医学・薬学

Dr.Nの医療に関する悩み、質問、相談所

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創刊日:2004-01-20  
最終発行日:2004-11-29  
発行周期:週刊  
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Dr.Nの医療に関する悩み、質問、相談所 第43号・過敏性肺臓炎について

2004/11/29

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Dr.Nの医療に関する悩み、質問、相談所 

第43号・過敏性肺臓炎について

毎週月曜日発行

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第42号・過敏性肺臓炎について===========================================


読者の皆様には、これまで、「Dr.Nの医療に関する悩み、質問、相談所」を
ご愛読いただいたきまして、本当にありがとうございました。


今号が最終号です。


ご質問は編集させていただいています。



<質問>-----------------------------------------------------------------


今後過敏性肺ぞう炎を取り上げて頂きたくお願いのメールをしています。 


私の母が5年前よりぜんそくの様な咳をしていてずっと治らないなーと思ってい
たら、家のかびに対するアレルギーで反応していることが分かりました。


家を建て替えるしかないのですが、店もやっていてなかなか進みません。環境を
変えるために家をなるべく出るようにしていますがだんだんひどくなって肺線維
症になり、CT上線維化の部分も広がっているようです。


ステロイドは発症当時飲んでいましたがあまり効かないので今は飲んでいません。
肺線維症は10年生存率が20%と読んだことがあるのですが本当でしょうか? 


科学物質過敏症やシックハウス症候群などアレルギーによる呼吸器の病気が増え
てきて怖いです。私も家にいるときアレルギー反応が出たので家を出ました。原
因は不明です。家がクリーニング屋をやっているので化学物質かかびかほこりだ
と思っています。 


対処方法など教えて頂けたらうれしいです。よろしくお願いします。 



<回答>-----------------------------------------------------------------


過敏性肺臓炎に関するご質問です。

以前、好酸球性肺炎について取り上げたことがありますが、この過敏性肺臓炎も
「間質性肺炎」の一種です。

通常、肺炎、といいますと細菌やウィルスといった外敵が肺の中に侵入して起こ
るものですが、これらの「間質性肺炎」はそういった外敵がわかっておらず、ア
レルギー反応などが原因ではないか、と考えられているのは以前書いたとおりで
す。

しかしこの過敏性肺臓炎は、過敏性、という言葉でわかるように、アレルギー性
であることがわかっている病気です。日本では主に家に生えているある種の真菌
(カビ)が原因で肺にアレルギーが起こり、肺炎を来します。ちなみにぜんそく
は肺ではなく気管支のアレルギーです。


症状は多彩で、急性のものと慢性のものがあります。肺の症状としても軽くてあ
まり症状のないもの(健康診断で発見される)から、咳、痰、発熱、呼吸困難が
生じて生命に関わる状態までさまざまです。


急性のものは、抗原(アレルギーの原因となる物質のこと、この場合カビを指し
ます)を吸わなくなれば治りますが、慢性のものになると、だんだん進行して肺
が硬くなって縮んでくる「肺線維症」という病気になります。


治療法は、カビのいない環境に住むのが一番確実です。それだけでは不十分な場
合や、症状の強い場合は、原因の分からない炎症ということで、強力な抗炎症薬
であるステロイド薬を使います。


急性のものはおおよそこれらの治療でよくなりますが、慢性のものの一部は治療
が難しく、肺線維症が進行して命に関わることもあります。


例えば慢性の場合、どの程度の方がどの程度悪くなるか、ということに関しては、
色々と統計上の難しい問題があり、一言では申せません。



過敏性肺臓炎とはちがう、特発性肺線維症、という病気があります。これも原因
不明の「間質性肺炎」の1種ですが、見かけ上慢性の過敏性肺臓炎に似ています。
時々混同されることもあります。

これの古いデータでは、「診断された時点で平均余命5年」と言われていました
が、今ではかなり伸びているようです。

あくまでこれは目安の数字です。



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質問者の方のお母さまは、慢性の過敏性肺臓炎であるとのことです。

今の家の中に生えているカビが原因であるようです。



とすれば、治療の第一はカビを除去することです。これしかありません。



しかし今家の中に生えているカビをすべて取り去ることはなかなか簡単ではあり
ません。カビ除去剤などでふき取っても、菌糸(カビの土台)は残っていてすぐ
また生えてきます。

そこで言われるのが、「立て替え、改築」です。言葉で言うのは簡単ですが、実
際は大変なことです。



そこで、他に対処方法はないか、というご質問です。

上に書いたようにステロイドも治療法の一つですが、慢性の場合、長期に使用す
ることになり、効果と副作用を天秤に掛けると、必ずしも勧められるものではあ
りません。

その他使える治療法、となりますとあまり思い当たるものはありません。



カビを吸い込まない、ということに尽きるわけです。


吸い込まないための工夫はいくつかあります。



1.カビが生えている部屋を特定する

目で見えるカビだけでなく、カビを実際に採取する必要があります。主治医に相
談してみてください。


2.カビの生えている部屋には入らない

入る必要があるときには、目の細かい専用のマスクを着用します。


3.目に見えるカビはすぐ除去する

まめに掃除が必要です。もちろんその際には徹底的な換気が必要です。また、か
びが生えないようにするためにも通風、乾燥は重要です。


しかしながらこれらを実践しても、根本的な解決にはなりません。



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私だったらどうするか、考えてみました。

一番はやはり改築です。それが無理だったら・・・安いアパートなりに住まれて
今の家を賃貸に出すのはどうかと。もちろんお店にもなるべく行かない、どうし
てもの時はマスクで。

ともかくカビに触れない、吸わないためにどうすればいいのか、その観点で主治
医ともよく相談してくださいね。



<Dr.Nより>-------------------------------------------------------------


先日の臨時号でもご案内いたしましたとおり、このたび新たに
「発表!ぜんそく大事点」を発行しております。


これまでに頂きましたぜんそくに関するご質問は「発表!ぜんそく大事点」内で
お答えして参ります。ご理解のほど、お願い申し上げます。


まだの方は、ご登録を⇒ http://www.mag2.com/m/0000142717.htm


ぜんそく以外の病気に関するご質問には全てお答えできたかと思います。

読者の皆様には、これまで、「Dr.Nの医療に関する悩み、質問、相談所」を
ご愛読いただいたきまして、本当にありがとうございました。



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Dr.Nの医療に関する悩み、質問、相談所 発行人 Dr.N

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