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SEEDS-net vol.153

発行日:10/12







vol.153
 
2010年10月12日発行
 

スポーツの秋。
いつの間にか夏も過ぎ去り、心地良い日々が続いていますね。

今号はSOJが夏休みに参加したボランティアの特集です。

歴史的な大震災から7ヶ月。

いま、スポーツに何ができるのだろうか。
皆さんも一緒に考えてみませんか。


もくじ

気仙沼丸の船出

現場のリアルを感じて

マイナースポーツ紀行〜ペタンク編〜

 

 

++ マイレポート ++

気仙沼丸の船出

私たちは8月18日から20日の3日間をかけて、早稲田大学のボランティアセンターが、サークルに向けて募集したボランティアに参加した。このボランティアで私たちは、今年が第一回の開催となった気仙沼で行われた「大漁旗祭り」に参加し、そのお祭りにきた方々にニュースポーツであるペタンクを知ってもらい、楽しんでもらうためのブースを開いた。

ペタンクという競技の良い所は、運動神経があまり関係なく、年齢による差というものも出にくいので、老若男女を問わず誰とでも楽しむことができるという点だと私は思う。また相手と競り合ったり、多くの距離を走ったりという必要もないので、怪我の可能性がとても低く、気軽にプレーすることができるというのもこの競技の特徴だ。こういった点から、私たちはペタンクを「大漁旗祭り」で楽しんでもらうことにした。

当日お祭りの会場は曇天で時折雨も降るという、お祭り日和と呼べる天候ではなかったが、それでも多くの地元の方がお祭りに参加していた。お祭りでは私たちのペタンクの他に、地元の女性を中心としたつばき会の方たちを中心とした物販スペースや、大漁唄い込みの披露、大阪府枚方市のボランティアの方による縁日、立命館大学の学生たちのドッジボールやちんどん屋、落語、ギターの演奏、また同じ早稲田大学のサークルによるわくわく工作教室というような様々な催し物が行われた。

私たちのブースには、主に子供たちが来て遊んでいってくれたのだが、きっとみんな震災のことはまだ忘れられておらず、心に残っている傷はまだ癒えていないようで、実際に余震が来た時はとても怯えている人がいたりして、雰囲気が一気に重くなったりもした。しかし、遊んでいってくれた子供たちはみんなとても良い笑顔をしていた。それは、他のブースも一緒で、もっというと、このお祭りに参加した多くの被災者が一瞬だとしても笑顔になることができていたように思う。

私たちがしたことは、とても小さいことで一瞬しか楽しませることができなかったかもしれない。きっとふと震災のことが頭をよぎると笑顔になど到底なれないだろう。それでも、現地では徐々に復興が進んでおり、ボランティアの段階も次のステップに少しずつではあるが進んでいるように思う。そのステップこそが、被災した方々に元気を取り戻してもらうということであり、それが復興の次の一歩になっていくのではと私は感じた。

最後にこのお祭りのテーマは「みんな気仙沼丸乗組員だてば〜」というものだった。これは、大漁唄い込みが漁船の大漁を願い唄われるというところから、気仙沼のみんなでこれから気仙沼を盛り上げていこうという意味を込めたテーマであり、またお祭りの目的であったと私は思う。このお祭りがこの第 1 回で終わることなく長い間続いていき、気仙沼の人々と共に気仙沼の発展のシンボルとなり、気仙沼の文化の一部となることを願ってやまない。

 

堀川太郎

 



++ マイレポート ++

現場のリアルを感じて

東日本大震災から三ヶ月、私は自分自身が情けなく感じていました。東北出身のはずの自分が東北のために何もできないでいたからです。そんな折ある講義で気仙沼へのボランティアを募集していることが分かり私はガレキ撤去のために気仙沼へ訪れました。当時町には多くのがれきが残り、魚の腐った臭いが立ち込めていました。  

それから 2 ヶ月が経った 8 月中旬、私は新たなボランティアのかたちを模索するため、その後の復興を確認するために再び気仙沼を訪れました。 今回のボランティアは、力仕事ではなく、気仙沼の港から近い小学校で開かれる大漁旗祭りにサークルの特色を活かした出し物を出店するものでした。 

 

 

当日は天候も不安定で人が集まるのか、楽しんでくれるのか不安でしたがそれは杞憂に終わりました。時間が経つにつれて天候も回復し、 多くの方が祭りに訪れてくれました。メンバーはペタングだけではなくサッカーやかけっこなどを通して多くの方の笑顔、感謝の言葉を受けとりました。 私は 1 歳くらいの女の子と一緒に砂遊びをしたのですが、子どもが安心して遊べるような環境づくりを、今後も行っていかなければいけないとつよく感じました。

そして私は、 ボランティアを通して現地の方に元気を与えるはずが、逆に元気を与えてもらっている自分がいることに気がつきました。 

祭り終了後、私たちはバスで海に面している製氷所を訪れることになりました。そこは偶然にも 2 ヶ月前に私が泥かきをした場所でした。製氷所は外壁や扉も修復されており間違いなく震災前の形に近づいていることがわかりました。気仙沼は間違いなく前に進んでいます。 

このボランティアを通して、私は確かな手応えを感じています。ボランティアの印象は、がれき撤去や泥かきなどの力仕事に向きがちです。 成果が目に見えやすいからでしょう。しかし今後必要になっていくのは被災者の心のケアを中心にしたボランティア、つまり目に見えにくいものです。 

現在でも現地の方のなかには津波や地震に対して強い恐怖感を抱く方が多いです。実際に私たちが気仙沼にいるときにも震度 5 弱の地震があり、被災者のなかには頭を抱えたり、走って家に帰る方もいました。 そのような方の不安を、少しでも和らげるために今回のようなボランティアが必要になってくるでしょうし、継続的にこの活動を行っていきたいと思いました。 

 

今回の震災で確かに日本は大変な被害を受けました。被災地では当たり前のようにあったはずの生活が一瞬で失われてしまいました。水も出ない電気もない生活が想像できるでしょうか。ですがそんな環境だからこそ人間は他者とのつながりをより明確に感じることができると私は思います。友人や家族と当たり前に会話して当たり前に遊べる、それがどれだけ幸福なことか私は今回のボランティアを通して改めて感じることができました。みなさんも当たり前の日常を精一杯生きてください。

宮下雅史




++ マイナースポーツ紀行 ++

ペタンク

日本ではまだまだ知らない人も多いペタンク。誰でも簡単に始められるこのスポーツの興味深い起源や競技方法などを紹介します。

■ペタンクの誕生

1900 年代のフランス、マルセイユ近くのラシオタという町で流行していた「プロヴァンサル」と呼ばれたゲームの変形がペタンクの始まりと言われています。
ラシオタ市役所のサイトによれば、「プロヴァンサルは、広い場所が必要で、投球前に3歩助走するものだった。プロヴァンサルの名手だったジュール・ル・ノワールが病気(リュウマチ)で車椅子生活となり、一人で足を踏み出さずに短い距離でボールを投げていた。この姿を見た友人のピイティオが、ル・ノワールでも楽しめるようにとルール変更を提唱し、ブールを投げるスタートの位置と目標球の距離を短くし、助走も禁止した。やがてルールなどの体裁も整えられて、マルセイユ一円に急速に広まり、 1910 年、最初の競技会が開かれるまでになった。」とあり、これが現在行われている「ペタンク」の誕生ということになります。

また「ペタンク」の語源は、南フランス地方の方言「ピエ・タンケ(両足を揃えて)」に由来していると言われています。


■競技方法

①  地面に直径35〜50cmの円を描く。次に先攻チームの選手がその円の中からビュット(目標球)を投げる。距離は6m以上10m以下で、この範囲内にビュットがとまった時に競技の開始となる。

②  続いて、先攻チームがブール(ボール)をビュットの近くに止まるように第1投目を投げる。

③  次に後攻チームの選手も第1投目を投げる。

④  第2投目からはビュットからより遠いチームが投球する。そのチームは、味方のボールが一番近くなるまで投球をし続けなければならない。

・得点を得るチーム:ビュットにより近いブールのチーム

・得点の計算:負けているチームのビュットに一番近いブールよりも近い玉の数

⑤勝ったチームはメーヌの終了時のビュットの位置を中心に円を描き、そこからビュットを投げ次のメーヌを始める。このようにメーヌを繰り返して行き、お互いの得点を加算していき、累計得点が13点になったチームが勝ちとなる。

■みんなでやってみよう!

ペ タンクは 60 歳以上の高齢者を中心とするスポーツ、文化、健康と福祉の祭典である ねんりんピックの正式種目となっているように、子供から高齢者まで楽しめるスポーツです。また各地で大会や体験会が行われているので、もし興味があれば誰でもどこでも今すぐ始められます。

岡田恭平

 



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