受験

偏差値の現場から〜あなたもできる!E判定からの合格!〜

これまでのべ1,000人以上の学生を東大を筆頭に難関大学合格へ導いた筆者がその実例をご紹介いたします。受験生はもちろん、教員、保護者の方も必読です!

全て表示する >

奇跡!E判でも合格!vol.8〜一橋大・法合格Sくん〜

2004/08/24

毎日暑い日が続きますね。こう暑いとヤル気すらなくなりますよね。。。南の島の
人々が細かいことを気にせず大らかな気質を持つのは暑さのためと聞いたことがあ
りますがなんとなく頷けます。。。

S君は都内近県にある中堅高校の出身でした。特に進学校という訳でもなく、クラブ
活動が盛んで、本人曰く「高3の時の秋の文化祭は最高に燃えました!」とのこと。
S君はバンドでベースをやっていたとのことで、後夜祭まで熱いステージを繰り広げ
たためか、現役時の結果は寒いことになってしまったとのこと(全滅)。色白ですっ
きりした顔立ちの学生で、普段は特に目立った感じはなかったのですが、その分だけ
ステージではすごいだろうな、と思いました。高校内だけでなく、様々なイベントに
も参加した経験があるということで、オフステージの身のこなしは「セミプロ」とい
う感じでした。余談になりますが、音楽始め芸事の世界でロクな挨拶もできない連中
は殆どダメになりますね。裏方の皆さんに高飛車な態度を取る芸能人を何人か見てき
ましたが、殆どつぶれました。そういう柄の小さい人間は何をやっても上には行けな
いという例も実は数多く見てきました。なぜ知ってるかって?これは私のもう一つの
顔なのでこのメルマガでは詳しいことは省略しときます。
さて、本編に戻りましょう。

ちょうど今年のように夏は猛暑で、それが9月の下旬まで続いた年のことでした。10
月にあった模試の結果を返却した際、英語:51、数学:46、国語:53、世界史:
57という偏差値でした。判定は「E」。何日かしてS君がやってきました。。。

「先生、ちょっとお話が・・・」
「なに、そんな白い顔して。具合でも悪いの?」
「いや、顔色は昔からなんで。いいですか?今」
「ええ、もちろん。で、結構重たい話?」
「いや、それほどでも・・・」
「そう。S君は志望一橋だよね?」
「はい、それは現役の時から変更してません」
「今後の変更するつもりはないよね?」
「はい、ありません。そのために勉強してますから」
「ほーそうかぁ。志望に関することじゃないんだね。」
「はい、それは関係ないんです。実は前にもお話したと思いますが、僕高校時代から
 バンド組んでたんです。」
「うん、それは聞いてる。確かベースだったよね」
「よく憶えてますね!」
「正直意外な組み合わせだったからね。意外性は記憶を強化させるから」
「はぁ。。。それで、来週の日曜日にコンテストがあるんです」
「うん」
「そのコンテストに僕らのバンドがエントリーしていまして・・・」
「へー、それで」
「親が先生に聞いてこいと言ったもので、来ました。どうでしょうか?」
「どうでしょうってねぇ・・・」
「・・・」
「練習とかもあったでしょ?」
「はい、夏は近くの公民館借りたりスタジオ借りたりして練習してました」
「どの位の頻度でやってたの?」
「他のメンバーは大学生かフリーターなのでけっこう集まって練習してたみたいですけ
 ど、僕は週末だけです」
「全体の練習だけじゃないでしょ?自分のパートだけもやんなきゃいけないでしょ?」
「はい。先生が勉強計画立てるときのヒント仰ったじゃないですか。一週間のうち何も
 しない日を必ず作ること、また一日の内でも夜遅い時間帯はフリータイムにして予定
 したことが終わったら何をしてもいいという時間を作りなさいって」
「ええ、言いましたよ」
「それに基づいて計画して時間に余裕ができたら気分転換にベース触ってました。最近
 は練習時間を確保するために勉強は何時までに終わらせると決めてやってます」
「ふーん、まぁいい意味で諦めて先に進むということも試験では必要だね。で、S君自身
 はどうしたいの?お父さん、お母さんは当然反対だから私にも聞いてみろとS君に言っ
 たと思うけど」
「僕は出たいです。バンドやったからと言って勉強を疎かにしていた訳ではないですし、
 今僕が出れないというと他のメンバーにも迷惑掛けますし・・・」
「そうだよね。君一人ではないものね」
「バンドのメンバーも僕が受験生だからってことでけっこう気を遣ってくれて・・・」
「そう。それで直前になって出れないって言ったら、受験生である以前に人として良く
 ないよね」
「その日一日やったら、あと頑張りますから!」
「・・・」
「ダメですか?」
「たった一日やらずに受からないなら、最初から受からないから」
「・・・」
「仮に出なかったとして気分的にモヤモヤしたまま勉強してても身につかないでしょ?」
「はい!」
「言わなくてもわかってると思うけど、現状はそれほど有利ではないからね」
「ええ、それは親にも再三指摘されました。何しろ志望校全部E判定ですから」
「S君自身わかってるなら大丈夫。思いっきりやってきなよ。そういう一日も含めて、こ
 れからの一日一日をね」
「ありがとうございます!」
「お母さんにでも僕から言おうか?」
「いいえ、自分で伝えます!」

S君は笑顔で去っていきました。お母さんから抗議の電話でも来るかと思っていましたが
それから何日経っても電話はありませんでした。これは普段からの姿勢の問題でしょう。
これはS君自身もそうですが、親御さんもそうです。突き詰めれば「家庭内教育力」とい
うことでしょうが、成功する学生と失敗する学生の根本的な差はここにあるというのが
持論の一つです。教育力と言っても、家で「お勉強」を教えることができるかどうか、
高額な補助学習費を捻出することが出来るかどうかの問題ではありません。家庭は最低
限の基本的な生活習慣(挨拶、言葉使いなど)を身に付けさせる義務があると思います。
それすら満足にできない家庭が学校教育に過度な依頼をするという悪循環はここ数年特
に増えているように見えます。給食費を払わずにベンツ乗り回す親を見て育つ子が真っ
当に成長して行くかは甚だ疑問です。義務は忘れて「権利!権利!」と主張ばかりする
思考の短絡さ、浅はかさ。。。この手の思考を是とするのが教員の中にもいるので少し
ややこしいのですが、いずれの立場であっても「子どもと正面から向き合う」という姿
勢や時間をもっと持って欲しいものです。

S君の親御さんとは年が明けてセンター試験の後にお話する機会がありました。息子と最
終的な志望校について話す前に先生の見解を聞いておきたいという旨の電話でした。私
は普段の学習状況をお話し、「このような感じなのですが、ご自宅ではどうですか?」
とお伺いしたところ、

「勉強の細かいことまではわかりませんけど、自分で時間を決めてそれに従って動いて
 るようです。あの子が何かうまくいってないときは様子がいつもと違うのですぐわか
 りますから。秋のコンテスト以降は意外と明るいですよ。こんなに明るい受験生でい
 いのかと本人も言ってるくらいですし。先生よくOKと仰いましたね。こういう受験生
 は前にもいたのですか?」
「いいえ、今回が初めてです。でもS君の普段の様子を見て大丈夫と判断しました」
「そうですか。よく見ていてくださってるんですね。親としても安心しました。それで
 は、私立は今後早稲田の法と商をセンター方式も含めて出願して国立はこのままとい
 う形にします」

ということで話はまとまりました。明治の法学部センター方式は事前に出願してありま
した。自己採点では全体で85%を欠けるくらいでしたので当初からの計画とおり私大
は最低限にして国立に全精力を傾けることになりました。

結局S君は全て合格して第一志望だった一橋大に入学しました。

入学式の後、ふらりと訪ねてきてくれました。
「どう?第一志望の大学に入学した気分は?」
「最高ですよ!ありがとうございました」
「楽しんでね、大学生活」
「ええ、バンドも」

受験生の皆さんへ一言。「志望校判定が芳しくないからといって諦めようかなんて思い
始めていませんか?これからです。あなたもきっとできます!」

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2004-04-28  
最終発行日:  
発行周期:月刊  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。