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アスラン禁猟区 メルマガ編

ガンダムSEEDのアスラン・ザラしか見えていない可哀想な作者がお送りする、ほぼ自己満足的な小説です。パラレルでイザ×アス色の強いアス受マガジンです。

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アスラン禁猟区 メルマガ編

2005/05/09

Vol,15


  夜明けを信じて 未来を描く
  突き進め 明日の勇気を 子等(こら)に響かせ

  大いなる意思に 自らの意思を重ね
  静寂より舞い降りし 天使の翼

  牙を剥け 悪しき魂に 刃を振りかざせ
  嵐よ吹き荒れろ 邪悪な魂を振りほどけ

  紅き剣が 抜き放たれる
  翡翠の光牙の中 魅了される紅き牙



大きな街などでは良くある光景だが、アスランにとってソレは珍しいモノだった。
吟遊詩人が、国の英雄神話などを広場で歌って聞かせるのだ。
広場に群がる人々に興味を覚え、溺れるようにその中に消えていったアスランをイライラしながらイザークは彼を待っていた。

「気になるなら、一緒に行けば良いのに」

もっともな意見を的確に言ったのは、「赤」の法衣は目立つから…と言う理由で一般の旅行者のスタイルに着替えたザフト神殿エリート神官のラスティだった。

目立つのが嫌なら、神殿に帰れば良い。
と、イザークはぶつくさ言っていたが、当然のように無視をされた。

そのイザークが一つ舌打ちを漏らし言った。
「あんな人間が多いところなんぞに、行けるか!胸クソ悪い」
「へぇ…魔族って人間嫌いなの?」
興味深そうに言うラスティ。

今までラスティが対峙してきた魔族という存在は、人間が忌むべき存在そのものだった。
混乱、憎悪、流血、悪意。
その全てを好んでいた。
しかし、どうもこのイザークと名乗る魔族はソレとは違う存在に見えた。
そもそも人間界にこれほど溶け込んでいる魔族というのも、珍しさの極みでもある。

「嫌いなわけでは無い。魔族は基本的に自分の事しか考えんからな。だが…あんなうざったらしい所に行けば…周りに当り散らしてしまいかねんだろ…」
彼がその後に続けた言葉は、ラスティにとってかなりの衝撃発言だった。

神殿では、魔族を倒す方法しか教わらなかったし、彼自身も自我を持た無い魔族しか今まで出会ったことが無かった。
だから、イザークのこの一言は強く惹かれるものがあった。

「誰かが傷つくのは、あいつを悲しませるからな」

この魔族は、そう言ったのだ。
よりによって、魔族が。

どこまで、あのアスランと言う少年を理解してるのだろうか。イザークは。

興味の尽きない神官が、意地の悪そうに微笑んでまた質問する。
「アスランのこと、大切にしてるんだね。そんなに長い付き合いなんだ?」
そしてその答えもまた、興味深いものとなる。

イザークは少し照れながら、そして愛しそうに笑いながら言ったのだ。
「まぁ…、な」
と。

その幸せそうなオーラ全開のイザークを見てラスティは思ったのだった。
彼らのようになりたいものだ…と。



「踊れお前ら〜!!!」
広場に集まっていたほぼ全員が手を振りかざし、その言葉に歓声で答える。
もちろん珍しさに惹かれて吟遊詩人を見に来たアスランにとって、彼らが何に喜んでいるのかすらも分かっては居なかった。
きょとんとしている内に、音楽は奏でられ吟遊詩人が手を振りかざしながら歌い出す。
それに合わせて観客達は彼の言葉通り踊っていた。
踊りと言うより、振り付けと言った方が早いだろうか。
吟遊詩人の腕の動きを真似て自分達も同じように腕を振る。
恐らく人気の高い曲なのだろう。殆どの人が振り付けを暗記しており、とても活き活きと踊っているではないか。
その中で、ぱかんと突っ立っているアスランはなんと目立つ事か。
しかも、人々の熱意ある振り付けに圧倒され、アスランは押しに押され最前列まで来ていた。
殆ど目の前で吟遊詩人が熱唱しているせいかアスランも何やら気まずいと思い、まわりに合わせて振り付けをそれなりに一生懸命真似た。

はっきり言うと、この振り付けは少々テクニックを要するものだった。
アスランは戸惑いながら、目の前の吟遊詩人の振り付けをそれでも一生懸命目で追い、ポーズを真似た。

ココは、こうか…?
あれ?こうなるのか…。
なんだ、こうだったのか。
よし!完璧!

正直、アスランは徐々に楽しくなり、夢中になっていた。
そして振り付けを覚えるうちにココに集まっている人達の気持ちが分かって来た。
彼の歌も素晴らしいものがある。だが、この一体感。
彼と自分と、周りの人達との、この一体感。
コレがとても楽しいのだろう…と。

曲が終わる頃には、軽く息が乱れていた。
周りの人達も同じだった。
もちろん、同様に吟遊詩人もそうだったが、彼は歌を歌っていた上、自分達よりも激しい踊りをしていたにもかかわらず息の乱れが観客に比べて軽いものだった。
改めて、彼の凄さに気付く。
そして彼の人気の理由にも気付かされる。

彼はうっすらと汗を滲ませるうなじにタオルを掛け、観客から花束や代金…いわゆるおひねりを受け取っていた。

風に透ける金髪がしっとりと額に貼りついているのが何だか色っぽい。
長身で、腰の高さがとても高い。
目を引く美貌と、彼が披露した歌唱力。
多くのファンを生むカリスマ。
それをこの短い時間で理解させられた。
あまりに感動したアスランはこの感動をどう伝えたらいいか分からないまま、興奮した眼差しをそのままに彼に歩み寄っていった。


「お。お前…」
タオルで顔中の汗をふき取りながら、アスランを見るなりその男は歩みを進めた。
「あの…」
胸が高鳴っている。
心地のいい一時だった。ソレを伝えたい。
なのに、この金糸の髪が…琥珀のような危うい煌きを宿した瞳が…緊張感を煽(あお)る。
「お前…、くっ…くくくく…っお前…、おかしな奴だなぁ…っ」
殆どなみだ目になっている長身のその男をきょとんと見上げた。
アスランの肩に手を掛け、わき腹を抱え、そして堪えようとしているのにそれすらもいう事をきかない笑いをしょうがなく外へと逃がしている。
「もう、最高!」
何がそんなに彼を笑いへと掻き立てるのか分からないまま、そのまま困惑の表情でアスランは固まっていた。
そして、間近に感じる彼の爽やかな香りにほんの少しばかり見惚れていた。

憎めない雰囲気が、心地よかった。

しかし、いつまでもこのままでは身動きが取れない。
「な、何か…俺、何かしましたか?」
訝しげに聞いてくる翡翠の瞳が、また笑いを誘う。
それでも、呼吸を落ち着けて言ってみた。
もしかしたら自覚があるのかもしれない。
「俺の歌って聞いた事ある?」
予想外の質問に、アスランは正直に首を横に振った。
「そっか…なら仕方ないかもな…。振り付けも初めてだよな?誰かに教わったのか?」
もちろんそんなハズは無い。
アスランも小さく手を振り控えめに言った。
「いえ…、歌もあの踊りも今日初めてみました」
しかし、アスランはココでこそこの感動を伝えるチャンスだ…と踏んで日に透ける金髪の彼に体を寄せ言葉を続けた。
「でも、凄く楽しかったです!歌も良かったし、踊りも楽しくて…途中から凄く気持ちよくて…ありがとうございました!」
「そっか。踊り…気持ちよかったか?」
まだ笑顔を含ませたままの彼が意味深に言葉を返したが、アスランは素直に頷いた。
「ええ。途中からは自分でもよく出来たなぁって…」
アスランが言えたのは、ココまでだった。
腹を抱えて爆笑するこの男が、続きの言葉を遮ったのだった。
「お前…、おっかしすぎ!何?アレよく出来てたの!!??最高!何だよ、何の冗談だよ!お前最高過ぎだって!」
じわじわとだが、アスランも何が彼を笑わせているのか分かってきた。
「ちょ、ちょっと…」
それでも、いくらなんでも笑われすぎなのではないかと抗議の言葉を出しかけたが今度は別の男によって遮られる。

「アスラン、いつまで待たせる気だ。まったく」

嫉妬の炎が肉眼で確認できるほど、燃え盛っている。



アスランとイザークが特別な関係なのは既に分かっている事ではあったが、どうやらアスランの気持ちよりイザークの気持ちの方が大きそうではある。
そんな面白い事に気付き、そして独占欲が強いであろう彼がどんな行動に出るのかさらに面白い事態になりそうだと遠巻きに見るラスティが、実際一番懸命な判断だった。





〜あとがき〜
こんばんは!
唆波 龍です!
また、メルマガ発行が前回からかなり日が開いてしまってもう本当すみません><;
今回は、彼の登場です。
まだ名前は出てませんが皆さんにはバレバレですよね?^^;
やっぱり吟遊詩人か!と思われるかもしれませんが、一応本当の彼は別のことをしてます。それを含めて早く書いてやりたいのですが…どうも書く速度が付いていかずに悩んでます><
じわじわとしか進んでないので、アレですが…こうなってしまったら登場人物が全部出るのにまたもう1年かかってしまいそうで怖いです。

あ。今から断っておきますが、主な登場人物では女性陣は出ませんので。ごめんなさい。とても書くの苦手なんです。
そもそも、女性陣はあまり好きなキャラが居ないので…^^;

今後、とりあえずは4人で行動してもらって、続いて出て来そうなのは色黒ですかね。
緑の髪のあの子は、しばらく出ないかも知れません。
早く出したくてウズウズしてるのですが…どうも大人数書くのは苦手なので…、誰かがパーティーから外れたら、パーティーに加える。という方法で行くかもです。


それでは、長らくお待たせした割りに、妙な所で終わってしまってモヤモヤしてるかも知れませんが、また次回をお待ち下さいませ…><

いつも読んでくださってるあなたとアスランに、愛を込めてv

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メルマガ情報

創刊日:2004-03-02  
最終発行日:  
発行周期:だいたい2週間〜1ヶ月に一回  
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