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お笑いが疲れた貴方のこころを癒す!『GAG』

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お笑いが疲れた貴方のこころを癒す!『GAG』vol.33

2006/05/05

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         お笑いが疲れた貴方のこころを癒す!
             『GAG』 Vol.33
           ゴールデンウィーク特大号!
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             2006年5月5日発行

 皆さんご機嫌いかがですか!ゴールデンウィークまっさかり。『GAG』
をお届けいたします!
なんかゴールデンウィークってうきうきしますね。ゴールデンって響きがキ
ンキラですね。ゴールデンウィークに新宿ゴールデン街でゴールデンレトリ
バーとゴールデンバットを吸いながら漫画ゴールデンラッキーを読み、その
あと映画ゴールデンボーイと007ゴールデンアイをテレビのゴールデン洋
画劇場で見ました。もちろん野球は欽ちゃんのゴールデンゴールズです!い
いですね!リッチでセレブな気分です。
そういや男の人は通常毎日2個ほどゴールデンボールです。本当にゴールデ
ンってスヴァラスゥィー!それでは今号のゴールデンコンテンツです!

                         (ジャンボ)
 ┏━┓ 
 ┃目┣━┓ 
╋┻━┫次┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃  ┗━┛ 
┃    『GAG』ゴールデンウィーク特大号!

┃【1】     元帥の蔵書から〜偉人伝 
┃        第2回「ジャイアント馬場」 
┃                        (元帥)

┃【2】     新コーナー「証明セヨ」
┃                       (元帥) 
┃ 
┃【3】     ユーモア近未来SF小説
┃        シリーズ 〜進め!開運国際救助隊〜
┃           『貨幣の神』 
┃                     (ジャンボ)

┃【4】編集後記 
┃ 
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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         元帥の蔵書から〜偉人伝 
        第2回 「ジャイアント馬場」
                      (元帥)
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近頃ガッツ石松の迷言・珍言を集めた「ガッツ伝説」なるものが
流行しているが、世の中にはガッツ以外にも伝説を持ってる人がお
ります。おそらく今後2匹目のドジョウ狙いで出てくるであろうそ
んな人たちを先に紹介しておこうと思います。って、所詮二番煎じ
なんやけどね。
「ジャイアント馬場」
馬場伝説は、うそ・大げさ・紛らわしい、というJAROの審査
対象となるようなものが多い。ああ、この場合の紛らわしいってい
うのは「アンドレ・ザ・ジャイアント」の伝説と紛らわしいという
意味である。例を挙げよう。
馬場は、小型飛行機で移動する際には、両手を翼の中に入れて寝
転んでいたというのはうそ話である。
馬場が、移動中の電車内でずっと手相を見ているのでどうしたの
かとよく見たら、文庫本を読んでいたというのは大げさな話である。
馬場が、飲み屋で栄養ドリンクをお猪口についで飲んでいたので
どうしたのかとよく見たら、瓶ビールをコップについで飲んでいた
というのはアンドレの伝説である。
それでは、真の馬場伝説の話をしよう。
皆さんは「脳天唐竹割り」という技をご存知だろうか。相手の頭
に手刀を振り下ろす技で、よく「アッポー」とか「馬場チョップ」
とか言われている技である。プロレスで馬場からこれを食らった相
手は、頭を抱えてのた打ち回ったり、ぶっ倒れてしまったりするの
であるが、見てる分には全然痛そうではないので、私はずっと相手
が大げさに痛がっているんだろうと思っていた。
しかし、それは大いなる間違いだったのである。
ある時、TVの生放送で「馬場チョップでスイカ割り」をしよう
ということになった。
馬場は乗り気ではなかったが、それでも番組のことを考えしぶしぶ
スイカに脳天唐竹割りを見舞った。
スイカは割れなかった。
やっぱり威力が無かったのか?そうではない。馬場チョップを食ら
ったスイカは割れるどころか粉々に砕け散ったのである。
 TVの前の私も、番組の出演者も驚きの表情だった。私は「さす
が馬場だ。やはり世界の巨人はすごい。」と感激した。司会者が「馬
場さん、すごいですね。これじゃあ相手選手がチョップ食らったと
きに痛がるわけですね。」と言っても、馬場はにやけているだけだっ
た。「ニヒルだぜ馬場!」とまた私は感動した。
そして、次の日のスポーツ紙にこんな記事が載った。
「馬場、手首骨折。次期シリーズ欠場。」
                          (終)
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        新コーナー「証明セヨ」
                      (元帥)
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一見何の関係も無いようにみえるものを、無理やり結びつけるため
に高校時代の数学でやった「証明」をしようというコーナー。
第1問 「斉藤由貴=小川知子」となることを証明セヨ。
答え
「斉藤由貴」を分解する。
斉藤といえば、モルモン教信者ということが有名であるが、同教
では婚前性交渉が禁止されているにもかかわらず、彼女の独身時代
には妻子ある男との不倫騒動が過去2度あった。その相手の男とは、
「尾崎豊」と「川崎麻世」である。・・・!)
しかし、このようなスキャンダルだけではなく、斉藤は女優とし
ても活躍していた。その出世作といえば“スケバン刑事”で演じた
「麻宮サキ」であり、この熱演も考慮に入れるべきである。・・・!)
さらに、モルモン教ではコーヒー(Cafe)を飲むことも禁止され
ているが、斉藤はドラマ中のシーンとはいえ、たびたびコーヒーを
飲んでいる。・・・!)
!)!)!)より、次の式が成り立つ。
斉藤由貴=(尾崎+川崎)÷サキ+Cafe ・・・A
ここで、カッコ内を「崎」でくくると、
=(尾+川)崎÷サキ+Cafe
となり、崎とサキは割り切れるから
=(尾+川)+Cafe
となる。
 次に、Cafeを分解すると、「Ca」と「Fe」に分けられ、これら
はそれぞれ「カルシウム」、「鉄」の元素記号であるからまとめて「ミ
ネラル」とおくことができる。
そして、「ミネラル」といえば、「ミネラ〜ルむっぎっ茶」であり、こ
れは「松島トモ子」の代名詞でもある。
「ミネラル麦茶」という名前を考慮した場合、通常「麦茶」は一般的
な名称であることから人名でいうところの「姓」、「ミネラル」はこの
言葉がついていることで麦茶の個性が出ていることから人名でいう
ところの「名」と考えられる。
したがって、「麦茶=松島」、「ミネラル=トモ子」である。
 よってAの式は
斉藤由貴=尾+川+トモ子
     =オガワトモコ
となる。
 ゆえに、「斉藤由貴=小川知子」である。
                          (終)
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       ユーモア近未来SF小説
       シリーズ 〜進め!開運国際救助隊〜
            『貨幣の神』
                       (ジャンボ)
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「理由を言う必要があるの?今すぐ大量のカネがいるんだよ」
「分かってますよ。ホラエモンさん。お金持ちほど大量のおカネが
いるものです」
松尾と名乗る男はなだめるような調子で言った。
先日、ホラエモンは自分の作った会社から寄ってたかって叩き出さ
れた。その復讐のため会社を買い戻すカネを山ほど必要としていた。
資金集めのためなら、怪しげな知人から紹介されたこの薄汚い雑居
ビルにさえ出向いた。そして、この開運国際救助隊という意味の分
からない看板を掲げる男の事務所でさえ、躊躇することなく足を踏
みいれた。
「で、いくら融資してくれるの」
「いえ、私はおカネを貸すのではありません。あなたにおカネを作
って差し上げます。私が発明した第四の方法であなたのおカネを増
やすのです」
「何だ?何の話それ」
「おカネを増やすには四つの方法があるのです。まず第一の方法は
何かを売ることです。物でもサービスでもなんでもいい。有形無形
の何かを売ればおカネが入ってきます。第二の方法はカネを賭ける
事。何かギャンブルなどにカネを賭けて勝つ。これでもカネは増え
ます」
「うん、そうだね。でもボクはギャンブルはしないよ」
「そして第三の方法はカネを貸す事。カネを貸せば利子であなたの
おカネは殖えます」
ホラエモンは苦笑した。
「おーい、ボクはそんな当たり前の話を聞きにきたんじゃないよ」
「いやいや、ここで少し注意して下さい。第三の方法は前の二つと
は違います。ここが重要なんです。第一と第二の方法はカネは全体
として見ると増えてない。ただカネのやりとりをしてるだけです。
しかし第三の方法、すなわち貸し借りは全体として見てもカネ自体
が増えているのです。私がホラエモンさんに千円借りて十円の利子
がついたとしましょう。その十円はどこから来たのでもありません。
貸した千円から生まれた利子、まさにおカネの子供なのです」
「なるほど。それは分かったよ。でもそれがどうしたの」
「第四の方法はこれが基礎になっているのです」
「よく分からないな。この3つでカネを増やす方法は全部だよ。投
資も金貸しの一種だし。他には泥棒か偽札作りくらいしか無いよ。
第四の方法って何?ありえないよ。国家を作って自分でカネを刷る
とか?それくらいしかない」
「あはあはあは。さすがホラエモンさん面白いことを。でもそんな
お札を刷るなんて方法ではありません。だいたい国が刷った札も銀
行に貸し出されているんですからね。第三の方法と同じようなもん
です。私の発明した第四の方法は第三と似てますが少し違います。
カネを貸さずにカネに子供を生ますのです」
「ん?何のことやらさっぱり分からないなそれは。カネを貸さずに
利子だけ取るの?そんな無茶な」
松尾の顔がぱっと輝いた。
「実は私は先日、世界で初めておカネの養殖に成功したのです!私
はおカネには神が宿っていることを発見しました!そしてこのおカ
ネの神の人工孵化に成功したのです!私の発明した養殖槽にあなた
の持っている現金、預金通帳、有価証券などをしばらく入れておい
て下さい。そうすればあなたのおカネは子供を生み殖えます。確実
です!」
やれやれ、頭のおかしい男のところに来てしまった。ホラエモン
は心の中でため息をついた。松尾は立ち上がると、奥から何やら複
雑な機械のついた金庫のような箱を引っ張り出して来た。しかしそ
れは普通の金庫よりはるかに大きく長細かった。ホラエモンはそれ
を眺めた。『まるで金庫型の棺桶だな。』そして、その装置は全体
的に胡散臭かった。子供向けの番組に出てくる小道具の方がまだま
しに思えた。
松尾は得意げに棺桶金庫の使い方を説明し出した。
「いいですか、まず、使用中はこの扉を絶対開けないで下さいよ
……」
しかしホラエモンは上の空で聞いていた。『どうやってこの気の狂
った男を怒らせずに逃げ出そうか』などと思いながら。ここを勧め
た知人を思い出し、心の中で舌打ちした。

しかしホラエモンは気が変わりその棺桶金庫を自宅に送らせた。そ
して一日でも使ってみる気になった。それは松尾の『レンタル料は
効果があってからでいい』という言葉と、このさいゲンを担ぐよ
うなことでも、何でもいいからしてみたかったからだ。
一人暮らしの高級マンションにある現金、証券、通帳類を全て集
めた。棺桶金庫の扉を開け中に入れ装置の電源を点けた。金属の黒
い躯体がかすかにうなりはじめた。
そして翌日、不思議な事が起こった。マンションに例の友人が訪
ねて来てホラエモンに『カネを返す』と言い出したのだ。「以前カ
ネを借りていたのを思い出したので返したい」と一万円札を差し出
した。しかしホラエモンは一銭も貸していなかった。それを言って
も知人は「絶対カネを借りている」と言い「返済するまで気が済ま
ないので帰らない」と言うのだった。
ホラエモンは差し出す一万円札を受け取った。すると次々入れ替
わりにホラエモンの友人知人達が訪ねて来てカネを差し出しはじめ
た。ホラエモンが失脚して以来、一度も会いに来なかった友人達だ。
皆「借金を思い出したのでぜひとも返済したい」と言って聞かな
い。いくら断っても帰ろうとしないのでカネを受け取るしかなかっ
た。そして、その日の終わりには数十万円もの金がホラエモンのも
とに集まった。
ホラエモンは棺桶金庫を見た。この金庫のせいなのだろうか。一
体この中で何が起こっているのか。金属の重い扉を開けてみたが中
には何の変化も無かった。箱の片隅に自分の全財産があるだけだ。
しかしホラエモンは何か底の無い虚無を覗き込んだような気がして
恐ろしくなり蓋を閉め、そのまま二度と中を覗く気にはならなかっ
た。

翌日から訪ねて来る人々は日増しに多くなっていった。遠くから
も大勢の人間が来てホラエモンに『借金を返済』しはじめた。中に
はホラエモンにかつて煮え湯を飲ませた宿敵の使いもいた。その者
たちも借金の返済と言い、多額の金を置いて行くのだった。ホラエ
モンの家には一万円札の小山が出来た。いったい何が起こったのか。
ホラエモンはふたたび松尾の所へ行った。
「ほほう、さすが、お金持ちのところは違いますね。元カネの量が
違うから繁殖する数もウチとは桁違いだ」状況を聞いた松尾は喜ん
だ。
「質問に答えろよ。あの金庫は何。何で皆ボクにカネを渡すの?」
「あなたの持ってるカネに利子の卵を生ませる装置ですよ」
「何のことやらさっぱり分かんないよ。分かるように説明してくれ
よ」
「前にも説明しましたが、貨幣の中には神が宿っているのです」
松尾は説明をはじめた。カネの神はもともと金塊の中や貝の中など
にいた。しかしはるかな昔に人にみつかり貨幣の中に封じ込められ
価値の象徴として交換に用いられるようになった。そして現代では
貨幣や有価証券、パソコンの記録する電子マネーの記号にまでこの
カネの神が宿っている。
「ばかな。そんな神なんていないよ」
松尾は一万円札を取り出した。
「ではなぜ人々はこの紙切れをあがめ、大切にし、場合によっては
人を殺めることもいとわないのでしょうな。金本位制が廃止され、
貨幣が他の価値あるものと完全に切り離された今となっても」
「それはそういう取り決めだからだよ。人々の心の中でカネにはそ
ういう価値があるという信念が共通してあるから……」
「それは信仰と同じだと私は思いますが」
ホラエモンは黙った。
「貨幣の神は生き物とほとんど同じです。食物を食べ、子供を生ん
で繁殖します。食物は人間の精神エネルギーであり、繁殖方法は先
日言ったとおり、カネの貸し借りによって増えます」
カネの神は生き物に似ていると同時に、量子力学的性質を有して
いる。と松尾は語った。特に似ているのは弁別不可能性と非局在性
である。
弁別不可能性とは量子力学では同種の粒子は区別できないという
意味に使われる。たとえばある箱に電子が2個入っていたらその2
個の電子にそれぞれ名前をつけて区別することは出来ないという意
味だ。カネにもそれと同じような性質がある。Aさんの千円とBさ
んの千円は箱の中で混ぜてしまうとどちらの千円かは問題ではなく
なる。つまり両方にどちらの千円を返しても何の問題も無いのだ。
そしてカネは非局在性という性質も持っている。これも量子力学
と同じだ。量子力学では粒子はあそこにもあり同時にここにもある
という2重状態を呈することが出来るという。カネも貸し借りする
時、同じような状態にあると言うことが出来る。
カネが貸し出される時、そのカネは貸す人と借りる人が二重に所
有している状態となる。厳密に言えば、貸す人にとってカネは、所
有しながら使用できる実体としては存在しないカネとなり、借りた
人にとってはカネは、所有していないが実体として使用できる状態
となる。
その二重所有状態が刺激となり、カネは子供を生む。二人の人間
の精神エネルギーを同時に養分にできるので、この余剰エネルギー
を使って子供を作るのだ。
カネの子供である利子も同じように、貸す人にとっては所有しなが
ら実体としては存在しないし、借りた人にとっては所有していない
が実体としては存在する。
利子が生まれるという事は貨幣の神全体の数が増えるということだ。
だが、弁別不能性によりどの金が生まれた利子であるかはと言うこ
とは一瞬で意味がなくなる。借り手が所有しているカネが借りたカ
ネであり利子となる。

「お分かりになりますかな?カネを返すというのはこの二重所有
状態の解消であると同時に、生れた利子が所有者のところに実体を
伴って現れるということです。貨幣は弁別可不能ですから。どのカ
ネが利子になっても一緒です。だから借りてる人が働いて得るなど
したカネが生れた利子という事になり所有者の下に行くのです。ふ
だん人はカネを自分の意志で使っておるつもりになってますが、カ
ネの神が殖える時はこのように知らずにカネに使われているのでし
ょうな。」
松尾はこの発見が自慢らしく長時間熱弁をふるった。
「カネの神のふるまいは量子力学とさまざまな共通点を持っていま
す。貨幣の価値と所有の不確定性も量子力学の不確定性原理と良く
似ている。もしかしたら両者は同じものなのかもしれませんな。」
松尾は笑った。
 しかしホラエモンは松尾が何を言っているのかさっぱり理解でき
なかった。
「……あの棺桶金庫は何なんだ」そう問うのが精一杯だった。
「あの養殖槽はカネを人に貸さずに子供を生ませる装置です。二重
所有と同じような刺激を与える装置が入っています。あの棺桶のよ
うな箱の中ではあなたの量子力学的な複製、—と言っても電子の雲
みたいなもんですが—が作られています。あなたとその複製がカネ
を二重に所有する事でカネは刺激を得て子供を作るのです。」
ホラエモンは扉を開けた時の不思議な感覚を思い出した。
「借りてもいないカネを返しにウチに人が集まって来るのは何故だ
?」
「昔から、神経症の一種で『借金していないのに借金しているよう
な気分になり、どうしても返済したくなる』という症状があったそ
うですが、ま、それと同じ状態ですな。そうした神経症は実は心の
病気ではなく、何かの拍子に、誰かのカネが貸し借りもしてないの
に子供を生んで、カネの神に使われた人がその生れたカネを持って
行った、という事なんでしょうな。」、
ホラエモンは松尾の話が信じられなかった。しかし現に返済しよ
うと続々と人が集まって来ている。ホラエモンは棺桶を覗いた体験
を思い出しぞっとした。確かにあの箱は空だった。しかし、記憶の
中ではもう一人の自分が横たわりこちらを見つめていたような気が
するのだった。
すると不意に松尾が一万円札を差し出した。
「どうも私もホラエモンさんにおカネを借りているような気がして
仕方ないのです。もちろん借りてないとアタマで分かっているので
すが…。今回の代金とは別にどうかこれを受け取っておいてくださ
い…」
断っても無駄と知っているホラエモンはそのカネを取った。マンシ
ョンに帰ると沢山の人が待ち受けていてカネを返そうとした。中に
は昨日家に来たあの知人もいた。どうしたのか聞くと、
「昨日は完済したと思ったが今日になってまた借金を思い出した。
返済したい」
という。ホラエモンは理由を説明したが、やはり返すまで帰れない
と言った。不案そうな目をしていた。
仕方なしにカネを受け取った。そしてホラエモンはマンションの郵
便受けに自分の銀行口座を書いた紙を貼り、自分のブログにもそれ
を書き込み、来客に応対するのをやめた。
数日家にこもりネットで口座を確認してみた。振込みは日増しに
増えていた。全く知らない人間からの振り込みも沢山あった。一回
返しに来た知人達の名を、再び振込み人名義の中に沢山発見した。
返しても返しても返し足りないのだ。
預金は膨れ続け一月で当初の目標額を達成してしまった。ホラエ
モンはその恐ろしいほどの大金で会社を買い戻し、自分の敵を一掃
した。しかし心は晴れなかった。祝おうとしても知人や友人、かつ
ての恋人まで全員が行方不明だった。全財産をホラエモンへの『借
金の返済』にあてたためとうに破産していたのだ。そして外でカネ
を使って遊ぼうとしても、店に入ると店員や店のオーナーがいつま
でも『借金を返済』しようとして全く楽しめないのだ。ホラエモン
は触れるもの全てが金に変わったという『ミダス王の神話』を生き
ている気分だった。

棺桶金庫の電源を切り、財産をすべて取り出し空にした。そして
代金とともに松尾に送り返した。しかしホラエモンのもとへの振込
みは止まらなかった。今では全国からそして海外から、全く知らな
い人々が『借金を返済』しようと振込みをしていた。カネが怒涛の
ように押し寄せて来た。
電話がかかって来た。松尾だった。ホラエモンは怒鳴った。
「いったいどういう事だよ!カネの養殖を止めたのに、何故『借金
の返済』が止まないの!」
「ホラエモンさん!それはこっちのセリフですよ。私も自分用の養
殖槽を作ってカネを増やしてますがホラエモンさんに『返済』する
分が多すぎてとても追いつけません。破産しそうですよ!」悲鳴に
近い声だった。
「何で止まらないんだ!」
沈黙のあと松尾が言った。
「ホラエモンさんあなた、もしかして、……扉を開けましたか?」
正直に言うしかなかった。
「開けた。」
「まだそこにいるんですよ!きっと!」
ホラエモンにも分かっていた。あいつがまだいるんだ。自分の量子
力学的複製が。マンションには自分の他には誰もいないはずだがホ
ラエモンは確かに気配を感じていた。もう一人の自分がホラエモン
の視界の外にいつも存在しているのだ。箱の中の2個の電子のよう
にこのマンションには区別できない2人の自分がいて今もカネに子
を産ませているのだ。
ホラエモンは怒鳴った。
「生まれたのは利子だけのはずだろう!口座はもう日本中のカネを
全部集めたのと同じくらいの金額だぞ。何でこんなに集まって来る
んだ!」
「ホラエモンさん。あなたの精神エネルギーが、欲望が果てしない
んじゃないですか?」
松尾の声は上ずってかすれていた。
「カネの神が栄養にする精神エネルギーは欲望です。欲望の量によ
り生れる利子の量も決まります。もしかしたら、あなたはもう日本
に存在する、いや世界に存在するカネの量より多い利子を生み出し
てしまったんじゃないですか?世界は利子の返済だけで破産するん
じゃないですか?……あなたはいったいどれだけ欲が深いんです
か?ホラエモンさん。」
ホラエモンは電話を切った。

国は必死にカネを刷り、ホラエモンの口座から税を取り立てたが、
その端からホラエモンに『返済』し続けたので全く無駄だった。つ
いには世界中のカネが音を立ててホラエモンの口座に吸い込まれは
じめた。地球上の人間が有りガネ全部をホラエモンの口座に振りこ
もうとしていた。そしてついに世界中のカネがホラエモンの口座に
吸い込まれてしまい一銭たりとも出られなくなった。ホラエモンの
口座はカネのブラックホールとなったのだ。人類の経済は崩壊した。

                          (終)
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
●○編集後記●○ 
ゴールデンウィーク特大号。いかがでしたか。どうも私の書いた量が特大だ
った、というオチで申し訳ないことです。いつも読んでいただいてありがと
うございます。しかも今回は(も?)あんまり笑えないかも知れません。
「ブラックユーモア」などと善意に解釈していただけるとうれしいです。
もともと一年前、話題のあの人がラジオ局を買収しようとしていた時、ろび
ぃさんに「この人をネタにして書きませんか」と言われたのがはじまりでし
た。いろいろ調べて考えて、何度も書いたのですがうまく行かず、7〜8回
くらい書き直して今回の原稿になりました。それでもまだどうも分かりにく
い話ですね。すいません。でもおカネってホント不思議なもんだと思います。
こんなに大好きなのに自分には全く縁が無いのが残念です。
編集後記で自分のネタの話ばかりするワケには参りません。元帥さんのネ
タで思い出しましたが、先日テレビを見ていたらジャイアント馬場みたいな
大巨人が2人も出演していました。彼らはヒョロヒョロと伸びているだけに
見える体格なのですが二人とも腕相撲が物凄く強い!400キロのタイヤを
難なく持ち上げる人(身長通常)と対戦しても易々と勝ってしまいました。
専門家の話では凄く背が高い人はそれだけで筋力も常人の2倍3倍となると
いうこと。『背が高くて鍛えていたジャイアント馬場ってやはり物凄く強く
て、空手チョップも威力があったのだなあ』と思ってしまいました。
16文キックに対戦レスラーが当たりに行ってたのだけは解せませんが。
さて、現在の読者数は90名!おお!また増えた!ほんとに皆さんご購読あ
りがとうございます!
それでは次号もお楽しみに!
                            (ジャンボ) 
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  • 林俊明2006/06/13

    おもしろアンケート(アマゾンのギフト券プレゼント)に応募します。



    今号で面白かった内容: 二足のわらじ

    数式は全然分かりませんが、「真似するな」という創作漫才が面白かったです。



    「ガッツな読者もOK牧場!」も是非参加したいです。

    私は秋田在住ですが、夏休みには東京の友達の家を渡り歩いているので…。



    (アンケートの書き込みはここでいいのでしょうか?リンクが先月号なんですけど。心配なので、同じ内容をメールでも送信します。よろしくお願いします。)