政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針5216 号  2019・11・2(土)

2019/11/02


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 わたなべ りやうじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5216号
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      2019(令和元年)年 11月2日(土)



雀庵の「台湾清軍は講和拒否、日本は討伐へ」:“シーチン”修一 2.0

         後出しジャンケンで「魔女狩り裁判」:Andy Chang

               シリコンバレーの様変わり:宮崎正弘 
   
            
               
                      話 の 福 袋    
                       反     響
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雀庵の「台湾清軍は講和拒否、日本は討伐へ」
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          “シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/44(2019/10/31)】日清戦争(明治27年
/1894〜95)に出征した父方の祖父は唇が歪んでいたが、戦傷だった。怪
我で済んだのは幸いで、わが村では 人の名が鎮魂碑に刻まれている。

日清戦争について多くを書きたいが、この連載の主人公は「台湾」だか
ら、その線で行く。が、すぐに脱線する。

「日清食品」、日本と清国? なんか関係があるのかとWIKIを覗いたら
ビックリした。「四つの祖国」日清台中版そのものだった。

<安藤 百福(あんどう ももふく、1910年〈明治43年〉3月5日 - 2007年
〈平成19年〉1月5日)は、日本の実業家。日清食品(株)創業者。インス
タントラーメン「チキンラーメン」、カップ麺「カップヌードル」の開発
者として知られる。

日本統治時代の台湾出身の台湾人で、元の名前は呉百福(ウー・バイ
フゥ)。台湾本島人のため戦後は中華民国籍となり、1966年(昭和41年)
に日本国籍を再取得した。

1948年(昭和23年)に(株)中交総社(後の日清食品)を設立し、日清食
品の代表取締役社長、代表取締役会長、創業者会長を歴任。(社)日本即
席食品工業協会会長、(財)安藤スポーツ・食文化振興財団理事長、
(財)漢方医薬研究振興財団会長、世界ラーメン協会会長、(財)いけだ
市民文化振興財団会長などを務めた。池田市の名誉市民。位階・勲等は正
四位勲二等>

「中交」とは氏が1947年に名古屋で開校した「中華交通学院」の略だろ
う。激流の中を知恵、努力、忍耐で「食卓革命」をなし、世界を制覇した。

「チキンラーメン」は1958年の春に米国で発売。「輸出促進、ドルを稼
げ!」が国策だったから、在米華人の大市場を狙ったのだろうが、手ごた
えは十分。その夏の8月25日には「チキンラーメン」という名で日本でも
発売した(当時の社名はサンシー殖産)。

同志諸君! その頃日本では何があったか、思い出してほしい。11月27
日、皇太子明仁様と正田美智子様のご婚約発表、「ミッチーブーム」開始
だ! 美智子様の父上は「日清製粉」の創業家二代目! 12月に百福氏は
「日清食品」に商号変更した。「日本と清」でもあるし「日々清らか」で
もある。アイディアマンの百福氏なら「ヨッシャーッ」と飛びついてもお
かしくはない。実際、ミッチーブームで「日清」の知名度はグーンと上が
り、売上も急上昇したとか。

翌59年にはテレビ放送が始まる。「テレビでご成婚パレードを見よ
う!」、とても高額(庶民の年俸ほど)だったがテレビは急速に普及した。

このパレードを小2の小生は友達「正ちゃん」の家で見た。彼の父は国鉄
勤務。「三代国鉄一家」が珍しくない時代で、官舎があり、当時としては
優雅な暮らしだった。テレビは四畳半の部屋に鎮座していた。パレードは
子供には興味がなかったが、チキンラーメンのCFを見た記憶、部屋の隅で
穴開きの50円玉を拾った記憶がある(戻しておいたが)。

テレビの普及、共稼ぎの増加などで手間がかからない即席麺は普及す
る。蕎麦屋のラーメンが50〜60円ほどの時代に35円は手頃だった。閑話休題。

日清戦争は明治28/1895年3月から下関で講和会議が始まったが、停戦に
はまだ至らなかった。石光真清の手記「城下の人」から。

<十三里台(遼寧省・遼東半島の大連近郊)に1か月駐在、明治28年4月
17日には下関で講和条約が調印され、台湾と遼東半島を日本に割譲し、2
億両(テール)の賠償金を支払うことになった。

ところが遼東半島の割譲については露独仏が共同して日本に異議を申し
入れ、いわゆる三国干渉によって一週間後の4月23日、日本政府は永久放
棄を宣言し、悲憤の声が全国に湧いたのであった。

このような不当な干渉を受けたとはいえ、東海の一小国であった日本
は、世界の視聴を集めて、眠れる獅子の大清国を打ち据え、国際的の舞台
に上ったのである。

5月17日、わが近衛師団に台湾守備の命令が下った。守備と言っても、台
湾の清国軍は降伏を拒否していたから、実際は台湾討伐であった。

旅順港から部隊とともに乗船して台湾に向かったのは22日であった。5月
29日に上陸、6月2日午前8時を期して瑞芳の敵を攻撃する命令が下った。

中隊長以下、ことごとく初陣で、海千山千の荒武者がいなかった。目標
の瑞芳という村は木こり道が不規則に山に通じているだけであった。戦闘
開始が午前5時頃、木こり道で展開できないので重体のまま進んで、全員
伏せの姿勢で様子をうかがった。

村落の土煉瓦の家屋に銃眼が作られていて、私たちを目標に盛んに射ち
込んでいる。このまま飛び込んだら損害が大きいなと考えた。しばらく
じっとしていた・・・しかし、隠れるべき安全な地物もない。すでに千九
の第一中隊は突撃して、肉弾戦を演じているらしいのだが・・・

この頃から、どうも目の先が暗くなって、敵の所在もよく見えないし、
そのうち耳までが遠くなって、小銃の音さえがよく聞こえず、方角が分か
らなくなった。おかしいなと思ってしばらくじっとしていたが、こうして
いても仕方ないと思ったから、私は思い切って大声を出し、一直線に村落
の中に飛び込んでいった・・・>

さてさてスポーツなどでも「デビュー戦」は緊張する。プロ新人で「黄
金のルーキー」と期待された長嶋と既に球界を代表するエースだった金田
の初対決は長嶋の4打席連続の空振り三振だった。長嶋は緊張のあまり、
初陣の石光真清のような一種の心神耗弱、心神喪失的な状態だったろう。

家康は初陣の馬上で知らぬ間に脱糞していたという。小生も予想もしな
かった行動で突撃し、30人ほどの機動隊の中に空から降った、正確には降
下したのではなくクレーン車のアーム上で暴れていたが、運転手がアーム
を下げたので引き吊り落とされたのだが。「降臨」という伝説・・・には
ならないな。

ま、当時から発狂を繰り返していたわけで、小生は「ただのバカかキチ
〇イ」だが、カンカラ菅直人は機動隊のボス佐々淳行から「アジは上手い
が、逃げ足の速い第四列の男」と侮蔑された。3.11大震災による原発事故
で小沢一郎は岩手からさっさと逃げたというが、コワシヤは自分の品格も
壊した。その後は鳴かず飛ばず。

純ちゃんの息子、角栄の娘、鳩山一郎の孫・・・「祟り」だな。

発狂亭“ウッズ復活、ワタシハイケナイ”雀庵の病棟日記から。

【措置入院 精神病棟の日々(161)2017/1/19】産経、西尾幹二先生
「正論 相手の剣幕にひるむ外交を憂う」、曰く「日本人も本当に怖い国
際世論からは逃げているので、情緒的韓国人と似たようなもの」。他虐史
観と自虐史観、目くそ鼻くその類だな。

害務省の解体的出直し、レッドパージをしないとダメだ。リベラル≒アカ
モドキは大反発するだろうが・・・

河崎真澄「中国では(トランプ)こき下ろし」、中共では「川普」「特
朗普」と当て字されるそうだが、トイレットペーパーに顔写真を印刷して
“鬱憤”を晴らしているようだ。“鬱糞”・・・いかにも下劣で、いかにも中
共的。

「英たばこ大手が米同業(レイノルズ)買収、世界首位に」。“ケントさ
ん”ことBAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)が1位の“ラークさ
ん”ことPM(フィリップ・モリス)を抜いた。3位のJTもM&Aで追ってい
る。Mergers(合併)& Acquisitions(買収)でメジャーでないと勝ち組
になれないのは、他の業界でも同じだ。飲み込まれないためには強くなる
しかない。(つづく)2019/10/31






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後出しジャンケンで「魔女狩り裁判」
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           Andy Chang

調査を一か月以上も続けてから後出しジャンケンで「魔女狩り裁判」
を正当化するための議決である。


10月31日、ペロシ議長は「トランプ大統領の弾劾調査を合法化する」
ため、議会で正式に提案し、全体議員の簡単な意見発表の後に議決を
取り、賛成は民主党232票、反対が共和党194票と民主党議員2票で
賛成232、反対196で弾劾調査案を通した。

トランプ弾劾を票決したのではなく、一月前に民主党のペロシ議長が
議決を取らずに決定した弾劾調査を改めて総会で議決を取って合法化
した、つまり後出しジャンケンである。違法と指摘されてから民主党
多数の議会で票決を取っても違法を合法化できない。

ニクソンとクリントンの弾劾調査は正式に国会下院で弾劾調査を票決
したあとに調査を開始し、両党の議員が公平に証人喚問、資料要求と
公開討論を行った。今回はペロシ議長が調査を宣言し、独断でシフ委
員長に調査を任せた。シフ委員長は調査を非公開にして独断で証人喚
問を行い、トランプに不利な情報だけを公開し、共和党議員の参与を
限定し、証人にトランプ有利な証言だけを限定するなど、民主国家で
は決してありえない独裁的な秘密調査を糾弾されていた。調査を一か
月以上も続けてから後出しジャンケンで「魔女狩り裁判」を正当化す
るための議決である。

議決ではトランプの不正疑惑について公開証言を行う権限をシフ委員
長に付与すると明記し、これまでの非公開証言も「一部を除き」公開
するとした。全部を公開しないとしただけで調査がトランプ罷免の陰
謀、公明正大でないことがわかる。

シフ委員長が調査を始めたのはある密告者の告発があったからである。
トランプがウクライナの総統に2020年選挙に名乗りでたバイデン元
副大統領の調査を頼んだことで、トランプが政敵の調査を外国の総統
に頼んだのが不正行為だと言うのである。

事実はそうではない。トランプが直ちに公開したウクライナ総統との
電話記録にバイデンの名前は一度も上がっていない。トランプはウク
ライナのガス会社、Burisma の汚職調査を依頼したのである。

Burisma はバイデンの息子を顧問に雇って毎月5万ドルの月給を支給
していた。ウクライナの検察がBurisma の汚職調査を始めたのでバイ
デン副大統領は米国の支援金10億ドルを使って、6時間以内に検察官
を罷免することを要求した。しかもバイデン自身がこの事を得意にな
って喋ったビデオ記録がある。報道によるとハンター・バイデンは
Burismaから月給をもらい始めたあと、一度もウクライナに行ったこと
がない。つまり月5万ドルは賄賂である。

密告者はシフ議員や幕僚と共謀してトランプを告発したことが判明し
た。つまりシフ陣営が告発をでっち上げたのだ。これが判明したので
シフ委員長は密告者の喚問も告発の内容も公開しなくなった。報道で
は密告者がバイデンの陣営で働いていたと言う。つまり左翼メディア
は密告者が誰か知っているのだ。まさにシフ議員が密告者と共に仕立
てたトランプ罷免の陰謀の証拠、密告者ではなくて共謀者である。

下院が大統領罷免を決議しても上院で3分の2の賛成がなければ罷免
は失敗する。Deep State が罷免調査を続けるのはメディアの偏った報
道でトランプ嫌いな国民が増えて選挙に有利となるからだ。

トランプが大統領に就任してから3年のあいだ、Deep Stateはロシア
癒着で特別検察官を任命し2500万ドルを使っても罪の証拠を見つけ
られなかった。国会の三委員会がトランプの違法を調査しても罪の証
拠はなかった。今回はウクライナ疑惑をデッチ上げて弾劾調査にたど
り着いたがどうせ上院で却下される。民主党は国政をほったらかして
トランプ罷免に熱中しているのだ。国民はバカではない。来年の選挙
は民主党惨敗、トランプ圧勝となるだろう。




               
          
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シリコンバレーの様変わり
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)10月31日(木曜日)
         通巻第6258号  <前日発行>
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 シリコンバレーの様変わり。「中国企業は出て行け」
  反対にインド企業は大歓迎、リベラルなアメリカ人も変心
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「インドは法治と民主主義の国であり、われわれと価値観を共有してい
る。くわえてインドは中国との関係が緊張している」。 
 
という理由でシリコンバレーはインド人技術者、インド企業を大歓迎。正
反対に中国人は解雇、中国企業には警戒、できれば「さっさと出て行って
欲しい」と思っている。

シリコンバレーは明確に民主党贔屓、リベラルな考えをもち、トランプに
は批判的である。というよりトランプ大嫌いの若者が多い。にもかかわら
ずシリコンバレーは中国を警戒する点ではトランプ政策より先を走ってい
るのである。

 2015年9月だった

習近平はワシントン入りする前に西海岸のシアトルを訪問し、アマゾン、
アップル、ボーイング、そしてマイクロソフトのCEOと会った。
習は、これらアメリカのトップ企業幹部に「研究開発センターを中国の置
くように」とかなり強圧的に要請した。

[MADE IN CHINA 2025]に協力すれば、こうした米国
企業の中国市場での活動を優遇する、と。このとき習近平との会談に臨ん
だ企業CEOは誰一人として習近平と一緒に写真を撮らなかった。

2015年九月の同じ週にインドのモディ首相はシリコンバレーを訪問し
た。スタジアムに一万八千の在米インド人をあつめて、インドの市場開放
政策を訴えた。モディはシリコンバレーで、ファイスブック、ツィッ
ター、グーグル、アップル、テスラなどの幹部達と会談した。
 
シリコンバレーで働くインド人技術者は夥しい数を誇り、彼らは開放的で
あり、民主主義の価値観と法治のルールになじみ、中国人のように非合法
でもテクノロジーをもぎ取ろうとはしない。「中国人と比べるとビジネス
マナーは公平だ」とシリコンバレーの企業幹部は褒め称える。
 
米中貿易戦争の勃発以後、米国に於ける中国からの投資は激減した。鮮明
すぎるほどの下落ぶりで、ファーウェイ米国支社は将来に見切りをつけ、
600名を解雇した。


 ▲中国がこのまま引き下がるはずはない、次の作戦は2020年秋、大
統領選挙直前に何かをやらかすだろう

ペンス副大統領はウィルソンセンターの演説で言った。「中国は現在とは
違う大統領をのぞんでいる」。

あの執念深く、執拗な中国がこのまま引き下がるはずはない、中国の次の
作戦は2020年秋、大統領選挙直前に何をやらかすか、だ。

中国は強力なハッカー部隊を誇り、偽情報、市場操作など得意技である。
大統領選挙直前に株価操作、マッチポンプで、ウォール街に大暴落を起こ
せば、トランプ再選は危うくなる。金融危機の人工的操作が行われると
『アジア・タイムズ』が警告した(同紙10月25日)。
    
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1978回】           
 ――「臺灣の事、思ひ來れば、感慨無量・・・」――田川(15)
田川大吉郎『臺灣訪問の記』(白揚社 大正14年)

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「列強の政治を動かしていた」勢力が恐れていたのは、なによりも「『現
地人』の発展」だった。その「『現地人』の発展」を積極的に推し進めよ
うというのだから、田川の「臺灣統治策」は西欧列強による殖民地統治の
常識とは確かに大きくかけ離れている。

つまり西欧列強のモノサシでは非常識である。そこで、なにか良からぬ下
心でも隠しているのではないのか。こう日本は痛くもない腹を勘繰られて
しまう。

かりに当時の日本がシベリやアフリカ、さらに南北アメリカなどを押さえ
ることになった場合、田川の説く「同洲同文の人種」は統治のモノサシに
はならないだろう。であればこそ、田川が台湾統治に関してイギリスによ
るインドや香港における統治の仕組みを持ち出すことは、どう考えても筋
違いだ。

台湾統治に際し現地人を積極任用するとして、それを効率的に進めるため
に「本邦通譯生を任用」せよと説く。それというのも「第一、彼等の執務
を監督し、第二、彼等に日本の政治主義、方針、運用の方法等を説明し、
領解せしむる」に極めて有用だからだ。だが、任用に当たってはそれ相応
の待遇で遇するべきだと付け加える。

台湾の「多數の人民は、今も猶ほ不文にして、外國の形勢を知らず、未開
の状態に、桃源の夢を貪りつゝあり」。そうなっているのも「?育の澤に
浴」していないからである。だが、だからといって「我が政府は、臺灣の
文明の低度なるを奇貨とし、多年、使ひ古したる内地の吏員を、こゝに移
し込」むようなことをしてはならない。反発されるだけだ。

なによりも総督府は「青年有爲の士の瘴癘を侵し、前人未踏の地に入り、
日本のため、拓土植民の素を開くを期すべ」きである。

統治に当たって台湾島民を任用し「本邦通譯生」の活用に加え、台湾のこ
とを熟知する西洋人の雇用を考えるべきだ。それというのも日本人にとっ
て台湾は未知の地である。

だが「西洋人等は臺灣島にも亦其他未開地に於る例の如く、先年より遺利
を此地に探り、事業を起し、事業を營み、?會を立て、學校を設け、臺灣
の開發のため、相當盡力しゐたれば、臺灣人の此れ等西洋人を信ずること
頗る厚く、現在の居留者は、至つて少數なるに拘はらず其臺灣人間に有す
る勢力は、割合に多大なり」。

だから田川は「若し外人の中、臺灣の實情に明るく、かねて多少の吏才
あり、技能ある者あらば、之を擧げて顧問とし、我が政府の參畫に資せし
むること」が肝要だ。「聞く所に據れば、彼等の中には、數十年斯土に住
み馴れたる者あり、能く斯土の言語を知り、風俗を知り、?史を知り、産
業を知り、臺灣の婦人を娶り、臺灣の習慣に親しみ、臺灣を墳墓の地と定
め、一意斯土斯民のために貢献せんと志しつゝあ」る者があるわけだか
ら、「其占領せる新附の土の殖民政策に、外人の忠告を容るゝを躊躇すべ
き」ではない。


次いで田川は警察制度と民兵組織の面から、「人心を安堵せしむる道」を
提言する。

現状の台湾統治は「島民を信用すること厚からず專ら守備隊、憲兵隊の威
力に由り、威壓的に、之を控制したるは疑ふべから」ず。だが「今日に在
つては、最早や此の如き過嚴の警戒を必要」としない。だから治安維持は
軍隊ではなく警察に任せ、「此の警吏も、成るべく多くを島民中より採
り、臺灣の島民をして、自ら衞り自ら安んずる方針に依らしめる」べきだ。

「元來護國は其國民の務め」であるからこそ、「矢張り臺灣人をして、臺
灣の土を守らしむるが、兵制上にも至當の事なるべし」。

日本兵を台湾に派遣する事も、島民を防衛の任に就かせない事も「齋しく
國家の不利に歸す、其原因は要するに臺灣の島民を信ぜざるに在り」。
台湾を守るに島民以上に「適當の壮丁あらんや」。やはり島民を信ぜよ、
となる。
            
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読者の声 どくしゃのこえ  READERS‘ OPINIONS  
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(読者の声1)貴誌前々号(通巻6256号)にある香港の黄之峰氏の香
港区議選立候補拒否事件ですが、NHKの朝のニュースでもかなり大きく
取り上げていました。NHKは「区議選」ではなく「市議選」としていま
したが?

それから黄氏は、「香港独立派」ではないのですね。「完全な自治」を要
求しているとしていますが、独立の気概がなければ、運動の先頭に立てな
いのではないですか?(HI生、神奈川県)


(宮崎正弘のコメント)中国の支配を受けない完全自治とは独立と同義で
す。ただ、香港独立を言えない理由は単純にして明快です。

「物理的に無理」だからです。水と食糧を中国大陸に依存していますから。
 
黄之峰くんは独立を言う陳浩天(香港独立党)らと比べると迫力はないけ
れど、一応、民主化運動のイコンの一人であり、スポークスマン役として
は適役でしょう。

過激派は指導者が誰なのか不明ですが、香港市民の多くがまだ秘かに共鳴
していて、露骨な反対をいうのは親中派企業ならびに商店主らですね。気
になるのは彼らの目的がフランス革命を理想としていること。いずれ危険
思想に陥没しやすいので、要注意です。

「区議選」と表記したのは、事実上、区議レベルですから。市議というの
であれば、香港立法府が、日本で言えば市議会でしょう。



  ♪
(読者の声2)「正論を聞く会」のご案内です。来る11月21日、講師
は三輪和雄さんです。予約不要、どなたでも御参加いただけます。

            記

とき   11月21日(木)午後6時半
ところ  産経プラザ三階大会議室(東京都千代田区大手町1−7−2)
     https://www.kaigishitu.com/detail/12873/
講師   三輪和雄(「正論の会」代表)
演題   「迫り来る国難をどう迎えるか」
参加費  1500円(学生千円)
連絡先  (03)3407―0637



       
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重 要 情 報
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◎単語重視の英語教育の成果か?:前田正晶

毎度お馴染みのカタカナ語批判である。30日に日本語の一部と化している
とカタカナ語の例として「スタッフ」、「トラブル」、「チャレンジ」、
「アドバイス」、「サポート」、「ジューシー」、「フルーティー」、
「ボリュウミー」、「パワー」、「メンタル」、「ポジティブ」、「コラ
ボ」、「ワンコイン」、「コンプレックス」、「フリップ」等々を挙げ
た。これらの中には英語ではない造語も含まれているが、本当の英語の単
語である例の中にも、アメリカ人等の外国人が使ったのも、私自身が使っ
たことも聞いたこともない単語があるのが不思議なのだ。

例えば「トラブル」は既に何度も採り上げたが、カタカナ語の「トラブ
ル」にはジーニアス英和に最初出てくる「心配、苦労、悩み」の意味で使
われていることは先ずないのだ。それどころではなく、寝ないで?思い出
そうとしたのだが、20年以上もの間のアメリカ人の中で過ごした中で、こ
の“trouble”という単語を使ったことも、彼ら使った例の記憶もなかった
のだった。ジーニアス英和にあるような熟語の意味の事を言おうと思えば
恐らく“problem”か“worry”か“difficulty”とOXFORDにあるような言葉を使
うか、clauseのような形で表現すると思う。

これも何度も指摘したことだが、我が国の英語教育では漢字に含蓄がある
ものが多いので、それと同じような表現力がある英単語があると思わせる
ように教えているのではないかと疑っている。そういう言語ではないと認
識すべきだ。悪い例だとして何度も採り上げた“grow”即ち「成長する」と
いう言葉を知らなかった方が、“children become big”と言われたと批判
した。だが、このように簡単な単語を並べてと言うか「言い換える形」で
表現するような柔軟性を持つことは必要だと思っている。

アメリカ人の中にいて語り合っていれば、慣用句や口語体を含めて所謂易
しい単語だけで会話が成り立っているのだ。この辺りを別な言い方をすれ
ば「学校教育では口語と文語を別けて教えておくべきだ」となる。失礼を
顧みずに言えば、安倍総理の通訳を務めておられる外務省の方は見事な英
語に訳されているが、そこに使われている単語は難しいというか固いとい
うか文語体の格調の高い言葉を選んでおられる気がする。総理大臣ならば
格調高くて当然かも知れないが、トランプ大統領の語り口などは言わば余
りにもざっくばらん過ぎることが多いのと対照的だ。

話が固くなったので柔軟剤を投入すれば、私はアメリカ人と何百回食事を
したか記憶もないが、「ジューシー」だの「フルーティー」だのという言
葉を聞いた記憶はない。それが平然としてカタカナ語化されて「食レポ」
とやらに当たり前のように登場するのは恐ろしい。昨夜のPrime Newsに登
場された額賀福志郎は韓国の日韓議連の議員たちに向かって「レベル」だ
の「スムース」だのというカタカナ語を使っていたが、同時通訳を務めて
いた女性たちはどうやって韓国語にしていたかと非常に興味があった。

「レベルアップ」などは日常的に使われているが、何度も指摘したことで
「アップ」は動詞ではないのだ。プログレッシブ和英には“to improve
the level”だったかとされていたが「(技術の)水準を改善か向上する」
という意味のつもりだろう。「議論をスムースに進める」というのは最早
日本語として普通になっていると恐れている。だが、これを英語にしろと
言われると、今や衰えた私の力では苦心してしまう。

と言うのは“Negotiation went very smoothly.”とはならないと考えてし
まうからだ。であるから、どんなに一所懸命に考えても“We negotiated
the matter without any problem.”か“Our negotiation went very well
and reached the conclusion as fast as planned.”くらいしか思い浮か
ばなかった。これもあやふやだと危惧するのだ。

「パワー」にしたところで、今やごく普通に「運動選手たちが体格と体
力が優れていて筋力があって力がある」という意味でしか使われていない
と思う。だが、ジーニアス英和には「・・・に対する権力、勢力、(法
的)権限、支配力」が真っ先に出てくる。OXFORDには“the ability to
control people or things”初めに出て来て、次は“political control of
a country or an area”であって「腕力」や「筋力」とは両方の辞書には
いきなり出てこない。それが何故か「外人選手はパワーがある」などと当
たり前のようになってしまっている。私の記憶ではこれも日常的には出て
こなかった。

ここまで批判してきて何が言いたいのかと言えば「如何なる理由か根拠が
あろうとも、単語をバラバラに覚えさせるな。単語を単体で教えるな。必
ず流れの中で如何なる意味で使われているかが解るように教えよ。日本語
の中の漢字の熟語に置き換えられるような単語はない。単語が思い浮かば
ない時には複数の言葉を使って表現できるように自分を鍛えておけ」なの
である。

もう一つ重要なことは英語には目的語がないと通じない単語があるという
こと。松坂大輔が使い始めて普及した「リベンジ」には「復讐」の意味は
あるが、この単語は「〜に復讐する」という相手を言わないと意味を為さ
ないと覚えておくことだ。しかも「復讐」は「仇討ち」のことである。
「仕返し」と言いたいのならば、私は“retaliate”を思い浮かべる。松坂
君が“revenge”を覚えていたのは偉いが、記憶が“retaliate”にまで及んで
いなかったのが残念だった。




◎私は我が国対アメリカの関係を親会社対子会社のようだと見ていた:前
田正晶

先頃、アメリカ問題の専門家であると聞く田久保忠衛氏が産経紙上で「ア
メリカによる庇護国である」との見方を表明していた。なるほど、専門家
でもそのように見ておられるのかと思って読んだ。私はこれまでに何度何
度も述べてきたように、アメリカの対日輸出に注力していた大手紙パル
プ・林産物メーカーの一員として、20年以上もアメリカ人が我が国をどの
ように評価し、看做していたかを実感してきて来た経験から言えば「我が
国を保護していたという見方を否定はしないが、それよりも皮膚感覚とし
ては子会社のように見ていた」と言えると思うのだ。

実は、私は1972年8月にM社に転進するまでは、我が国の大手紙パルプメー
カーの直轄というか直系の内販会社で17年ほど国内市場向けの営業を担当
してきた。回りくどいことを避ければ「子会社の社員だった」ということ
である。即ち、子会社とその社員とは如何なる存在かという喜びも悲しみ
の経験してきたということだ。私がW社に転進してから親しくさせて頂い
た大手メーカーの役員から子会社の社長に出られた常に鋭い発言をされる
方は「子会社の人事権は親会社に握られているので、社長だと言われても
何らの権威がないのと同然でつまらない」と言われたのが非常に印象的
だった。

この社長の発言が全てではないが、子会社には「親会社の庇護の下にあっ
て経営上の危険がないことには安心感があるが、自分たちが会社の成長と
発展を目指して、その発想の下に自由気ままに動き回ることはそう簡単に
は容認して貰えない場合もある」のだ。私が在籍した会社では社長は親会
社の常務が兼務していたが、それは形だけで専任の代表取締役専務の指揮
下でかなり自主的に活動できていたし、屡々言われるような親会社からの
天下りの実働する役員は不在だったし、社員でも課長が1人いただけだった。

私はこの辺りまででは、我が国対アメリカの間柄にも通じる点があるのだ
ろうと看做している。株式は当然ながら親会社がほとんどを所有し、残り
をそのグループ内の他のメーカーも保有していた。即ち、親会社のグルー
プ企業の流通部門を担う存在だったということである。そのように見てい
たので、私は我が国はアメリカの重要な同盟国であると同時に子会社的な
存在でもあり、親会社としてのアメリカは我が国を他国から守る条約も締
結しているのかと見てきた。

1970年代にはアメリカの企業の中には「日本の取引先がアメリカ側の意向
のままに受け入れるべきだ」などと考えている幹部がいたのも事実であ
る。そのような現代的な私が嫌う表現の「上から目線」的な姿勢もあった
ということだ。

私が見た限りでは親会社としてのアメリカは陰に陽に我が国を指導もして
きたし、実務面では我が国からの輸入も懐深く受け入れてきたし、経営を
指導する人材も派遣してきたし、子会社を設立して雇用も増進していた。
産業を発展させ成長を促進する為に特許も与えたし、ライセンスも下ろし
てきたのだと看做してきた。かく申す私も本社が採用して東京に駐在させ
た日本支社の一員だった。即ち、保護は防衛乃至は軍事面だけではないと
いう事だ。

では「親会社が子会社をどのように見ているか」をアメリカに転進する前
に親会社の管理職から聞かされた子会社論をここに思い出してみよう。そ
れは「親会社としては直轄の内販会社として期待するだけの市場での占有
率を確保するのは当然である。その他に重要な点は折角資本金を投資した
のであるから、それに見合うだけの配当(当時は8%が最低と言われたと
記憶する)が出来るような利益を確実に挙げて、先ず日本銀行の再割り適
格手形を発行できるように黒字を計上して配当を3期連続することであ
る」だった。

これが親会社全体の見方というか政策であるかどうかは不詳だが、聞かさ
れた方は「親会社という存在は無情な見方をしているものだ」と痛感させ
られた。極端に換言すれば「君たちは働け、そしてキチンと配当できるよ
うに利益を挙げて親会社の投資に報いよ。それだけの責任を果たせば良
い」とも聞こえたのだ。私にはトランプ大統領が公約に掲げられ、何かあ
れば我が国との間の貿易赤字の削減を言われるのを見ていると「日本は過
剰に輸出するのは不公平である。アメリカの主張を聞き入れて削減に最善
の努力をするべし」と子会社に厳しく要求しておられるように聞こえてし
まうのだ。




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身 辺 雑 記
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2日も快晴。

1日の東京湾岸は快晴。昼前11時に美人のマッサージ師が来て
施療をしてくれた。正午の最高血圧は102。

昼休み、隣の第三亀戸中学校の芝生の校庭では、生徒たちが歓声を上げて
楽しそうに遊んでいた。久しぶりの晴天下、楽しんでくれ。

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