政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

全て表示する >

頂門の一針5198 号  2019.10.15(火)

2019/10/15



□■■□──────────────────────────□■■□
 わたなべ りやうじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5198号
□■■□──────────────────────────□■■□

        
       2019(令和元年)年 10月15日(火)


          「光復香港」は体制革新が目的:宮崎正弘

            「支那」は次官通達で禁止:渡部亮次郎   
           
       NHK終戦報道は相変わらず問題山積:櫻井よしこ
                     

                      話 の 福 袋    
                       反     響
                      身 辺 雑 記

         御意見・御感想は:ryochan@polka.plala.or.jp

                購読(無料)申し込み御希望の方は
        下記のホームページで手続きして下さい。
  
       http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm
    バックナムバーは http://www.melma.com/backnumber_108241/
    ブログアドレスは http://chomon-ryojiro.iza.ne.jp/blog/



━━━━━━━━━━━━━━
「光復香港」は体制革新が目的
━━━━━━━━━━━━━━
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆
 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)10月14日(月曜日。祝日)
         通算第6233号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
香港大乱の標語「時代革命」「光復香港」は体制革新が目的
  ジニ係数「0・539」が意味するもの
********************************
 中国の「ジニ係数」は0・62(公式発表は低いが、人民大学教授の推
定値)

香港のそれは0・539
 
ちなみに米国は0・39(日本は0・37=厚ろう生省)。

(註 中国国家統計局発表のジニ係数は0・48だが、中国人民銀行と西
海財経大学との共同調査では0・61とはじき出されている)。簡単に言
えば国富の61%が僅かの特権階級が独占しているという不平等経済の実
態を数値化したものだ。

IMFの定義するところでは、ジニ係数が0・4を超えると超格差社会ゆ
えに下層階級が不満を爆発させて暴動が起きる。0・5を超えると叛乱、
革命になる。過去に0・5を超えた南ア、ベネズエラ、ボツアナ、コロン
ビア、ハイチ、中央アフリカなどでは政権交代があった。

中国はカメラとネット監視と圧政で民衆の叛乱を抑え込んでいるが、香港
は警察だけであり、監視態勢はない。だから暴動型の抵抗運動は駐屯する
人民解放軍の武力介入、戦力行使による武力鎮圧がない限り継続する。所
得格差への怨念が若者達を突き動かすのだ。

米国は所得格差が大きいが、金持ちは寄付行為を行って、富の分配にも寄
与するので暴動が起きるのは人種差別や不当な扱いを受けたスラムで惹起
されやすい。

しかし米国が0・39のレベルでも、ウォール街に座り込んだ人々は、格
差解消、富の公平な分配を叫んだ。

「われわれが99%」という運動は、またたくまに世界に拡大し、豪、英
仏独、台湾、伊、そして日本でも「東京を占拠せよ」というデモが500
人で六本木、日比谷などでデモが行われた。

2011年9月にひとりの人間がウォール街に座り込むと、ツィッター、
SNSでどっと若者を中心に失業者、労働者らが集合し、「われわれが
99%」運動はメディアで大きく報道された。ジョージ・ソロスやら、
ノーベル経済学賞のクルーグマンらが礼賛し、規模が膨らむと、デモ行進
が過激化し、弐ヶ月ほど続いた。

前年から「アラブの春」運動が始まって、チュニジア、リビアへとその輪
が拡がっていた。この当時のアメリカのジニ係数は0・34台だった。若
者らは大卒でも就職難の窮状を訴えていた。

フランスのジニ係数は0・291(ちなみにドイツは0・294)

フランスの黄色ベスト着用の反政府運動は2018年11月から本格化し
た。フランスでは自家用車に黄色の蛍光色の強いベスト装備が義務つけら
れており、ツィッター、SNSで、このベストを着用しての抗議集会とデ
モが呼びかけられ、お互いに隣の参加者を知らない者たちが手をつなぎあ
い、バリケードを築き、連帯した。

黄色ベストの主張は当初はガソリン値上げ反対だった。次第に生活苦を訴
え、物価是正、緊縮財政政策の中止、そしてマクロン大統領の退陣へとエ
スカレートする。

各地で警官隊と衝突し、催涙弾防御のためのマスクがシンボルとなった。

▲フランスの黄色ベスト運動もウォール街を占拠せよも、共通点がある。

留意点はツィッター、SNS、そしてマスク(覆面)が香港と共通である
こと。

しかしもっとも注目するべきが「緊縮財政の中止」をフランスのデモ隊が
言っていることである。

EUの金融政策では参加国はGDPの制限枠内での財政出動しか出来ず、
効果的な失業対策に打って出られないという制度的な矛盾を抱える。

EUの中央銀行、すなわちECBが金利調整を行なうので、フランス一国
で独自な金融財政政策をとれない。だから「EUから脱退」を言うルペン
の政治主張がひろく受け入れられるのである。

米国の左翼運動は、裏付けのない無謀な主張で「際限のない財政出動」を
叫び、福祉・医療の拡大、大学授業の免除を訴えるリズ・ウォーレンが民
主党の予備レースで、バイデン元副大統領の支持率をぬいてトップに躍り
出た。

バイデンは中国との金銭まみれのスキャンダルが出来し、突然、人気が急
落した。息子のハンターは中国の企業躍進を辞任すると発表した(12日)。

社会主義者バニー・サンダーズの入院により、ぽっこりと空いた空隙に
ウォーレンが滑り込んだのだ。いま、こうして民主党の極左に支持があつ
まるのは、所得格差に原因がある。

大統領レースの競合者が誰であれ、米国の境遇は世界の現象に似てきたの
だ。緊縮財政の中止、MMT理論が衆目の期待を集めるのも、理論は保守
系なのに極左が都合良く利用している。

先進国で、もっとも悲惨な経済の落ち込みを経験中の日本が、いまだに財
務省主導の緊縮財政政策にこり固まっているにもかかわらず、なぜ米国や
仏蘭西や香港で起きている運動が起こらないのか? それはツィッター後
進国の所為ばかりではないだろう。しかし、前回選挙での山本太郎現象
は、次の展開への前兆と受け止められる。


 ▲香港の黒覆面の武装集団を税制支援するのは誰か?

香港の抗議行動も初段階は平和的な行進だった。七月を境にして暴力化した。

突如、デモ隊に紛れ込み、大量の火焔瓶を次々と警察や政府庁舎、地下鉄
駅に投げ、警官と衝突の切っ掛けをつくるが、さっと逃げる。駅に放火
し、火焔瓶を用意し、暴動を煽りながらも、忽然と去る覆面武装の小グ
ループは最大でも百名強くらいだろう。

彼らは「時代革命」という平和的な、穏健派のデモ行進とは無縁で、「破
壊せよ、ともに破壊するのだ」と叫びあって暴力的破壊行為に専念している。

その戦術と統率の取れた遣り方はよくよく訓練されたもので、テロリズム
専門家は「1999年に米国西海岸シアトルで開催されたWTO大会を、
完全にぶち壊した世界的な無政府主義集団の破壊活動に似ている」として
無政府主義集団の国際的連携が背後にあるのではないかと邪推する。

WTO反対を唱えた無政府主義団体は、アンチ・グローバリズムを掲げた
が、愛国主義とも無縁でナショナリストの集団とはほど遠い政治的主張を
繰り返した。

香港では、衝突のたびに警官に捕まるのは逃げ遅れた、デモ初参加の稚拙
な人々であり、三分の一が18歳以下だった。かれらは今後、長い裁判
と、その裁判費用の捻出という大事業が待っている。

支援体制が先細りになるか、あるいはまだまだ抗議活動は続行されるの
か、いずれ息切れし、自然消滅に至るかは現時点で予測するのは難しい。

問題は、武装集団の軍資金である。
 
平和デモと集会の最大の胴元はジミー・ライこと、黎智英(リンゴ日報社
長)である。行進では自らが先頭に立ち、また主宰するリンゴ日報は、あ
たかも抗議団体の機関誌のように民主化デモを支持している。しかし暴力
行為を諫めており、このまま無政府状態が続けば中国軍の介入を招くだろ
うと警告もしている(げんに習近平は10月13日、訪問先のネパールで
演説し「いかなる分裂行為も許さず、粉砕する」と恐喝的言辞を吐いた)。

ジミーは9月に訪米し、ポンペオ国務長官、ペンス副大統領、ジョン・ボ
ルトン補佐官(当時)とも面会した。ジミーの米国に於ける最大の理解者
はポール・ウォルフォウィッツ元国防副長官、元世界銀行総裁である。

しかもポールはポーランド系ユダヤ人の両親のもと、イスラエルに暮らし
たこともあり、インドネシア大使も歴任した國際派だが、依怙贔屓人事を
批判され辞任した。

この関連からネオコンの頭目の一人と見られ、ジミーとの親密な関係の背
後関係を示唆する人もいる。


 ▲英語圏で黒幕説の「マイルズ・クオ」って、郭文貴のことだ

もう一人、運動の「黒幕」と言われるのがマイルズ・クオこと郭文貴である。

いうまでもなくトランプ政権で戦略補佐官だったスティブ・バノンンとの
親交で知られるが、アメリカに亡命後、NYに豪邸を構え、ユーチューブ
を開局し、ひたすら王岐山、習近平のスキャンダルを暴き続けている。
この郭文貴が武装集団の黒幕の一人ではないかと推測も香港ではあがって
いる。
 
理由は反習近平の共産党内の権力闘争が絡み、習の失敗を待っているのが
江沢民派、それに繋がる軍人の人脈であり、ひそかに江沢民派と共闘して
いるのが共産主義青年団という図式だからだ。

香港利権は江沢民派の縄張りだった。

嘗て郭文貴は江沢民派の蓄財のために、インサイダー取引やマネーロンダ
リングに手を染めたのも、権力中枢の公安幹部と繋がっていたからで、株
式市場で怪しげな取引の裏には郭文貴の名前と、その手下で明天証券の粛
建華が張本人といわれたものだった。

彼らの悪行も依然として中国で尾を引いており、内蒙古省の「包商銀行」
の倒産、国家管理に至ったのも、かれらのATMだったからだ。この文が
香港暴動の背後で暗躍しているに違いないと、これも推測の域を出ないス
トーリーである

10月13日、香港でまたまた反政府抗議活動が展開され、例によって政
府庁舎、警察、地下鉄駅に火焔瓶が投擲された。美心集団のスタバ、優品
360などが方々で襲撃されたが、中国銀行のATMがほぼ壊滅されたう
え、この日、ファーウェイとレノボの販売店も襲撃された。ファーウェイ
襲撃は、おそらく初めてである。

    
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
読者の声  どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)「ヴェノナ文書の和訳出版に感謝」

1.意義:これは第二次大戦前と戦争中の米国におけるソ連スパイ工作の
実態である。日本人にとっての意義は、1991年のソ連の自滅と併せて戦後
の日本悪者論を否定することにある。またそれは今も続く中共などの反日
歴史観を否定することでもある。日本が正しかったのだ。

2.発表の契機:米国は戦前のソ連工作員の暗号通信の解読を行ってきた
が、その成果を1995年に発表した。これは1991年にソ連が自滅
し,当時の機密情報が漏洩し始めたので慌てて発表したとも言う。という
のは副大統領を含む米政府高官が多数ソ連のスパイ工作に協力していたか
らである。

3.工作:スターリンは1921の政権奪取直後から、米国に注目していた
が、米国側が凄惨な共産党の暴政に恐れを成して国交を開かなかったの
で、ビジネスマンを偽装した工作員を送り込んでいた。しかし1933年ルー
ズベルト政権が国交を開設すると、スターリンは外交官の身分でKGBの工
作員を送り込み伝説の大諜報網を形成したのである。

4.活動:彼等の活動は上は大統領府に至り、情報は口紅から原爆まであ
らゆる技術を盗み取った。そして対外政策も誘導した。ハルノートの原案
はスターリンが1941.4にKGBの伝書使を送って財務省高官のソ連スパイホ
ワイトに伝えたものである。
1945.2のヤルタ会議の大統領補佐官のヒスはソ連スパイであった。このた
め会談はスターリンの圧勝に終わった。特に重要なのは,ソ連の工作が米
国マスコミに浸透し映画界にまで入りこんだことだ。このため反日記事と
反日映画により米国人は気違いのように反日になったのである。
タウンゼント、マクマレー、グルー駐日米大使など心ある米国人は必死に
反対したが、多勢に無勢で誤解を正すことは出来なかった。その残差が現
在中共や韓国などに悪用されている。
 早速読んでみたい。監訳された中西先生と翻訳に参加された皆様に感謝
します。(落合道夫)

  ♪
(読者の声2)月刊誌『ボイス』の今月号(11月号)に掲載された宮崎
先生の「指導者なき香港市民の暴発」をたいへん興味深く拝読しました。
 ほかにも夥しい香港報告がなされていますが、貴論は、香港の若者と米
国に蔓延し始めたリバタリアン思想との関連性を衝いた、ユニークな分析
でした。是非、この方向で、続編を期待したいと思います。
   (佐佐木生)


(宮崎正弘のコメント)続編というわけではありませんが、『正論』の次
号(11月1日発売号)に香港報告の詳細を執筆します。

   

━━━━━━━━━━━━
「支那」は次官通達で禁止
━━━━━━━━━━━━


       渡部 亮次郎

私のメルマガ「頂門の一針」に読者から投書があった。

<渡辺はま子のヒットソングを挙げると、まず昭和15年の東宝映画「蘇州
夜曲」の主題歌「支那の夜」でしょうが、「ウィキペディア」でも「支
那」という言葉は使いたくないのでしょうか。

「渡辺はま子」の検索では出てきませんね。「支那の夜」で検索すると出
てきますが。

私は、子供の頃、父がこの歌が好きでよくレコードを聞いておりましたの
で、しっかりと記憶しております。

戦後「支那」という言葉がタブーになりましたので、「支那の夜」を聞く
機会がなくなってしまい残念に思っておりました。

渡辺はま子が亡くなった夜かそのあくる夜か、NHKで渡辺はま子の追悼番
組がありましたが「支那の夜」は最後まで放送してくれませんでした。
(剛)>

NHKは「ラジオ深夜便」で09・7・6にも「日本の歌・こころの歌」で渡辺
はま子を特集したが、「支那の夜」には一言も触れなかった。
支那(しな)と言いたくないのである。

支那事変の始まったのは小生の生後1年の1937年。事変など知らずに育
ち、対米戦争では田圃の中で艦載機に狙われて草むらに隠れた。

長じて特派員として北京に飛んだが、すでに「支那」でなく中華人民共和
国になっており、爾来「支那」に無関心で来た。大方もそうであろう。

「ウィキペディア」は
<支那(しな)は、中国または「中国の一部」を指して用いられる、王朝
や政権の変遷を越えた、国号としても使用可能な、固有名詞の通時的な呼
称。本来、差別用語ではないが、何らかの圧力などにより、差別語とみな
される場合が殆どである>と説明している。

詳しく調べてみると「何らかの圧力」とは、敗戦と共に加えられた「中華
民国」からの「圧力」だった。

大東亜戦争で日本の敗戦後は戦勝国陣営である中華民国政府からの呼称を
めぐり「支那」を使うなという圧力がかかった。これを承けて日本外務省
は1946(昭和21)年に事務次官通達により日本の公務員、公的な出版物に
「支那」呼称は禁止され、その代わりに「中国」の呼称が一般化されるよ
うになった。マスコミもこれに準じた。

現代の日本で「中華人民共和国」を指しての「支那」、「支那人」という
言葉は半ば死語と化しており、一般的には中国、中国人という呼称に取っ
て代わられている。

学術用語や「支那そば」は「中華そば」という言い換え語がすでに一般化
している。また、「沖縄そば」を支那そばと呼称していた時期もあるが、
これも今日ではほとんど使われない。

「東シナ海」等の、国家のことではなく地域のことを指す場合や「支那事
変」などの歴史用語として用いられている場合はある。

中国では、世界の中に中国を客観的に位置づける場合に「支那」の呼称が
学者の間で広く永く使われていた。早くから異文化に学んだ仏教徒の間で
は特にその傾向が顕著である。

また清の末期(19世紀末―1911年)の中で、漢人共和主義革命家たちが、
自分たちの樹立する共和国の国号や、自分たちの国家に対する王朝や政権
の変遷をこえた通時的な呼称を模索した際に、自称のひとつとして用いら
れた一時期がある。

日本では、伝統的に漢人の国家に対し「唐」や「漢」の文字を用いて「か
ら、とう、もろこし」等と読んできた。明治政府が清朝と国交を結んでか
らは、国号を「清国」、その国民を「清国人」と呼称した。

支那という言葉は、インドの仏教が中国に伝来するときに、経典の中にあ
る中国を表す梵語「チーナ・スターナ」を当時の中国人の訳経僧が「支
那」と漢字で音写したことによる。「支那」のほか、「震旦」「真丹」
「振丹」「至那」「脂那」「支英」等がある。

日本においては、江戸時代初期より、世界の中に中国を位置づける場合に
「支那」の呼称が学者の間で広く使われていた。これは中国における古来
の「支那」用法と全く差がない。江戸後期には「支那」と同じく梵語から
取ったChinaなどの訳語としても定着した。

日本人が中国人の事を支那人と呼ぶようになったのは江戸時代中期以降、
それまで「唐人」などと呼んでいた清国人を「支那人」と呼ぶべきとする
主張が起こり、清国人自身も自らのことを「支那人」と称した事に因む。

戦前・戦中は中国人を日本人に敵対する存在として、「鬼畜米英」など
と同様に、「支那」が差別的ニュアンスと共に使用される場合もあった
が、「支那」自体が差別語であったわけではない。

しかし、戦後、中国人・台湾人が差別的ニュアンスとともに使われること
もあったことへの反撥を表明するようになってからは、差別語であるとい
う感覚が生じた。2009・07・16

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』



     
━━━━━━━━━━━━━━━━━
NHK終戦報道は相変わらず問題山積
━━━━━━━━━━━━━━━━━


            櫻井よしこ

毎年8月になるとNHKのいわゆる“歴史もの特集”が放送される。NHK
の歴史に関する作品には、たとえば2009年4月の「JAPANデ
ビュー」、17年8月の「731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~」のよ
うに、偏向、歪曲、捏造が目立つものが少なくない。そのために私は
NHKの歴史ものは見たくないと思って過ごしてきた。

だが、今年はどうしても見ておく必要があると考えて視聴した。視聴した
のは「かくて“自由”は死せり~ある新聞と戦争への道~」、「昭和天皇は何
を語ったのか─初公開・秘録 拝謁記」の2作品である。

前者は8月12日のNHKスペシャルで、戦前に10年間だけ発行されていた
「日本新聞」を取り上げている。後者は17日の放送で、初代宮内庁長官、
田島道治氏の日記によるものである。両作品共に役者を起用したドラマ仕
立てだった。

期待どおりというのは皮肉な表現だが、前者は想定どおりの「NHK歴史
もの」らしい仕上がりだった。後者についても多くの疑問を抱いた。

まず「新聞」の方だが、番組は暗い声音のナレーションで説明されてい
く。日本新聞は大正14(1925)年に司法大臣小川平吉が創刊し、賛同者に
平沼騏一郎や東条英機が名を連ねる。彼らは皆「明治憲法に定められた万
世一系の天皇を戴く日本という国を絶対視する思想を共有していた」との
主旨が紹介される。

明治憲法においても現行憲法においても国柄を表現する基本原理のひとつ
である「万世一系」の血筋が、まるで非難されるべき価値観であるかのよ
うな印象操作だ。

番組のメッセージは、創刊号で天皇中心の国家体制「日本主義」を掲げた
のが日本新聞で、その日本主義が日本全体を軍国主義へと走らせたという
ものだ。

不勉強の極み

だが、番組は説得力を欠く。歴史の表層の一番薄い膜を掬い取ってさまざ
まな出来事を脈絡もなくつなぎ合わせただけの構成で、どの場面の展開も
その因果関係が史料やエビデンスをもって証明されているものはない。飽
くまでも印象だけの馬鹿馬鹿しいこの作品を、NHKが国民から強制的に
徴収する受信料で制作したかと思うと怒りが倍加する。

日本全国に軍国主義の波を起こし、日本を戦争に駆り立てるほどの影響力
を発揮したとされる日本新聞の発行部数はわずか1万6000部程度だった。
しかも先述のように昭和10年までの10年間しか発行されていない。NHK
の主張するとおり、日本新聞に世論と政治を動かすほどの力があったのな
ら、言い換えれば、それだけ国民に熱烈に支持されていたのなら、なぜ10
年で廃刊に追い込まれたのか。

当時もっと影響力のあった新聞のひとつに朝日新聞がある。朝日は日本新
聞よりはるかに早い明治12(1879)年に大阪で創刊、9年後には東京に進
出、日本新聞創刊の1年前には堂々100万部を超える大新聞となっている。
朝日は満州事変などに関して極右のような報道で軍部を煽り部数を伸ばし
たが、なぜNHKは軍国主義を煽ったメディアとして日本新聞にのみ集中
したのか。不勉強の極みである。

この日本新聞の番組があり、8月15日をはさんで田島日記、即ち「拝謁
記」の方が放送された。二つの作品を対にした構成の背後には、軍国主義
の弊害を安倍晋三首相が実現しようとする憲法改正に結びつけ阻止しよう
とする意図があるのではないかと感じた。なぜなら拝掲記は昭和天皇が再
軍備と憲法改正を望んでおられた事実をかつてなく明確にしたからだ。

「拝謁記」の内容にさらに入る前に、NHKは田島道治日記の全容を公開
していないことを指摘しておきたい。私たちにはNHKの放送が全体像を
正しく反映しているのかどうか、判断できないのだ。

NHKは宮内庁記者クラブで田島日記に関する資料を配布したが、配布さ
れたのは日記全体ではなく、NHKが選んだ部分だけだった。田島氏のご
遺族が了承した部分だという説明もあったが、それはNHKが報道した分
にすぎない。新聞メディアをはじめ各社がその後報じた内容は、NHK配
布の資料が各社の持てるすべての素材であるために、NHKと基本的に同
じにならざるを得ず、NHKの視点を拡大することになる。

もう一点、NHKは今回の放送を「初公開」「秘録」と宣伝するが、田島
日記は16年前の03年6月号と7月号の「中央公論」と「文藝春秋」で加藤恭
子氏が紹介済みだ。加藤氏が伝えたのは昭和天皇が頻りに戦争を反省し、
後悔されていたという点で、NHKの番組でもそうした思いを述べるくだ
りが俳優の重々しい口調で演じられている。

天皇の政治利用

16年前の「文藝春秋」には「朕ノ不徳ナル、深ク天下ニ愧ヅ」として「昭
和天皇 国民への謝罪詔書草稿」全文も報じられている。この草稿は吉田
茂首相らの反対で、過去への反省の表現などが「当たり障りのない表現
に」(加藤氏)変えられたことを、加藤氏は、昭和天皇の思いを実現させ
るべく懊悩する田島氏の取り組みを通して紹介した。

NHK報道の新しい側面は、この点を昭和天皇と田島氏の対話形式で明ら
かにしたことだ。

他方、NHK報道で最も印象的なのが先述の憲法改正に関する点だ。これ
まで御製等を通じて推測可能だった再軍備と憲法改正への思いを、昭和天
皇は具体的に語っていらした。

昭和天皇は1952年には度々日本の再軍備や憲法改正に言及され、2月11日
には「他の改正ハ一切ふれずに軍備の点だけ公明正大に堂々と改正してや
つた方がいゝ」と述べられていた。3月11日には「侵略者のない世の中ニ
なれば武備ハ入らぬが侵略者が人間社会ニある以上軍隊ハ不得己(やむを
えず)必要だ」と指摘され、53年6月1日には米軍基地反対運動に「現実を
忘れた理想論ハ困る」と常識的見解を示された。

こうして明らかにされた昭和天皇のお気持を知って、日本国の在り方に責
任を持とうとするそのお姿には感銘を受ける。だが、国民も政府も慎重で
なければならない。日本は立憲君主国で、君主たる天皇は君臨はするが統
治はしない。何人(なんぴと)も天皇の政治利用は慎まなければならない
からである。

そもそも側近の日記がこのように、公開されてよいのかと疑問を抱く。こ
れまでも多くの側近が日記やメモを公開してきたが、天皇に仕えて見聞し
た、いわば職務上知り得た情報の公開には極めて慎重でなければならない
はずだ。公開されれば当然、私たちは強い関心を持って読む。しかし、そ
のようなことは、側近を信頼なさった天皇への裏切りではないか。こんな
ことで皇室、そして皇室を戴く日本は大丈夫か、国柄はもつのかと問わざ
るを得ない。皇室に仕える人々のルール作りが必要だ。

『週刊新潮』 2019年9月12日号 日本ルネッサンス 第866号



━━━━━━━
重 要 情 報
━━━━━━━

◎予想も閃きも全部当たってしまった13日のスポーツ:前田正晶

ラグビーのW杯:

何は兎も角、予選リーグを突破したのは誠に結構なことで、「大したもの
だ」と褒めて上げねばならないと思っている。何処かで「日本代表は既に
世界の強豪のうちに入っている」という記事を見た気がしたが、その通り
だと立証したのは「天晴れ」と賞賛するに値するだろう。

実は、この試合が最後に残っていると知った時に「日本代表が勝って決
勝トーナメントに出て行く」という閃きが来ていた。それは松島、福岡、
田村、堀江等々に加えて元々身体能力が高い外国人を前任者のジョーンズ
HCが鍛え上げてあったのだから、外国人のみで構成された(とは妙な言い
方だが)諸外国にテイームにはない「屈強な身体能力と体格の外国人に日
本的敏捷さと精神力を持ち合わせた者たちが加わっているのだから、独得
のテイーム力が備わったのは当たり前かも知れない」と思っている。



13日夜は試合開始前の雰囲気で「日本代表の勝利」と閃いたし、トライ数
で2対1とリードした時点で「勝負あった」と見切りを付けても良しと判断
して、プロ野球観戦に安心して切り替えた。敢えて、そこまで割り切った
理由を言えば「スコットランドは明らかに焦っていたし、勝たねばならな
いという重圧というか過剰な自意識に負けていただけではなく、余りにも
キックを多用しすぎで日本に攻撃権を簡単に与えすぎだった」という辺り
になる。もしかすると、地元の利もあって、このまま決勝戦まで行ってし
まうかも知れない。彼らはそれほど邪念がなく波に乗っている。

プロ野球:

遺憾ながら、このクライマックスシリーズとやらの結果は、私が予想した
とおりで、面白くも何ともなかった。第1戦が終わったところで、ソフト
バンクと読売が勝ち抜けるのは明らかだった。それほど短期的な戦力にも
違いがあったと言える。

阪神は兎も角、西武は余りにも無残な負け方だった。負けてしまった理由
は簡単明瞭で「投手陣の不備というか人材不足」に尽きる。第1戦のニー
ルは兎も角、その後が今井、十亀、本田では如何ともしがたい。特に今井
は輝かしき甲子園優勝投手だったが、その為か本人の持てる素質の限界か
知らないが一向に成長せず、今年も7勝9敗ではCSに出てくるような投手に
育っていない。私は辻監督が何故彼をあそこで使ったかが解らない。あの
試合の出来の悪さは酷いもので、読売の沢村並みの制球不足であり、工夫
がなかった。私はこれでソフトバンクの勝ちが決まったと思った。

阪神は1試合勝っただけでも善戦健闘で、持てる力を発揮したと評価す
る。だが、相手は読売FA寄せ集め巨人軍である。かたや西1人いるだけの
阪神では無理な戦いだった。各人の能力の違い、選手層の厚さ、敢えて言
えば投入した資金の違いを考えれば、監督を原にを据えた読売が勝ったの
は当然の結末だった。考えて見て貰いたい。読売には丸、山口、陽、大
竹、ゲレーロ、炭谷等々の他に、未だどれほどのFA組がベンチか2軍で
眠っているかと言うことだ。来年はそこに欠陥である二塁手に広島でFAし
そうな菊池涼介を買ってこようとするという噂があるのだ。

この2試合ともソフトバンクと読売がリードしたところで観戦を止めて寝
てしまった。読売は兎角、ソフトバンクは千賀と甲斐の他にも数名の育成
選手を1軍で使えるところまでに育て上げた努力と球団の方針は評価しよ
うと思っている。但し、ここにも高齢化の波が押し寄せており、世代交代
を図るべき時が来ているのだが、それに育成選手を充てているやり方は、
読売辺りが工藤監督の爪の垢でも煎じて飲むべきではないのか。現時点で
は私にはこの両者の何れが日本シリーズを制するかの閃きは来ていない。


◎令和は異次元の自然災害との戦いの時代:前田正晶


https://note.mu/syasukaw/n/nb8b5631c1e7d?fbclid=IwAR33NwDdHGGV35IHpToRAzT-M_eM_WPSwicfd0xr2OqnIh6ux7Yguzb6H9I




━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━

15日の東京湾岸はまたもや曇天。



            読者:6003人






規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: 97 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。