政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針5187 号  2019・10・4(金)

2019/10/04



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 わたなべ りやうじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5187号
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       2019(令和元年)年 10月4日(金)



雀庵の「島国台湾・日本の波瀾万丈」:“シーチン”修一 2.0

       「香港大乱」、これからどうなるのか:宮崎正弘
      
      サウジ攻撃に見る世界戦争の劇的変化:櫻井よしこ

                      話 の 福 袋    
                       反     響
                      身 辺 雑 記

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雀庵の「島国台湾・日本の波瀾万丈」
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      “シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/30(2019/10/2)】日本や台湾、英国といった島
国は、四方の海が頑丈な国境になり、外部勢力から侵されにくいというメ
リットはある。大小あれどいずこの国/民族/部族も他者から侵されないた
めには版図を大きくするしかない。小さいままだと餌食になりやすい。弱
肉強食、遠交近攻、大きいことはいいことだ、一番を目指さなければ飲み
込まれる。

紀元前500年ごろの中国春秋時代の兵法書「孫子」は有名だが、「戦わず
に勝つのが一番の上策」という。ラテン語の格言には「攻撃は最大の防
御」ともある。敵や、いつ寝返るか分からない隣国は先手必勝で併呑して
おけば、防衛費も少なくて済む。

とにかく強くならないと亡国、勝てば強国になってひとまずは安心という
わけだ。

戦争のルールを定めようとハーグ陸戦条約(1899年、1907年)が44カ国で
結ばれているが、現実にそれが守られているかどうかは怪しいし、非加盟
の国や非正規軍の行動を規制できない。現実に史上最大の悲惨な戦争とい
われる第一次世界大戦(1914〜1918年)ではほとんど効果がなかったようだ。

さて、拙論9/28「台湾・日本の関係強化を!」では、台湾が初めて世界に
紹介されたのは3世紀の支那三国時代の「呉」の武将、沈瑩(しんえい)
著「臨海水土志」だと紹介したが、610年ごろに「隋」の軍人、陳稜(ち
んりょう)が遠征したらしく、随書に「流求国は海島の中に居す」と記述
されている。「流求国」は今の琉球(沖縄)なのか台湾なのか今でも不明
らしいが、支那大陸から近いのが台湾だから「流求国=台湾」が有力という。

その後は1200年頃まであまり動きはないが、この年代の世界的事件は、世
界最大最強の「モンゴル帝国(元朝)およびその属国である高麗によって
2度にわたり行われた対日本侵攻」の蒙古襲来だ。鎌倉時代の文永の役
(1274年)と弘安の役(1281年)、みんな中学で教わったね。

何のための日本侵略なのか分からないが(黄金の国ジパングが欲しかった
という説もある)、第一次世界大戦も今もって何だったのか分からないか
ら、人間(男の子)は時々戦争したくなるようだ。「そこに山があるか
ら」みたいに血が騒ぐのか。

天災も人災も戦災も防ぎようがないという面はあるだろう。理性で抑えて
いた欲望や感情がある日、ビッグバンを起こして既存秩序を破壊し、血と
涙の上に新しい秩序が生まれるとか。習近平は「どうしても台湾を俺のも
のにしたい、その次は日本もモノにしたい、で、アメリカと太平洋を二分
するんだ」とか夢見ている。

モンゴル帝国は玄界灘の荒波を越えて大小の軍艦で日本を攻めたが、戦争
が長引くと軍艦、兵員、武器、食糧などの補給がままならず、強風や台風
で元寇は大失敗に終わり、モンゴル帝国と高麗は財政悪化も招いてしまっ
たようだ。

少なくとも遊牧民の大陸国家が海洋国家になる野望は砕かれて、その後、
沿岸部は日本の海賊「倭寇」の跳梁跋扈のなすがままになってしまった。
藪をつついて蛇を出す。

国家は成長し続けないと求心力が緩むが、モンゴル帝国のいささか無理な
戦線や領土の拡大戦略は繁栄をもたらしたものの、相続をめぐって国家分
裂も招き、結局は元寇100年後の1368年に朱元璋の明に滅ぼされてしまっ
た。栄枯盛衰、世の習いか。

台湾でも1100年あたりから南宋の沿岸部を荒らし始め(「文献通考」)、
1200年代には大陸から海賊狩りの軍が派遣されるほどになったようだが、
大陸と台湾の間にある澎湖島あたりまでしか監視できなかったようだ。支
那は海が苦手なのかもしれない。

波瀾万丈(波乱万丈)の「瀾」は大波のこと。台湾は台湾海峡、日本は玄
界灘の波瀾万丈、大波小波、時に荒波、時に怒涛が外敵から身を守ってく
れた。われは海の子、玄海育ち、君も海の子、海峡育ち、手を携えて中共
殲滅せねばや。

英国もドーバー海峡育ち、欧州大陸と距離を置いている。「たかが34キ
ロ、されど34キロ」、これが英国らしさを醸成して世界を制覇した。英、
豪、NZなども加えた「海の子連合」で支那を封じることは熟考すべきだ。

「深く静かに潜航する蒼龍」に憧れる発狂亭“浮上しない沈殿ヘドロ”雀庵
の病棟日記から。

【措置入院 精神病棟の日々(147)2017/1/14】承前:産経「龍馬暗殺5
日前の手紙 越前藩重臣宛て『新国家』ににじむ熱い思い」。小生は英外
交官アーネスト・サトウの「一外交官の見た明治維新」を読んで、龍馬は
西郷先生の右腕、秘密工作員と思ってきたが、同志ではあっても独自の巨
魁だったのかもしれない。

「民泊営業日数新法案 衛生管理義務づけ」、営業日数を制限する必要が
あるのか? ホテル旅館連盟など既得権益層を保護して「票」にしたいわ
けだ。マッチポンプ、私利私欲、党利党略・・・恥を知れ、恥を! 地獄
へ堕ちろ!

「受動喫煙防止法案提出へ 学校、病院は敷地内全面禁煙」。喫煙人口は
減るが、タバコメーカーも小売店も税務署もあまり困らないのではない
か。値上げするから売上は落ちるが粗利(小売店は10%)はそれほど落ち
まい。煙の出ないタバコ、嗅ぎタバコなど新商品も出るだろう。

チャーチルはキューバ葉巻で思考して、「たばこダメ、絶対!」のヒト
ラーに勝った。山本夏彦翁は缶ピースで文章を書いた、曰く「健康オタク
の元祖はヒトラー。健康は(健康でない人を否定、侮蔑、排除するから)
厭なものである」。学校の先生は校舎の裏でこっそり吸っていたら懲戒処
分か? 「ぬしさま、吸いなまんし」の花魁は喫煙幇助で獄門か。タバコ
は文化。

女性専用車両に間違って乗ったら追い出されたが、化粧品のすさまじい臭
いだった。これは匂い、あんたのは臭い、ってずいぶん勝手だなあ。「分
煙」で街や施設のところどころに喫煙所を作れないものか。それにしても
税率60%にひるまないスモーカーは太っ腹だ。(つづく)2019/10/2


   
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「香港大乱」、これからどうなるのか
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)10月2日(水曜日)弐
         通算第6213号 
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「香港大乱」、これからどうなるのか
  警官隊、実弾を6発発射。2人が危篤状態に
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10月1日の国慶節、北京では軍事パレード、政治局常務委員のトップセ
ブンを率いて雛壇の習近平はご満悦の様子だった。

江沢民はよたよたと両脇を抱きかかえながらも登壇し、胡錦涛もめっきり
白髪。朱容基・元首相の出席は確認できなかった。

前日の烈士献花祭典でも、同じトップセブンが先陣を切ったが、その後に
のろのろと足取り怪しき人物。誰かと思えば王岐山国家副主席だった。

天安門広場は招待客だけが集合、長安街のビルはシャッター通り、学校は
休校。つまり国民を排除して、こそこそと演出効果だけが狙いの式典だった。

建軍パレードには最新鋭武器を並べ立て、「栄光の中国軍はアメリカと並
んだ」などと虚勢を張った。

香港では「全民黒衣日」と銘打たれ、国慶節を「恥」と定義した民主派は
祝賀ムードではなく、「共産党よ地獄へ落ちろ」の掛け声をあげた。朝か
ら数万人のデモ隊は中国国旗「五星紅旗」をあちこちで燃やし、国慶節慶
祝の大看板を剥がして道路に投げ捨て、これも燃やした。

10月1日を「決戦」と位置づけてきた民主派は、地下鉄がとまった所為
もあって、定例の銅鑼湾や金鐘ではなく、旺門を含めての随所で、それこ
そ北辺の屯門や全湾、ベットタウンの沙田など13ケ所に集結し、これま
で被害のなかった地下鉄駅を破壊し、段ボールを集めて燃やし、国旗を踏
みつけ、駆けつけた警官隊と激しく衝突した。
 
全湾の駅前「大河道」での衝突では警官隊の一人が実弾を発砲した。18歳
の高校生ツァン・チ=キン(音訳不明)君が撃たれて重体となった。実弾
で始めて重傷者がでたのだ。ただちにマーガレット病院に担ぎ込まれたが
手術ができずエリザベス病院で四時間の手術が施され、様態がようやく安
定し、病院関係者「生命はとりとめた」と発表した。

結局、10月1日だけで、66人(警官隊を含めると74人)が重軽傷を
負い、180名が逮捕された。

さて暴力を推奨する香港のメディアはないが、民主派の行為を「暴徒」を
決めつけているのは中国共産党系の「東方日報」「文わい報」などで、民
主派の味方である「リンゴ日報」は、警官の暴力を非難し続けている。


 ▲暴力を行き過ぎとする市民は過激派と距離を取り始めた

しかし、政庁への度重なる襲撃、火焔瓶、警官隊との衝突を繰り返し、地
下鉄の駅を破壊する行為はさすがに学生、若者らのやりかたは行き過ぎ
と、デモ参会者の多くも武闘派にはついて行けない。

この時点での民主派の諸相と言えば、相変わらず統一組織がなく、各派が
バラバラ、リーダーがいない。最大動員を誇る「民間陣戦」は、穏健派
で、デモ禁止令が発令されれば、デモを中止する。法治を守る立場を堅持
しているため、こうした穏健路線に飽き足りない人々が無許可集会に馳せ
参じる。

なにしろSNSで動員が可能な時代であるため、自然発生的にそれぞれが
独自の呼びかけを行い、また時間的に集合場所が移動したりするが、
ツィッターによる相互連絡で、蝗の大群のように人が集まる。

夥しい傘は、市民に呼びかけると傘の収集場所にはどっと傘が投げ入れら
れるという、自然発生的な支援体制や、救護班の確約も目立つ。

催涙弾が発射されれば消火隊、看護斑が出動し、付近ではマスクなどが配
布される。変わっているのは紛れ込んだ警官のスパイの妨害電波や盗聴を
防ぐために器具の設置を呼びかけるビラも。

共通しているのは五本指を掲げ、「五大訴求、一欠不可」。学生らは「時
代革命」、「光復香港」を叫ぶが、多くの一般学生、市民は武闘になると
現場を離れ、遠巻きに見物することになる。
 
そのうえ警官とデモ隊の間に無数のカメラが流れ込むので、一種の防御壁
にもなる。ただし香港市民の九割近くは依然、民主派の行動を支持している。

この時点で、香港市民が四分裂状態にあることも鮮明になった。
 
一、香港独立を求める思想過激派(陳浩天ら「香港独立党など)
 二、完全自治の達成(黄之峰、周庭、ダニー・ホーら)
 三、穏健派、もしくは日和見主義(殆どの一般が区営と市民)
 四、香港脱出組も急増(これまでの英豪加米などが移民枠を規制したた
め、昨今はマレーシアを筆頭に台湾、くわえて、アイスランド、ポルトガ
ルなど欧州の抜け道。さらにはバヌアツ、フィジーなどへも移住する)。

国慶節がおわり人民解放軍の香港駐屯はいつのまにか、一万二千品に膨れ
あがっていた。しかしながら軍事介入は想定しにくい状態にあることも確
かだ。

この間に、米国連邦議会は「台湾防衛」を鮮明にした「台北法」を可決
し、「香港人権民主法」の可決へ向けての審議に入った。

ビジネス界が神経を尖らせるのは香港経済が未曽有の落ち込みを示し、株
安、不動産暴落が始まったことだ。金融都市機能に不安感が拡がってお
り、加えて観光業界は悲鳴を揚げている。 

香港大乱、収拾の気配はまだない。

 (註 全湾の「全」には「草冠」)
    
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1963回】             
 ―「由來支那國民は經濟的、然り利?的觀念が強い」――片山(3)
片山潜「支那旅行雜感」(大正14年)

           △
 
日本の紡績業は行き詰まりを打開するために、「原料と勞働力が低廉で而
かも綿産物の需要は無限であると云つてもよい」中国に進出している。
「外來資本家が支那勞働者を搾取する目的は最低賃金が主眼である」。こ
の点は、毛沢東が産み出した「貧困大陸」が対外開放に依って「世界の工
場」へと変質した経緯を思い起こさせる。

「支那の勞働運動は日本に比べて堅實な所がある、團結力の點に於ては慥
かに支那勞働者の方が日本の勞働者よりも強い。裏切り者、スキヤブなど
を出すことは少ない」から、「同情罷工は年中行事であるとも云へる程盛
んであ」り、「官憲は必ずしも雇主工場の味方ではな」く、「支那の勞働
運動は既に業に政事を加味して居る」。「支那今日の共産主義者等は日本
の所謂共産黨主義の首領とは大いに赴きを異にする所があつて彼等勞働者
及農民(廣東の)が堅固なる背景を成す」。

これでは「日本の所謂共産黨主義の首領」はゴ立腹だろう。

「由來支那國民は經濟的、然り利益的觀念が強い、否な寧ろ之を國民性と
も云ひ得る程、利?には、個人の利?には機敏である」。だから「團體行
動に出で、罷工を斷行して其目的を達する。彼等は利益を通じて終に階級
意識を發見し此處に階級鬪爭を敢てするに至るのである」。また「支那勞
働者は比較的團結心に富んで居る」から、「首領の命令によく服從す
る」。そこで「演説やら散らしで煽動することの容易な人民である」。

また「支那の勞働者は一般人民は殊に然りであるが官尊民卑の感情が些少
もない。殊に官憲を恐怖すると云ふ觀念は更に無い。之は長い間、外國人
種なる滿洲朝廷に支配された結果かも知れない」。

ここまで労働運動が発達しているにもかかわらず、国内の混乱は止まな
い。やはり「今日支那の難問題は無論軍閥の跋扈?暴」だが、「軍閥の跋
扈は外國の支持がなかつたならば殆ど勢力を成さない」。

外国の支持を背景にする「支那政治家や軍閥首領の腐敗」は「今日に始ま
つたことではな」く、「金の爲めには何うともなる」。「僕は支那に來て
ツクヅク感じたことは、支那今日の急務は軍閥打破にある、關税の改正、
治外法權の撤廢にある。幣制の改革も亦必要であらうし然れども是等は何
れも容易な業ではない」。

アレもダメ、コレも困難。「現下の借款を整理して更に大仕掛の大借款を
爲して以て支那を統一して救濟」する以外、現実的救済方法はみつかりそ
うにない。だが「支那に於ける列強も支那を全然其勢力下に奴從せしめて
何時迄も搾取せんとする考へである」から、「彼等は支那人民の勃興を恐
怖して居る。強大な支那中央政府の起こることを望まない」。

そこで片山は「非常手段に出づるにあるのみ」と「建策」する。「非常手
段を以つて支那の經濟的及政治的獨立を計るには革命に依るの外はな
い」。そして「此革命は支那の小資本家と勞働者と農民と結合して軍閥を
打破して此處に自由政治を布くのである」。

「若しも此際彼等列強が頑迷不靈にして支那四億の民意に背き搾取をつゞ
けんとするならば、支那は結局勞働露西亞に做ふの外なからん、而て其北
隣の勞農共和國は喜んで支那を扶くべし」。「經濟的地位は進歩しつゝ
あ」り、「輸出入は増加しつゝあ」り、「教育は國民間に盛んになりつゝ
ある」。「彼等勃興の勢ひは揚子江の流れを堰き止むる能はざるが如く非
常の勢を以て進みつゝある」。「是れ僕が支那に來て感じたるありのまゝ
の所感である」。

だが「上海の五・三〇事件をへき頭とする中國民族解放運動の嵐は夏ごろ
から反動をよびおこした」。「市内は戒嚴令が布かれ」、「勞働者のスト
ライキはなお十月までつずいたが、その後はもはや繼續する力を失つた」
(徳田)のだから、片山の「所感」は現実に裏切られたことになる。それ
にしても片山のノー・テンキ振りも、やはり相当なもの。
 
NHK人気番組の「チコちゃんに叱られる」に倣うなら、おい片山、つまん
ねえヤツだな〜ッ。
《QED》
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【知道中国 1964回】            
――「臺灣の事、思ひ來れば、感慨無量・・・」――田川(1)
  田川大吉郎『臺灣訪問の記』(白揚社 大正14年)

      △
 田川大吉郎(明治2=1869年〜昭和22=1947年)は長崎の産。明治
22(1889)に東京専門学校卒業後、新聞記者に。『郵便報知』『都新聞』
から東京市助役へ。
その後、司法省参事官を経て政界進出を果たす。1934(昭和9年)、それ
まで廃娼運動を展開していた廃娼連盟は、1934(昭和9)年に内務省が示
した公娼廃止の動き呼応し新たに国民純潔同盟として発足する。同同盟は
精神的・倫理的要素の強い国民純潔運動を推し進め、戦時体制下の総動員
運動の一環に組み込まれ、廃娼運動を越えて純潔報国運動へと転化した。
田川は同同盟で理事長を務めている。

 「日本が、立憲政治の國であることは、日本の國家、國民の誇りであ
る、日本の國民は、常住に、この政治の精神、目的の普及、徹底を圖らな
ければなりません」と、格調高く「序」は始まる。

 「新に日本に加へられた島」の台湾、「新たに日本に添へられた半島」
の朝鮮――両地の「同胞」は「この類の政治の支配を喜ばず、或はこれを忌
み嫌ふ傾向がある」。だが「從來の日本國民、即ち内地の同胞は、この類
の政治の効用、利?を説明して、臺灣島民、朝鮮半島民の理解を求め、得
心を促すことに、骨を折るべき」だ。それこそが「立憲國民としての、日
本國民の名譽であり、面目にも叶ひ、誇りと、特權とを完ふする所以の
道」であるはずだ。

 だが現状を仔細に観察すると、「これに正反對をして居るから、誠に不
思議です」。
 これまで朝鮮や台湾に対しては「内鮮一致」「一視同仁」の精神で臨ん
でいたと理解していたが、この田川の主張に依れば、どうもそうではない
らしい。ともかくも田川の論旨を追ってみたい。

「朝鮮の同胞は、參政權を要求してゐます」。「臺灣の島民は、臺灣の議
會を要求してゐます」。「然るの臺灣に在らるゝ内地の同胞は、この要求
に贊成せられず、寧ろ、陰に、陽に、これを妨害し、これを阻止せんとし
て居られます」。立憲政治を誇る「内地同胞諸君が、これを希はないとい
うことは、何たる矛盾、何たる油斷、何たる不注意。何たる不親切、何た
る不理解の事でありませう」。ここに「日本の議會政治の振はない所以で
あると、沁々、悲しく、情けなく、感じました」というのだ。

 かくて田川は台湾在住の「内地人諸君」に向かって、「實に臺灣島民に
取り、必死の問題である」ところの議会開設問題に対する「諸君の不注
意、無頓着を責めざるを得ませんでした」と悲憤慷慨するばかりか、一歩
進めて「臺灣の同胞に對する陳謝」の意を表す。

 ここで田川はアメリカ在住の日本人に話頭を転じ、「我が同胞の片割れ
が、太平洋の彼方、米國の一隅に、差別の待遇を與へられて居るのを、不
當、非理、不人情だと、烈しく論難」しながら、台湾の人々に対しては
「差別の待遇を與へ」たままだ。「臺灣に在られる内地同胞の」、「臺灣
人に對せらる、態度は」、「私の目には、所謂差別的待遇」と映ってしまう。

 このようなダブルスタンダードを不問に付したままで、「日本は世界に
對して何と言ひます、米國に對して何と言ひます」。在米日本人を差別す
る「彼等が惡いのなら、我等も惡い」。田川は、「この重要な問題が、臺
灣に在る、朝鮮にも在る、臺灣に在らるゝ内地の同胞は、これを考へて下
さらねばなりません」と。

 「序」は「大正十四年三月三十日、普通選擧法、漸く成立したとの新聞
記事を讀みつつ」と結ばれる。

これから本文を読み進むが、「臺灣の諸子から、いろいろ不愉快な話を聞
かされ、堪へ難い恥辱と苦痛を感じた」と、最初から「物騒」な調子だけ
に、興味津々である。《QED》
            
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読者の声  どくしゃのこえ  READERS‘ OPINIONS 
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(読者の声1)詐欺映画「主戦場」を糾弾する!大集会のお知らせ
保守系論者8人に、学問研究を装って取材し、「慰安婦=性奴隷」説に
立ったプロパガンダ映画に仕上げたのが「主戦場」です。
このような詐欺的行為により、慰安婦=強制連行、性奴隷説を復活させよ
うというたくらみに断固反撃する大集会が下記の通り計画されています。
一人でも多くの皆さんのご参加をお願いする次第です。
           記
とき   10月25日(金) 17:30〜 17:00開場
ところ  憲政記念館 講堂 
開会の挨拶:加瀬 英明 先生 (17:45〜18:00)
基調講演: 藤岡信勝先生(18:00〜18:50)
いもこじ討論会  司会:藤田裕行(二宮報徳連合代表)・原口美穂(手
本は二宮金次郎の会会長)           
(19:00〜19:50)
パネリスト:加瀬英明 「慰安婦の真実」国民運動代表
      藤岡信勝 新しい歴史教科書をつくる会副会長
山本優美子 なでしこアクション代表
藤木俊一 テキサス親父 日本事務局 事務局長
ケント・ギルバート 米加州弁護士(ビデオメッセージ)
トニー・マラーノ (テキサス親父、ビデオメッセージ)
参加費:1000円 予約不要 連絡先herofujita@yahoo.co.jp
                080−5543−0111 藤田
主催 ・二宮報徳連合・手本は二宮金次郎の会
後援 ・慰安婦の真実国民運動・アジア自由民主連帯協議会・新しい歴史
教科書をつくる会・生き証人プロジェクト・英霊の名誉を守り顕彰する
会・国際歴史論戦研究所・史実を世界に発信する会・「真実の種」を育て
る会・そよ風・正しい歴史を育てる会、調布「史」の会・テキサス親父日
本事務局・なでしこアクションほか
*チラシをご覧ください! http://www.sdh-fact.com/CL/1025.pdf

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(読者の声2)三島由紀夫研究会、つぎの「公開講座」は朝鮮問題研究家
の松木國俊氏です。開催要領は下記の通りです。
             記
日時  10月23日(水)18時半開会(18時開場)
会場  アルカディア市ヶ谷(私学会館)
    JR/地下鉄「市ヶ谷」下車2分
講師  松木國俊氏(まつき くにとし、評論家・朝鮮問題研究家)
演題  「今日の日韓問題を考える」(仮題)
<講師略歴> 昭和25年生。熊本県出身。慶應義塾大学法学部政治学科
卒。商社勤務(ソウル駐在含む)を経て現在は会社経営。評論家・朝鮮問
題研究家として論壇で活躍中。主な著書に『ほんとうは「日韓併合」が韓
国を救った』、『韓国よ「敵」を誤るな』(いずれもワック)など多数。
          
 
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サウジ攻撃に見る世界戦争の劇的変化
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            櫻井よしこ


せいぜい数万円の無人機が数十億円、或いは数百億円のミサイル防衛網を
かいくぐって壊滅的な被害をもたらした。9月14日、サウジアラビア東部
の石油施設アラムコへの攻撃は戦争の形が根本から変わっていくことを示
している。サウジ攻撃こそ、恐るべき新型戦争の始まりなのではないか。

サウジは一挙に日量生産能力の半分以上に相当する570万バレル、実に世
界生産量の5%の生産停止に追い込まれた。株価は地政学的リスクや世界
経済の減速懸念を反映して16日の市場で142?も下がった。小型無人機に
よる攻撃が石油大国サウジの生産量を激減させ、世界経済に動揺を与えた
ことは大方の人々の虚を衝いた。

攻撃後、イエメンのイスラム教シーア派民兵組織、フーシが犯行声明で無
人機10機で攻撃したと発表したが、これには当初から疑問符がついた。イ
エメンのフーシ支配地域からサウジ東部までは約1300?、小型無人機にそ
れ程の距離が飛べるのかとの基本的疑問だった。

攻撃当日からポンペオ米国務長官は「攻撃がイエメンからだという証拠は
ない」とツイッターで発信し、イランの関与を示唆した。4日後にはサウ
ジアラビアを訪れ、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子との会談に先立っ
て、攻撃はサウジに対する「直接の戦争行為」だとしてイランを非難した。

サウジ国防省は米国と歩調を合わせるかのようにイランの関与についての
具体的情報を公開した。攻撃には無人機18機、巡航ミサイル7発が使用さ
れたとし、兵器の破片からミサイルはイラン製の巡航ミサイル「ヤ・ア
リ」、無人機は「デルタ・ウイング無人航空機」だったと断定した。攻撃
はイラン・イラクの北方向から行われており、南のイエメンからではない
とも公表した。「ヤ・アリ」の射程は700?で、イエメンからだと届かない。

対するイランのザリフ外相はサウジや米国がイラン攻撃に踏みきるなら、
全面戦争だと即、警告した。

尖閣や沖縄奪取に投入

「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)紙によると、米国やサ
ウジの防空システムは「世界で最も高度」だ。にも拘らず、無人機攻撃を
回避できなかった。既存の態勢では防御できない事態が全世界の眼前で進
行中であり、日本はこの事例を対岸の火事と見てはならない。

中国は無人機の開発にかけては世界最前線を走る。すでに1000機以上を保
有し、2017年には119機のマルチコプター無人機を同時に飛ばし、AIを
組み入れた全機が自律的に任務を遂行した。

仮にこれらの無人機が尖閣や沖縄奪取に投入されれば、どうなるか。中国
は今年7月24日発表の国防白書で、これまで触れていなかった「尖閣諸島
の防衛」を明記した。彼らは尖閣・沖縄の先に長崎県五島列島も見据えて
おり、7月25日には五島市沖の排他的経済水域で海底を不法調査し、海上
保安庁の警告を無視して4時間も居座った。日本の領土も資源も狙う中国
の攻撃がないとは断言できないだろう。わが国に防衛、対抗手段はあるの
か。ないではないか。足下に迫る危機を深刻にとらえよと、サウジの事例
が警告している。

それにしても犯人は何者か。安倍晋三首相が6月13日、イランの最高指導
者ハメネイ師と会談した当日、会談を嘲笑するかのようにホルムズ海峡で
日本向けの石油を満載したタンカーが攻撃された。米国は直ちにイラン革
命防衛隊の犯行だと主張したが、サウジのケース同様、イラン側は否定し
た。どの国のどの勢力が犯人なのか、現在まで特定されていない。

イランにおける最強の組織が革命防衛隊だ。安倍・ハメネイ会談に合わせ
て日本のタンカーを攻撃したのが彼らだとすると、最強の暴力組織はハメ
ネイ師の命令を聞かないと見て良いのか。攻撃がハメネイ師の意向だとす
れば、なぜか。私たちはここから何を読み取るべきなのか。

イランも北朝鮮も米国の出方をじっと見詰めている。彼らは押せると判断
すれば押し、待つべしと判断すれば待つ。タンカー及びサウジの石油施設
攻撃には、さらに押せるとのイランの判断があったはずだ。なぜそう判断
したのか。
WSJは9月16日の社説で「ボルトンは正しかった」と見出しをつけて解
説した。

「トランプ氏がテヘランに柔軟対応を考えている最中のサウジ攻撃は偶然
ではない」と。

当のジョン・ボルトン氏が9月18日、プライベートな昼食会で生々しく
語っている。

「今年夏、米国の無人機をイランが攻撃したとき、トランプ氏は報復しな
かった。その失敗がイスラム勢力による攻撃を促した」

イラン側は「彼の自制は我の勝利だ」と見て、安心して事態をエスカレー
トさせたというわけだ。

「中東情勢は激変」

ボルトン氏はいま、「トランプ氏の北朝鮮、イランとの交渉は失敗する運
命にある」と断じている。

トランプ氏は18日、対イラン制裁強化策を48時間以内に発表すると語り、
急いでつけ加えた。「軍事攻撃という究極の選択肢もあるが、それ以下の
選択肢もある」と。恫喝し、同時に恫喝は言葉だけだと打ち明けた。軍事
攻撃に消極的な姿勢を見せることで足下を見られている。

ボルトン氏の後継者、ロバート・オブライエン氏はポンペオ氏の考え方に
近い。ポンペオ氏はトランプ大統領の指示に従う話し合い路線重視派だ。
斯くしてトランプ氏を妨げる人物は消え、トランプ流外交が主流となる
が、これは、氏の弱点、自信過剰で戦略なきディール外交が際立つことと
背中合わせだ。

戦略論に詳しい国家基本問題研究所副理事長の田久保忠衛氏が語る。

「トランプ大統領がイランにソフトな話し合い路線をとり、イランの核開
発阻止に失敗すれば、中東情勢は激変します。イランはイスラエルを滅ぼ
すと宣言しています。イランの核に対抗するためにイスラエルは反イラン
のサウジやアラブ首長国連邦と連携を強め、この二つの国がイスラエルの
核の傘の下に入る可能性もあります」

米国の影響力は相対的に低下し、ロシア、中国の力がゼロサムゲームで伸
びるだろう。トランプ外交への不安を心に刻みながらも、日本はトランプ
外交のプラスの面を支えていく。それしか選択すべき道はない。一例が中
国に対する強硬策だ。トランプ大統領は2017年12月に堂々たる国家戦略報
告を発表した。それは中国の意図も脅威も過小評価しないという決意表明
だった。同盟諸国を重視する伝統的戦略でもある。戦争の型が激変すると
しても、国防は同盟国との連携強化で当たるのが正しい道だと、日本は行
動で示し続けるのがよい。
『週刊新潮』 2019年10月3日号 日本ルネッサンス 第870回

          
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重 要 情 報
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◎なぜ生活保護は助けない?所持金600円の母子家庭を追い返し、
不正受給4万4,466件の闇=鈴木傾城

2019年9月19日 お金の悩み、ニュース


なぜ救えぬ?今日さえ生き抜けないシングルマザーを追い返す窓口

「職や住居を転々とする生活に疲れた」

2019年9月18日。東京都新宿区新宿3丁目にある『マンボー新宿靖国通り
店』で、40代の無職の男がトイレットペーパーや雑誌に火をつけて放火
し、その後、近くの交番に出頭して逮捕されている。

「職や住居を転々とする生活に疲れ、人を刺すか火をつけるか考えたが、
火をつける方が簡単だと思った」

男はそのように語っている。彼もまた住所を失って、転々としているネッ
トカフェ難民だった。住所を喪失し、あちこちを転々としながら綱渡りの
ように生活する生き方には限界がある。


なぜ火をつける前に生活保護でも何でも助けを求めない?

日雇いやフリーターや非正規雇用は、その日その日の賃金は得られるかも
しれないが、生活は不安定で貯金もできない。いったん歯車が狂うと、カ
ネも住むところもない中で路頭に迷う。

若いうちは耐えられていた「その日暮らし」は、歳を取れば取るほど体力
的にも精神的にもキツいものになっていく。彼も、精神的に疲弊し、自暴
自棄に陥って判断能力を失っていったというのは、その行動でうかがい知
れる。

「そんなに苦しければ、火をつける前に生活保護でも申請すればいいでは
ないか」と考える人もいる。それは、まさに最優先で検討すべき自己救済
である。

しかし、生活保護を申請しても、そこでまた茨の道が待っている。

生活保護は申請しても、絶対に受理されるとは限らないのである。



◎日韓友好に「正しい歴史の回復を」 韓国研究者が訴え

 戦時中のいわゆる徴用工ら朝鮮半島出身労働者の賃金体系を研究してい
る韓国・落星台(ナクソンデ)経済研究所の李宇衍(イ・ウヨン)研究員
が6日、国会内で講演し、戦時中に徴用された朝鮮半島出身労働者につい
て「強制連行も奴隷労働も事実無根だ。正しい歴史を回復することが(日
韓)両国の友好関係の発展に寄与する」と訴えた。

 李氏は、韓国で徴用工像や慰安婦像の撤去運動を展開しており、「韓国
では『強制労働がなかった』とする私の主張に同意する人も増えている。
合理的な市民と力を合わせ、徴用工像を撤去したい」と語った。

 李氏は7月、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で人権理事会の関連行
事として開かれたシンポジウムに出席し、朝鮮半島出身労働者が長崎市の
端島(はしま、通称・軍艦島)炭坑で差別的扱いを受けたとの韓国側の主
張に対し、史実を基に反論している。


「売国奴」強制連行論否定の韓国研究員、帰国後罵声浴びる



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身 辺 雑 記  
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4 日の東京湾岸は雨。


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