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ブラット親爺のつっこみ映画評

ここ10数年映画館に行ったことがないブラット親爺が、DVDで観た泣ける映画、笑える映画、よーできた映画、しょーもない映画を関西訛りのつっこみを入れながら論じる格調高い(?)映画批評メルマガです。

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ブラット親爺のつっこみ映画評

2004/04/07

                          Vol.068 04/07/2004
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         ◇◇ブラット親爺のつっこみ映画評◇◇  
 
 気狂いピエロ (1965)フランス PIERROT LE FOU 
 監督:ジャン=リュック・ゴダール 
 出演:ジャン=ポール・ベルモンド、アンナ・カリーナ、サミュエル・フラー
 
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ネタバレになりそうな話の前には、◆◆ネタバレ注意◆◆がついています。まだ、
その映画を観ていない人は、そこから先はすっ飛ばして◆解除◆の後から読みま
しょう。ただし、読める部分があまり残ってない場合があります。(^_^)
 
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伝説的なゴダールの名作や。破滅に向かってまっしぐらに突き進みながらも、そ
の逃避行の間中、アンナ・カリーナにコケにされまくりよるベルモンドはまさに
愚か者の典型で、支離滅裂な生き様(死に様)が当時はめちゃんこカッコよかっ
た。

20才の頃、遅れてきた映画青年やったおっちゃんは、どうにかしてこの映画を
観たいと熱望してた。そのころはレンタルビデオもDVDもなかったから一度見逃
すとなかなか観ることが叶わんかった。なんとか四方八方手ェを尽くして、どこ
かの名画座やったか大学の学生会館やったか、えらいタバコの煙が漂うとる中で
観たよーな気ィがする。

この映画に描かれてる刹那的な青春は、遠い海の向こうの新進監督による前衛的
な映画以上にお伽噺めいていて、ほとんどロマンチック・ファンタジーの世界やっ
た。エンディングで、あの炸裂の後、アルチュール・ランボーの「また見つかっ
た。何が。永遠が。海と溶け合う太陽だ」の一節の強烈な一撃がおっちゃんのテ
ンプルに撃ち込まれ、熱に浮かされたよーな朦朧とした意識で映画館を後にした
ものやった。 

青春とは愚かなことに夢中になれる季節や。その愚かさに気ィついたときはもう
青春は終わりかけてるんやけど、愚かなおっちゃんは地上3センチ程浮き上がっ
たまま浮遊してた。平凡な日常からの脱却を願って愚かにも彷徨い続けてた。今
となっては、妄想癖のある愚かな奴やったと思うだけやけど。。。 

30年ぶりで再会したベルモンド=フェルディナン=ピエロも、実に愚かな奴やっ
た。こっちがおっちゃんになったんを差し引いても、この男のやることには思慮
分別というもんが足りん。19・はたちの若造とちゃうんや。1933年生まれ
のベルモンドは、この映画が製作された1965年には32才にもなっとる。子
供までいるお父ちゃんの役柄や。ハッキリゆーて青年期は終わってる。役者の実
年齢と役の年齢は必ずしも一致する必要はないが、少なくともはたち前後の設定
やない。ランボーが19才で詩におさらばしたんとはワケがちゃう。「エエ歳こ
いてアホちゃうか」と嘲笑されてもしゃーない年齢やった。

『イージライダー』のピーター・フォンダは29才、デニス・ホッパーで32才、
このふたりに比べてもやることがガキっぽすぎる。まだしも『フォーリング・ダ
ウン』のマイケル・ダグラス(製作当時48才)のオヤジがマジギレする方が納
得出来る。全編シナリオなし、即興演出で撮影したといわれてるが、やはりこの
映画は監督の思いつきによる茶番劇でしかないんか。。。

この映画では、アンナ・カリーナの存在の方が衝撃的や。最初に登場したときは、
地味な服装で女学生のような印象やったが、彼女が演じたマリアンヌこそが最悪
のシナリオライター、諸悪の根元、地獄の水先案内人。古くさい言い方をしたら、
男を翻弄し、破滅へ導く悪女やった。しかし、この頃のアンナ・カリーナは、恐
ろしく魅力的やね。決して凹凸のはげしいボディやなく、ブロンドでもない。中
肉中背で、華奢なくらいや。しかし、強さとしたたかさをもち、邪悪な無邪気さ、
八方破れの奔放さをもっとった。このまま歳をとることなんかないやろと思わせ
る、永遠の女やった。

それにしても、DVDの字幕の翻訳が最悪やった。エンディングの光る海をバッ
クに女性のささやき声で語られる、あのランボーの「地獄の季節」の一節が、な
んと「そして太陽 永遠を それは海 そして太陽」なんじゃこりゃ?

邦題の『気狂いピエロ』の「気狂い」なんちゅう言葉は辞書に載ってへんぞ。
「きぐるい」で変換したら「器具類」しか出てこんぞ。なんで映画会社は、こん
な奇妙な邦題をつけんや?原題を忠実に翻訳するのんがマズイんやったら、お得
意の『愚か者、その名はピエロ』とか『地獄のピエロ』とかにした方がましやっ
たんちゃうか。  
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