トップ > 学校・教育 > 資格 > 一日1題、技術士(金属)試験問題にチャレンジしよう!

技術者資格の最難関といわれる技術士試験の択一過去問にチャレンジします。ご質問は大歓迎です。金属系の技術者の基礎知識の整理にも役立ちます。

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■一日一題金属の問題にチャレンジしてみよう。2006/05/02

発行日:5/3

2006/05/02
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メルマガ発行部数=370+489
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■一日一題金属の問題にチャレンジしてみよう。2006/05/02
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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 
◆シロ子さんがとうとうパソコンに手を染めました。デルの
一番廉価型のものを購入したのです。「おじいちゃんの追悼
文集をつくらなくてはならないし、ピアノ教室の会報もつくる
し、学校の役員の資料も作らなくてはならないし」夢は膨らみ
ます。でも、使い方を習い始めると、「もう力尽きた。」と
布団に直行です。もっとも、シロ子さんの「完璧ノート」
(これは本人のセリフです)にパソコンの操作の一切合財を
書き込んであるので、後で見直しても安心です。でも、車を
運転している時と同じで、すぐにキレるような気がします。
◆ゴールデンウイークの中盤です。皆さん、いかがお過ごし
でしょうか。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
KAZTECのホームページ ;http://www.geocities.jp/kaztecjp1/
ブログの場所        ;http://blogs.yahoo.co.jp/kaztecjp1
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 
【第1部;一次試験問題再録】
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 
当面、平成15年の問題を解いていきます。続いて、平成16年
および17年を解きます。

今週の問題は、平成15年一次試験の択一式問題から出題しています。

4-15 金属材料のクリープ現象に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 クリープとは、一定の温度において一定荷重(または応力)を固体材料に負荷した
ときに、時間の経過とともに変形が進み、ついには破壊(破断)してしまう現象をいう。

2 典型的なクリープ曲線は、加工硬化によって変形速度が減少する遷移クリープ
段階、加工硬化と回復が釣り合う定常クリープ段階及び加速クリープ段階の3つの
過程に分かれる。

3 クリープ現象が問題となるような高温においては、転位による粒内すべり変形に
加えて、粒界すべりも起こるようになり、この粒界すべりがクリープ変形の主体となる。

4 クリープ現象が問題となるような高温においては、固溶強化や析出硬化の効果と
ともに、高温長時間側では転位密度を高くして強化する加工硬化の効果は大きい。

5 粒界におけるボイドの発生・成長及び析出物の粗大化によって粒界すべりは助長
される。それゆえ、結晶粒を大きくして粒界面積を少なくするとクリープ強度は高くなる。
             
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【解説】
◆金属材料の加工問題です。まず『クリープ』とはなんでしょうか?材料に一定の力を
加え続けた時に、時間と共に変形する現象です。通常、材料の変形は、外部から
加える力が一定の場合は、加えている時間とは無関係に決まります。この『通常』と
いうのは、常温のことです。しかし、試験の温度が上がるにつれてクリープ現象が明確に
現われてきます。◆中温では、時間・ひずみの関係曲線(これを『クリープ曲線』と
いいます)は、対数関数的になります。つまり、変形速度(ひずみ速度)は、時間と
ともに減少し続けます。◆高温では、これがひずみ速度が一定の状態(これを
『定常クリープ』といいます。)になります。これを『高温クリープ』と言います。ここで、
高温のおおよその目安は材料の融点の絶対温度の半分位以上の温度です。
◆定常状態に達する以前の期間を『遷移クリープ』(もしくは一次クリープ)と言います。
この期間は材料が硬化し続け、クリープ速度は時間と共に減少し続けます。定常
クリープに移ると、材料の加工硬化と加工組織の回復がバランスして進みます。
この際、加工硬化は、温度依存性はあんまりありません。ところが、回復は、空孔
もしくは原子の拡散に支配されます。拡散は温度依存性が強いので、結果として
温度依存性があるようにみえます。◆クリープの後期にはクリープ速度がどんどん
大きくなり、最終的には破断します。これを、「加速クリープ段階を経てクリープ
破断した」と表現します。
◆さて、高温で起こるクリープの変形のメカニズム(機構)には、大きく分けて3つ
あります。拡散クリープ、粒界クリープ、転位クリープです。拡散クリープとは、一言で
いうと原子や空孔が拡散移動して、引っ張られる方向に体積を補充する動きです。
粒界すべりは、結晶粒界で結晶が滑る現象です。転位クリープは、転位のすべりに
よって変形する現象です。転位すべりは粒内で起こります。
◆クリープ現象は、できるだけ起こって欲しくない現象です。したがって、色々な
クリープ阻害対策が講じられます。これらをまとめて『高温材料の強化』と言います。
強化機構には、大きくわけて4つあります。固溶強化、粒子の分散強化(これは析出
強化と同じ意味ですね。)、大きな結晶粒径です。室温で変形し、転位密度を
高くするのも、効果はあるのですが(これを加工硬化と言います。)、高温では定常
クリープ段階で転位はどんどん移動してしまいます。つまり、加工硬化は高温クリープ
対策には効果が少ないのです。◆結晶粒径を大きくするのは、クリープ速度が低下
し、破断伸びは下がるのですが、破断時間が長くなります。つまり、クリープ強度が上
がったことになるのです。
◆答えは、4です。転位の導入が高温クリープ強度向上に寄与するのは誤りです。

*****************
何か、ご意見、質問、疑問がありましたら、KAZTECまでご連絡ください。
連絡先  kaztec@aw8.mopera.ne.jp

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