[WNM 2/10]プーチン首相、支持率挽回の勢い
発行日:2/10
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[1]特派員レポート
●プーチン首相、支持率挽回の勢い
●アジア市場に活路求める英
●地方自治、遠い船出−中国広東省烏坎村
[2]Krauthammer's Editorial
[3]海外紙の論調
[4]今週のビューポイント
●米大統領にロムニー氏挑戦か
●ソフトパワー外交の発揮を
●核問題に見るイランの混乱
●問題ある法人税引き下げ
[5]ウィーン発「コンフィデンシャル」
●イラン核問題の解決策はこれだ!
<今週のおすすめ記事>
【“拉致監禁”の連鎖】 パート6 番外編
宗教ジャーナリスト 室生忠さんに聞く
昨年12月連載の「“拉致監禁”の連鎖」パート6では、親密な交際を重ね結婚を
前にして突然、失跡し一切の連絡を絶ったKさんの居場所を捜した被告の行為
が、ストーカー規制法に問われた裁判記録を掲載した(同月27日の東京地裁判決
は被告に猶予刑)。宗教ジャーナリストの室生忠さんに判決とパート6につい
て、どう見たのかを聞いた。(聞き手=堀本和博、片上晴彦)
http://worldtimes.co.jp/special2/ratikankin/120206.html
※【“拉致監禁”の連鎖】はパート1〜6の全172回の記事と写真、連載関連の記事と
インタビューなどを無料公開中です!
http://worldtimes.co.jp/special2/ratikankin/main5.html
【メディア批評】グローバル化で経済人に宗教理解の必要性を説く東洋経済の新連載
http://www.worldtimes.co.jp/newworld/media/mh120209.html
【新春座談会】アジア・太平洋時代と日本の課題[無料公開中]
●急がれる憲法改正・有事に強い国づくりを
http://worldtimes.co.jp/special2/zadankai2012/main.html
【新春政治座談会】「3・11」後の日本の針路[無料公開中]
http://worldtimes.co.jp/special2/sinsyunseijidazankai/120104.html
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[1]特派員レポート
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◆ プーチン首相、支持率挽回の勢い ◆
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●迫るロシア大統領選
プーチン首相(59)が返り咲きを目指すロシア大統領選が3月4日に迫った。
下院選直後に42%程度に低迷した支持率も持ち直し、最新の世論調査では過半数
に達する結果も出た。新聞に発表した政策では、出稼ぎ労働者に対する規制強化
を打ち出すなど、貧困層の不満の矛先を政府から彼らへと逸らす構えを見せている。
(モスクワ支局)
------------------------------------------------------------------------
●民族主義的政策を実行へ/リベラル派候補の登録は拒否
プーチン首相の対立候補は、ロシア共産党のジュガーノフ委員長(67)、ロシ
ア自由民主党のジリノフスキー党首(65)、与党系だったが野党に転じた「公正
なロシア」のミローノフ下院会派代表(58)、そしてロシア第2の富豪プロホロ
フ氏(46)の4人だ。
リベラル派野党「ヤブロコ」のヤブリンスキー前党首は、同党が下院に議席を
持たないために200万人分の署名を集め立候補を届け出たが、中央選管は「署名
の25%以上が無効である」として、立候補登録を拒否した。
プーチン首相を除く候補者は、二つのグループに分けられる。プーチン首相と
実際に対立する候補であるジュガーノフ氏とミローノフ氏、そして、クレムリン
の息のかかった候補であるジリノフスキー氏とプロホロフ氏だ。
ジュガーノフ氏は最大野党であるロシア共産党支持者の票に加え、反プーチン
票の受け皿になる可能性があるが、それでもプーチン首相との支持率の差はあま
りにも大きい。大統領選の“常連”であり、新鮮味がまったくないこともマイナ
スだ。
ミロノフ氏の政権公約・プログラムはよく練られており、専門家からの評価は
高い。しかし、野党に転じたといえ、もともとはプーチン首相の側近で上院議長
も務めるなど、政権の一員だったイメージがつきまとう。大統領に当選すれば、
モスクワ中心街などでリベラル派野党勢力が開いた大規模集会での要求をすべて
実現すると語っているが、リベラル派を含めたすべての野党勢力と距離があり、
連携は困難だ。
プロホロフ氏とジリノフスキー氏は、クレムリンからそれぞれの役割を期待さ
れている。
プロホロフ氏は「ロシア大統領選はリベラル派・右派からの対立候補もいる開
かれた選挙である」と内外に示すための存在であり、同時に、可能な限り中流
層、リベラル派の票を引き付けることで、これらの票がジュガーノフ氏に流れる
のを防ぐための候補である。
政党組織を持たないプロホロフ氏が、わずか2カ月の間に大統領選立候補に必
要な200万人分の署名を集め、中央選管に受理されたこと自体が、クレムリンの
関与を示しているとみられる。もっとも、プロホロフ氏はオリガルヒ(新興財
閥)であり、中流層やリベラル派支持層の中には同氏を嫌悪する人々も多く、大
きな得票は望めないだろう。
ジリノフスキー氏の支持層は低所得者や民族主義者であり、ロシア共産党の支
持層と重なる。ジリノフスキー氏立候補の理由は、彼らの票がジュガーノフ氏に
流れることを阻止し、第1回投票でプーチン氏の当選を決めるところにある。
一方、プーチン首相は、下院選後直後には42%と低迷した支持率(世論調査基
金の調査)が、1月末の調査では46%に回復した。また「全世論調査センター」
の調査では支持率52%と過半数に達するなど、第1回投票で当選を決める可能性
を高めている。支持率が回復しつつあるのは、有力な対立候補がいないことに加
え、地方首長の公選制復活や政党登録要件の緩和などの政治改革が評価されたた
め、と見られている。
そのプーチン首相は、他候補とのテレビ討論には出席せず、代わりに新聞で政
権プログラムを発表する方法で、国民への浸透を図っている。特に独立新聞1月
23日付で公表した政権プログラムでは「ロシアと民族問題」と題し、中央アジア
などからの出稼ぎ労働者に対するロシア語試験の導入や、取り締まりの強化など
の方針を打ち出した。
12月下院選での与党「統一ロシア」に対する逆風の背後には、貧富の差の拡大
など国民の不満がある。出稼ぎ労働者への締め付け強化により、特に低所得者層
の不満の矛先を政府から逸らす目的があると見られている。
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┏━━━━━━━━━━━━━━┓
◆ アジア市場に活路求める英 ◆
┗━━━━━━━━━━━━━━┛
●ユーロ危機や欧州経済停滞が後押し
オズボーン英財務相は先月16日から18日にかけて、香港、北京、東京を訪問し
たが、その目的は中国、日本という経済大国を筆頭にしたアジア諸国との貿易・
投資を今後一層促進するためであった。同財務相は香港で行ったスピーチで「英
政府はアジアとのパートナーシップを深めることに意識的に努力している」「ア
ジアは今年、そして来年以降も世界の成長のエンジンとなる」と語り、成長著し
いアジア諸国との経済関係を強化することによって、沈滞している英経済を活性
化したい思いを伝えた。
(ロンドン・行天慎二)
http://www.worldtimes.co.jp/w/eu/eu2/kr120206.html
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
◆ 地方自治、遠い船出−中国広東省烏坎村 ◆
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
●政府妥協も土地返却進まず
中国広東省東部にある半農半漁の村、陸豊市郊外の烏坎村は、土地利権を専横
した地元幹部に抗議する村民らが自主選挙による自治組織を結成して昨秋から激
しい抗議デモを展開し、国内外で注目された。広東省政府は最終的に同村党支部
幹部選挙のやり直しや腐敗調査を約束したが、不正買収された土地返却は遅々と
して進まず、事件沈静化と風化をもくろむ広東省政府に村民の不満といら立ちが
募っている。
(香港・深川耕治)
http://www.worldtimes.co.jp/w/asia/asia2/kr120205.html
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[2]Krauthammer's Editorial
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┏━━━━━━━━━━━━━━┓
◇ シリアへ強硬な姿勢を貫け ◇
┗━━━━━━━━━━━━━━┛
●米コラムニスト Charle's Krauthammer(チャールズ・クラウトハマー)
●アラブ支配狙うイラン/アラブ連盟と強力な連携を
帝国主義政権は、国外の主要な拠点を失うと崩壊する。ベルリンの壁崩壊に続
いてソ連から東欧が解放されたが、それだけではなかった。ベルリンの壁崩壊
は、2年後のソ連自体の崩壊の前兆でもあったのだ。
バッシャール・アサド大統領のシリアの崩壊も同様に、イランにとっては不吉
な前兆となり得る。シリアとの協力関係は、イランの影響力拡大の最重要項目
だ。これはミニ・コミンテルンのようなものであり、その一部であるヒズボラな
どはイランから武器を提供され、指示を受けている。ヒズボラは現在、レバノン
の支配勢力となっている。ハマスは、ガザ地区を支配し、パレスチナの残りの地
であるヨルダン川西岸を力のないファタハから奪い取ろうとしている。
さらに、東のアフガニスタンに圧力をかけ、西のイラクに対する影響力を増し
ている。イラン政府はまた、その勢力圏を中南米にまで拡大した。アハマディネ
ジャド大統領が中南米を歴訪し、ベネズエラ、エクアドル、ニカラグア、キュー
バとの連帯をアピールしたのがその表れだ。
これらの友好国のうち最も重要なのがシリアだ。アラブ諸国の中で、非アラブ
のイランとおおっぴらに協力関係にあるのはシリアだけだ。これは重要だ。アラ
ブ諸国は、ペルシャ人らが何世紀も前から中東を支配する意図を持っていると
思っているからだ。
実際にイランの武器と軍事教官らがシリアを経由してヒズボラに送り込まれ、
2300年間で初めてペルシャ人が地中海の拠点を獲得した。
しかし、アラブとイランの確執は、民族だけではない。宗派間の確執もある。
アラブの大部分はスンニ派であり、イランはシーア派だ。アラブ諸国は、シーア
派のイランが、レバノンのヒズボラやシリアを通じてスンニ派の祖国に侵入する
ことを恐れている。シリアは、シーア派から分かれ、異端とされるアラウィ派が
権力を握り、アサド大統領はアラウィ派の出身だ。
以上が、アサド政権の運命が地政学的に非常に重要である理由だ。もちろん、
民主化と人権も非常に大切だ。シリアのバース党は、イラクのフセインのバース
党のように気まぐれでも狂ってもいない。冷酷な警察国家を管理し、かつてハマ
で2万人を殺害し、今回の弾圧では5400人以上が殺害された。
人権、良識は、アサド大統領を引きずり下ろすためにあらゆる手を尽くすに十
分な理由になる。しかし、戦略上の機会は急を要する。シリアに支えられている
組織とともにイランは現在、この地域での最大の脅威となっている。サウジアラ
ビアなど湾岸諸国はイランの核による覇権に脅かされ、歴史のある政権がイラン
の聖戦主義者らの破壊活動におびえ、イスラエルはイランに破壊すると宣言さ
れ、イランの聖職者は欧米諸国を中東から追い出すと誓った。
アラブ連盟の加盟国の多くは、心優しい人道主義の国ではないが、そのアラブ
連盟加盟国がアサド大統領の退陣を強く求めていることは驚くには値しない。ア
サド氏が失脚すれば、イランはアラブ内に設けた活動の場と、地中海につながる
拠点を失ってしまう。シリアは再び、スンニ派の仲間入りをする。レバノンでの
イランの代理組織であるヒズボラがこれに続くかもしれない。シリアの支援とイ
ランからの物資がなければ、存続は不可能だ。ハマスは再びエジプトからの支援
を受けるようになる。
この連鎖の終わりにイランが撃退される。主要な友好国を失い、核開発疑惑へ
の経済制裁ですでに経済はガタガタだ。イランのイスラム聖職者らはすでに平常
心を失い、ホルムズ海峡を封鎖するというほとんど自殺行為に等しいような脅し
をかけている。2009年の「緑の革命」で押さえつけられた人々は、今も憤ってい
る。政府は特に若者から嫌われている。アサド政権を経済的、軍事的にさらに強
化しようとすれば、地域内の反イラン感情を複雑化させるだけだ。
アサド政権に対抗しているのはスンニ派アラブだけではない。最近、シリア、
イランとの友好ぶりを見せ付けたトルコもアサド氏に対して強硬に転じた。スン
ニ派アラブの擁護者として、オスマン・トルコ時代のように影響力を拡大する機
会をうかがっている。欧米諸国にとっては、力を合わせて仕事を成し遂げるまた
とないチャンスだ。
ではどうすればいいか。まず、石油だけでなく、完全な武器の禁輸などでシリ
アをボイコットする。次に、抵抗勢力への大量の支援だ。反政府民兵や反政府勢
力をかくまっているトルコを通じて直接、極秘に行う。第三に、アサド政権の排
除を求める国連安保理決議だ。
これらを強力に進め、明確な線引きをすべきだ。覇権主義的なイラン、シリア
の支援組織を嫌うアラブ連盟としっかりと連携すべきだ。外交では、人権と戦略
的利益が両立しない場合がある。だがまれなことだが、今回は両立が可能だ。ロ
シアに対して妥協せず、シリアに対して強硬な姿勢を貫けば可能だ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[3]海外紙の論調
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●ガーディアン(英)
間違った側についたロシア
http://www.worldtimes.co.jp/wtop/paper/html12/sr120209-3.html
11カ月にわたるシリアの危機は、突然悪化した。多数の死傷者を出したホムス
へのアサド政権軍による攻撃もさることながら、国際的な場での事態の破滅的な
変化をもたらしたのは、4日に国連安保理決議案が否決されたことだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●フィナンシャル・タイムズ(英)
ハマスの選択
http://www.worldtimes.co.jp/wtop/paper/html12/sr120209-8.html
●ワシントン・ポスト(米)
バーレーンへの圧力を強化せよ
http://www.worldtimes.co.jp/wtop/paper/html12/sr120209-2.html
●ストレーツ・タイムズ(シンガポール)
シリア決議案否決に英雄も悪役もいない
http://www.worldtimes.co.jp/wtop/paper/html12/sr120209-6.html
●南ドイツ新聞(独)
「サルコジ支援」の代償
http://www.worldtimes.co.jp/wtop/paper/html12/sr120209-5.html
●ルモンド(仏)
砂糖は健康に悪い
http://www.worldtimes.co.jp/wtop/paper/html12/sr120209-4.html
●朝鮮日報(韓国)
熟練工100万人が退職する非常事態に備えよ
http://www.worldtimes.co.jp/wtop/paper/html12/sr120209-7.html
●ニューヨーク・タイムズ(米)
原子力協定に厳格な基準を
http://www.worldtimes.co.jp/wtop/paper/html12/sr120209-1.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[4]今週のビューポイント
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●米大統領にロムニー氏挑戦か
(在米外交評論家・那須聖)
http://www.worldtimes.co.jp/newworld/vp/vi120209.html
アメリカでは、来る11月6日に大統領選挙が行われるが、二大政党のうち、共
和党は8月末に、民主党は9月初めに、全国大会を開いて党の大統領候補を指名
する。このために両党は1月から6月にかけて、50の州で党の集会あるいは予備
選挙を行って全国大会に出席する代議員を選出しているが、各州から選出される
代議員の数は、州の人口の大きさに応じて違う。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●ソフトパワー外交の発揮を
(元駐ベトナム特命全権大使・服部則夫)
http://www.worldtimes.co.jp/newworld/vp/vi120208.html
前回(昨年10月4日)の本欄で、私は国の外交力とは、政治力・経済力・軍事
力及び文化力等が総合的に発揮する力であり、近年の日本の外交力の低下(言い
換えれば、日本の存在感や影響力の低下)の最大の原因は、政治力の低下、即ち
国内政治の余りの不安定化、混迷にあると述べた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●核問題に見るイランの混乱
(東京国際大学名誉教授・渥美堅持)
http://www.worldtimes.co.jp/newworld/vp/vi120207.html
沙漠では突然雷鳴が鳴り、沙漠の住民を溺死させるほどの雨が降り、激流と
なって流れる。激流はやがて砂に呑み込まれその姿を消し、何事もなかったかの
ように静かな乾燥した元の沙漠に戻る。この沙漠の雨にも似た「アラブの春」現
象が沙漠の中に消え去ろうとしている時、新たな話題の花が今ほころびつつあ
る。新しきことを求めて止まない世界の目は、アラブからペルシャへ、そして石
油というエネルギーを介して世界へと広がる激しい流れの行く末を注視し始めた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●問題ある法人税引き下げ
(日本金融財政研究所長・菊池英博)
http://www.worldtimes.co.jp/newworld/vp/vi120206.html
2011年11月末に「第三次補正予算」と「復興財源確保法」が成立し、同時に
「法人税引き下げ法案」がセットで成立した。復興増税確保法をまとめると、図
表「復興財源15.5兆円の内訳」の通りである。この15.5兆円は25年の建設国債で
調達し、その裏付けとなる財源を増税と税外収入で補うという考えである。ここ
で注意すべき点は、復興財源確保法とセットで、法人税の最高税率を30%から
25.5%へと4.5%の引き下げを決定したことだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[5]ウィーン発『コンフィデンシャル』 http://blog.livedoor.jp/wien2006/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◯イラン核問題の解決策はこれだ!
イスラエルは過去2度、核関連施設に軍事攻勢をかけて破壊したことがある。
1981年のイラクの原子炉爆破(バビロン作戦)と2007年9月、シリア北東部の核
関連施設(ダイール・アルゾル施設)への空爆だ。
そしてイスラエルは目下、イランの核計画が核兵器製造を狙ったものと考え、
欧米諸国の制裁が十分でなく、イランの核兵器製造の日が近付けば軍事攻勢も辞
さない姿勢を維持している。すなわち、3回目はイランだ。
ところで、イランの核施設への軍事攻勢は過去2回とは全く異なっている。イ
ラクもシリアもアラブ民族国家だったが、イランはアラブ人ではなく、ペルシャ
人だ。イスラエルが過去2回の軍事攻勢と同様に考えてイランを攻撃すれば、大
きな痛手を受けるかもしれない。
それでは、アラブ人気質とペルシャ人気質の相違はどこだろうか。当方は過
去、その問題についてイラン人外交官とアラブ人外交官に同じ質問をしたことが
ある。以下、その返答だ。
イラン外交官曰く、
「中国人と日本人間に相違があるように、両民族にはさまざまな違いがある。
先ず、言語の相違がある。ペルシャ語は32文字からなるが、アラブ語は28文字で
構成されている。ペルシャ語は詩的であり、アラブ語は少々喧騒的だ。4文字の
相違はイラン人をアラブ人より感情の表現でより繊細にさせ、表現力で豊かにし
ている」
「イランの歴史をみると、ペルシャは7世紀、アラブ民族に支配された。この
時に同地にイスラム教が伝播された。ペルシャ民族はアラブ民族が伝えたイスラ
ム教を独自に発展させてきた。アラブでは主にスン二派だが、イランではシーア
派が多数派だ」
アラブ外交官曰く、
「両者の違いは大きい。ペルシャ人の家庭では女性が実権を握っているが、ア
ラブ世界では男性が全てに支配的だ。イランの家庭では最終的な意思決定権は男
性ではなく女性が握っている。すなわち、女性が財布の紐を握っているのだ。イ
ランでは女性の大学進学率は男性をはるかに上回っている」
今から考えると、アラブ人外交官の意見は非常に啓示的だ。「イラン人の家庭
で実権を掌握しているのは夫ではなく、妻だ」という点だ。そして独裁者と呼ば
れるイランのマフムード・アフマディネジャド大統領の家庭にもそれが当てはま
るという。大統領は夫人との間に複数の子供がいる、大統領夫人は賢妻で強いと
いう。典型的なイラン人女性だ。
例えば、イラン出身の米女性実業家アヌーシャ・アンサリさん(39)は2006年
9月18日、ロシアの宇宙船「ソユーズ」に乗ってカザフスタンのバイコヌール基
地から宇宙に飛び立った。2003年度ノーベル平和賞受賞者のシリン・エバディさ
ん(58)はイランの弁護士だ。「イランでは男性よりも女性ががんばっている」
といった印象を強く受ける。
そこで考えた。イランの核問題を解決する道は頑固なイスラム根本主義者アフ
マディネジャド大統領を何千回説得するよりは、家庭を掌握している大統領夫人
にそれとはなく「核兵器など製造してもどの国も使用できません。その上、核兵
器の安全管理だけでもかなりの経費がかかります。そのような資金があるのなら
ば、日常消費財を充実し、国民の食卓の質向上に努めたほうが賢明です」と夫の
大統領に伝達してもらうほうが得策だ。
核問題の専門機関、国際原子力機関(IAEA)が8年間査察しても、「イラ
ンの核計画が平和目的か軍事目的か」を検証できない。その上、未解決問題の全
容解明はほど遠い。しかし、大統領夫人ならば短期間でその目的を果たせるので
はないだろうか。
大学卒の夫人はイランの国民経済が欧米諸国のそれより見劣りすることを知っ
ているから、「馬鹿げた核計画に腐心せず、国民の生活向上に努力するほうがア
ラーの御心よ」と、夕食時に大統領に囁いてもらうだけでいいのだ。
イスラエルを地図から抹殺すると豪語していた大統領も夫人の説得には耳を傾
けるだろう。少なくとも、8年間のIAEAの査察活動よりも効果的だ。
イラン核問題の解決はアフマディネジャド大統領夫人が握っているのだ。
参考までに付け加えるが、「アラブの春」が依然、不安定な状況に留まり、対
立や小衝突を繰り返している背景には、男性主導のアラブ人社会の限界があるか
らだ。「アラブの春」が安定した民主化社会を生み出すためには民主改革のプロ
セスで女性参画が不可欠だ。
♪ブログでコメント
http://blog.livedoor.jp/wien2006/archives/51964261.html#comments
◆===========================================◆
■編集後記
▼イラン核問題の解決方法について、イラン人とアラブ人それぞれの気質の違い
からユニークな意見がウィーン特派員より提示されました。女性が家庭の実権を
握っている「かかあ天下」となれば、ここは一つ「夫人外交」など打ってみても
いいかもしれませんね。我が家みたいにいくかどうかは分かりませんが。(M)
【声の投稿・質問】 wnm@worldtimes.co.jp
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●国連安保理の効用
今や全くの時代遅れ的な理事会である。結局理事国は自国の利益最優先で投票するだけ、他の加盟国に対する配慮も協力も無い。即刻改組乃至廃会するべきである。
●イランの女性
成程。非常に参考になりました。2012/2/10
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