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IT会計事務所への道

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●未来を定義するコンサルティング

2004/07/28

かなり以前から税理士事務所には、「コンサルティングサービスの充実」という
テーマが存在している。
経営計画、人事設計、人材教育といった標準的なものから、最近では、IT化や
国際化のためのアイテムもサービスの対象になるという。フィッシング防止もい
ずれその対象になるかもしれない。
テーマが古くから存在しているということは、それが達成できていないからであ
り、税理士事務所にとっては「コンサルティングサービスの充実」とは未来永劫
の課題のようである。
コンサルティングとは専門的な事柄の相談に応じることなのだが、この場合には、
「専門的であること」と「応じること」がよく議論になる。どこまで専門性が必
要なのか、また、成果は何かが難しいからなのだろう。クライアントは、相談事
の答えは目の前にポンと単純化されて出てくると思っている。コンサルタントに
すれば、内容を理解して顧客にあった説明をすることはそう簡単ではないのだが、
クライアントはといえば、これを往々にして実行どころか理解すらしないことが
あるのだ。
フランスの作家ラ・ブリュイエールは、「カラクテール 人さまざま」(1688年)
の中で、次のような箴言を残している。「よき医者とは、特効のある薬と治療法
を有している者をいう。それがない場合には、それを持っている医者に自分の患
者を依頼する者をいう。」
これを次のように書き換えてみよう。「よきITコンサルタントとは、特効のあ
る経営戦略とIT活用方法を、自分のクライアントに考えさせることができる者
をいう。」
税理士事務所にIT化のアドバイスを求める中小企業は多い。ところが、これに
十分に応えられるスタッフを擁する税理士事務所は少ない。クライアントから
ITコンサルティングを要請されたら、ラ・ブリュイエールの言葉に従って適切
な専門家を紹介するのも一つの選択肢となる。
しかし、専門家とは「今ある姿」について述べる人たちのことを指すのである。
「あるべき姿」、すなわち、企業の未来形を述べる人たちではないのだ。企業の
ゴーイングコンサーン、つまり企業に「継続」という社会的使命があることを考
えれば、「あるべき姿」を語れる人たちのほうが専門家に優ることになるはずで
ある。クライアントの未来形が「こうである」という定義から逆算して、現在を
変えていく作業がITコンサルティングの真の仕事になるのだ。IT活用方法を
有さずとも、永続的な関わりを持つことのできる税理士事務所は、企業をよりよ
いステージに導けるはずである。

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創刊日:2004-07-02  
最終発行日:  
発行周期:週刊  
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