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ブラット親爺のつっこみ映画評

ここ10数年映画館に行ったことがないブラット親爺が、DVDで観た泣ける映画、笑える映画、よーできた映画、しょーもない映画を関西訛りのつっこみを入れながら論じる格調高い(?)映画批評メルマガです。

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ブラット親爺のつっこみ映画評:アリス

2005/08/10

                                  08/10/2005発行
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         ◇◇ブラット親爺のつっこみ映画評◇◇  

    アリス ALICE (1988) スイス、西ドイツ、イギリス  
    監督・脚本・デザイン:ヤン・シュヴァンクマイエル
    アニメーション:ベドジフ・ガラセル 
    出演:リスティーナ・コホウトヴァー 

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┃ネタバレになりそうな話の前には、◆◆ネタバレ注意◆◆がついてます。ま┃
┃だ、その映画を観てない人は、そこから先はすっ飛ばして◆解除◆の後から┃
┃読みませう。ただし、読める部分が残ってない場合があります。(^_^)┃
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ヤン・シュヴァンクマイエルは、1934年チェコのプラハ生まれやから、もう70
過ぎの爺さんや。この映画の製作当時で50代前半。3年がかりで作ったそーや
から、おっちゃんとなんぼも変わらん歳でこの力業や。いや、もー頭が下がるな。
それにしても凄いイマジネーションの持ち主やね。冒頭の水面に石の投げるシー
ンをはじめ、紅茶茶碗にも石を投げ入れとったし、何回も石を投げる(積み木を
投げたりもしよるし、ガラスが割れるシーンもケッコーあったな)シーンがでて
くるんやが、あれってなにかの象徴か?

こーゆー映画は、深読みしだすと霧のない摩周湖やが、あの涙の海(ゆーか水た
まり)で溺れそーになるシーンで、おっちゃん唐突に『滂沱(ぼうだ)として涙
が流れる』ゆー難しい言い回しを思い出したがな。涙の海はさぞかししょっぱい
やろな。さらに、ねずみがトランク引っぱって泳いできて、女の子の頭の上でた
き火し始めよるシーンでは、落語の『頭山(あたまやま)』を思い出した。そー
ゆーたら、『頭山』をネタにしたアニメーションを山村浩二ゆー日本人アニメ作
家がつくって、第75回アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされ
たんを始め、そこら中のフェスティバルで賞もろとったな。

シュールリアリズムが一斉を風靡したんは第一次大戦後のヨーロッパやけど、20
世紀の後半になっても、21世紀になっても、東欧の小国とジャパンのアニメ映
画の中で、連綿とその末裔のような作品が作り続けられとるちゅーことやね。い
や、シュールリアリズムの手法は、TVコマーシャルや広告ポスターでは、いまだ
にしょっちゅう試みられてるな。

この映画、エロ・グロ・ナンセンス度のエロ度はほとんどない。マニアックな映
画なんやけど、ロリコン方面の人たちにはあんまり受けんやろ。ひたすら気色悪
い攻撃で観客をげんなりさせるグロ度も大したことない。ナンセンス度はそーと
ー高いが、元々『不思議の国のアリス』そのものがナンセンス文学の極みやから、
妥当なナンセンス度や。ただ、マッドハターとマーチヘアは出てくるが、おっちゃ
ん大のご贔屓のチシャ猫が出てこんかった。それとハンプティ・ダンプティやドー
ドーも出てこんのはちょっとさみしいな。

ホワイトラビットゆーキャラは、この映画の助演男優賞やってもエエくらいの名
演なんやが、あのおなかの裂け目からおが屑まみれの懐中時計を取り出して舐め
るシーンが何度もでてくるとこをみると、よっぽどあのシーンが気に入ってたん
やろな。それと、靴下がイモムシ(ゆーか、もーちょい奇怪な宇宙生物みたいな
ガーデンイール風)になるゆーのは、アホらしーておもしろかった。

ヨーロッパのアンティーク風の文物は、総じて魅力的なんやけど、この映画でも、
三角定規やらコンパスやら鍵やら骨格標本やら剥製やらガラス瓶やらインク壺や
ら、なにやらカニやらがイカにもタコにも古色蒼然の雰囲気を醸しだしてた。

ま、子供向きとは言い難いが、ファンタジー映画好きにとっては、夢でうなされ
るるほどのえげつなさはないんで、真夏の夜の悪夢くらいの感じかいな。。『悦
楽共犯者』ゆー完璧に大人向けの作品もあるそーやけど、今度はそっち観てみた
ろかと、恐いもん見たさのおっちゃんは、触手を蠢かしてる今日この頃や。。。

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