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中国で成功する人事、失敗する人事

「中国人に対するこの偏見、根拠のない先入観は、どうにかならんのか」。これがこの本を書いた動機でした。成功している日系企業の事例をもとに、中国で成功する組織のつくり方を考えます。




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「中国で成功する人事、失敗する人事」

2004/08/12

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       中国ビジネス、日系企業の労務、マネジメントを考える

                           執筆・田中信彦
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第19回 続・「総論」に騙されていないか?

前回取り上げた新卒学生の話はひとつの例に過ぎないが、「総論」で一括りに判断してしまっているパターンはあちこちにある。そこで思考停止に陥らず、「自分にとってはどうなのか」をじっくり検討してみるという姿勢が必要だ。

たとえば最近では中国政府が「外資の選別を強め、労働集約的な企業は歓迎しなくなった」というような話がある。それは確かにそのような傾向が出ていることは事実だが、それは12億人もの人口を持つ中国全体としての「総論」であって、地域によっては労働集約的であろうと何であろうと、とにかく拝み倒してでも外資に来てほしいと思っている地方はいくらでもある。

同じように「浦東地区の将来性には不安がある」とか「このところ青島が勢いがいいらしい」「大連はもうだめだ」「東北地方は対日感情が比較的いいようだ」「合弁より独資がいい」等々、中国に関しては山のような「総論」が世の中に流布している。

これらは決して間違っているわけではないが、すべての場合に当たっているわけでもない。たとえて言うと「6対4」の比率の時に、「6」の方ばかりをはやし立てて、「4」」のほうは少しも顧みない態度は不毛ではないかということだ。

先頃のアジアカップサッカーでも話題になった「反日」の問題もそうである。中国人全体にある種の「反日(嫌日?) 」的な気分がかなり広くあることは事実だが、それは相当部分は情報不足や不正確な情報に基づくもので、決して中国人全体が根っからの「反日」であるわけではない。

中国にはさまざまな地域があり、いろいろな企業、ありとあらゆる個人がいる。ひとつの日系企業が生きて行けるぐらいの環境は、工夫と努力次第でどんなところにでも確保することができるぐらい、懐の深い国である。「総論」で思考停止に陥ってしまうのではなく、自分の目的に合う場所、パートナー、人材を努力して確保し、みずから自分が成功できる環境を探し出し、創り出していく姿勢が必要だ。

みんな同じことをやっていれば成功するというなら、こんな楽な話はないが、それで大きな収益が上がるはずはない。

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