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ブラット親爺のつっこみ映画評

ここ10数年映画館に行ったことがないブラット親爺が、DVDで観た泣ける映画、笑える映画、よーできた映画、しょーもない映画を関西訛りのつっこみを入れながら論じる格調高い(?)映画批評メルマガです。

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ブラット親爺のつっこみ映画評

2004/03/05

                         Vol.037 03/05/2004
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         ◇◇ブラット親爺のつっこみ映画評◇◇  
 
  勝手にしやがれ A BOUT DE SOUFFLE (1959)フランス
  監督:ジャン=リュック・ゴダール
  出演:ジャン=ポール・ベルモンド ジーン・セバーグ

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ネタバレになりそうな話の前には、◆◆ネタバレ注意◆◆がついています。まだ、
その映画を観ていない人は、そこから先はすっ飛ばして◆解除◆の後から読みま
しょう。ただし、読める部分があまり残ってない場合があります。(^_^)
 
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れ弱いので。。。(@。@;) f_f_cat@yahoo.co.jp

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ジャン=リュック・ゴダールの長編商業映画デビュー作。この映画を初めて観た
のは、多分1970年頃。どこぞの名画座でだった。ゴダールの名声は映画好き
青少年の間では神様のような存在として定着していたが、ゴダール本人はさらな
る革命的映画の方にずんずん突き進んで行って、この映画のよーな分かりやすい
映画はその頃すでに撮っていなかった。70年前後には『アルファヴィル』『中
国女』『ウィークエンド』などが立て続けにATGで公開されていたので、リアル
タイムに観ていたように思う。そして、『東風』に至って、まったくワケ分から
ん映画になった。その後は、あまり熱心な観客とはいえない。ヌーベルヴァーグ
に代わって『俺たちに明日はない』『イージーライダー』『真夜中のカウボーイ』
『明日に向って撃て!』など60年代末から次々と公開され始めたアメリカン・
ニューシネマが、分かりやすい反体制映画としてお客をゲットし始めていた。ブ
ラット親爺は、それでもまだよくヨーロッパ映画を観ていた方だと思うが、ゴダ
ールはさすがに敬遠気味だった。

しかし、この『勝手にしやがれ』と65年製作の『気狂いピエロ』の2作品は、
まさに疾走する青春の光と影とゆーか、「人生は死ぬまでの暇つぶしさ」とゆー
か、「僕は二十歳だった。これが人の一生で最も美しい年齢だなどとは誰にも言
わせまい(by ポール・ニザン)」とゆー感じのフランス・ヌーベルヴァーグの
代表作だ。ただ、当時はレンタルビデオ屋もDVDもなかったから、こーゆー映画
は一旦見逃してしまうとなかなか観るチャンスがなかった。

2作ともジャン=ポール・ベルモンドが主演。『勝手にしやがれ』の方はジーン・
セバーグ、『気狂いピエロ』の方はアンナ・カリーナが相手役。ウブなブラット
親爺は、タイプの異なる女優の魅力にぽーっとなってしまった。ジーン・セバー
グの役柄は、ソルボンヌに留学しているジャーナリスト志望のニューヨーカー。
いかにもアメリカの良家のお嬢さん風。この映画の頃はまだヒッピームーブメン
トはなかったが、10年遅ければきっとヒッピーになっていそー。当時パリに留
学することは、日本人にとっては相当ハードルが高かったが、アメリカ人の場合
はどーだったのかね?なにしろ1ドル360円の時代で、男子大学生がバイトし
ても肉体労働の場合700円〜800円が相場だった。時給とちゃうよ日給。そ
りゃまあ、よっぽど金持ちのぼんぼんかお嬢ちゃんでない限り、パリに留学する
のなんか夢のまた夢やった。ジーン・セバーグはアメリカ生まれなんだけど、こ
の映画の2年前の57年にフランソワーズ・サガン原作の『悲しみよこんにちは』
に主人公のセシル役ででているから、ヤンキー娘とゆーよりはパリジェンヌっぽ
いけれど。

一方のアンナ・カリーナは、どこかイケズの京女に通じるとこがある、これぞフ
ランス女、パリジェンヌの典型。(とずっと思ってたけど、ネットで調べたら、
生まれはデンマークのコペンハーゲンみたいやから、フランス人でもパリジェン
ヌでもない)ブラット親爺は、かいらしいジーンちゃんのよーなアメリカ娘と悪
女っぽいアンナちゃんのよーなフランス娘のどっちが恋人として理想的か?あの
当時、頭を悩ましたもんやった。(アホちゃうか)

この映画のジャン=ポール・ベルモンドは実にハマり役だった。顔は猿顔やけど、
身のこなしがいかにもフランス野郎とゆー感じで決まってる。こっちはパリ生ま
れやから、生粋のパリジャンやね。かなりヤバそーな奴、頭の配線がキレてる奴、
デスペレートな若造を演じさせたら天下一品だった。あんな風にタバコをくわえ、
あんな風に街を歩き、あんな風に女をくどくのがフランス野郎なんや。おっちゃ
んも若気の至りで真似してみたけど、なかなかあーは行かんかった。

今回、ほぼ30年ぶりにDVDで観たのだが、まったく腐ってなかった。製作時点
からすると44年もののビンテージや。モノクロだけど、それも賞味期限切れの
感じはしない。さすがに『天井桟敷の人々』は、思いっきり賞味期限切れとった
が。。。ベルモンドは相変わらずいかれた自動車泥棒だし、ジーンちゃんも相変
わらずヘラルド・トリビューンを売り歩いてるし、はじめのうちは、友人が撮っ
た昔のプライベートフィルムを久しぶりに引っ張り出して観ている感じがした。
町中を走っている車はどれも丸っこく、いかにもフランス車。刹那的、退廃的に
生きているアホなアンファン・テリブルが破滅的なエンディングに向かって突き
進んでいく青春映画として、最高の出来だった。ゴダール自身が密告する男の役
で出演しているとは知らんかった。あんたが国家権力に協力する側に立ってどー
するんや、とついついつっこんでしまった

この映画の原題はA BOUT DE SOUFFLE(息のかけらで=虫の息)とゆーらしい
が、それがなんで『勝手にしやがれ』なん?ベルモンドが盗んだ車を走らせてい
るときに、「山が、海が、街が嫌いなら勝手にしやがれ」とほざく台詞があった
が、DVDのパッケージにまで書いたーるがな。あれってどー考えても意訳っぽ
い。ホントはなんてゆーてるのかね?どなたか教えてちょんまげ。 

あの頃、ジャン=ポールの後になんと続くかと聞かれたとき、一般の人はベルモ
ンドと答えたが、分かりもせんのに実存主義哲学やらフランス文学やらを囓っとっ
た若造は、サルトルと答えたものだった。 「だから何なのさ」とつっこまれても、
返す言葉がないけど。。。 
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