株式・投資関連

億の近道

個人投資家の方にも機関投資家並み、若しくはそれ以上の情報提供をするのが目的です。株式で「億」の資産形成を目指しましょう!我々マーケットのプロが導きます。イチオシ銘柄や各種コラムが大好評!内容に自信。

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億の近道 2004/03/02

2004/03/02


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投資情報メールマガジン                  2004/03/02号
             イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週4回発行
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【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。火曜日版は証券・金融業界に身を置い
ている人間に加え、個人投資家も執筆に加わっています。各種分析や銘柄を参
考にして、「億」の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

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 −本日の目次−(本日の担当:IF山本&石川凛&彼岸先生&村田雅志)

  ◆コラム「アイデアを出す際の原則を決めてみる」:IF山本
  ◆コラム「連載:個人投資家の不動産投資(7)」:石川 凛
  ◆コラム「連載:技術を評価できる個人投資家の養成講座(7)」:彼岸
  ◆コラム「マクロでみるセクター判断 建設業(1)」:村田雅志

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◆コラム「アイデアを出す際の原則を決めてみる」

■ 株式投資のアイデアの生成過程についての連載を続けています ■

 闇雲にアイデアを出すよりも、まず、アイデアを出す際の原則を決めてみる
ことです。

「アイデアの筋」なるものを前号で紹介しました。

アイデアの筋とは、アイデアの分類ということでした。

ステップ1) アイデアのA分類)
市場や産業の動向。拡大する市場や産業はどこ?という原則。つまり、伸びる
市場はどこなの?なにが伸びるの?といこと。

ステップ2) アイデアのB分類)
産業間や市場間の闘いや産業内や市場内の闘いの趨勢はどうなるの?という原
則。対象企業の市場占有率はどうなるの? どの企業のシェアが上がるの?と
いう問題。

ステップ3) アイデアのC分類)
対象企業のコストダウン余地は?付加価値をどう価格に反映できるか?という
コスト競争力やテクノロジーのロードマップに関するもの。
対象企業のコスト競争力やテクノロジーの高さを評価しましょうという問題。

この3つのステップは、言い換えると、以下のとおりです。

ステップ1) 伸びる市場を見つけて、
ステップ2) 今後強くなる企業を見つけて、
ステップ3) 実際にコスト計算や収益予想をしてみよう。


■相互に関連する投資アイデア■

 とはいえ、この3つのアイデアの分類ですが、相互に関連しています。
ステップ1)で市場が伸びるという前提の場合、当然、量産効果が期待できま
す。量産効果を測定して、ステップ3)のコストダウンの余地がある程度、計
算できます。ステップ2)のシェアの推定については、生産能力や企業の性格
から、行います。すると、伸びる市場にある企業が、積極的に圧倒的な設備投
資をして、他社を萎縮されるなら、そのときは、投資で圧倒する企業が、量産
効果を独り占めにしてしまうわけです。
いってみれば、鶏が先か、卵が先かの議論と同様です。

■A分類、B分類、C分類の重なる部分について■

 A分類だけの企業であれば、伸びている業界に属しているが、参入企業が多
すぎる場合ですね。かつてのHDD業界やPC業界でしょうか。模倣タイプ。
(15%)

 B分類だけの企業であれば、成熟産業で、シェアを今後伸ばしていく企業
(M&Aなど)が該当するでしょう。成熟業界のトップ企業タイプ。(15%)

 C分類だけの企業では、シェアも下位だが、技術的なロードマップがしっか
り見通せる企業でしょうか。DRAM業界なんかは当てはまるでしょうか。代
替脅威のタイプ。(15%)

 A∩Bの集合では、伸びそうな業界でシェアも高くなりそうな企業が当ては
まりますが、採算面での確信が得られない場合が該当するでしょうか。ハイエ
ンド市場ですね。(5%)

 A∩Cの集合では、伸びそうな業界で、コストの見通しがついている企業群
が当てはまるでしょうか。コンデンサや半導体が当てはまるでしょうか。
(5%)

 B∩Cの集合では、成熟業界ではあるけど、革新的な工法や中抜きによって、
コストを下げ、シェアを上げていく企業群が当てはまるでしょうか。(5%)

 A∩B∩Cの集合では、成長産業でシェアが伸び、コストダウンの道筋もつ
くという企業群になりますでしょうか。(上位5%)

 どれにも当てはまらない企業は、負け組みで倒産まっしぐら企業でしょうか。
(35%)

■アナリストの質問■

 アナリストとしては、3つのステップを押さえるために、このような質問を
企業側にします。
●市場の規模はどの程度でしょうか。
●市場の成長性をどうみますか。
●御社のこの事業だけの売上げや収益を教えてください。
●シェアはどう見ていますか。御社のシェアは何%ですか。
●ライバルはどこでしょうか。
●代替の脅威は何でしょうか。
●能力の増強の歴史や今後の能力増強の予定と設備投資の歴史と今後の設備投
資の予定。

 この4つから、市場規模や成長性がわかり、各企業のシェアがわかり、市場
間の競争(代替)が理解でき、その事業が儲かる事業か儲からない事業か、そ
して、設備投資の効率(いくら投資をすればいくら売上が増えるか)がわかり
ます。

(つづく)

山本 潤
スロー・インベストメント2004
〜ゆっくり考え ゆったり投資〜

このコンテンツは、特定の銘柄を推奨するものではありません。アイデアとい
うものは、単なる思い付きの部分も多く、投資判断を導くには未成熟・不十分
・不正確なものです。ここで紹介しているようなレベルのアイデアでは、投資
の役には立ちません。内容についても、関係者との立ち話が中心なので、わた
しの取り間違いや聞き違いも含まれているかもしれません。内容の正確さを保
証するものではありません。

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◆コラム「連載:個人投資家の不動産投資(7)」

 日本の不動産神話は崩壊しましたが、不動産は所有するものという考えは変
わっていません。

 バブル崩壊後、約13年も経つのに公示地や基準地など公的機関が公表する
土地価格は下がり続けています。さすがに10年一昔というように10年以上
も土地が値下がり続けたことによって不動産は持っていれば上がるという不動
産神話は過去のものとなりました。日本の不動産価値は、経済構造の変化や社
会構造の変化によって低下しており、その実態に合わせて実質価格の下落が起
こっているのだ、ということを正しく認識することができるようになったこと
は、不動産投資を収益事業、投資として正しく評価、実施していく上では必要
不可欠なことです。しかし不動産投資は運用だという考えはほとんど意識され
ることがないのはどうしたことなのでしょうか。

 ただ、この地価下落にともなって、金融機関が膨大な不良債権を抱え込んだ
ことから、不動産収益事業に融資するという機能を、金融機関が果たしえなく
なっていることにも大きく関係しているような気がします。

 しかも、金融機関は不動産は所有することが目的であって、運用の対象であ
ることを、あいも変わらず理解してくれていないと感じるのは私だけではない
と思います。

 具体例を挙げろといわれれば、一人暮らしの働く女性がワンルームマンショ
ンを購入する場合には融資をするのですが、その同じワンルームマンションを
投資用に購入するための融資はいたしませんという事例を示せば分かっていた
だけるのではないかと思います。自分で生活するための不動産に対する借入な
らきちんと返済すると判断できるが、投資用の不動産に対する融資はきちんと
返済されない可能性が高い、という判断の根拠はどこにあるのでしょうか。デ
フォルトリスクは賃貸用不動産のほうがよほど低いはずです。なぜなら家賃と
いう収益があるからです。しかも金利より家賃収入が高い投資用不動産なら問
題なく資金回収ができるという判断ができないというのは、ちょっと不思議な
気がします。ただその不動産が安定的な収益を生むとは判断できない物件だと
いうなら、理解できます。たぶんそう判断しているのでしょう。ワンルームマ
ンションはとにかく人気が有りませんから(笑い)。ファイナンシャル・プラ
ンナーの中にはワンルームマンションは10年で価値を失うなんてマネー雑誌
に書いている人がいました。世の中、確かに欠陥住宅はありますから、築後3
年ぐらいで欠陥マンションが社会問題になることもありうると思います。しか
しまともに建設されたマンションで管理がきちんと行なわれていれば40年は
充分持つと考えています。しかし40年間安定して賃借人を確保できるかどう
かで議論すると借入を申し込む方が不利ですね。世の中には賃借人を集められ
なくなって空室になっているファミリーマンションもたくさんありますから。
世の中には賃貸事業に失敗して競売にかけられる事例もかなりあるでしょうか
ら、将来にわたり家賃収入を確実に確保しつづけると証明するのは難しいです
ね。

 別の例で考えてみましょう。現在日本の不動産市場の中で唯一売買が活発に
行なわれている居住用不動産市場について考えてみたいと思います。これは政
府の景気対策にもかかわることであるから金融機関だけを責めるわけには行か
ないのですが、ちょっと酷い状況です。日本の住宅市場、特にマンション市場
を見るとここ十数年は先に買った人ほど含み損を抱えています。

 アメリカをみても基本的な持ち家意識は日本と同じように強く、国家が持ち
家の奨励策に力を入れている点も共通しています。自分が住む家については所
有権の取得を最優先に考えているのも日米に差はないようです。しかし決定的
に違っているのは、中古住宅の流通規模の違いで、アメリカでは住宅を購入す
る際には、ほとんどの人が中古住宅の取得を第一に検討するようです。新築の
住宅はニュータウンの開発か、よほど大きな再開発でもないかぎりは候補に上
がらないということです。中古住宅の流通市場は日本の4倍もあり、新築住宅
の供給戸数の比較では、アメリカの半分程度の人口しか持たない日本が、アメ
リカと肩を並べるほど多いことから考えると、ちょっと奇妙に思える現象です。

 これには住宅金融公庫や民間金融機関の新築住宅優遇の融資姿勢が影響して
いることは十分考えられることではないでしょうか。日本に中古市場が育たな
い原因も融資が受けにくいことにあるような気もします。

 1995年ごろ、いろいろなシンクタンクから首都圏の分譲マンションを購
入した世帯の含み損についての調査が発表され、新聞・雑誌などで取上げられ
世間を騒がせた記憶のある方も多いと思います。たとえばある銀行系のシンク
タンクの調査によると、87年から95年までの9年間に首都圏で分譲マンシ
ョンを購入した世帯の約三割が評価損を抱え、評価損の総額は5兆円。このう
ち最も評価損が大きいのが90年に購入した世帯で、買ってから5年間で半値
以下になった計算だ、などといわれていました。その後8年以上不動産の下落
が続いているので、今調査したらどれくらいの含み損になるのか、想像するだ
けでも恐ろしいものがあります。

<今日の役立つ雑談>

【不動産投資と生命保険】

 普通の生命保険と団体信用保険とは別のリスクがありますので、ご注意くだ
さい。団体信用保険に対する注意事項(いつのまにか団体信用保険が解約され
ていた?!)

 住宅ローンで住宅(マンションや一戸建て住宅)や賃貸マンションを購入し
た場合、借入金に対し団体信用保険を付けさせられることがほとんどだと思い
ます。団体信用保険とは本人死亡の場合に、借入残金の全てを保険により支払
うという保険です。従って、一家の大黒柱である債務者がなくなっても、遺族
に住宅ローンの債務は残らない。遺族には借金なしの住宅が残るという制度で
す。住宅ローンは生命保険の代わりになるとも説明されています。

 まず知っておかなければならないことは、住宅ローンにつける団体信用保険
には、大きく分けて住宅金融公庫のローンにつけるものと、一般の金融機関の
ローンにつけるものがあり、団体信用保険ということでひとくくりにしていま
すが、両者の内容には違いがあることです。住宅金融公庫については任意加入
で保険料も自分で払うので、住宅金融公庫が破綻してもまったく問題ありませ
ん。住宅金融公庫が破綻することもまずないでしょう。

 しかし民間ローン会社(金融機関も含む)の場合は、民間ローン会社がどこ
か同じグループの生保の団体信用保険をローン契約に組み込んで、有無を言わ
さず加入させるのですが、ここで注意が必要になります。この場合は、民間が
やっているだけのことなのです。しかも契約者は民間ローン会社で保険料負担
者も民間ローン会社ということになります。金銭消費貸借契約上、団体信用保
険をかけ続けることが債権者の義務として規定されていないので、民間ローン
会社の判断で団体信用保険を中止することができるのです。通常であれば民間
ローン会社の債権保全のための保険なので解約されることはないと思いますが、
契約者である民間ローン会社(金融機関も含む)が破綻して、保険料が生保に
支払われなくなれば当然に団体信用保険は失効してしまうことになります。ま
た破綻金融機関から債権を譲り受けた金融機関等が団体信用保険もあわせて引
き継ぐかどうか、決定する権利を持つことになるようです。「団体信用保険は
やめる」という判断もありうるようなのです。

 私がマルコー(=現ダーウィン)のワンルームマンションを最初に買った時、
マルコーの関連ノンバンクであるゼネラルリースから借入をしました。ゼネラ
ルリースはマルコー会社更生時、マルコーとは分かれます。しかしついに力尽
き倒産。私の借入はゼネラルリースへの貸し出し先の日本長期信用銀行などに
譲渡されました。

 日本長期信用銀行も潰れ、私の借入は債権回収機構へ。そして債権回収機構
がサービサーに売り飛ばしました(笑い)。たぶんこの時点で団体信用保険は
なくなっただろうと思いサービサーに確認したら、やっぱり団体信用保険は継
続されていませんでした(苦笑)。

 日本の総合リース会社の中にも債権譲受した住宅ローンの団体信用保険は継
続しない扱いの会社があるということを聞いています(第三者である私が債権
譲受した総合リース会社に聞いても教えてくれないので、あくまでも伝聞です。
しかしローン会社の融資責任者の方から、実際にそういうことがあるという話
しを聞きました。また知り合いの不動産会社社員の方も、団体信用保険を打ち
切られたお客さんから相談を受けた方がいます。この情報はかなり確度が高い
と思っています。)。

 また大手生命保険会社系シンクタンクの主任研究員に調べてもらったのです
が、生保は誰にでも団体信用保険の加入を認めているわけではなく、日本の法
人格を持たな外資との契約を認めていない場合もあるようです。また日本の法
人でも全て加入を認めているわけでもないようです。生保に団体信用保険の契
約者(=民間ローン会社のことです)として認めてもらうためには、いろいろ
備えていなければならない資格要件があるということです。

 つまり生命保険の代わりになると思っていた団体信用保険が、利用した民間
ローン会社(金融機関も含む)の破綻により無効になる危険があるということ
です。債務者としては、せっかく掛けた団体信用保険が無駄にならないように
破綻しない信用のある民間ローン会社(金融機関も含む)から借りる必要があ
るのです。くれぐれもご注意ください。

<おまけ>

○2月9日に1435円でポジショントークしたヒューテックノオリンは本日
1540円となりました。

○1月25日に2500円で話題にし、2月12日(2685円)、2月14
日(2737円)で自慢しまくった立飛企業(8821)は、今日一時2955円を
つけ終値は2940円でした。

○2月25日の朝、あるバイサイドのアナリストさん(私のファンダ分析の師
匠のことです。笑い)が冬の億近勉強会のあと懇親会で酔って自慢した銘柄を
話題にしたら、その日に3590円の底値をつけて本日は3920円に切り替
えしてきました。その銘柄は居酒屋「億近」の私の投稿をご覧下さい(笑い)。

 勉強仲間の皆さんのポジショントーク銘柄もみんな好調のようです。居酒屋
「億近」でポジショントークするとすごくツイてきて株価が上がるみたいです
(笑い)。ぜひみなさんも遊びに来てください。お待ちしております。
http://club.www.infoseek.co.jp/club.asp?cid=l0600001
※掲示板に入るためにはinfoseekのメンバー登録(無料)が必要です。

(石川 凛)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

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◆コラム「連載:技術を評価できる個人投資家の養成講座(7)」

製品が出来るまで(2)------設計からフィールド対応まで------

※図は億近掲示板の「ライブラリ」にあります。
http://club.www.infoseek.co.jp/club.asp?cid=l0600001


 製品が出来るまでと題しました講義の第2回目の始まりです。
 前回までは、商品仕様決定までをお話しました。いかがだったでしょうか。
今回は、前回の商品の仕様決定から設計をスタートさせ、量産を立ち上げ、出
荷、そして市場に商品が出てからの動きをお話したいと思います。

 前回の製品が出来るまで図2をご覧下さい。商品仕様決定までに商品の提案
があり、この図では、商品仕様決定と同時に基本設計がスタートしているよう
に書いてありますが、提案する際にサイズ、重量など基本的な部分を詰めるた
めの設計を行います。これを基本設計と呼んでいます。

 後半部分を詳しく書いた製品が出来るまで図4をご覧下さい。メーカの中が、
3段に分かれています。1段目が設計、2段目が製造、3段目が評価と考えて
ください。1段目は、設計が量産ギリギリまで続いてるのが書かれています。
2段目は、試作からはじまって、量産までつながっています。最後の3段目の
評価は、試験という風に言い直したほうがつかみやすいかもしれません。出来
たものを試験し、性能が出ているかどうかチェックをする工程です。

 それでは、順を追って説明していきましょう。商品の仕様決定し、携帯電話
の外観であるデザインが決まったところで設計が本格的にスタートします。仕
様に合った電気部品の細かいところ、基板上のどこにどの部品を配置するかを
詳細に詰めていきます。この部品のレイアウトが携帯電話の性能を大きく左右
するもっとも重要なところです。

 皆さんの中にも、街を歩いていて、色々な携帯電話を見せられ感想をきかれ
たという経験があるかもしれません。これは、商品の提案時にメーカ側は独自
に調査を行い、前もってデザイン、色、仕様などをエンドユーザから聞き取り
反映させているのです。この市場調査をもとに通信事業者に提案するのですが、
その結果に沿うように、また、先程の電気部品のレイアウトにあったデザイン
も細かく設計されていきます。

 次に、製品が出来るまで図5をご覧下さい。真ん中あたりの試作と書いてあ
るのが次のステップです。ある程度、設計が固まった時点で、試作の作製を行
います(白矢印1)。このあたりから、設計を電気ハード設計、ソフトウェア
設計、機構設計と分けて考えると良いでしょう。

 ここでは、まだ、携帯電話としては、似ても似つかない状態です。電気ハー
ド設計では携帯電話の基板は、試作基板と呼ばれ、大きさも大きく携帯電話の
大きさに入らない状態で、性能を出すことに力点が置かれます。またソフトウ
ェア設計も、この試作基板を動かすことに専念されます。機構設計も、大雑把
なデザインで設計され、外観のチェック、機構上のチェックが行われます。こ
の評価の工程が白矢印2にあたります。この試作の時点での問題点を設計に反
映させ、次のステップ量産1次試作へとすすみます(黒矢印3)。評価という
言葉になじみのない方がいるかもしれませんが、試験やチェックという言葉に
置き換えるとつかみやすいと思います。

 いよいよ、携帯電話の大きさもかたまり、デザインの修正も済み、その中に
基板を実装できるようになるのが、試作の隣に書いてある量産1次試作です。
これは、試作とは違い、量産時の製造方法で行います。実際に量産をしてみて
どういう問題があるかをチェックするのです。ここの時点でも、前回の試作同
様に矢印1から3の工程をたどり、設計にフィードバックがかかります。

 このプロセスを量産まで1ないし2回多いときには4回も行います。ただし、
ここの時間をかける事は、納期が長くなってしまうことと、開発費がかかって
しまうことを意味しています。設計の精度を上げるには試作を繰り返すことが
望ましいが、これは、納期、開発費との費用対効果の関係となります。

 そして、最後の仕上げパイロットランです。これは、量産前の最終確認のこ
とで、ここでは量産とまったく同じプロセスをふみリハーサルを行います。す
べて量産と同じことをやるのです。最後の評価を行いメーカ側としては量産で
きる体制を整えます。

 やっと最終段階です。お客さんである通信事業者の立会いのもと量産をおこ
なってよいかどうかの最終試験が行われます。ここは、携帯電話の製品全般に
ついて審議されます。それは、このメーカは量産させても大丈夫だろうか、ま
た万が一量産後問題があった場合は的確な対応が出来るかまで、細かいチェッ
クが行われるのです。ここで合格してはじめて出荷することができるのです。

 では、出荷して終わりかと言えばそうではありません。消極的なお話なので、
あまりしたくはないのですが、量産後の製品のお話をしなければなりません。
量産後は、月産数十万台、多い機種では、月産百万台の量産を行います。大概
の場合は予想された範囲ですが、色々な不具合が出てくる場合もあります。更
には、クレームとして問題になるときもあります。このとき、市場ではエンド
ユーザがどの様な使い方をして発生したのか、そのセットは何が起こっている
のかなど調査する必要があります。通信事業者との連携も大変重要になってき
ます。量産がスタートしてもその機種の生産が終わるまでウォッチしていかな
くてはならないのです。

 長くなってしまいました。これで、製品が出来るまでの講義はおしまいです。
次回からは、実際の部品のしくみや作り方をお話していきたいとおもいます。

(彼岸)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

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◆コラム「マクロでみるセクター判断 建設業(1)」

 村田です。皆様こんばんは。
ここ数日、東京では気温の低い日が続きました。私は先週くらいから「もう春
だ」と勝手に決めつけ、布団やパジャマなどを春用に変えてしまいました。も
う寒いのなんのって。若干ですが風邪気味です。ごほごほ。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、私が住んでいるところは、関東と
いっても北関東でして、夏は摂氏40度を超えることもあり、冬は氷点下を下
回ることもあるといった気温変化の激しい地域です。というわけで、ここ数日
のように気温の変化が激しい時は、どうしても体調を壊しがちなのです。読者
の皆様は、私のようにならないと思いますが、体調を壊さないようお気をつけ
下さいませ。

さて、先週まではサービス業についてお話しましたが、今週からはセクターを
建設業に変えてお話したいと思います。建設業は、いわゆる「だめ3業種」の
1つにあげられることが多いのですが、

○なぜ「だめ」なのか
○何が株価形成のポイントなのか
○確認すべきマクロ統計は何か?

といった点についてご説明したいと思います。

では、まず始めに建設業の市場規模について簡単に整理してみましょう。ここ
では、建設総合統計という統計から「建設工事の出来高」をご紹介します。
(URL:http://www.mlit.go.jp/toukeijouhou/chojou/gai_sougou.htm
出来高とは、工事で実際に費やした費用を意味します。よって出来高をみるこ
とで、建設業全体の市場規模を把握することが可能といえます。

年  合計 民間住宅 民間非住宅 公共工事
1987 58.9 20.2   17.2    21.5
1988 66.5 23.3   21.0    22.2
1989 72.7 25.2   24.9    22.6
1990 79.7 27.5   28.3    23.9
1991 86.4 27.2   31.6    27.6
1992 86.3 25.2   30.0    31.1
1993 84.4 25.4   24.4    34.6
1994 80.7 26.5   19.6    34.5
1995 76.0 25.3   18.2    32.6
1996 78.4 28.1   17.4    33.0
1997 72.2 24.6   16.9    30.7
1998 67.2 21.0   15.5    30.6
1999 66.9 20.9   14.2    31.8
2000 64.0 20.7   14.3    28.9
2001 60.8 19.4   13.1    28.3
2002 57.3 18.3   12.2    26.7
2003 55.8 18.3   13.3    24.2
(注)単位:兆円、年は暦年(1〜12月)

ご覧のとおり、ここ数年の合計額(市場規模計)は、毎年2〜3兆円程度、前
年に比べ減少する傾向にあります。減少傾向が特に鮮明なのは、公共工事です
ね。これは読者の皆様もマスコミ報道等でご存知のことと思います。一方、民
間住宅や民間非住宅は、公共工事に比べ安定しています。とはいえ、2002年と
2003年とで比較すると、民間住宅が同じ(どちらも18.3兆円)であるのに対
し、民間非住宅は約1.1兆円増加しています(12.2兆円→13.3兆円)。

ではここで、TOPIX対象企業のうち「建設業」として分類されている4つの企
業を取り上げてみましょう。

前田建設、パナホーム、清水建設、千代田化工建設

ここで建設セクターに詳しい方、もしくは上記4社にお詳しい方なら、これら
を同一として取り扱うのが難しいことにお気づきかと思います。
各社の特徴を簡単に整理してみましょう。

前田建設:大型官庁土木工事が得意。堅実経営で財務体質に定評。
パナホーム:松下電工系の住宅メーカー。軽量鉄骨プレハブ主力。
清水建設:業界大手の一角。民間建築が主力。
千代田化工建設:総合エンジニアリング大手。LNGプラント主力。

要するに同じ建設セクターといっても、事業内容が異なるということです。

前田建設のように官庁工事を主とする企業の場合、市場とは公共工事の出来高
を意味します。当然ですね。

パナホームのような住宅メーカーの場合は、民間住宅の出来高が市場規模とな
ります。

清水建設や千代田化工建設のように民間工事を主とする場合は、民間非住宅の
出来高が市場規模を表します(ただ千代田化工建設の場合、海外工事の比率も
高いので、海外景気の動向も考慮する必要があります)。

というわけで、建設セクターを論ずる場合、アナリストレポートなどを読むと、
建設セクターを

○公共工事
○民間住宅
○民間非住宅

の3つ市場に分解して、それぞれの動向について分析することが多いようです。
さきほど建設総合統計から出来高をみたように、3つの市場の推移がここ数年
大きく異なることを考えれば、至極当然ともいえるかもしれません。

では次に、それぞれの市場規模が、どのような要因で変化するかを考えてみま
しょう。一般的には、次のような要因が各市場の規模を決定させるといわれて
います。

公共工事:政府の意向(=世論)、税収、財政事情
民間住宅:家計の所得、金利、住宅ストック
民間非住宅:企業収益、為替、期待成長率

来週は、各要因について簡単にご説明いたします。

村田雅志(むらた・まさし)

(おまけ)
サービス業の時と同様に、私の独断で、建設業に分類されているTOPIX対象
企業を

○公共工事メイン
○民間住宅メイン
○民間非住宅(建設土木)メイン
○民間非住宅(設備工事)メイン
○民間非住宅(プラント)メイン

と5つに分類してみました(表記は株式コードです)。ご興味のある方は、ぜ
ひご覧いただき、「いや、これは公共工事ではなくて、プラントだろう」など
といったお考えがありましたら、ぜひご指摘ください。

○公共工事メイン
1719 1720 1780 1792 1805 1810 1815 1817 1820
1821 1822 1824 1826 1839 1852 1863 1865 1867
1871 1881 1882 1883 1884 1885 1888 1889 1890
1893 1895 1896 1898 1899 1914 1926 1929 

○民間住宅メイン
1722 1766 1808 1868 1878 1907 1911 1919 1924
1925 1928

○民間非住宅(建設土木)メイン
1721 1786 1801 1802 1803 1812 1813 1814 1816
1819 1827 1833 1834 1835 1847 1851 1854 1860
1861 1866 1870 1879 1916 1921

○民間非住宅(設備工事)メイン
1930 1932 1934 1937 1939 1941 1942 1943 1944
1945 1946 1949 1950 1951 1952 1955 1956 1959

○民間非住宅(プラント)メイン
1961 1963 1964 1967 1968 1969 1970 1972 1973
1975 1979 1980 1982 1983 1988 6330 6366

村田雅志(むらた・まさし)

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