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ラブレス?

2004/06/20

『ゾロ!!!!』

『サンジ!!!!!?』



 俺らは双子の兄弟で、それは異常なほど仲が良かった。



『オマエっよくも…!!!』

『お前がわりぃんだよ。』



 そんな俺らが引き離されたのは、ちょうど5歳のとき。



『殺してやるっ!!』

『やれるもんならな。』



 何故なら、生まれた状況が悪かった。

 母は、素行最悪のキャバクラ女。

 父は妻ある名家の当主。いわゆる俺らは「私生児」ってやつで。

父親はふたりの子を認知したが、屋敷に上げたのはひとりだけ。

父曰く、『後継者はふたりも要らん。』



「サンジ!!」

「ゾロっ…」



 父と本妻の間には、後継ぎが無かった。

 彼女は、産めない女だったから。



 こうして、俺らは引き離された。



 寂しくてもつらくは無かった。

 しばらくしてすぐに一週間に一度、必ず会えるようになったから。

 郊外の大きな病院で。



『お子さんたちは、痛覚に機能障害を起しています。』



 俺らを引き離したあと、一度も会わなかった両親が顔を見合わせていた。



『温点と冷点。圧点は正常です。』



 俺らはオカシクナッタ。



『コレは信号ですよ。この子らは親から得られない愛情をお互いから得ようと必死な
んでしょう。だから、離れ離れにされないように意思表示しているんです。その証拠
に、お互いの接触の中では痛覚も正常に機能しています。』



 大人の勝手な都合で、無理矢理引き離されて。

 離れ離れにされて、俺らは壊れてしまったんだ。



『治療の方法はふたつあります。あの子達をふたり一緒に育てるか。』



 俺らは、お互いが必要だったのに。



『親がそれぞれに、深い愛情を持って接することです。』



 親の愛なんて、要らないよ。

 俺らには、お互いが要ればいいんだ。



 それから少し経って、母は新しい男と消え、オレはババァに引き取られて。

 それから弟に会うことは無かった。



 「痛くない」というのは、以外にも不自由だし、いいことばかりでない。

 なにより、つまらない。

 世界全体がはっきりしない。

 白い紙を、毎日飲み下している白々しさだ。

 人を殴った自分の撓骨の痛みさえあやふやで、限界の境界線が曖昧だ。

 自分の痛みが解らない。

 相手の痛みなら尚更だ。

 爽快感も、罪悪感も、何ひとつ湧き上がってこない。



 ただカロリー分の熱だけが身体にまとわりついて、出口を探してうねっている。



 もう どうにかしてほしい。



 誰か 助けてくれ。



『…?』

『……』



 ―――誰が?



助けてくれるっていうんだ?



 誰か―――…



『サンジ…?』

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創刊日:2004-05-20  
最終発行日:  
発行周期:隔週  
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