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ブラット親爺のつっこみ映画評

ここ10数年映画館に行ったことがないブラット親爺が、DVDで観た泣ける映画、笑える映画、よーできた映画、しょーもない映画を関西訛りのつっこみを入れながら論じる格調高い(?)映画批評メルマガです。

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ブラット親爺のつっこみ映画評

2004/01/30

                         Vol.004 01/30/2004
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         ◇◇ブラット親爺のつっこみ映画評◇◇  

     蝶の舌 (1999)スペイン La Lengua De Las Meriposas 
     監督:ホセ・ルイス・クエルダ 
     出演:マニュエル・ロサーノ、フェルナンド・フェルナン・ゴメス、
     ゴンサロ・ウリアルテ、ウシア・ブランコ 

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ネタバレになりそうな話の前には、◆◆ネタバレ注意◆◆がついています。まだ、
その映画を観ていない人は、そこから先はすっ飛ばして◆解除◆の後から読みま
しょう。ただし、読める部分があまり残ってない場合があります。(^_^)
 
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この映画、久しぶりに観ている間に居眠りしてしまった。何とも脈絡のない話が
続くやないかと思とったら、やっぱりや。マヌエル・リバスとゆー作家の書いた
原作の映画化やった。しかも、原作は16の短編から出来ていて、そのうち「蝶の
舌」「カルミーニャ」「霧の中のサックス」の3つが映画のエピソードとして入っ
てるらしい。エピソードを順番に映像化したもんやから、肝心の少年と老教師と
の心の通い合いが中途半端な密度の薄〜いもんになっていた。小説を映画化した
もの、特に短編を寄せ集めてひとつにした映画は、『たそがれ清兵衛』もそーやっ
たが、どうもまとまりが悪いよーに思う。いっそのことオムニバスにした方がよ
かんたんちゃうか?映画のシナリオは太い本筋があって、そのまわりにちょっと
た小話程度のエピソードがあるのがちょうどよい。本筋から離れたエピソードが
ごちゃごちゃでてくると、話が見えにくなる。 

とゆーても小学1年生と定年間近の先生(ここはセンセと発音する)との間に生
まれる師弟愛ゆーのんも、小説の中だけの絵空事とちゃうやろか?現実の世界で
は、仰げば尊し我が師の恩ゆーのんは、中学生くらいになってもあんまり感じて
る奴おらんし、高校生になったら教師とは対等や思とる。先生の方も、ロリコン
やら、セクハラやら、援交やら、ろくでもないのがようけおるけど。。。 

この映画は、8才の子供が主人公とはゆーものの子供を対象にした映画やない。
子供には見せられんよーなどぎつい濡れ場が入っとる。つまり、大の大人である
観客が8才のガキに感情移入できるかできんかが、この映画で泣けるか泣けない
かの分かれ目や。おっちゃんは当然のことながら、こんな映画では泣けん。こん
なガキに感情移入せー言われても、そら無理でっせ。

◆◆ネタバレ注意◆◆ナイナイの岡村をもっとちっこくしたよーなモンチョ少年
が、老教師の薫陶を受けて自然界や文学に興味を持ち始める話が本筋なんやが、
その横から少年の腹違いの姉のどろどろした愛憎話やら、兄ちゃんの淡い初恋
(とも言えんほどのすれ違いざまの恋心)が生んだ奇跡のサックス名演奏やらを
つっこんだーるから、何が本筋の話なんかちょっとごちゃつく。姉と兄のエピソ
ードでは少年は単なる傍観者に過ぎず、少年の成長と大人の色恋沙汰はあんまし
関係おまへんやろとおっちゃんは画面につっこんでしまった。しかも、ご丁寧に
もこのガキッちょの初恋話まで入ってる。(また、少女の裸や。それもぎょうさ
んおるがな・・・映画監督はどいつもこいつもロリコンなんか?)スペイン人も
イタリア人と同じで、ラテン系やから色恋がすべてに優先するよーや。あんたら
女のケツ追っかける以外にやりたいことないのんか? 

そんなこんなで、話がすーすーしてるまに、最後の場面まで来てしまった。ここ
は、この映画の最大の見せ場とゆーことになってるから、映画をまだ観てなくて、
観てもええなと思てる人は、ここから先は飛ばしてね。思いっきりネタバレで、
しかもケチつけまくってるから、後から素の気持ちでは観れなくなるかも。。。 

スペイン領モロッコでのクーデター勃発が引き金になって、共和国支持者が検挙
されはじめると、いよいよスペイン市民戦争や。『誰がために鐘は鳴る』や。し
かし、この母親は亭主に政治的信条を曲げるよーに強要しよるし、8才の子供に
まで保守体制擁護派であることを表明させよーとしよる。ま、家族の生活を守る
ために、このおかん、必死やったのは理解できるが。。。常識で考えて、子供が
信念をもって自身の政治的立場を表明したりするはずないやろ。

おっちゃんが小学校の高学年の頃に60年安保があった。スペイン内戦と安保騒
動では根本的に違うけど、なんとなくテレビのニュースでなんか騒いでるなぁと
ゆーくらいの印象しかなかった。『スタンド・バイ・ミー』でも書いたが、小学
生時代のおっちゃんは、物心がついてなかったとゆーか、ひたすら靄のかかった
ような意識の中でぼーっと生きとった。モチロン今みたいにその日の出来事を根
ほり葉ほり解説してくれるニュースショーもなかったが。。。 

この子供が、アテーオ=不信心者やら、アカ=共産主義者やら、裏切り者やらの
誹謗中傷、罵詈雑言を吐くのは、単に母親から他の村人と同じよーにそー言えと
言われたからで、いわばオウム返しの口まね。言葉の意味も全然分かってへんや
ろ。 

そやから、最後に老教師の乗せられたトラックの荷台に向けて投石しながら(い
くら付和雷同は浅はかな人間の常やゆーても、このガキ何さらすんじゃ!)、最
後に「ティロノリンコ」やら「蝶の舌」なんてワケ分からんことを叫びよる。こ
れだって、この子がその言葉に重い意味を込めたとは、おっちゃんには到底思え
ん。こんなエンディングで泣けるワケないやろ。ガキが主役の映画はどーも性に
合わん。◆解除◆
 
老教師の方も、かつての教え子の蛮行に絶望してるよーにも見えた。しかし、も
しも少年の投げた石が老教師に当たって、血が流れ出しているにもかかわらず、
毅然と立ったまま少年に慈愛のこもった眼差しを注ぎつつける顔の大写しのストッ
プモーションがラストシーンやったら、おっちゃんも涙ぐんだかも知れん。。。
 
この映画で誉めたってエエのは、色彩のコントラストの強い映像ぐらいかな。ほ
とんどの人物は顔半分が影やった。色彩がいかにも情熱の国スペインの夏や。強
い光のあるところには、濃い影が出来るもんなんや。 

おまけのつっこみ。『蝶の舌』とゆータイトルやが、密吸うのは蝶の口とちゃう
か。舌が伸びたり縮んだりするのはカメレオンだけやろ。原作が『蝶の舌』やか
ら、しゃーないゆーたらしゃーないけど。今年の芥川賞を取った、ちょっとトン
ガッテる方の女の子の小説の中で「舌をヘビみたいに二股にする」ゆー話がでて
くるらしいが、このタイトル見たときに、なんかこの二股の舌を思いだしたわ。
気色ワル。。。 

追記
この映画の舞台になってるスペインのガルシア地方とゆーのは、スペインの中でも
特異な地域で、豊かな緑(そーゆーたら、スペインて暑くて乾いたイメージがあっ
たが、この映画で蝶々追っかけとったのは瑞々しい緑の森の中やった)に覆われ、
住民もケルト民族の血ィを引いてるらしい。ラテン系の情熱の国スペインとゆーよ
り光と影の国スペインの方やった。 
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