性/MSMsの予防・ケア・サポートに関する情報交換、課題の洗い出し、会議後につなげていくためのネットワーキング、の3点である。とりあげられるトピックとしては、健康問題、MSM組織/ネットワークの持続性、疫学的調査、人権と法的問題、リーダーシップ、途上国のGay/MSMsによるプロジェクトに対する世界エイズ・結核・マラリア対策基金からの経済的支援、団体間の南北協力および南南協力、などがある。具体的には、活動紹介のためのブース設置、ポスター展示、ネットワーキングのためのスペースの設置、コミュニティ訪問、2006年以降の活動についての討議などが予定されている。これら一連のイベントとアクティビティは、本会議に先立ち、8月10日からのサテライト・イベントを皮切りに実施される。

原題:Event: Announcing an MSM Stream at AIDS2006 International Council of AIDS Service Organizations (ICASO)
出典:メーリングリストの出典です。詳しくは、info@ajf.gr.jp にお問い合わせ下さい。

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★ 東欧・中央アジア: 東欧・中央アジアエイズ会議 5月に開催
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第1回東欧・中央アジアエイズ会議が、2006年5月15日〜17日にモスクワで開催され、地域でHIV/AIDS対策を実行している全ての関係者が集い、これまでの経験を共有し、学びあう機会となりそうだ。
2004年バンコク開催の国際エイズ会議で、東欧・中央アジアエイズ会議 Eastern European and Central Asian AIDS Conference  EECAAC については討議されていた。今回、ロシア連邦消費者保護福祉監視連邦サービス The Federal Service for Supervision of Consumers Protection and Welfare in the Russian Federation 、 UNAIDS と国際エイズ学会 International AIDS Society がEECAACの組織化に参加、ロシアのNGO エイズ・インフォシェア AIDS Infoshare が地域会議のホストに指名された。ロシア連邦消費者保護福祉監視連邦サービス 代表ジェナディ・オニチェンコ Gennady Onischenko、UNAIDS事務局長 ピーター ピオットPeter・Piot、IAS事務局長 クレイグ・マックルーア Craig McClure らが会議組織委員会の共同議長を務める。
この会議は、既に欧州、アメリカ、アフリカとアジアで2年に一度開催されている地域エイズ会議に加わる。主な目的は、HIV感染者と市民社会とのパートナーシップに加え、ハイレベルな政治的貢献、リーダーシップの強化、技術的能力の構築を通じて、地域におけるHIV/AIDSへの大規模な対応を強化し、確立することにある。2005年にはこの地域に推定160万人のHIV感染者がおり、10年足らずで20倍の増加である。
会議のテーマは、「課題への対応」 Facing the Challenge 。東欧・中央アジアが、HIV予防、ケア、治療などを強化させ、現状を覆すチャンスを強調していく。この会議では、政府、HIV感染者と市民社会間に芽生えたパートナーシップにより、あらゆるレベルでの政治的意思が勢いを得つつある。国際的、国内的支援も急激に伸びており、地域や世界中から得られた豊富な事例から、今後の課題対応に焦点を当てる。 
EECAACは、HIV/AIDSの国際的な対応を決定する3つの会議 !)6月の国連通常総会 !)7月のG8諸国によるサンクトペテルブルグサミット !)8月にトロントで開かれる第16回国際エイズ会議に先立って行われ、域内HIV/AIDS対策やその課題を共有する注目が集まる。
会議は、リーダー、科学、コミュニティの3つの分野に分けて組織化され、東欧・中央アジアから政策立案者、研究者、市民団体代表、HIV感染者と国際的な専門家が参加する場となる。

原題:Eastern European and Central Asian AIDS Conference
出典:eecaac2006 website
URL: http://www.eecaac2006.org/eng/Info/

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■□編集後記
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皆さま、グローバル・エイズ・アップデイト42号を読んでいただき、ありがとうございました。
4月22日日経新聞夕刊に、今春あしなが育英募金で早稲田大学に入学したウガンダ人女性の記事が掲載されていました。彼女はエイズで父親を亡くし、進学は経済的に厳しかったものの、ウガンダで活動をする日本人の勧めで日本への留学が実現したそうです。人権問題を扱うような弁護士になりたいとも夢を語っていた彼女。これからの4年間が充実したものになるといいですよね。
彼女のようなエイズに関連する病気で片親、または両親を失った「エイズ遺児」の問題は、まだ日本人には身近な問題ではないように感じられます。彼女の日本での生活の裏側では、何万ものエイズ遺児たちが実際におり、「勉強したくてもできず」涙を流す子どもたちも数多くいることでしょう。
「グローバル・エイズ・アップデイト」では、まだまだスポットを当てられていない、世界中の子どもたちのニュースもお伝えできればと思っております。どうぞ引き続き皆さまの温かいご支援をいただけますようよろしくお願いいたします。

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■□メールマガジンご案内
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