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ブラット親爺のつっこみ映画評

ここ10数年映画館に行ったことがないブラット親爺が、DVDで観た泣ける映画、笑える映画、よーできた映画、しょーもない映画を関西訛りのつっこみを入れながら論じる格調高い(?)映画批評メルマガです。

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ブラット親爺のつっこみ映画評

2004/03/31

                         Vol.062 03/31/2004
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         ◇◇ブラット親爺のつっこみ映画評◇◇  
 
 戦場のピアニスト
 THE PIANIST(2002)ポーランド・フランス
 監督:ロマン・ポランスキー
 出演:エイドリアン・ブロディ、トーマス・クレッチマン、
    フランク・フィンレイ、モーリーン・リップマン、エド・ストッパード
 
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ネタバレになりそうな話の前には、◆◆ネタバレ注意◆◆がついています。まだ、
その映画を観ていない人は、そこから先はすっ飛ばして◆解除◆の後から読みま
しょう。ただし、読める部分があまり残ってない場合があります。(^_^)
 
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この映画は、ユダヤ系ポーランド人のピアニストの回想録を元にした映画である。
しかも、戦後すぐの時期に書かれたものやから、自身が体験した事実が生々しい
記憶として記されてたらしい。絶体絶命の危機に瀕して生き残る人と死んでまう
人が厳然としておる。実話に基づく話であるから、この映画の主人公は運がよかっ
たと言えばそれまでやが、生死の分かれ目は神様の思し召しとしか言いようがな
い気もするなぁ。

主人公のピアニストは何度も死の淵にまで追いつめられた。ところが、絶体絶命
とゆー瞬間◆◆ネタバレ注意◆◆奇跡的に芸が身を助けた。う〜ん、あのシーン、
普通の映画の一シーンやったら主人公がピアノの鍵盤に指を置いた途端、蓋が無
慈悲にも閉じられて、指を骨折させられる悪魔のようなナチスSS親衛隊とゆー
のが通り相場なんやけど、この映画では主人公のピアノの演奏に聞き惚れるナチ
スの大尉が結局彼を救ってくれた。この行為を何と解釈すればエエんやろう。
◆解除◆

個人が個人として行動できるときには、その人の普段の人となりに基づいた行い
ができるが、個人の思いとか感受性が封殺される情況では、非真人間的な悪行を
やすやすと行うことができるとゆーことか。ナチズムを集団的狂気として片づけ
てしまうことはできないが、確かに、軍隊は非真人間的環境の最たるものや。ヒッ
トラーの下で働いていたゲシュタポやSS親衛隊の連中、収容所の所員たちが、
自分のしてることに良心の呵責を感じなかったとゆー事実(?)に対する疑問は、
歴史的に繰り返されてきたが、きちんとした答えはでない。なにしろ良心とゆー
奴はすぐに封印されよるんや。人は簡単に非道な行いができる。戦場では相手
が敵であるれば殺せる。平時で人が人を殺すには、特別な事情が背後にあるはず
やったが、近頃の頻発する兇悪犯罪の報道を見てると、決して特別な事情がある
わけでもなく簡単に人が殺されることが多ーなった。戦場でなくとも相手を同じ
仲間と(極言すれば人間と)思わんかったら簡単に殺せるようや。 

話が映画から少し逸れてしまった。あの映画で特にすぐれている点として特筆し
たいのは、脚本家のロナルド・ハーウッドが語っている目撃者としての視点や。
大惨事や凶行をわたしたちは常に外部から見てる。内部から見ていた人はほとん
ど全て死んでまうのや。カメラだけが神の視点に立って何でも見通せるとゆーの
がこれまでのカメラワークやったが、この映画では、ワルシャワゲットーの蜂起
も、ドイツ軍の悪行も、主人公の目からしか描かれてない。つまり、窓からの眺
めとして描かれてる。確かに主人公はいつも窓から外を見ていたんやから、この
カメラワークは必然なのかもしれんが、説得力は大いにあった。 

ロマン・ポランスキーとゆー監督は『ローズマリーの赤ちゃん』や『チャイナタ
ウン』のなどの作品をその昔に観たことがあったが、嫁はんやった女優のシャロ
ン・テートがチャールズ・マンソン・ファミリーによって惨殺されたことや、
13才の女の子をレイプした罪で未だにアメリカに入国できないことなど、どっ
ちかとゆーとキワモノめいた映画作家とゆー印象が強かった。この映画では、そ
ういったキワモノ感は一切なく、歴史の証人に徹していた。

邦題の『戦場のピアニスト』の『戦場の』は余計なように思う。『THE PIANIST』
の方がこの映画の本質を端的に表してる。彼は兵士として戦場にいたわけではな
い。ユダヤ系ポーランド市民として、ワルシャワゲットーで暮らし、脱出後は、
ゲットーの外のワルシャワ市内で隠れ続けていたんや。ユダヤ人たちは一方的に
弾圧され、収奪され、殺されていった。そこは決してお互いが戦う戦場ではなかっ
た。 
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