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【E+C:05/04/18】特許法改正は失敗か

2005/04/18

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◆      エンジニア+コンサルが日経を読む
◆          【E+C:05/04/18】
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みなさん、こんにちは。stkです。

「【E+C】エンジニア+コンサルが日経を読む」をご購読頂き、
ありがとうございます。


■【今日の注目記事】

特許法改正は失敗か
産業界に誤算
(23面<法務>)


■【記事概要】

 「35条のために身動きがとれない」−−。産業界からこんな
不満の声が漏れている。4月1日付で改正された特許法。会社を
相手に技術者が発明対価訴訟を相次ぎおこす原因との指摘を受け、
焦点となった条文も改められた。だが、企業の知的財産部門の一
部から「改正は失敗」との声も上がっている。


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■【エンジニアの視点】

 将来、発明対価訴訟を会社に対しておこすときに困らないよう
(^^;)、特許法改正の内容をおさらいしておきましょう。

 焦点は35条。条文を直接読んでもわかりそうです。いやその
ほうかえってわかりやすいかも。記事に掲載されている新旧条文
の比較をまとめてみました。

1項
旧)職務発明を会社は無償で使える。

2項
旧)会社は契約や社内規則で定めることで、従業員から発明を譲
り受け、独占使用権を得られる。

3項
旧)発明を譲った従業員は会社から相当の対価を受け取る権利が
ある。

 ここまで、1〜3項は改正法でも変わらず。

4項
旧)対価は会社が受ける利益や、会社側の貢献度を考慮して(裁
判所が)決める。
改)会社が契約や報奨規則で対価を決める場合、従業員との協議
の状況、基準開示の状況、従業員からの意見聴取の状況などを考
慮し、その方法で対価を決めたことが合理的と判断されなければ
ならない。

 そして改正法で5項追加。

5項
改)会社に報酬規則がなかったり、規則が合理的でない場合、対
価は発明の利益、会社側の負担や貢献度、従業員の処遇などを考
慮して(裁判所が)決める。


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■【経営コンサルタントの視点】

 記事によれば、2001年、800社の知的財産担当者が加入
する日本知的財産協会では35条の撤廃を求めるか、改正を求め
るかで激論が展開されていたという。

 改正派(35条を残そう派)の指摘した利点は下記の2つだっ
たという。

・企業は何もしなくても職務発明を無償で使えると保証している
  点

・規定さえ作れば独占使用が可能と認めている点

 撤廃すると全ての技術者と発明に関して個別に契約しなければ
ならなくなる。それを「面倒だ」とする論理(既得の権益を捨て
きれなかったともいう)から、35条撤廃には踏み切れなかった。

 結局、法改正後も報酬が不満の場合には会社を従業員が訴える
仕組みは残った。

 その裁判の判断基準は旧法では「『相当の対価』とはなにか?」
ということであったのが、「報奨規則が合理的かどうか」に変わっ
た。

 「相当」というのはあまりにあいまいな言葉だけど、「合理的
かどうか」ってのもあいまいさではいい勝負だと思う。

 04年1月の青色発光ダイオード裁判で衝撃の「200億円判
決」が出た直後、キヤノンの御手洗社長、日立の庄山社長が慌て
て「やはり35条は撤廃してくれ」と申し入れたが、後の祭りだっ
たとか。

 既得権に目がくらむと、ろくなことにはなりませんね。


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