
ブラット親爺のつっこみ映画評
ここ10数年映画館に行ったことがないブラット親爺が、DVDで観た泣ける映画、笑える映画、よーできた映画、しょーもない映画を関西訛りのつっこみを入れながら論じる格調高い(?)映画批評メルマガです。
ブラット親爺のつっこみ映画評
2004/03/23 Vol.054 03/23/2004
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◇◇ブラット親爺のつっこみ映画評◇◇
デッドマン
DEAD MAN(1995)アメリカ
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ジョニー・ディップ、ゲイリー・ファーマー、ロバート・ミッチャム
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ネタバレになりそうな話の前には、◆◆ネタバレ注意◆◆がついています。まだ、
その映画を観ていない人は、そこから先はすっ飛ばして◆解除◆の後から読みま
しょう。ただし、読める部分があまり残ってない場合があります。(^_^)
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開拓時代の西部を舞台にしているが、この映画を異色ウエスタンと片づけるには
変わりすぎている。ほとんどカルト教団のプロモーションムービーであった。少
なくともその手のニオイがぷんぷんしている。この映画の世界に引き込まれるよ
ーな連中が、あの教団にも引き込まれたんじゃなかろうかとゆー感じがしてなら
ない。別にこの映画がいけないとゆーんじゃないが。。。
◆◆ネタバレ注意◆◆のっけからカフカ的状況に放り込まれて当惑する主人公で
はある。主人公の当惑が観ているこちらにも伝染してくるとゆー仕掛けだ。はる
ばる西部の、たぶんそれもかなり北部の(夢のカリフォルニアの太陽燦々とは大
違いのじめっとして陰気くさい)町までやってきた主人公ウィリアム・ブレイク
は、ひょんなことでその町を牛耳っている会社(ここらはほとんどカフカの『城』
の雰囲気)の社長の息子を殺してしまう。お尋ね者になった彼をこれまたお定ま
りの3人の賞金稼ぎが追いかけてくる(中の一人が半端じゃない異常性格者。こ
の男を主役にしてもホラー映画の1本や2本作れそう)わけだけど、別にこの追っ
かけが映画のメインストリームではない。ウィリアム・ブレイクはノーボディと
名乗る不思議なアメリカ先住民の男に助けられる。その男は彼の胸から銃弾を取
り出すのを途中でやめてしまうから、正確には助けられたわけではない。何とか
死なずにいるといったところ。この状態が『デッドマン』とゆータイトルをつけ
た理由かも。主人公はその大仰な名前のおかげで男に気に入られるんだけど、か
なり監督のご都合主義がかいま見える。アメリカ先住民(インディアンと言う方
が手っ取り早いんだけど)の男の経歴がまたとんでもなくて、まるで大黒屋光大
夫かジョン万次郎のような前半生を経験していて、しかもウィリアム・ブレイク
の詩までちゃんと読んだことがあるとゆー結構インテリの男だったりする。(そ
んなアホな。実話だとゆーなら無理矢理納得させられるけど。。。)見ず知らず
なのに傷の手当てはしてくれるは、妙なイニシエーションはするは、はっきり言っ
て、一方が圧倒的に他方を支配するこんな関係性は危なすぎる。次は壺買わされ
るぞ。
さて、そろそろどうやってこの話を終わらせるつもりやと思いはじめた頃に、主
人公が死んだ子鹿と並んで横たわっているシーン(DVDのパッケージにあった)
が唐突に出てきた。「ははん、これで画面が暗くなってエンドロールがでてくる
んやな」と思いきや、なんと今度は補陀洛渡海になった。ここまで来ると、もう
「ええっ。何すんねん」状態。ジム・ジャームッシュもえらいとこまで行きよる
なぁ。洋の東西を問わず、魂のようなものをテーマに取り上げると、こんな結末
になるんかねぇ。あー。しんきくさかった。◆解除◆
この映画の伴奏はニール・ヤングの即興演奏だそうだが、ギタリストの即興演奏
だけだと安上がりではあるが、いかにも同人誌的な感じ。ジョニー・ディップは
『シザースハンド』の白塗りっぽい顔しか知らなかったけど、エキセントリック
係数でいえば竹中直人と同系統の役者やね。
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創刊日:2004-01-23
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発行周期:週1回〜不定期
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