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ブラット親爺のつっこみ映画評

ここ10数年映画館に行ったことがないブラット親爺が、DVDで観た泣ける映画、笑える映画、よーできた映画、しょーもない映画を関西訛りのつっこみを入れながら論じる格調高い(?)映画批評メルマガです。

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ブラット親爺のつっこみ映画評

2004/03/26

                         Vol.057 03/26/2004
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         ◇◇ブラット親爺のつっこみ映画評◇◇  
 
  リバー・ランズ・スルー・イット
  RIVER RUNS THROUGH IT.(1992)アメリカ
  監督:ロバート・レッドフォード
  出演:ブラッド・ピット、クレイグ・シェファー、トム・スケリット

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ネタバレになりそうな話の前には、◆◆ネタバレ注意◆◆がついています。まだ、
その映画を観ていない人は、そこから先はすっ飛ばして◆解除◆の後から読みま
しょう。ただし、読める部分があまり残ってない場合があります。(^_^)
 
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大歓迎!あんまりキツ〜イつっこみはやめてね。おっちゃんこう見えても、打た
れ弱いので。。。(@。@;) f_f_cat@yahoo.co.jp

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不肖わたくしことブラット親爺がフライフィッシングを始めて、かれこれ25年
になる。近頃は体力的に渓流の遡行がきつくなってきたのと、あまりにも魚が釣
れてくれないので、フライフィッシングに出かけるのは年に1・2度と極端に少
なくなってしまった。それにもかかわらず、若い頃に高嶺(値)の花で手が出せ
なかったオービスのバンブーロッドをネットオークションで落札してにんまりし
ていたりする。当時も今も腕の方はへぼだが、四半世紀前だからまだ魚はそれな
りに釣れてくれた。ただ、こちらはアマゴやイワナがお相手だから、あんな大き
な魚にはお目に掛かったことがない。せいぜい泣き尺どまり。川のスケールもぐ
んと小さい。なんでも箱庭的な日本の景色の中でも、まさに箱庭、石組みの日本
庭園のような趣の最上流域がホームグランドだった。それでも、釣り師の気分は
この映画とまったく変わらない。ひたすらグッドコンディションの魚と出会える
ことを夢見て、一歩一歩、上流へ、谷奥へと入り込んでいく。喩えは変だけど、
出会い系サイトでひたすらメールを送り続けている、どこぞの「もてない君」に
似たとこがある。いずれにしても釣り師は大概スケベである。つれない魚に振ら
れ続けてもしつこく同じ川に通い詰める。

この映画の時代には、アメリカでもまだキャッチ&ストマック(釣った魚を食べ
るってこと)が主流だったようだが、近頃の流行りは、キャッチ&リリース(釣っ
た魚を逃がすってこと)。魚がフライを見に来ただけでしっかりくわえてくれな
いときや合わせ損ねて逃げられたときは、タッチ&リリースと言う(か言わんか、
よー知らん)。しかしまあ、釣った魚をリリースするときの得も言われぬ幸福な
気分は、逃がした魚が矢のように泳ぎ去るのを見送るときの惨めな気分とは天と
地下1000メートルほどの隔たりがある。TVの釣り番組用語で、気にさわる
言い廻しがひとつある。それは、「口を使う」とゆー表現。どこかひどく下卑た
ニュアンスがあってどうにも馴染めないのは、私ひとりだろうか。閑話休題。な
んちゃってるけど、この文章全体が閑話だけどね。。。

この映画のように河原のあまりない川は、本来フライ向きとは言い難い。バック
スペースがないから、映画でも兄さんの方はロールキャストを使っている。ブラッ
ド・ピットのキャスティングは、ラインのループが気持ち広い気もするが、まず
まずだ。この映画では、カーボンロッドに色を塗ってバンブーロッドに見せかけ
ていたらしいが、スローテーパー気味のバンブーロッドの場合は、なかなかタイ
トなループを作るのは難しいから、バンブーであの程度のループが作れればまあ
合格か(何をエラそうに・・・)。ちょっとつっこみを入れると、魚を掛けて急
流でもみくちゃにされながら流されていったブラッド・ピットの帽子が、手で押
さえているわけでも、幼稚園児のようにあご紐付きでもなさそうなのに、脱げな
いのはどうしてか?これまで何度も川の中でこけて、帽子を流してしまっている
おっちゃんにとっては、不可解きわまりない。それと、足ごしらえがどうも普通
の靴っぽいのも気になる。フェルトソールのウエーディングシューズがいつ頃開
発されたものか浅学にして知らないが、ゴム底や革底では滑べりまくって、とて
もじゃないが釣りにならんよ。今年の夏にフェルトソールにもかかわらず斜めに
なった岩にのった途端、足元をすくわれ、グニっと捻挫した痛い経験から言うけ
ど、足ごしらえは腹ごしらえと同じくらい釣り師にとって重要だ。

ついでにもう一つ、つっこんどこか。釣り上げた魚の鼻先が丸っこいのもちっと
ばかし気になる。レインボートラウトに限らず、野生の渓流魚は鼻先がツンとと
んがっているもんだ。だって流れに向かってずっと泳いでいるのだから、水の抵
抗の最も少ないとんがり鼻になるのは当たり前やん。しかるに、この映画で釣り
上げた魚をお互いに見せっこするシーンの魚の鼻先は丸っこかった。そこいらの
リゾートホテルのレストランで出てくる養殖のレインボートラウトのムニエルな
んかは鼻先が丸っこいから、釣りをやってない(?)監督のレッドフォードは、
これでエエやんと思ったんかもしれんけど、監督がクリント・イーストウッドやっ
たら、オッケイ出さんかったやろな。あのおっさんもフライフィッシャーマンや
から。でも、まぁ、尾ビレが丸ゆーちわのようでなかったのはまだマシ。そう言
えば、以前カーター元大統領が忍野の桂川でフライフィッシングをしたいとわが
ままを言ったとき(ホンマわがままもエエとこや)、事前放流用に尾ビレや胸ビ
レの溶けてないピンシャン鱒を探すのがエラい手間やったとか。。。おっちゃん
が放流釣り場が嫌いな最大の理由もあのヒレの溶けた魚を見せられることや。あ
んな魚釣って何がおもろいねん。

この映画のブラッド・ピットは、我が『ブラット親爺のつっこみ映画評』のタイ
トルの元ネタになった俳優だから贔屓にしている。『ファイト・クラブ』『セブ
ン』『12モンキーズ』『セブン・イヤーズ・イン・チベット』『インタビュー
・ウィズ・ヴァンパイア』などの出演作も結構気に入っている。ハンサムだけど
癖のある役ばかりを演じる彼の役者としてのスタンスが気に入っている。この映
画でも、いかにもブラッド・ピットらしいエキセントリックさがよく出ていた。
なんか役者のキャラクターが先にあって、役柄のキャラクターが後からついてき
たような感じだ。映画の出来は、まぁこんなもんかな。西洋賢兄愚弟物の基本パ
ターンがベースのようだ。カメラワークは秀逸だ。深夜、ひとりで釣りのシーン
だけを眺めるでもなく眺めていると、心が喜びよる。釣りのビデオやDVDも結構
観たが、どうしても実技指導っぽい内容が多いので、心安らかに眺めるとゆーわ
けにはいかない。ただ、この映画のDVDはチャプターをいくつかまとめてハイラ
イトシーンを見せる構成なので、釣りシーンだけをピックアップするのに、早回
しやらのちょっとややこしい段取りがいるのが、玉に瑕。

さて、この映画を観てフライフィッシングを始めたとゆーおっちょこちょいが結
構多いらしいが、映画が公開された90年代初めとゆーのは、バブル経済が弾け
たころで、日本中の川がどんどんダメになっていく時期と重なっている。いや、
日本の川は、戦後の電源開発優先の国論に後押しされたダムの乱造、さらに、田
中角栄の日本列島改造論でズタボロにされたのだから、環境破壊はずっと以前か
ら始まっていたことになる。例の長良川河口堰ができたのが1995年だが、河
口堰のために長良川は激変してしまった。天然遡上鮎がほとんどいなくなった。
最近では放流鮎に依存しなければ、鮎釣りにならない。その放流鮎も冷水病で全
滅することしばしば。サツキマスも数が激減した。日本中の川で着実に変化が起
こっている。それも悪い方への変化が。アメリカのフライフィッシング事情はよ
う知らんが、日本では、フライマンは自然渓流を諦め、放流釣り場に出かけるそ
うな。何ともお寒い状況だ。映画の話から素寒貧な日本の釣り場の話に大きく脱
線してしまったが、この映画のようなナチュラルな川を夢想して日本の川に出か
けると、ことごとく期待を裏切られるとゆーことだけは請け合いだ。地球規模で
の環境破壊がこのまま続くと、人類は後30年で絶滅の危機に曝されるとゆー説
もあるくらいだから(と、言っても、おっちゃんはその前におっ死んでるだろう
けど)今のうちに見逃した映画をDVDでせっせと見とこと思う今日この頃であ
ります。こんなんで、この映画いっぺん見たろと思う人おるんやろか? 
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創刊日:2004-01-23  
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