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ブラット親爺のつっこみ映画評

ここ10数年映画館に行ったことがないブラット親爺が、DVDで観た泣ける映画、笑える映画、よーできた映画、しょーもない映画を関西訛りのつっこみを入れながら論じる格調高い(?)映画批評メルマガです。

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ブラット親爺のつっこみ映画評:アギーレ・神の怒り

2005/08/01

                                  08/01/2005発行
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         ◇◇ブラット親爺のつっこみ映画評◇◇  

  アギーレ・神の怒り Aguirre der Zorn Gottes (1972) 西ドイツ  
  監督:ヴェルナー・ヘルツォーク 
  出演:クラウス・キンスキー、ヘレナ・ロホ、ルイ・グエッラ
 

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┃ネタバレになりそうな話の前には、◆◆ネタバレ注意◆◆がついてます。ま┃
┃だ、その映画を観てない人は、そこから先はすっ飛ばして◆解除◆の後から┃
┃読みませう。ただし、読める部分が残ってない場合があります。(^_^)┃
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クラウス・キンスキーの鬼気迫る目ェの演技と、歌舞伎の「見得」みたいに一瞬
ストップモーション気味に動きが止まってから次の動作に移る、間(ま)の演技
が凄かった。ゆーても、大見得切った後に『よ、キンさん!大統領!!』のかけ
声が掛かるワケではないけど。。。それにしても、大した眼光やね。こんなオヤ
ジに睨まれたら震え上がりそーや。

キンスキーの役は、アマゾン奥地黄金郷発見スペイン調査隊の分遣隊(本隊を率
いてたんが、あのインカを滅亡に追いやったフランシス・ピサロや)の副官なん
やが、分遣隊長であるフィーゴ似の貴族のおっさんは、愛人まで連れて来とった。
キンさんの方も15歳になる娘を同道してるんやが、なんでこの当時の探検隊は、
愛人やら娘まで連れてこんな辺鄙な秘境に出っ張っとったんやろ?とかすかな疑
念が後頭部に浮かんだんやが、考えてみると、スペインから荒れ狂う大西洋の海
原を渡って地球の裏側の南アメリカくんだりまで行こかゆー時点で、そーとーな
覚悟がいったやろし、死なばもろとも、最愛の家族を国に置いて単身赴任するに
は、帰って来れる保証があまりのも少なさすぎたゆーことか。(オツムおかしなっ
てからやけど、キンさん、自分の娘と結婚して夢の王国を作るんじゃ、ゆーとっ
たな)ついて行ったおなごはんもエライわ。あの蒸し暑さの中で、コルセットつ
けて飾り襟つきのドレスまで着てるんやから。。。

この映画、初っぱなから、高所恐怖症気味のおっちゃんなんか、縮み上がり気味
になっとったんやが、断崖絶壁の道を馬やらラバやら豚やらニワトリやら大砲や
ら車輪やら、輿(愛人やら娘やらが乗ってる)を運びながら歩いとるんやけど、
茶色く濁った激流のアマゾン川の川岸に着いた所で、先に進めんようになってし
もて、とりあえず分遣隊として40人を選抜して、筏で下って、近くにエルドラ
ドがあるんかないんか調べて来んかいゆーことになったワケや。10日で帰って
来れんかったら、死んだものと見なして引き上げる言われて出発したんやから、
ほとんど成功の望みなきに等しい、今回のディスカバリー打ち上げとは比べもん
にならんくらい無謀な計画やった。

ただ、この調査隊は、あくまでスペイン国王に任命された正式な探検隊なんで、
隊長交代の手続きなんかもえらい厳格やった。しかし、目玉のキンさんは決して
自分が隊長になろうとはしよらん。その割りに、やりたい放題しよるけど。。。
このおっさんは、あくまで行けるとこまで突き進め、エルドラドで黄金に埋もれ
てウハウハ人生や派や。もう引き返そ派の隊長をピストルで撃ちよるし、川の渦
に巻き込まれて立ち往生してしもた筏に向けて大砲ぶっ放すし、ちょっとでも足
手まといになる奴は、あの世行きの片道切符や。

話はある種淡々と進んでいくんやが、隊員は次々殺されたり、病死したり、餓死
したりしていく。地元民のインディオも全面戦争を仕掛けてくる風でもない。ひ
とりずつ間引かれていく感じや。それが妙に恐いし、気色悪い。エルドラド発見
に取り憑かれた主人公の飽くなき野望の果てに、エルドラドがウエルカムゆーて
待ちかまえてるとは到底思えんのやけど、撃ちてし止まんの突撃精神は一向にへ
こたれへん。ここらがわれわれ凡人と何事かなし遂げたろゆー野心満々の男との
決定的なモチベーションの差ぁかも知れん。

後年、コッポラ監督の『地獄の黙示録』は、この映画を参考にしたんちゃうか?
ゆー映画評がケッコーあるけど、おっちゃんも、観てる最中に似てると思たわ。
『地獄の黙示録』の方は、なんちゅーても、ジャングルの中の大がかりなセット
やら、爆撃シーンやらがてんこ盛りやったが、こっちはアマゾン川の上を流れ下
る筏の上だけが舞台や。ただ、音もなく矢やら吹き矢やらが飛んできてぐさっと
刺さったり、歩いてる途中にひょいと吊り上げられてしもたり、気ィ狂いそーな
ほど蒸し暑かったり、カラダのあらゆる部分を虫に刺されそーやったり、アマゾ
ンとメコンデルタの違いはあっても、ジャングルの中での死と狂気の隣り合わせ
ゆー設定はいっしょやった。

1時間半の短さなんやが、もうちょい長かった方がよかったよーに思う。唐突に
いろんなエピソードが始まるから、前のシーンとの繋がりが分かりにくかった。
だんだん狂気にはまっていく主人公のまわりで、為すすべもなく運命に身を委ね
る娘や愛人やほかの隊員なんか生き死にも、もう少し丁寧に描いたった方がもっ
とエエ映画になったんちゃうか?それにしても、この映画、きれいなおなごはん
も出てるんやけど、色気は皆無やったな。 


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