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頂門の一針

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頂門の一針5204 号  2019・10・21(月)

2019/10/21



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 わたなべ りやうじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5204号
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       2019(令和元年)年 10月21日(月)


平和ボケ日本は、また敗戦?:北野幸伯

  北海道大学教授をスパイ容疑で拘束:宮崎正弘

日本人が理解すべき同盟戦略:伊勢雅臣
                 


                      話 の 福 袋    
                       反     響
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★平和ボケ日本は、また敗戦?
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北野 幸伯

米中覇権戦争の結末と日本の進むべき道を
知りたい方は、是非ご一読ください。


日本は世界一すばらしい国ですし、日本国民は世界一誠実
です。

しかし、それ故に、「弱肉強食の世界情勢が全然理解でき
ない」という欠点があります。

平沼騏一郎総理は1939年8月28日、

「欧州の天地は複雑怪奇!」と絶叫し、辞職しました。

これ、第2次大戦勃発の4日前です。こんな時期に、日本の総理は、

「欧州で起こっていること、全然理解できないぜ!」

と宣言している。

総理がこんなですから、日本が戦争に勝つのは難しいでし
ょう。

今は、どうなのでしょうか?

私は、「わかっていない」と思います。

なぜでしょうか?

私は、「戦争観」が問題なのだろうと思います。

世界的には、

・敵国を悪魔化する情報戦

・味方を増やして敵国を孤立させる外交戦

・敵国経済を破壊する経済戦

も「戦争の一環」とされています。

だから、私は日本と韓国の対立も「日韓戦争」とよびます。

そして、2012年11月に中国がロシア、韓国に「反日統一共
同戦線創設」を提案した時点で、「日中戦争がはじまった」
と書きました。

米中間で起こっていることも間違いなく戦争です。

しかし、日本人は、「戦争というのは、武器を使ってドン
パチやること【だけ】」

と考えているので、米中対立を「戦争」と認識できない。

認識できないので、「それほど深刻なことではない」と
考えているのです。

それで、アメリカと日本の間に大きなギャップが生まれ
ます。

たとえば、日本政府は、中国と仲良くすることは「めで
たいこと」と考えます。

しかし、アメリカ政府は、「日本は我が国の敵である中
国に接近している。

これは深刻な裏切り行為だ!」と考える。

日本政府もアメリカ政府も、「認識のギャップ」に気が
つかない。

アメリカは、日本に「悪気がない」ことが、全然理解で
きません。

<日本人が自分たちのしたことについて、

まったく自覚がないところは悪い点です。

アメリカがハワイを併合したときも、

日本はかなり文句を言いました。

アメリカはすごく腹を立てましたが、

日本はそれについて無自覚で、

その後、アメリカが日本に報復したくなるとは思いもよ
りませんでした。

日露戦争で満州や朝鮮への野望を打ち砕かれたロシアは、

日本に仕返ししようと待ち構えていました。

日本人は何もしないのに被害を受けたと思っています。

しかし私はちょっと違うと思います。>

宮脇先生の本を読むと、日本人は昔から、自国の行動とそ
の結果について、

相手国にどのような影響を与えるかについて、無自覚だっ
たことがわかります。

今も同じですね。

日本は、同盟国アメリカの敵国中国に急接近しています。

日本は、同盟国アメリカとイランを天秤にかけて、

「自国のタンカーを防衛する有志連合に入るのはイヤだ!」

といっています。

これは、同盟国アメリカを蹴っ飛ばしているのです。

それでトランプが、「日米同盟は不平等だ!」というと、

「トランプのわがままがまたはじまった!」

といって、アメリカのせいにします。

私は、自虐史観教徒ではありません。

しかし、現在日米関係がギクシャクしているのは、米中戦
争がはじまってから、

「日中蜜月時代」を築こうとする日本政府に非があると思
います。

これが「裏切り行為」「狡猾な外交に見える」ことが理解
できない日本政府。

このまま行って、日本が敗戦国になったら、私たち自身の
責任であることを自覚しておく必要があります。


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北海道大学教授をスパイ容疑で拘束
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)10月20日(日曜日)
         通算第6244号  
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 北海道大学教授をスパイ容疑で拘束
  中国が冤罪で拘束した日本人は14人。日本はなぜ黙っているのか
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 中国へ入国したまま消息の途絶えていた元防衛研究所職員で北海道大学 教授がスパイ容疑で拘束されていることが判明した。中国が冤罪で拘束し た日本人は14人に及ぶが、日本政府はなぜ行動をおこさないのか?

「普通の国」なら軍事力を後ろ盾に迅速な釈放を要求するなり、経済制裁 を示唆して強引な取引を展開し、取り戻すだろう。レバノンのような小さ な国でも、北朝鮮に同胞を拉致されたときは軍を動かした。日本は「交渉 で解決する」などと言っているうちに数十年もの時間が流れた。

中国の不当な日本人拘束に対して、どうするのか。日本には「普通の国」 ならあるはずの「スパイ防止法」がない。このため中国人をスパイ容疑で 拘束は出来ないが、ペルソンノングラータとして国外追放、また不法滞在 者をまとめて拘束し強制送還など、手だては山のようにある。ヴィザの規 制強化、日本語学校を調査して不登校中国人留学生を手配し、強制送還す る。大学も中国人留学生の特待を辞める。企業は中国人研修生の見直しを 図るなど、時間はかかっても取り組むべき対応策もある。

企業が被害届を出せば知財窃盗としても逮捕出来る。十五の孔子学院への 手入れも、朝鮮総連や過激派の中核派アジトの捜索などが可能であったよ うに、出来る筈であり、問題は政府の決断次第だ。

格好の材料がある。5月に国賓として来日予定の習近平をいかに扱うかだ。
日本には世論があり、習近平首席の訪日は時期的に好ましくないので、ご 遠慮願いたいとすれば、多くの国民は納得するのではないか。
    
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ケルトの神話、お祭りが、縄文人の信仰、神話になぜ似ているのか
  まもなく大騒ぎになる「ハロウィン」はもともとケルトのお祭りだった
 

鶴岡真弓『ケルト 再生の思想』(ちくま新書)
井村君江『ケルトの神話』(ちくま文庫)
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ハロウィンの大騒ぎと商業主義に直結したイベントが日本では急激に盛ん になっている。ま、名刹でもクリスマスケーキを用意する時代ゆえに驚く ことでもないのだろう。
しかしハロウィンが、そもそも如何なる歴史、どのような起源をもつか、 誰もが深い知識をもつとは考えられず、カボチャの仮装行列、はては漫画 的な衣装をきて練り歩くお祭りくらいの関心しかない。
この現象は日本の文化の劣化度を象徴しているのではないか?
 
商業主義と結びつけての商店街振興など、これらのイベントを支える人た ちはキリスト教とも無縁であり、参加者はテント村での買い食いとか、イ ンスタグラム撮影とか、そのくせ、日本の重要行事である新嘗祭への関心 が薄いときている。

友人の大学教授が外国留学から帰ったばかりの教え子の悩みを訊いた。留 学先で日本の歴史の起源を訊かれ、なにひとつ答えられなかった学生が殆 どで、考えてみれば戦後歴史教育から古事記、日本書紀が消え、聖徳太子 は馬宿の王子とおしえようとしていた。だから和気清麻呂も楠木正成も菅 原道真も、戦後の若い世代は知らない。この人たちがハロウィンの起源や 歴史に無知であることは、ある意味では仕方がないことだろう。

話が飛ぶが、ゴッホ展が上野の森美術館で開催されているので、見に行った。

朝一番で雨交じりなのに、長い行列。展示室は大袈裟に言えば立錐の余地 なし。出展リストを見ると、率直に言ってさほどの作品は一、二点ほどし かない。ゴッホの代表作はやはりオランド、ベルギー、ドイツへ行かない とじっくりと環礁できないが、言いたいことはそのことではなく、同じ上 野の国立美術館で古代仏教彫刻展、仏像展が開催されていて、そちらの方 も見に行ったが、客はまばらなのである。むしろノート片手の西洋人のほ うが多かった。

日本の最も重要な文化を見ないで、西洋の画家に価値を見出そうとするこ とは、大いなる錯誤、現代日本人は何を失い、何を取り違えてしまったの かと考えながら、展示会場をあとにした。

さてハロウィンである。これはケルトの宗教儀式が起源である。

ケルトは自然信仰、それも太陽信仰であり、光りと闇に世界を分けた。古 代のゾロアスター教も、日本の縄文時代の宗教観も同じである。

鶴岡真弓『ケルト 再生の思想』(ちくま新書)によれば「祖先や、逝っ た親しい仲間と、魂を交流させて、闇の季節の安寧と、闇に沈んだ者たち が、「闇に光りを見出す」ことを願う夜」だったのである。慰霊ばかりか 「『死者たちから生命力を贈与される』、惠の夜ともなる」のだ。

シーザーの『ガリア戦記』に描かれているガリアとは、地理的には南フラ ンスからスイス、ベルギーを指すが、民族的にはケルト人を意味する。し たがってケルトの末裔は欧州全域に分散し、スペインにもドイツにもいる。

ケルトはインドあたりを起源とする説が有力で、欧州各地を流転し、国を 建てず、統一王朝を持たず、従って『移動する民』であった。

ケルトの最大の王といわれたタラ王は、権力の象徴ではなく、一種ケルト 人の宗教的な収斂作用としての存在だったと考えられる。タラの丘に屹立 する石棒は、わが縄文遺跡が夥しく発掘された石棒と同じで信仰の祭壇、 あるいは祭器だった。

ケルトは数千年にわたり各地を移動したが、なかで定住した種族がアイル ランドに住み着いた。だからアイルランド各地に濃厚なケルト文明の痕跡 が残り、文化的にも方言のような、ケルト語が残る。

英語とは似てもにつかないウェールズ語、依然として独立を唱えるスコッ トランド、そして、アイルランドとは仲が悪い北アイルランドの人々。

ケルトの移住したアイルランドはローマの侵略がなかったが、中世にヴィ キングの侵略と戦った。

中世アイルランド語で聖女は「ブリギッド」(現代アイルランド語は「ブ リード」)、英語に転じて「ブリジッド」である。B・Bこと、ブリジッ ド・バルドーを思い浮かべるのは還暦以上の年代だろう。

ブリジッドが「聖女」の意味とは知らなかった。評者(宮崎)の英国の友 人の奥さんの名前がブリジットであることを、急に微笑ましく思い出した。

語源的にインド・アーリア系であることは地名、人名が共通する場合が多 く、たとえば、北アイルランド北西部にデリーと、ロンドンデリーいう街 がある。インドの首都の名前はニューデリーだ。

英国をたまにグレートブリテンと呼ぶことがあるが、この語源も『ケルト 語系のブリトン語をはなすケルトの人々』を意味したのだと鶴岡女史前掲 書は言う。

ケルトは自然崇拝、そして輪廻転生を信じていた。

アイルランドのキリスト教は、この地元の信仰の土壌、その習俗のうえに 覆い被さるようにして拡大した。だからケルトの十字架は中央部に日輪が かぶさる。三つ葉のクローバを尊重する伝統がある。

ケルトは農耕民族、古代ケルトは狩猟、牧畜も兼ねたが、基本が自然崇拝 であり、四季を尊び、そのたびの儀式を尊重した。

日本でも春秋の夏の彼岸、夏のお盆、冬至にはカボチャを食し、日本の祭 祈王(プリースト・キング)たる天皇は新穀を捧げ、五穀豊穣を願う新嘗 祭を行い、改元となれば天皇家の田と庶民の田から収穫された新穀とで大 嘗祭を司るように、ケルトがもっとも重視した祭礼が、ハロウィンである。

ケルトの古代からキリスト以前の宗教は多神教であり、井村君江『ケルト の神話』(ちくま文庫)によれば、274の神々がいたという。

ヒンズー教は多神教だが、まつりごとに序列が替わり、ゾロアスターも数 こそ制限されるが多神教であり、日本は八百八十万の神々がいる。
 ケルトは日本の三種の神器のように『四種の神器』がある。



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日本人が理解すべき同盟戦略
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伊勢雅臣


1.「孤立すれば負ける」「負ける側につくと負ける」

 国際アナリスト北野幸伯氏の最新刊『米中覇権戦争の行方』が面白い。 国際政治における同盟戦略の重要性を明解に説く氏の著作は、特にこの分 野に弱い現代日本人にとって必読書の感がある。

 たとえば、第二次大戦の敗因も同盟戦略の失敗にあったと氏は説く。

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 ・・・日本が近現代で負けた戦争は、第二次大戦しかありません。
 日本は、日清戦争、日露戦争、第一次大戦、冷戦で勝利しています。 [1, p8]
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 なぜ、第二次大戦でのみ日本は負けたのか。北野氏は二つの要因をあげる。

1)「孤立したから負けた」[1, p264]
 たとえば、満洲問題に関する国際連盟でのリットン調査団の勧告は、賛 成42、反対1(日本のみ)、棄権1(シャム、現在のタイ)となり、そ の結果、日本は国際連盟を脱退してしまい、孤立への道を歩み始めた。

2)「負ける側につくと負ける」[1, p269]
 ABCD包囲網(アメリカ、イギリス、中国、オランダ)に対して、日 本は三国同盟でドイツ、イタリア側についた。三国同盟は戦力的にも経済 的にも劣勢であり、かつドイツ、イタリアとの同盟にメリットはほとんど 無かった。

「孤立すれば負ける」「負ける側につくと負ける」。反論が不可能なほど 単純明快な論理である。先の敗戦を真に反省するためには、なぜこういう 道を選んでしまったのかを、分析しなければならない。


■2.日本を救った日米同盟

 現在の日米同盟がいかに価値があるか、を北野氏は端的な事例で示して いる。2012年9月11日、日本政府の「尖閣国有化」決定に激怒した中国 政府は、同日「われわれは事態の推移を密接に注視し、相応の措置を取る 権利を留保する」と述べて、日本への報復措置を示唆した。

 9月19日、副主席だった習近平は、アメリカのパネッタ国防長官と会 談し、さんざん日本を批判した後、こう言った。「アメリカが釣魚島(= 尖閣)の主権問題に介入し、事態を複雑化させないことを望む」。中国が 尖閣に侵攻したらアメリカはどう動くか、探りを入れたのである。

 パネッタはこう答えた。「尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲であり、 軍事的な衝突に発展すれば、アメリカも関与せざるをえない」。北野氏は こう指摘する。

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 この一言で、日本は救われたのです。
 この一言がなければ、中国は安心して尖閣に侵攻し、苦もなく奪ったこ とでしょう。[1, p203]
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 これが同盟の価値である。たとえ戦力的には劣勢でも、アメリカとの同 盟によって、中国の侵略を抑止できる。


■3.トランプは同盟関係増強に関心がない

 しかし、この単純明解な同盟戦略を理解していない政治家は少なくな い。その代表がトランプ大統領だ。北野氏は「アメリカファーストのトラ ンプは、外交戦によって同盟関係を増強することに、まったく関心がない ようです」[1, p159]と述べている。

 かつてのレーガン政権がソ連を打倒できたのは、日本や、イギリスその 他の欧州諸国と緊密な連携を組み、さらに中国をソ連の敵対国として育て たからだ。まさにソ連を孤立させ、負ける側につけた同盟戦略の勝利だった。

 その後遺症として強大化した中国を打倒するためには、トランプ大統領 は今度は、日本、欧州のみならずロシアを味方につけなければならない。

 しかし、トランプ大統領がやっていることはその正反対である。イラン 核合意から一方的に離脱したが、イギリス、フランス、ドイツ、イラン、 ロシア、中国は依然として支持している。「トランプが合意から離脱した ことで、アメリカと覇権戦争をしている中国とロシア、欧州が一体化する というマヌケな事態が起こっています」と北野氏は解説する。

 さらにロシアに関しても、2014年3月のクリミア併合を理由に制裁を課 した。ロシアは、制裁どころか非難すらしない中国との関係を強化している。

 一方の中国は、上海協力機構(ロシアと中央アジア4カ国、インド、パ キスタン等々)、一帯一路、AIIB(アジアインフラ投資銀行)などを 通じて、味方をどんどん増やしている。こうした点では、敵を孤立化させ ることを含む孫子の兵法を知る中国の方が上手である。


■4.日本の「獅子身中の虫」

 トランプの「同盟音痴」をカバーしてきたのが安倍首相だ。先頃、大阪 で開かれたG20サミットでは、自身とトランプ米大統領、インドのモ ディ首相との三者会談を実現し、「自由で開かれたインド太平洋の実現に 向けた連携で一致した」(日経新聞、6/28)と報じられた。三者並んだ写 真は、習近平主席以下に脅威を感じさせたろう。

 北野氏も日本の同盟戦略において、12億の人口を持ち、経済的にもこ れから成長期を迎えるインドは、アメリカと共に最重要国家と指摘してい るが、安倍首相はそれを見事な写真として世界に示したのである。

 しかし、その安倍政権下でも対中政策は不明瞭である。G20では習近 平に対し「日中関係は完全な軌道に戻った」とし、「来年の桜の咲く頃、 習主席を日本に迎えたい」と要請した。

 安倍首相は次の日にトランプ大統領と会談したが、大統領はその翌日、 記者会見でこう語った。

__________
 誰かが日本を攻撃すれば、我々は反撃し、全軍全力で戦う。
しかし、誰かが米国を攻撃しても、彼ら(日本)はそれをする必要がない。
これは変えなければならないと安倍首相に言った。[1, p221]
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 トランプ大統領は大統領選挙中はよく日米安保条約の不平等性を訴えて いたが、大統領になってからは封印していた。安倍首相との連携を評価し ていたからだろう。

 それがこの時期にまた吹き出したのである。アメリカは今、世界の覇権 をかけて中国に戦いを挑んでいる。そんな時に、習近平を国賓として招待 したら、「トランプさんがムカつくのは当然でしょう」と北野氏は語る。 当然である。

 問題は、なぜ、安倍首相がこんな発言をしたのか、という事だ。産経新 聞特別記者の田村秀男氏は、首相周辺の政官の親中派と、「中国信仰」を 持つ経団連が足並みを揃えている、と分析している[2]。

 非凡な国際政治感覚を持つ安倍首相が、その危うさに気がつかないはず はないが、まともな国家観に欠けた親中派の政官財に囲まれて、安倍首相 と言えども思い通りにできないところがあるのではないか。とすれば、安 倍首相を批判するだけでは事は解決しない。彼ら「獅子身中の虫」をどう にかしなければならない。

 トランプの指摘する日米同盟の不平等性を根本から是正するには、現行 憲法を改正しなければならない。それを進めるには、国民が現実の国際政 治に目覚める必要がある。そうしてこそ国内の獅子身中の虫から国を守る こともできるのである。北野氏の著作から同盟戦略の死活的重要性を学ぶ 意義はここにある。


■5.「人権 < 金」の国際社会

 トランプに比べれば、中国の同盟戦略ははるかにうまくいっているが、 筆者が不思議に思っていたのは、チベットやウイグルのような世界最悪の 人権弾圧にも関わらず、なぜ中国の同盟戦略に参加する国がかくも多いの か、という疑問だった。北野氏の今回の本は、この点も単純明快に解き明 かしてくれる。

__________
 考えてみてください。
 中国が、人権侵害超大国であることは、世界中の誰もが知っています。

 それでも、日本と欧米は、この国の人権問題について、ほとんど触れな かった。
 なぜでしょうか。

 そう、中国と関わっていると「儲かるから」です。
 つまり、日本も欧米も、いや全世界が、

        人権 < 金

 ということで、中国に優しかった。[1, p184]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 つまり、国際社会は、儲けさせてくれる国であれば、どんな人権侵害超 大国であっても、見て見ぬ振りをしてしまうのである。したがって、もし 我が国が中国の覇権下に陥って、チベットやウイグルのような目にあって も、国際社会は誰も助けてくれない、という事になる。中国が「儲けさせ てくれる国」であり続ける限り。


■6.「自分の首を絞める縄まで売る」人々

 しかし幸いなことに、北野氏の予測では、中国は「お金がたっぷりある 人権侵害国家」から、徐々に「お金があまりない人権侵害国家」になって いく。その理由は、第一に国家のライフサイクルから見て、中国の高度成 長時代は峠を越えて低成長の時代に入っていく事。第二にアメリカの仕掛 ける貿易戦争で、その悪化のスピードが加速していく事である。


 歴史が証明しているように、「お金がたっぷりある人権侵害国家」とつ きあいたい国、企業、人はたくさんある。

 しかし、「お金があまりない人権侵害国家」とつきあいたい国、企業、 人は、ほとんどいないのです。

 近い将来、中国に関しては、人権 < 金 から 人権 > 金

 に変わっていくでしょう。[1, p186]
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 この期(ご)に及んで、いまだに中国との連携を強めようとする親中派 の政官財は、中国の経済的衰退を遅らせ、それだけ世界を危うくする。ま さにレーニンが語ったように「自分の首を絞める縄まで売る」人々である。

 自分個人の利益のためには自国を危険に晒しても構わない人々を「売国 奴」と呼ぶ。民度の高い自由民主主義国家とは、そのような売国奴の少な い国である。

「売国奴」と厳しい言葉を使ったが、本当に日本や世界の危険を知りなが ら、自分の利益を追求するという「確信犯」的売国奴はそれほど多くない だろう。それよりも、独裁中国の危険性をよく知らず、考えずに、自己の 利益を追求している「迂闊(うかつ)な」売国奴が大半なのではないか。 そういう人にはぜひ北野氏の本を読んで、自分の迂闊さに目覚めて欲しい。


■7.同盟戦略における役割分担

 北野氏の本を読みながら、同盟戦略に関してもう一つ気づいた事があ る。同盟の間柄でも役割の分担はありうる、という事だ。たとえば、日英 同盟では、日本はロシアと正面切って戦ったが、英国はその植民地のいく つもの港で、バルチック艦隊の航行を妨害した。アメリカは建前は中立国 だったが、日本が完全に刀折れ矢尽きる前に間に入って、ポーツマスでの 講和条約締結を進めた。

 時には肩を並べて、一緒に血を流すのが軍事同盟だが、現代社会のよう に情報戦、外交戦、経済戦が中心となると、日米は違った役割を担って、 同盟の効果を最大化する事が求められる。

 たとえば、この25日午後にニューヨークで行われた安倍首相とトラン プ大統領の会談では、大統領は「日本のユニークな立場を生かしてイラン との関係を維持し、話し合いを続けてもらいたい」と求めた[3]。日本は 長年イランと友好関係を持ち、アメリカとイランの仲立ちをするには絶好 の位置にある。

 また、中国の一帯一路は多くの国を「サラ金地獄」に陥れているが、長 年の日本の誠意ある政府開発援助などの実績をもって、中国の投資の危険 性を誰にも分かるようにすれば、世界の多くの発展途上国を「債務の罠」 に陥る前に救い、彼らを味方に引き入れることもできるだろう。

 アメリカを敵視するイスラム諸国でも、日本を信頼している国は少なく ない。これらの国々が「中国の金」に頼らなくともよいようになれば、彼 らもウイグルでのイスラム教徒弾圧に声を上げるようになるだろう。

 日本の今までの誠実な外交、経済援助、そして有色人種の中での最先進 国、という国際的地位をフルに生かせば、アメリカにとってもかけがえの ない同盟国になるはずだ。

 日本の味方を増やすのは政治家だけの仕事ではなく、外国との取引をす る企業人から、日本にくる外国人を「おもてなし」する一般市民まで、国 民一人ひとりが、それぞれの場で「一燈照偶」の心がけで取り組むべき課 題である。その積み重ねが、日本の肩を持つ人々と国を増やす。さらに中 国国民の間でも共産党独裁政権の反日プロパガンダから目覚めさせる。

 拙著の最新刊『世界が称賛する日本人が知らない日本2―「和の国」と いう“根っこ"』[b]では、日本の国柄を「和の国」として説いたが、こう した生き方こそが世界に平和をもたらすために「和の国」の民の行くべき 道であろう。


     
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重 要 情 報
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◎台風20と21号に備えたのか:前田正晶

20日の11時過ぎに明日の朝食用の食パンを買いに、道路の向かい側のマイバスケットに行った見た。狭い店内には客は疎らだったが、カップ麺と箱入りの即席焼きそばのかなり大きな棚の前を通過して驚いた。完全に空っぽなのだったのだ。19号の2日前に行った時には食パンと菓子パンの棚が売り切れ状態だったが、今度は麺類に順番が回ってきたようだった。確かに天気予報は二つの台風の発生を指摘したが、食料品を備蓄せよとまでの警告は聞いていない。

確かに19号の災害は都内というか23区内にも及んでいたが、それは多摩川沿いの所のことで、幸いにもここ新宿区ないで被害を被ったという話も聞いていない。それにも拘わらずこの時点でこの買い占め振りである。レジ係の韓国人と思しき青年は「朝から皆が買っていきました」と言っていた。既に指摘したが、新宿区は都内で最も高い場所であり、ここ百人町・大久保付近には川は流れていないのだ。神田川は1 km以上も離れた高田馬場の早稲田通りの方角にあり、しかも低地を流れている。それでも用心しようという慎重さが普及したようで、一寸した驚きだった。

ところで、カップ麺類を準備して置いたとしても、停電するか断水となれば宝の持ち腐れになりはしないか。予め用意するならばミネラルウォーターを段ボール箱と買い置きするか、岩谷産業の卓上コンロとガスボンベではないのかな。現に19号の襲来前にはボンベは売り切れていたと聞いていたが。

◎現在の国際情勢とトランプ大統領に思う:前田正晶

毎日のニュースを見たり聞いたりしていると、余りにも予期せざる新規 の情報や変化が方々で起きていると知らされるのだ。特にアメリカのトラ ンプ大統領を弾劾しようという民主党の動きなどは、最早アメリカとの日 常的な接触がなくなった私には容易について行けないし、クルド人対トル コの問題なども繰り返して専門家の解説を聞かないことには理解も認識も 出来な点が多々あるので驚かされるだけだ。トランプ大統領の行くところ 常に風雲を巻き起こしているなと感じている。

また、髪振り乱したとでも形容したいようなUKのジョンソン首相の Brexitの政策なども、一体何時になればどのように落ち着くのかと不思議 な関心を持って見つめている。また英語かと言われそうだが“to get nowhere”という表現を思い出せてくれた。この案件の決着次第では我が国 の産業界にも大いなる影響が及んでくるのだから「ジョンソン様何とか早 期に結果をお出し下さい」とでも遠くからお願いでもするかと密かに考え ている。

私が最も注意する問題は何も上記のものだけではないのだ。矢張り最も 深い関心を持ってしまうのがアメリカとトランプ大領の再選があり得るの かと、弾劾の調査が如何なる所に落ち着くかである。木村太郎氏はトラン プ大統領の当選を予告していた数少ない専門家の1人だが、トランプ氏の 再選もあるとまで断言しておられる。私は我が国でこれまで見てきた限り では、政治家の立候補の際の公約などは偶にはその通りとなる程度ものだ と認識してきたが、トランプ氏は独断専行と言われようと何だろうと着々 と実現されてきた大統領である。その点からも岩盤の40%支持層以外の支 持を確保しておられるようだ。

その支持基盤の確保の為に掲げられた「アメリカファースト」と「アメリ カを再び偉大に」の大スローガンの下に経済は安定し雇用も着実に増加し てきたし、中国も確かに経済成長率が鈍化したし、金正恩委員長とも会談 を重ねられてDPRKのCVIDにも邁進されたし、FRBも利下げを実施したし、 我が国をも含めて多くの国との貿易協定もトランプ大統領の意のままに改 訂されたし、TPPからも脱退されたし、パリ協定だからも離脱されたし、 イランとの核合意も離脱された等々の実績を残されている。民主党が色々 と手を尽くして再選を阻もうとするのも無理もないと思う。

私はトランプ大統領が打ち出す政策の根底に流れているものは、専門家の 方々が指摘される「ビジネスマンだから」であるとか「デイールをお好み だ」というような点は確かにあるとは思う。だが、その更に深い底にある 信念というか価値判断の基準は「ドナルド・トランプファースト」(= 「再選ファースト」)であり、「アメリカ乃至はトランプ氏自身にとって 損か得か」という非常に厳格且つ絶対に譲れない線が厳然としてあると 思っている。それは、例えばシリアからのアメリカ軍撤退は「損得勘定が 優先された」という専門家がおられる辺りに現れていると見ているのだが。

ビジネスマンだったと言われるトランプ大統領は選挙公約にも掲げられて きた「貿易赤字の解消」の為の手というか、政策は確かに方々で講じられ た。その結果が関係する諸国の経済や景気にどれほどの影響を当たるかに 対する大統領の関心は薄いのでないかと思わせられる場合もある。だが、 公約である以上実行されて支持層に対しては十分に訴える効果を発揮して いたと思う。中国もトランプ大統領との貿易戦争に疲れたのか、大量の穀 物の輸入持ち出して大統領を満足させたが、これまでに中国が国際的な経 済的な約束をどれほど遵守してきたかを思う時に「眉唾かな」とも思わせ るし、トランプ大統領の足下を見たかなとも疑いたくなる。

私はトランプ大統領を批判しているかの如くに聞こえるだろう事を言って きたかのようだ。だが、今ここで私がトランプ大統領を批判しても何の意 味もないことなのだ。私は恐らく木村太郎氏が予言されたようにトランプ 氏の再選の確率は高いと思っている。それはドナルド・トランプ氏は再選 されんが為に独断専行と批判されようと何だろうと、側近を次から次へと 切り捨てられているなどと非難されようと、着々と公約を「アメリカ ファースト」と「再び偉大に」の為に実行されてきたのだ。

私は1期目の在任中に果たされた公約の実行が、目指してこられた当選2 期目に入った時にアメリカそのものと、関連する世界に如何なる影響を与 えるかと、如何なる結果を出すだろうかが問題であると思っているのだ。 それがあれほど多額な赤字を生んでまでも経済的な関係を続けてきた中国 との間柄がどうなっているかであり、核合意から脱出したイランとの関係 がどうなっているのかであり、我が国をも含めた対アメリカ貿易に依存し てきた諸国の産業界がどのようになっているであり、DPRKの非核化が如何 なる状態になっているか等々である。

これらの諸問題が1期目内には結果が出てくるとは思えないのだ。更に言 えば、もしも民主党が左寄りと言われる候補者を立てて政権を奪回した場 合に、トランプ政治の足跡をどのように辿るのか、またはトランプ大統領 がオバマ大統領が残された実績を全て消し去っていったような手法を採る かのかも考えておかねばなるまいと思う。我が国だけの影響を考えても、 クリントン政権は貿易面だけでも我が国に対して実につれなかかったの だった。故に、トランプ政権の継続の方が望ましいと飛躍的なことを言い たいのだ。

即ち、ここでトランプ大統領の批判などをするのではなく、トランプ大統 領が再選された際に如何なるスローガンを打ち出され、如何なる手法で、 どのような補佐官陣の構成で、アメリカを何処に持って行かれたいのかが 私の関心事なのだ。



◎如何なる所かも知らずにアメリカ人の世界に単独で入っていった:前田正晶

アメリカ人の世界と言わずに「白人たちの世界に」と表現した方が適確か も知れないとも考えている。私は1972年の8月から94年1月末のW社をリタ イアするまで、2社に日本駐在マネージャーとして勤務していた。より正 確に言えば「その事業部には初めての日本人であり、日本人は自分だけ だった」という世界である。英語はある程度以上解っていたし、旧制中学 の1〜2年生の頃からアメリカ人との接触があってアメリカ人(外国人でも 良いか)には普通の人よりは馴れていたと思う。戦後間もなくではアメリ カ人たちが我々をどのように見て(見下してでも良いか)いるかも承知し ていた。

だからと言って良いだろうが、1955年には新卒として日本の会社に雇って 戴き、偶然の積み重ねでアメリカの会社に転進するまでアメリカとも英語 などとも全く無縁の17年間を過ごしていた。しかるが故に全くお恥ずかし ながらnaïveにも「アメリカの会社の仕組みは我が国の会社とはまるで違 う」などとは全然認識していなかった。別な言い方をすれば「我が国とア メリカの間に厳然として存在する文化の違い」や「社会における差別だと か格差」などは全く考えてもいなかった。だが、アメリカの会社では給与 に見合わない働きと結果では簡単に馘首されるとは承知はしていた。

入って見れば「仕事の進め方が“job description”の下に、全く個人の能 力と努力と経験と才能に任されているし、社内は言うに及ばず同じ部内で も誰にも依存は出来ず、頼りにするのは後にも先にも自分だけだと言うこ とくらいは『ドジでのろまで鈍感』の私にもイヤと言うほど解った。即 ち、何が何でも与えられた課題をやり遂げていく以外に生きる道がない世 界だ」と解ったのだった。この頃から、私は半分以上本気で「命がけでや るしかない」と日常的に言うようになっていた。

W社に転じてからはM社とは組織が異なっていたので、我が国では考えら れないことだが「本社の組織とは全く異なる地方採用であり、先ず本社機 構に組み込まれることがない人たちとの日常的な仕事の繋がりが出てき た」のだった。これだけの説明では解り難いだろうと思うので追加すれ ば、工場には製造部長級の幹部以上には本社採用か本部から派遣された社 員がいるが、それ以下の事務部門で実務を担当している者たちは、そこか ら先ず本部に転勤乃至は栄転してくることはない、身分違いの人たちの世 界なのである。この人たちに「ここで認められて何れは本部に」などとい うギラギラした出世欲は無用なのだ。

最近「アメリカの一定以上の規模も会社で職の安定(job security)を確 保し尚且つ出世しよう(高い年俸が取れてボーナスを貰える地位にという 意味)と思えばMBAが最低の条件になりつつある」と述べてきた。アメリ かでは一時「MBA有害論」が広まっていたが、今や有用論に変わっている のが重要な点だ。この実体をより詳しく述べれば「今や年間の学費が700 万円を超えてしまったIvy League乃至はそれと同等(例えばカリフォルニ ア州の名門スタンフォード大学)の私立大学のビジネススクールでMBAを 取得する必要がある」ということだ。

それは4年間に3,000万円近い学費を負担可能な家に生まれねばならず、 その上更に1,400万円の学費がかかるビジネススクールに受験資格とな る、4年制を大学を卒業後に4年間の実務経験を積まねばならず、場合に よってはそのビジネススクールの学費を自分で貯金するか、学生ローンに 頼られねばならないのだ。これだけの経済的負担に耐えられる家庭となれ ば、おのずと如何なる階層の家柄かは限定されてくるのがアメリカだ。即 ち、アッパーミドルがそれ以上の家庭の出身者が大手企業の経営者か幹部 を占めることになっていると言えるのではないか。

これも既に何度か指摘したことだが、こういう世界であるから大手の製 造会社の事業部長の下にはごく普通のように彼乃至は彼女よりも年下の部 員がいるのである。そしてそのような人たちはMBAではなく、4年制の州立 大学の出身者が多く、それではその時点で与えられた地位というか身分か ら垂直に上昇することなど先ずあり得ないのであり、その人事権は事業部 長が持っているのだ。

これも既に繰り返し指摘したことで、労働組合は法的にも会社とは異なる 存在なのだから、本部の組織には(我が国とは異なって)組合出身者がい ることはあり得ないのだ。逆に言えば、本部の幹部社員は組合の経験はな いのが普通だ。この点を我が国の会社と組合組織と比較すれば、彼我の違 いが良く解ると思う。

こういう世界だと本当に理解し認識して知り得るまでには、私にはかなり 長い時間を要した。深く考えなくとも解ることかも知れないが「身分の垂 直上昇がない」と解って勤務している人たちは「取得する年俸の額に見 合っている」と思っている程度の熱心さ?でしか仕事をしないのである。 そこにある英語の表現が“That’s what I’m paid for.”である。それは 「高給取りの事業部長のように朝は7時には出勤し、夜は8時でも9時でも 残っているし、土日もなく出勤する事など考えてもいない。9時に出勤し 定時に帰る」という意味だ。

その仕組みが解らないうちは、私はノンビリと、適当に、言われたことだ けしかしない「一般事務員」とでも言いたい者たちの仕事の遅さ、要求し たことに素早く答えてこない事に腹を立てて「君等の不真面目な仕事の進 め方為に、我が社と私が大事なお客様の信用を失いそうだ。もう少しまと もに仕事をして我が社の名声を傷つけないよう心掛けよ」と何人かを何度 も怒鳴り上げたものだった。だが、彼らは中々言うことを聞かず、かえっ て副社長などに「東京にはうるさい奴がいる」などと泣きを入れたりした のだった。

私の予期せざる新たな仕事は「そういう連中の意識改革」という結果が出 る訳がない課題だった。何度も採り上げたご夫婦でコンサルタント事務所 を持っておられたMBAの奥方の社員教育のテキストを見せて貰った際に 「クイックレスポンスをする」との項目があったので「何故こんな当たり 前のことを教える必要があるのか」と質問すると「我が国と日本では事務 職の者たちの質が違う。彼らは教えられていないことはしないのだ」と答 えられて正直に言って仰天したし、「なるほど、そうだったかのか」と納 得もした。

私の直接の仕事上の上司は東京事務所にはおらず、私はの身分は英語では “direct report”と言っている副社長兼事業部長の直轄の日本駐在マネー ジャーだった。彼は大変なやり手で切れ者だったが、私よりも10歳も年下 だったので、時には無謀で危険ななことだったが彼に対しては真っ向から 直言していた。副社長もそれを受け入れてくれていたし、私の目から見た 他の部員の評価のようなことをかなり直接に聞きたがることもあった。こ れも何度も触れたことで、アメリカには人事部などなく、部員の評価と査 定は雇用主である副社長兼事業部長の権限の下にあるのだ。

副社長のこのようなご下問に対して未だアメリカの組織というか「事業 部長が持つ絶大な権限、即ち製造・販売・営業・人事勤労・総務・経理 等々全て」を完全に認識で切り前には、誠に迂闊なことに率直に各人の長 所や短所や改善させるべき事等をあからさまに答えてしまっていたのだっ た。これは副社長の査定にかなり影響を与えたようで、本部の部長に一人 には「ものの言い方に注意しろ。君は影の人事部長だと仲間に恐れられて いるぞ」と忠告されたし、東京の日本人社員の代表者にも注意された。

その結果というか何と言うべきか、私が本部に出張し副社長の部屋に入っ て行く途中で何人かの同僚とい言うか本部員に呼び止められて「これから 副社長に会う時に自分の話題が出たら、必ず“He is going a very good job.”と言ってくれ」と依頼されたのだった。これだけで理解して戴けた かどうか解らないが、アメリかではこのような身分の差というか学歴の差 と言うか、裕福な家庭の出身であるかないかが、企業内の身分を決定的に 決めてしまっているのだ。そういう意味では、外国人であり有名大学の MBAでもないような者が迂闊に入っていくべき場ではないのだと思う。

アメリかでは労働組合というものの在り方がどういうものかは何度も述べ た。でも、私は組合員たちが身分というか社会的地位の垂直的な上昇を望 んでいるかいないかなどは知らないし、確認したこともない。だが、そう いう労働者階層の支持を得ているのがトランプ大統領の強みであり、彼は その他にも言わば差別された格差を付けられていると言われている階層に も強いようだ。しかも、一般論的には、何れアメリかではそういう連中の 他にも所謂少数民族、ひっくるめて“minorities“とでも言うべき者たちの 数が白人を超えるとされている。

私が彼らの一員として経験し且つ見てきたアメリカという世界は、明らか にごく少数の白人の富有層が支配するアメリカだった。だが、トランプ大 統領の主たる支持層は上記の所謂「プーアホワイト」以下のminoritiesも 含まれており、共和党の一部にも強力な支持者がいると聞かされてきた。 しかし、このままトランプ氏が再選されれば、アメリカ大統領を支持する 層は全く新たな人たちで構成されてしまうようにも考えられる。即ち、こ れまでに支配してきた層が招き入れた者たちではないと思うのだ。

その時期にあって、民主党はトランプ大統領弾劾の為にウクライナ問題の 調査を開始したそうだ。共和党から見れば招き入れたくない左派が台頭す るかも知れないのだ。アメリカが何処に向かって行くかからは益々目が離 せない状況だと思う、今日この頃だ。


◎新興宗教・日本国憲法真理教はとんでもない邪教である。:北村維康

先日から、現行日本国憲法なるものは新興宗教であると言ふことを書き連 ねてきたが、考へれば考へるほど、この宗教が日本と世界を暗黒の地獄に 突き落とす、とんでもない邪教であることが判ってきた。

極めて危険な新興宗教として、我等の記憶に新しいものは、オウム真理教 である。それはサリンによる大量虐殺事件を引き起こしたのちは、アレフ 等と名前を変へてゐるが、実は「日本国憲法真理教」こそ、オウムよりも はるかに恐ろしい危険な新興宗教なのだ。日本はいつまで、アメリカのポ チであり、また特ア三国の侮りを享けなければならないのか。

日本との戦ひに勝って舞ひ上ったマッカーサーは、日本人の精神を根本か ら直してやらうなどと余計なことを考へた。「日本の憲法は変へなければ ならない」などと、要らぬお節介をやき、「占領下の国の基本法を改変す ること」を禁じた国際法(ハーグ陸戦法規第43条)など、はなから無視し た。そして自分が新興宗教「日本国憲法真理教」の創始者にして初代の教 祖に収まり、ご満悦の態であった。そして自分らがこの憲法を作らせたこ とを、徹底的な検閲によって隠し通したのである。

そもそも、新興宗教とは何か。それにはいくつかの特徴がある。

1.素晴らしいご利益を説く。

2.非科学的なことを言ふ。

3.先祖代々続けて来た伝統的な宗教をけなす。

4.信者を幸せにするどころか、逆に不幸にする

5. 脱退しようとすると、「罰があたるぞ」と言って脅かす。

まだまだあるが、取りあへずはこんなところである。


1.「素晴らしい御利益を説く。」これを信ずれば、日本中に平和が来る と宣伝する。

2.「非科学的なことを言ふ。」周りの国はみな平和を愛する良い、紳士 的な国なので、それらの国に我が国の安全と生存を任せる。だから陸海空 軍及びその他の戦力を持つことは必要ないと、極めて社会科学上、非科学 的なことを言ふ。

3.「先祖代々続けて来た伝統的な宗教をけなす。」「政府の行為によっ てふたたび戦争の惨禍が起ることのないやうにする」と、まるで従来の先 人が営々と築きあげてきたことはみんな悪かったと言ふやうに誘導する。

4.「信者を幸せにするどころか、逆に不幸にする。」拉致による可能性 を排除できない失踪者が続出する。

5.「脱退しようとすると、『罰があたるぞ』と言って脅かす。」例へ ば、九条を改定すると、戦争が起り、日本には徴兵制が復活するとあり得 ないことを言ふ。

しかしながら、昭和22年に施行された流石の日本国憲法真理教の周囲に も、秋風が吹き始めた。教祖が最も恐れる、「風化」が始まったのであ る。敵のスパイは国内に跳梁跋扈し、シナ共産党の軍艦は我が尖閣諸島の 領海を毎日のやうに侵犯してゐる。トランプ大統領も、「アメリカは日本 の背後についてゐてやるよ」と、日本は自分の国は自分で守るべきことを あからさまに言ふ。新興宗教・日本国憲法真理教の神通力は陰りを見せ始 めた。かうした中で、新興宗教・日本国憲法真理教の洗脳から覚める国民 が続出するやうになったのである。この洗脳から覚め、本来の我が国の在 り方を模索することは、我々国民の義務であり、使命である。一人一人が 本来の哲学者である自分に立ち返り、一人一人が勝海舟や西郷隆盛、坂本 龍馬になって、自分の国の舵取りをして行かうではないか。くつざわ亮治 氏ではないが、「デトックス・ジャパン(日本の毒を消さう)!」




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身 辺 雑 記
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東京湾岸、21日も曇天。

日曜の東京湾岸は曇天。

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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
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