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IT会計事務所への道

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【IT会計事務所への道 -革新契約を結ぶ-

2004/09/17

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IT会計事務所への道 http://kaikei.inst.jp/
9/17発行 Vol.7 革新契約を結ぶ
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■革新契約を結ぶ
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●保守と革新

 「小泉総理大臣を保守と革新のどちらのタイプだと考えますか?」という質問に対しては、あなたならどのように答えるのだろう。「保守的でもあり、革新的でもある」と言う人が一番多い気がする。このフレーズに、「革新的な気分を持ったタイプである」と続けるのか、あるいは、「保守的な選択をするタイプだ」と言うのかは、大いに分かれるところとなるだろう。

 昔のように、「保守と革新」は対立軸ではない。現代は、二つに一つの選択を迫られると判断に困ることが多いのである。国語辞典で「保守と革新」の意味を調べてみた。すると、「保守とは、正常な状態を保ち守ること」であり、「革新とは、古くからの習慣・制度・状態・考え方などを新しく変えようとすること」とある。小泉総理大臣が「保守なのか革新なのか」が見えにくいのは、その行動を二元論的に評価しにくいからなのだろう。

 最近のマスメディアは、企業に「勝ち組/負け組」という烙印を押し、企業の格付け評価を安易にすることが多い。この評価はもちろん、企業全体を指すものではないのだが、単純な二元論であるのが乱暴に感じられる。マスコミという「社会的空間」には、「IT化された企業が良い」という尺度がすでに書き込まれている。それが、「勝ち組/負け組」の唯一の判断基準になっているのなら、企業のその評価は信頼できない。
 社会や顧客のニーズは、時々刻々と変化をしている。企業の情報システムは、この変化に対する最適化が強く求められるはずだ。つまり、情報化は常に革新的でなければならない。この意味においては、「IT化された企業が良い」という尺度は正しいともいえる。ところが、情報システムがひとたび革新的に構築されたあかつきには、それは保守的な立場を維持しなければならないものになる。すなわち、正常な状態を保ち守ることが第一とされ、安定しているからこそ情報化が意味を持つことになるのである。

 情報システムは決して変わってはならず、保守されなければならないのだ。このように考えてみると、IT化とは、「革新的でもあり、保守的でもある」性質を持つ、複雑化したオペレーションといえるだろう。

●ヘルプデスク

 情報システムの「保守」を代表するものにヘルプデスクがある。コンピュータのハード・ソフト・ネットワークに関わる、全ての問い合わせに対応する部門のことだ。ヘルプデスクでは、多岐にわたる質問や苦情などを一括して受け付け、社内外の顧客や社員に対して回答を行なう。

 中小企業では、社内システムのサポートを社員向けに行なうのを一般的にヘルプデスクと呼んでいる。ヘルプデスクは、情報システム部門の一部が担当者になることが多い。社員は日々の操作でさまざまなトラブルを体験する。この時、窓口となり解決する役割を担うのが彼らなのだ。

 情報システムの変化やセキュリティ対策の拡大に合わせたサポート体制を維持することはヘルプデスクに多大な労力を強いる。しかし、安定した情報システムのためには、ヘルプデスクはどうしても欠かせないのである。中小企業には、そもそもヘルプデスクという考え方と部門は無いのだ。あるとしても、その機能は特化されておらず、情報システム部の一部として兼任でこれに対応しているのが実態なのである。

 このような場合、一般社員から問い合わせがあると、技術の高い者が直接対応することになる。その件数が増えるほど、情報システム部本来の仕事ができない状況を作り出し、コストを引き上げる原因となるのだ。また、問い合わせに対して十分な対応ができない場合には、社員の業務時間をその分無駄にすることになり、ビジネスの機会損失を生じるのである。 

 大企業は、ヘルプデスクに関するコストを「見えないコスト」と考え、その削減策を常に考えている。中小企業も同様に、無駄なコストはかけられない。しかし、中小企業はコスト削減より、ヘルプデスクそのものの充実を優先するべきだ。なぜなら、IT化は革新的な情報システムの構築と、その保守ができてこそ達成ができるものだからだ。

●革新サービス

 税理士事務所はヘルプデスクという仕事に「土地勘」がある。中小・零細企業は経理上の質問はもちろん、企業経営の様々なトラブルや解決策を税理士事務所に聞いてくるものである。コンピュータで困れば、ヘルプデスク。事務処理で困れば税理士事務所ということなのだろう。税理士事務所がおこなう日頃のクライアントサービスはまさにヘルプデスクそのものなのだ。

 ところで、情報システム業界では、「保守サービス」という言葉がよく使われる。対象がなんであれ、正常な状態に保つサービスのことをそう呼ぶのである。コンピュータのハードやソフトを対象とした保守がその代表的なものであり、ヘルプデスクもそのメニューの一つなのだ。

 言葉遊びではないが、「保守サービス」があるのなら、「革新サービス」があっても良いのではないだろうか。革新サービスとは、古くなった企業活動を新しく変えていくサービスであると定義ができる。例えば、税理士事務所がクライアントと税務申告に関しての顧問契約を結ぶとしよう。この時、契約が「保守サービス」ならば、コンピュータ保守と同様に、税務申告が滞らず無事に完了することが目的となる。しかし、「革新サービス」なら、企業活動の達成感を社員と顧客が共有できるような税務申告が目標とされるのである。

 税務申告を企業活動の結果ではなく、目標とする立場のサービスは、企業に革新を提案してくことになる。顧問契約の内容を保守と革新に分けて考えてみると、顧問先のIT化に新たな支援策も見えてくる。中小企業のためにヘルブデスクの代行を税理士事務所がおこなうことがその一つだ。管理会計による革新と、情報システムの保守をサポートするのがIT会計事務所の証となるのである。

 中小企業にとって、IT化の真のアウトソーサーはコンピュータ会社ではなく税理士事務所なのだ。
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創刊日:2004-07-02  
最終発行日:  
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