政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針5191 号  2019・10・8(火)

2019/10/08



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 わたなべ りやうじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5191号
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       2019(令和元年)年 10月8日(火)


               香港臨時政府が樹立宣言:宮崎正弘

       雀庵の「オランダの台湾始末」:“シーチン”修一 2.0
                            

                     
                      話 の 福 袋    
                       反     響
                      身 辺 雑 記

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 香港臨時政府が樹立宣言
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年【2019)10月6日(日曜日)
         通算第6221号  
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 えっ?香港臨時政府が樹立宣言。馬鞍山の新港城中心に千名があつまる
 「臨時政府」とは、一般的に反体制派が海外で樹立するものだけ
ど。。。。。。。
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 香港は九龍の北東部に馬鞍山という場所がある。
 鉄道の起点「紅糸勘」駅から羅府へ向かう列車で17分ほど北上し、大
囲駅で乗り換えて、それから地下鉄で26分。郊外に拓けた典型のベッド
タウンだ。それにしても遠い。

 大きな吹き抜けロビーをもつ「新港城中心」(ショッピングモール)
は、活用次第では即席で千名規模の集会がひらける。
 2019年10月4日、夜。SNSで呼びかけられた人々、およそ千名
が集結し、「香港臨時政府」の樹立宣言がなされた。

 宣言には人間の平等が謳われ、現行の香港政庁は合法性を失ったので解
散させ、三年以内に普通選挙を実施する。つまり、香港基本法を改正し、
人事は新しい政庁が任命する。中国の介入をさせない政府を樹立したとす
る基本概要が発表された。

 政治学では一般的に臨時政府は海外で亡命者が樹立する。ドゴールは英
国へ亡命し、臨時政府としてラジオ放送でフランスに反ナチス闘争を呼び
かけた。ヤミーン親中政権を選挙で転覆させたモルディブの臨時政府らし
き亡命者組織は印度にあった。ダライラマ亡命政府は印度にあって活発に
情宣活動をしているし、れっきとした首相がいる。

 おそらくご存じない人が多いだろうが、パキスタンからの独立を唱う
「バロチスタン亡命政府」は英国にあり、国王がおられる。旧満州の亡命
政府はロスアンジェルスにある。ほかにも無数の臨時政府、亡命政権が各
国に散らばっていて、政治的な影響力を強くもつ組織もあれば、単に名
乗っているだけで活動休止状態のものも多い。

 同日夜、過激派の一部はチムサーチョイ(香港の新宿)にある「吉野
屋」と「元気寿司」も襲撃し、店舗を破壊した。日本の被害? じつは両
店ともに日本とライセンス契約のチェーンで、スタバを経営する中国資本
(マキシム集団)である。

      □△○み△□△○や△△○ざ◎△□○き□△□
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  読者の声  どくしゃのこえ  READERS‘ OPINIONS 
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   ♪
(読者の声1)評論家 黄文雄先生講演『中国敗戦 米中新冷戦の真実と結末』
www.kokuchpro.com/event/cb088e58ac68eb417dbc208259501cf6/
記 
【日 時】令和元年11月17日(日) 18時30分〜20時30分(開場:18時10分)
【会 場】文京シビック5階会議室A+B(文京シビックセンター内)
        東京都文京区春日1-16-21  03-3812-7111
交通:東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」直結or都営三田線・大江
戸線「春日駅」徒歩1分
【参加費】事前申込:1500円、当日申込:2000円、事前申込の学生:500
円、高校生以下無料
【懇親会】21時〜23時頃 参加費:事前申込3500円、当日申込4000円
【申込先】 11月16日21時迄にメール又はFAXにて(当日受付も可)(懇親
会は11月15日21時迄)
      FAX 0866-92-3551
 E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp
【主 催】 千田会 www.facebook.com/masahiro.senda.50twitter.com
/Masahiro_Senda
【後 援】新しい歴史教科書をつくる会 東京支部
 米中貿易戦争の正体、中国と習近平政権の今後、世界経済への影響、日
韓衝突の行方、2020年の台湾総統選挙の帰趨などについて、文明史、政
治・経済・歴史・文化など多角的な視点から評論家の黄文雄先生が、縦横
無尽に冷静に語ります。
【講師】黄文雄(こうぶんゆう)先生 評論家、ノンフィクション作家。
1938年台湾高雄県岡山鎮生まれ。1964年に来日、早稲田大学商学部卒、明
治大学大学院政治経済学研究科修士課程修了。1994年、巫永福文明評論
賞、台湾ペンクラブ賞受賞。2018年まで拓殖大学日本文化研究所客員教授。
覇権主義を続ける中国を厳しく批判する一方で、台湾を近代化に導いた日
本を高く評価し、日本の文化・文明に心酔、戦後の自虐史観を払拭する言
論活動を続けている。現在は単行本の著作のほか、各テレビ局や『正論』
『文藝春秋』『諸君』『SAPIO』『WiLL』など多数のテレビ・新聞・雑誌
で論戦を張っている。
著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこ
れほどまで違うのか』を始め『世界から絶賛される日本人』『韓国人に教
えたい日本と韓国の本当の歴史』(以上、徳間書店)『もしもの近現代
史』(扶桑社)など日本著書が200余冊。メルマガ『黄文雄の「日本人に
教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』はまぐまぐニュース大賞で
(2016年2017年)第一位を獲得。
   (千田会)


(読者の声2)過日の本欄で、山一証券廃業というニュース(1997年11
月)をリトアニア滞在中に知ったという個人的体験を述べさせていただき
ました。もう22年前の事件ですが、当時も我が国経済の低迷は深刻な状況
でした。
あれから20年以上も、我が国経済がさらに停滞し、GDPにおいて中国に
完全に凌駕されてしまうというような事態までは、私には予想できていな
かった。
 『FACTA』10月号に、中野剛志氏が「日本衰退の元凶『新自由主
義』」という小論を寄稿されています。ここに掲載された、1995〜2015年
までの「各国の名目GDP成長率ランキング」、「日米欧中の名目GDP
の推移」という図を見ると、あらためて、この20数年の我が国経済停滞の
異常さを感じざるを得ないところです。
 欧米の成熟した先進諸国と比較しても、日本経済の停滞は突出してい
る。しかも90年代半ばを境に、日本だけが突然、折れたかのように成長を
止めている。中野剛志氏も述べられている通り、これほど極端な現象、し
かも我が国経済だけが異様な停滞を示しているということについては、社
会の成熟だの、人口動態といったような一般的社会要因では説明できない
でしょう。
 どう考えてもその原因は、この間の経済政策の失敗にあると私は思うの
ですが、この期間、大きな声で賢しげに「構造改革」を叫んだ連中は、こ
のあまりにも冷厳な「結果」についてどう説明するのでしょうか。
今に至っても、(彼らの常套句ですが)自分たちが主張した「構造改革」
が不十分だったから、などと恥知らずにも述べるのでしょうか?
 私は、竹中、小泉親子などといった連中が、マスコミに顔を出すのを見
ると、吐き気がします。20年など、あっという間です。これから20年後、
私はこの世にいない蓋然性が高く、生きていても90歳代半ば近くですが、
さらに高齢化が加速する中で、社会は、経済は、いったい、どうなってい
るのか・・・・・
  (椿本祐弘)

       
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 雀庵の「オランダの台湾始末」
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       “シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/32(2019/10/7)】16歳の女の子が環境保護運動
のジャンヌ・ダルクみたいに称賛されているが、あの憎悪の激しい表情は
病的だ。大丈夫だろうか。

「人のことより自分のことを心配したら! アンタ、ほとんどキチ〇イ
じゃないの!」

お言葉ながら「ほとんどキチ〇イ」ではなく「100%キチ〇イ」です。廃
車寸前のポンコツ、不名誉殿堂入り、世界不自然遺産登録を目指している
老骨でございます。わが身に鞭を振るい、だましだましで日々を送る憐れ
な老人でございます。同情するならパワースーツをくれ! こんなのいい
と思わない。


このモリタエコノスという会社、特殊車両のプロ。目立たないけれど社
会を支えているのだ。ああ、こういう会社、職能人、好きだなあ。

このところ「人間性能」「人間力」「老化」といったことをよく考えて
いる。体力=運動力、知力=思考力、技力=技・腕前、これらからなる
「心技体」パワーが老化で減っていくのだが、「パワー残量」は個体差は
あるものの、大体こんなものだろう。


一般的に人は専門分野にパワーを集中させるから、残量度50%でも実際に
はその「得意土俵」では90%、120%になったりする。学者・専門家とし
て優秀だが、車の運転は危なっかしいとかは大いにある。ただ、総合的に
「人間性能」を見ると、上記のようになるのではないかなあと思うわけ。


「自分の土俵なら若いもんには“勝てないものの負けない”」とか。この
“勝てないものの負けない”というのは企業競争で「万年2位の戦略」でも
ある。1位は1位を保つために膨大な研究開発費がかかる(アメリカを見
よ!)、それでも優位に立てる。2位は1位の発明なり研究、特許を買った
り、アイディアを得て似たようなものを創ればいいので、比較的低コスト
で「負けない」商品を作れるわけ(中共とか韓国。日本もそうやって伸び
てきた)。

トヨタに対する日産がそんな「ナンバー2戦略」だったと思う。メーカー
ごとにいろいろな個性があるから、切磋琢磨してこの分野では○○、あの分
野では△△がいいね、となっているのは、日本の全体のパワー向上になって
おり、良いことだ。

男「力比べじゃダメだけどよ、こっちの方ならまだ若いもんには負けね
えよ・・・どうだい?」

女「あ、ああ、ああーん!」

ナレーション・・・バイアグラ、サポート ユア ライフ

テロップ(効能は個体差があり、保障するものではありません)

こんなCF創ったら売れるぜよ、のう。脳みそもアッチも使わんと劣化す
るぜよ、放っておくとお宝盗られるで・・・

台湾“宝島”利権をめぐる日蘭の一触即発的危機。長崎代官末松平蔵、そ
の配下、浜田弥兵衛、和解のためにオランダ総督が差し出した“トカゲの
しっぽ”ノイツ長官。

・末松平蔵:江戸初期の海外貿易家。長崎の人。名は政直。南洋各地と
の朱印船貿易で巨富を築き、のち、長崎代官となった。「長崎のドン」だな。

・浜田弥兵衛:末次平蔵の朱印船の船長。貿易上の争いから、武装日本
人多数を伴って台湾のオランダ人根拠地に渡り、このため日蘭貿易は数年
間中断した。

・ノイツ:オランダ東インド会社の台湾長官 (在任 1627〜29) 。1627年
東インド総督府員外参事としてバタビアに着任、次いで台湾長官に任じら
れて台湾安平にあったゼーランディア城に入り、この年8月、台湾貿易に
ついての日蘭紛争解決交渉のため来日、江戸におもむいたが、将軍の謁見
を許されず帰任。

翌28年、武装して台湾に来た浜田弥兵衛をいったんは捕えたが、脅され
て和解。このため江戸幕府は、オランダの対日貿易を禁止し、弥兵衛とと
もに日本に来た人質とオランダ船員を抑留した。これが浜田弥兵衛事件で
ある。

ノイツは事件の責任者として、人質解放のために日本に来て、平戸に監
禁された。商館長N.クーケバッケルの尽力で、36年解放されてバタビアに
帰り、本国に送還された。(以上はコトバンク、WIKI)

平戸・・・まるで刑務所みたい。

ノイツが一番割を食ったが、日蘭は双方とも「手打ちしたい」事情は
あった。秀吉は西洋列強の侵略策は「カトリックが道普請し、おいしい餌
で民を慰撫し、次いで軍隊で主権を奪う」と見抜いて、カトリックに洗脳
された朝鮮・明国が元寇のように襲ってきたら危ない、機先を制しておく
に如かず、と「朝鮮征伐」を始めた。これは1500年代の「世界最大の戦
争」だという。

家康もその危機感は共有していたろう。このためカトリック禁止などの
「鎖国」を選んだが、明国との貿易を止めたいものの、「絹」などは支那
に依存しており、止めるに止められない事情があった。一方でオランダは
西洋で唯一対日貿易ができるという権利を維持したい。

そこでオランダ東インド会社やノイツなどが「必要な支那産の特産物を
私どもがお届けします」と汗を流して、日・明の了解を得たのだろう。今
でもよく見るグレーゾーン的な「第三国経由の貿易」だ。

これにより家康は晴れて鎖国令を完璧にした。

美味しいものにはアリが群がる。1626年にはイスパニア(スペイン)が
「俺にも食わせろ」と台湾に進撃、2つの城を造り、北部を制覇した。


「無敵艦隊」が象徴するようにスペインは当時の大帝国だ。一方で新興国
のオランダは九州とほぼ同じ面積の小国。まともな土地がない。「ライン
川下流の低湿地帯に位置し、国土の多くをポルダーと呼ばれる干拓地が占
める。国土の1/4は海面下に位置する」(WIKI)。海外へ雄飛するしかな
い。ロイヤルダッチシェル、フィリップス・・・知恵と勇気で生きる、日
本のような国柄だ。必死でスペインに立ち向かっていく。


「一般的に言えば、イスパニア人の熱心さはオランダ人に大きく劣った。
イスパニア人(のアジア戦略)はルソン(フィリピン)の保持に重点を置
き、北部台湾占領はオランダ人に対する牽制の意味しかなかった。

1642年、ついにイスパニア人は、優勢なオランダ艦隊によって追い払わ
れ、16年間の占領史は終止符を打った」(王育徳)

なんか歴史を学んでいるみたいな気分だ。脳みそがハイになる、脳細胞
のボッキ、「立つんだ、ジョー!」。

発狂亭“勉強=受動的、学問=能動的≒趣味”雀庵の病棟日記から。

【措置入院 精神病棟の日々(150)2017/1/15】産経、酒井信彦「新聞
に喝! 新聞に戦争責任はないのか?」。

<勝っても負けても死者の山。勝てば誰も罰せられないどころか称賛さ
れ、負ければ死刑になる。アサヒはこっそり変身し、GHQの良い子になっ
た。刑死した人に責任をおっかぶせておしまい。ほとんどの国民は食うた
めに必死だったから仕方がないというしかないか。刑死した人々の名誉を
回復すべきだ>


まことに正論。氏は小生の隣町の方。表敬訪問したいなあ。

河村直哉「ロシア革命100年の歴史を直視せよ」。

<陰謀史観を展開したいのではない。ただ日本が戦後の左傾を脱して自
国の歴史を公平に見る必要があることは、指摘したい。

日本では、軍事情報などをソ連に流していたゾルゲ事件が有名である。
ゾルゲとともに死刑になった尾崎秀実(ほつみ)の手記などを読むと、日
中の戦いが世界戦争に発展すること、それが世界共産革命に至ることを、
尾崎は明確に意識している。


資本主義国同士を戦わせ弱らせて、共産革命に至らせるというレーニンの
準則を、守っているのである。こうした事実に、どれほどの注意が払われ
てきただろうか。

戦後もソ連は、日本で工作を行っている。共産主義は変質したものの、
一党独裁の中国も謀略や宣伝の手法はしっかりと受け継いでいるといって
よい。最近の歴史戦など、戦前のソ連の対米世論工作を思わせる。

映画めいているという批判は当たるまい。米大統領選へのサイバー攻撃
が事実なら、ロシアの謀略体質は変わっていないことになる。

ロシア革命100年を振り返ることは、単に異国のこととしてすまされるも
のではない。日本の近現代を振り返り、教訓をくむことにほかならない>

騙されるな、リベラル≒アカモドキに警戒せよ、ということ。まことに正
論。(つづく)2019/10/7




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重 要 情 報
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◎アメリカ式の時代の変化に対する速やかな対応に思う:前田正晶

「栄枯盛衰は世の常」とは言うが、W社は1990年代末期には58,000人の従
業員を擁し、円貨にして2兆3,000億円ほどの世界の紙パルプ・林産物業界
でトップ5に入る企業だった。それが2000年代に入って紙(印刷)媒体の
衰退を見越して2005年に印刷用紙部門、その後に製紙用パルプ部門と続々
撤退して、2017年には全社の売上高の60%超を占めていた紙パルプ部門か
ら完全撤退を終えてしまった。将にアメリカ式の二者択一の思考体系によ
る、我が国から見れば余りにも思い切りが良いとしか思えない厳しい決断
だった。即ち、1900年に創業した材木会社に戻ったのだった。


世界最大の(我が社の天敵的な存在だった)International Paper(IP)
も2007年には経営体質転換を図ってアメリカ国内には紙パ部門の新規投資
をしないと言明し、印刷用紙部門をアッサリと売却し、成長が見込める中
国やブラジル等の新興国のみに設備投資をする方向に転進した。

その後にアメリかでは続々と大手の印刷用紙メーカーが民事再生法による
保護を請願して実質的に倒産していった。私もある程度はその先行きが読
めてはいたが、ここまで業界を挙げて徹底的且つ急速に衰退するとまでは
予想できていなかった。そこには、アメリカの経営者たちの即断即決の恐
ろしさもあると言いたい。


私が見るところでは1990年代の末期から一次産品に近い業種(USステイー
ルなどは早期に駄目になっていたが)ほど衰退の速度が速く、その先行き
を読み切れなかった会社が消えていったと言えると思う。

要するに「物を造る企業」が衰微して、それに変わって出てきて今や世界
を席巻しているGAFAのように自社で製造していない、当初はベンチャー企
業だった頭脳を活かした企業がアメリカを代表する時代になったのだと痛
感させられた。我がW社もIPも21世紀早々から、デジタル化とICT化により
製紙産業が衰退すると読み切っていたとしか思えないのだ。


今にして思えば、1980年代にシアトル市の南のサウスセンターという
ショッピングセンターの駐車場の片隅にあったマイクロソフトとか言うコ
ンピュータのソフトを作っているとか聞かされた小さな会社が、あそこま
での企業になるとは、あの当時に誰が想像しただろうか。

嘗てはW社本社ビル内の巨大なカフェテリアに細々とスタンドを設けてい
た、「苦い」のが売りのコーヒー店が、今日のスターバックスに発展する
とは、誰も想像していなかったのではないか。。


私は「アメリカで起きた変化と革新というか新規で斬新な事業は必ず我が
国に大波となって押し寄せてくる」と信じていた。既に印刷媒体が衰退し
つつあり、インターネット広告は順調に伸びているではないか。

アメリかでは10年間に60%も減少した新聞用紙の需要は我が国でも既に
30%も減少した。この現象だけを見ても我が国の製紙産業は遠からず衰退
の道を歩むことになるのではないか。既に王子製紙のホールディングカン
パニーの社名には「製紙」が入っていない。大日本印刷のテレビCMでは一
言も「印刷」に触れていない。富士写真フイルムも同様の傾向が見られる。


私如き旧世代の会社員には時代の恐ろしいばかりの急速の変化には対応す
るどころか「あれよ、あれよ」と見守っているしか出来ない。ただ感じ
取ったことは先進国には容易に大規模で急速な変化に対応するのが、新興
勢力のように簡単ではないように思えるのだ。

それは、1997年にインドネシアの世界最新鋭の製紙工場を見学して「後発
なるが故に世界最新鋭にして最大の規模の設備投資が可能で、先進諸国に
は到底及ばない高品質の印刷用紙が従来の常識を越えた速度で大量生産す
る時代が到来した」と驚愕させられた。


だが、現在では既に印刷用紙は大袈裟に言えば「絶滅危惧種」
(=endangered species)の道を進んでいるかのようにも見えるのだ。私
には良く解らないが、これからは、先を読んだ者が勝者になる時代が来る
のだろうか。いや、先行きは簡単に見通せるものなのだろうか。ドローン
でサウジアラビアあの石油生産設備を破壊できる時代が来ると読み切って
いた人は沢山いたのだろうか。




◎『大嘗会便蒙』上巻 元文3年大嘗会:斎藤吉久  
                
▽4 由の奉幣
次に、由(よし)の奉幣ということがある。

 由とは大嘗会を行われるべき由である。奉幣とは幣帛を神に奉られる儀
であり、これは今年この月(斎藤吉久注=元文3年11月)、下の卯の日
に、大嘗会を行われるべき由を、伊勢、石清水、賀茂の3社へ、勅使を
もって告げられることである。

(斎藤吉久注=明治の登極令では、「即位の礼および大嘗祭は秋冬の間に
おいてこれを行う。大嘗祭は即位の礼を訖(おわ)りたるのち続いてこれ
を行う」(第4条)、「即位の礼および大嘗祭を行う期日、定まりたると
きは、これを賢所、皇霊殿、神殿に奉告し、勅使をして神宮、神武天皇山
陵ならびに前帝4代の山陵に奉幣せしむ」(第7条)と定められていました。
 荷田在満の時代と異なり、即位の礼と大嘗祭がセットになっています。
また、宮中三殿への奉告、伊勢の神宮および山陵への奉幣の二段構えとな
り、いわゆる国家神道の時代とされるころながら、皇室の社である伊勢の
神宮はまだしも、石清水八幡宮や賀茂神社への奉幣は行われなくなり、代
わって山陵へ勅使が差遣されることになったのは注目されます。
 前回も今回も、登極令の方式が踏襲されています)

 この儀は、霜月上旬のうちに日を選ばれる。今年は3日を用いられる。
これには陣の座の儀、神祇官の儀として、同日に両度の儀式がある。

 陣の座の儀は、上卿以下が、紫宸殿の西廊、右近の陣の座に著いて、3
社の使いを定められるのである。また内記に命じて、3社の宣命を作らせ
て奏聞し、これを清書させるなどする儀式である。

 この儀がおわって、すぐに神祇官代の儀がある。

 神祇官代には、今日の東山、神楽岡の八神殿(吉田の社の近所にある。
今の人は、あるいは誤って八神殿を吉田の社と思う人がいる)のあたりを
用いる。

 その儀は、先行事の弁使以下が、ここで3社の幣物を包み、上卿も、陣
の座の儀が終わってすぐにここに来て、3社の宣命を、3社の使いたちに渡
し、すなわち御幣もここよりたつことである。

 これは昔は、神祇官の官舎で行われたことだが、いまは神祇官がないの
で、神楽岡の八神殿のあたりを、神祇官の代わりと見立てて、このことが
あるのである。

 八神殿は昔、神祇官にあったからである。

(斎藤吉久注=明治の登極令附式では、神宮、神武天皇山陵ならびに前帝
4代の山陵に勅使を発遣する儀式について、「11月」との規定はありませ
ん。陣の座の儀と神祇官の儀の区別もありません。
 登極令附式では、勅使発遣の儀は「御殿」で行われることとされていま
す。宮中八神殿からの歴史の継承を考えるなら、宮中三殿の神殿で行われ
るべきでしょうが、宮中三殿での期日奉告と重なるからでしょうか。
 発遣の儀は、附式では、御殿が装飾されたのち、大礼使、高等官、式部
官、内閣総理大臣が参加し、天皇が出御して行われることと定められてい
ます。
 今回は、昨年11月の発表によると、宮中三殿への期日の奉告は「11月」
ではなく5月8日に行われ、神宮や山陵への勅使の発遣は、同じ日に、宮殿
で行われることとされました。神宮および山陵への奉幣は2日後の10日に
予定されました。
 報道によれば、宮中三殿での期日奉告の儀には、安倍総理が参列したと
伝えられます)


━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━

8日の東京湾岸は曇りのち晴れ。夜には亀戸駅近くの韓国風居酒屋で会合がアル。たのしみだ。

読者:6003人


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