政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針5181 号  2019・9・28(土)

2019/09/28



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 わたなべ りやうじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5181号
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       2019(令和元年)年 9月28日(土)



      結局、イスラエルはネタニヤフ首相が:宮崎正弘

       ボルトン氏辞任で、日本外交の危機:櫻井よしこ

      「香港デモの黒幕は、アメリカだ!」:北野 幸伯
                 

                      話 の 福 袋    
                       反     響
                      身 辺 雑 記

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結局、イスラエルはネタニヤフ首相が
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)9月26日(木曜日)弐
         通算第6209号 
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 結局、イスラエルはネタニヤフ首相が続投の綱渡り
  大統領、ネタニヤフに組閣を要請、ガンツの「青と白」と大連立実現か
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9月25日、イスラエルのリブリン大統領は、ネタニヤフ首相に組閣を
要請することとなった。ネタニヤフ首相率いるリクードは議席獲得数が
32議席で、ガンツ元参謀長率いる「青と白」の33議席に負けたが、僅
か一議席差。

 ほかの少数政党、とくに宗教色の強い政党がネタニヤフ続投を支持して
いるため合計55議席(過半数は61議席)、一方、中道左派のガンツ支
持が54となって、伯仲しているものの、多数決原理に基づき、ネタニヤ
フに再度の組閣要請となった。

ネタニヤフ首相もガンツ元参謀総長も「大連立」に至るか、どうかの難
しい選択を迫られている。組閣が円滑にすすむ展望はなく、内閣の空白状
態が半年つづいたドイツのように政局の迷走という場面が訪れるだろう。
あるいはネタニヤフはもう一度「解散」に打って出る可能性も高いとイス
ラエルの現地紙は観測している。

何が大連立へのネックなのか?

第一にネタニヤフ首相は、長期政権のため国民から飽きられているう
え、スキャンダルがある。

ということは次の選挙で勝てるか、どうかという不安材料がある

第二に、かといって中道左派の「青と白」は生まれたばかりの呉越同舟
的な野党であり、党綱領など規則が曖昧で、組閣するとなるとアラブ政党
をも、連立の中に入れて多数派形成となるため、これまた不安材料を抱え
ている。

第三にガンツ参謀長が票を伸ばせたのは、ユダヤ正統原理主義者への優
遇措置撤廃(兵役免除、税金の免減など)だった。

この展望が選挙結果によって失われてしまい、いつまでのブームのような
任期を保てるかという戦術的問題が横たわるからだ。

米国はイスラエルを重視し、ネタニヤフ政権と共同歩調をとってきただ
けに、野党政権の出現には神経を尖らせることになる。

    
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  樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1961回】                 
――「由來支那國民は經濟的、然り利?的觀念が強い」――片山(1)
片山潜「支那旅行雜感」(大正14年)
 
        △
徳田の次に、片山潜(安政6=1859年〜昭和8=1933年)の「支那旅行
雜感」を読む。共に共産主義者だが、立ち位置の違いが中国社会に対する
見方の違いに繋がっている。

岡山県生まれの片山はアメリカに渡り、イエール大学神学部を苦学して
卒業。キリスト教社会主義の影響を受ける。帰国後はアメリカのセツルメ
ント運動に共感し、1897(明治30)年に神田三崎町の自宅を拠点にキリス
ト教社会事業を進める。その一方で『勞働世界』を創刊し、職工義勇会
(日本最初の労組)や社会問題研究会(後に社会主義研究会)を結成する
など労働運動に力を尽くし、1901(明治34)年には幸徳秋水らと共に日本
民主党(日本最初の社会主義政党)の結成に参加している。

1903(明治36)年の末に再度渡米し、翌年に第2インターナショナル第
5回大会で本部員に選ばれた。日露戦争中にアムステルダムで開催された
第6回万国社会党大会に出席し、でロシア代表と共に労働者による反戦を
訴えた。

1906(明治39)年の日本社会党結党に際しては議会政策論を主張し、幸
徳秋水ら直接行動派と対立し袂を分かつ。1911(明治44)年の東京市電ス
トを指導し逮捕・投獄。大正天皇即位の恩赦で出獄し、1914(大正3)年
のアメリカ亡命後にマルクス・レーニン主義に転換し、北米で共産主義活
動を展開。1921(大正10)年、ソ連に移りコミンテルン常任執行委員会幹
部に。以後、創設期の日本共産党を指導。また国際反帝同盟を指導し反戦
運動を展開。

十全な任務を完遂できないことを理由に、やがて活動が制限され、モス
クワに留め置かれたまま、1933(昭和8)年11月に病死。

棺を担いだ14人の中にはスターリンや野坂参三が。遺骨はクレムリン宮殿
の壁に埋葬され、脳は頭脳研究所に提供されたというから、それなりに評
価されていたということだろう。

だが、モスクワのアパートで晩年を共に過ごした日本人女性はコミンテ
ルンから日本の秘密警察のスパイと見做され、日本共産党は与かり知らな
かったらしいから、矢張り不思議だ。寂しさを紛らわそうとしたのか。孤
独に耐えられなかったのか。単にテクセが悪かったのか。いずれにせよ片
山の革命家人生は儚く空しく侘しく、しかも滑稽だ。

こう見ると、「支那旅行雜感」は片山にとって人生の絶頂期の活動記
録と言えるだろう。

片山は1924(大正13)年暮れにウラジオストック経由で、上海、南京、
天津を経て北京入りしている。「僅々1ヶ月の滯在で飄然として外蒙古を
通過して現住所のモスコウに歸ると云ふが如き旅行」と記すが、「支那旅
行雜感」の末尾に「(大正14、3、7北京にて)」と記されていること
から、滞在は「僅々1ヶ月」ではなかったらしい。

「支那旅行雜感」の筆を擱いたとする5日後の3月12日、「革命なお未だ成
功せず、同志よって須らく努力すべし」との一言を残し、孫文が北京で死
去している。

その1カ月前の2月10日、内外綿会社(1887=明治20年、渋沢栄一ら創
業)の上海支店第5工場の労働者が待遇改善を要求してストに打って出
た。これをキッカケに労働運動が拡大し、5月15日に労働者が射殺された
ことを機に運動が激化する。5月30日には学生・労働者のデモに租界のイ
ギリス警官隊が発砲し、多数の死傷者を出す。

かくして「五・三〇運動」と呼ばれる全国的な反帝国主義闘争に火が点い
た。いわば片山は中国の労働運動、孫文主導の国民革命高揚期を前にし
た、極めて微妙な時期に北京に滞在していたわけだ。

かくて片山は、「内外綿會社のストライキ騒ぎ、丁度僕が上海に上陸
した時はそのストライキが始まつて居た、が餘り世人は注意を拂はなかつ
た」と記しているが、時期が時期だけに偶然の中国入りとは思えない。
現地視察か。現場指導か。はたまた督戦か。
             
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 読者の声  どくしゃのこえ  READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)清朝時代に欧米、とくにアメリカ人投資家が、広州から四
川省をつなぐ鉄道債券としてうりだされ、清朝が保障する「國債」を購入
した。

それが辛亥革命で紙くずとなったのですが、1979年米中国交回復に
なって、旧債権者が、この請求を始めた由です。

司法省は原告の訴えを退けたのですが、トランプ政権となったので、旧債
権者の子孫があつまり、ホワイトハウスに陳情しているとか。
 まず、保障の可能性や如何に?
ついで日本が同様な債権を山のように持っているはずですが、その行方
は?(JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)たとえ革命が起ころうとも、債務を引き継ぐのが
国際常識です。しかし国際常識の通じない、かの国は「正統な、合法政
府」と言いながら、その前政権の借金に関しては責任がないと主張してお
り、ということは次に共産党王朝が転覆したときは、いま中国に貸してい
るカネはすべてパァになるわけですね。

日本は戦前の債権を放棄していますので、請求するわけにも行かないで
しょうが、日中国交回復後も、邦銀や日本企業には、踏み倒された債権が
あるはずで、この請求は求め続ける必要があるでしょう。
  ♪
(読者の声2)ラグビー・ワールドカップが面白い。日露戦はネットで同
時配信だったのでネットで視聴。安倍総理も応援していましたがサヨク界
隈は千葉の台風被害があるのにけしからん、などと的外れの批判。ホスト
国の総理大臣が応援するのはあたりまえ。

ラグビーの強豪といえばなんといってもイングランド・ニュージーラン
ド・オーストラリア、さらには南アフリカやアイルランドやスコットラン
ドといった英国つながり。

ワールドカップにはサモア・フィジー・トンガといった島嶼国やアフリカ
からはナミビアも出場していますが、いずれもイギリス連邦の構成国。
 24日の試合ではロシアが小国のサモアに9-34で敗れる結果。軍事大国と
いえどもラグビーではそう簡単に勝てるものではありません。
小国といえば南米からはウルグアイ、東欧からはグルジア(ジョージア)が
参加。グルジアのラグビー協会が制作した動画がなんとも素晴らしい。
「Stealing the Sun」という動画です。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=xll4E7QWLkc
 
太陽をラグビーボールに見立てて日本文化を織り交ぜながら世界各国の
選手がボールを奪いに競い合う。やや中国風味があるのはご愛嬌。最後は
旭日旗で締めくくる。韓国人が見たら発狂するレベルかも。

昨年の海上自衛隊艦船の旭日旗掲揚を拒否した韓国での観艦式は日本側
が不参加、今年は日本で開催ですが韓国へは招待状も送らず中国は参加す
るという。これでまた日韓関係は正常化へと向かうのでしょう。

今の日韓関係を戦後最悪などと書き立てる新聞もありますが、1965年以前
の日韓関係は韓国関連のニュースと言えば李承晩ラインで日本漁船がまた
拿捕されたといったものばかり。日韓が国交を結んでも韓国の軍事独裁政
権はけしからんといった韓国批判100%でした。

金大中拉致事件のときなど日韓断交かとまで言われたくらいですから現
在の日韓関係はインドとパキスタン、トルコとギリシャのような隣国同士
が犬猿の仲と比べたらまだまだ友好国の部類でしょう。

1980年代でも軍事政権でしたから取引先の営業さんがソウルの金浦空港で
過激派と間違えられ6時間も尋問されたと聞き韓国は怖い国だと思ったも
のです。

韓国が現在の反日姿勢を続けるのならば日韓関係はフェイド・アウトする
しかないのでしょうね。(PB生、千葉)
  ♪
(読者の声3)反日宣伝対応について。先般、靖国神社を参拝した英国ラ
グビー選手が英国大使に注意を受けたというニュースは、タイム紙の誤報
と分かったが、戦後七十年した今もこうした誤った歴史感覚が残っている
ことは問題である。啓蒙が必要だ。

私も以前英国企業で働いていた時、ロンドンで親切な英国人の同僚に日
本人への反感は我々の世代が消えないと変わらないだろうと言われたこと
がある。

英国人は内心戦争で豊かなアジアの大植民地を失ったことを恨んでいるの
ではないか。勿論日本人にも言い分はある。なぜ多くの白人が戦前アジア
にいたのか、と聞かれると彼等は答えられないのだろう。

一方、日本人もアジアの戦争の実態を知らない。

いまだに戦後の反日歴史宣伝に騙されている。泰緬鉄道の多数の白人死者
を日本軍の虐待の被害と誤解している。実はコレラのためだった。コレラ
は今でも千人単位で死者が出る恐ろしい伝染病だ。日本軍も一千人以上が
病死している英軍では副官が自軍のコレラの第一号患者を伝染予防のため
に日本軍の銃を借りて射殺した。大自然の脅威の前に人間の戦争が無力化
したのである。この副官は戦後英軍の軍法会議で無罪となった。

泰緬鉄道の誤解の原因では、映画「戦場にかける橋」が最悪だ。

コレラを隠して白人兵が虐待されて死亡したというデマを世界中に広め
た。これは元白人捕虜も非難するほどの出鱈目である。大体工期を急ぐ日
本軍が捕虜を虐待するわけがない。飢餓はモンスーンの豪雨で河が大増水
し補給が途絶したためだ。

戦後、英軍は鉄道建設と関係の無い塩田中尉を腹いせで処刑している。そ
こで私は「泰緬鉄道の真実」という小冊子をアマゾン電子本に掲示してい
るが、これを見た塩田中尉の遠縁の方からご連絡を頂いた。英霊は生きて
いるということだ。なお拙著「黒幕はスターリンだった」(落合道夫著 
ハート出版)にはこ
のほかの反日宣伝について正確な情報を記しているので、ぜひ若い人に読
んでいただきたい。(落合道夫)
 

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ボルトン氏辞任で、日本外交の危機
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          櫻井よしこ

9月10日、ジョン・ボルトン氏が突然辞任した。氏は北朝鮮への中途半端
な妥協を是とせず、核・ミサイルの放棄を強く迫り続ける方針をゆるがせ
にしたことがなく、拉致問題には最も深い同情と理解を示し続けた人物だ。

氏の突然の辞任により、トランプ大統領の対北朝鮮外交のみならず、対中
国外交までが妥協の産物に堕してしまえば、日本外交への大打撃になりか
ねない。

「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)紙は、トランプ政権に
是々非々の姿勢ながらも基本的に支持してきた有力紙だが、今回の件につ
いて、11日の社説で、トランプ氏は「真実を語らなかった」と批判した。

トランプ氏はツイッターで自分がボルトン氏に辞任を求めたと主張した
が、米各紙の報道を合わせ読むと、WSJの「真実を語らなかった」との
批判は当たっていると見てよいだろう。各紙報道をまとめるとざっと以下
のようになる。

・ボルトン氏は9日、アフガニスタン問題でトランプ氏と対立、辞任を申
し出た。

・トランプ氏は明日話し合おうと返答した。

・帰宅したボルトン氏は一晩考え、10日朝に辞職願いを提出した。

・同日午前、ボルトン氏はシチュエーション・ルームで国家安全保障チー
ムとの討議に臨んだ。

・11時58分、トランプ氏が「昨夜ジョン・ボルトンに、もはやホワイトハ
ウスで仕事をしなくてよいと言い渡した」とツイッター発信。

・12分後の12時10分、ボルトン氏が、「昨夜辞任を申し出た。トランプ大
統領は明日話し合おうと語った」と反論し、ホワイトハウスを去った。

WSJ紙社説は、「(ボルトン氏の正式の辞職願い提出の)すぐ後に、ト
ランプ氏は辞任は自分の考えであるかのように事実をねじ曲げてツイッ
ターで発信した。3年間で国家安全保障会議(NSC)のトップ助言者3人
を失うという失態の悪印象を避けようとするもので、大統領の振舞として
感心できない」と非難した。

とても難しい上司

無論、米国にはボルトン氏を批判する声も少なくない。たとえば、
「ニューヨーク・タイムズ」紙は12日の1面に、ペンシルベニア大学コ
ミュニケーション・ディレクターのジョン・ガンズ氏の意見を掲載し、ボ
ルトン氏がNSCの伝統を破壊したと非難した。ボルトン氏は、フランク
リン・ルーズベルト大統領のスタイルを真似て大統領と少人数の側近が重
要決定を下す形に拘り、独善に走り、常に大統領の側近くにいようとした
というのである。

WSJは、ボルトン氏はたとえトランプ氏と考えが異なっても、大統領の
意思を尊重し、同時に具申すべきことは具申したと強調する。間違った
ディール(bad deal)はディールなし(no deal)よりもはるかに深刻な
結果を招くと、大統領に伝えたが、大統領には異論を聞き入れる気が全く
なかったと解説する。トランプ氏はとても難しい上司だと言ってよいが、
ボルトン氏に対する大統領のコメントの厳しさは、トランプ氏の一面を示
すものとして、安倍晋三首相は無論、日本人は頭に入れておかなければな
らないだろう。

ボルトン氏「解任」を発表した翌日、大統領執務室でトランプ氏は次のよ
うに語っている。

「ジョン・ボルトンがリビア方式に言及したことで我々の取り組みは大幅
に後退した。カダフィに起きたことを見れば、そんなことで北朝鮮と
ディールできるのか」

右の発言は、トランプ氏がボルトン氏を補佐官として招き入れた直後から
同じ間違いを繰り返して、今日に至るまで何も学んでいないことを示して
いる。

たとえばボルトン氏を補佐官に任命して間もない昨年5月17日、トランプ
氏は北朝鮮へのリビア方式の適用は考えていない、米軍はカダフィを滅ぼ
すためにリビア入りした、と語っている。

トランプ氏は「リビア方式」を全く理解していない。リビア方式とは核・
ミサイルの完全廃棄を見届けた後に、経済制裁を解除し、国際社会に受け
入れる方式だ。カダフィ氏は2003年12月、核放棄を宣言し、米英両国は濃
縮ウラニウムやミサイルの制御装置、遠心分離機をはじめ核開発に関する
装置のすべてを3か月で搬出し、廃棄した。すべてが終わった時点で米国
はリビアに見返りを与え始めた。06年5月には国交も正常化した。

カダフィ氏は11年10月に殺害されたが、それは米軍による殺害ではない。
アラブの春における、リビア国民による反乱・殺害だった。

トランプ再選が優先

トランプ氏はこうした前後の事情を、かつても今も見ようとしない。他
方、金正恩朝鮮労働党委員長は絶対に核を手放したくない。核放棄を強く
迫るボルトン氏を憎み、氏とは一切、交渉しないとの姿勢を打ち出した。
18年5月当時、北朝鮮第一外務次官の金桂冠氏は正恩氏の気持ちを代弁し
て「ボルトンに対する嫌悪感を我々は隠しはしない」と語っている。北朝
鮮の一連のボルトン批判に関して、トランプ氏は今回こう述べたのだ。

「金正恩のその後の発言を私は責めない。(中略)(ボルトン氏が外交交
渉で)タフであるか否かではなく、スマートであるか否かの問題だ」

ボルトン氏を賢明ではないと貶めている。マティス国防長官、ティラーソ
ン国務長官らもひどい辞めさせられ方だったが、ボルトン氏に対しては
もっとひどい。選りに選って北朝鮮の専制独裁者、金正恩氏の発言に同調
して、安全保障の中枢に自らが登用した大事な部下を貶めるやり方は、
あってはならないだろう。

金正恩氏が7月以来継続するミサイル発射は、安倍晋三首相が指摘したよ
うに明確な国連安全保障理事会の決議違反だ。しかしトランプ氏は短距離
ミサイルは米朝合意違反ではないとして、静観の姿勢を崩さない。米政府
内で唯一人、安保理決議違反だと正論を述べたのがボルトン氏だった。

北朝鮮の新しいミサイルは、専門家の指摘では、日米両国の現時点におけ
る技術では防ぎ得ない。トランプ氏の姿勢は日本に対する北朝鮮の脅威に
目をつぶることだ。

同盟国に及ぶ危険をなぜ無視するのか。トランプ氏が来年の再選のことし
か考えていないからだ。ボルトン氏が政権を去った結果、トランプ氏は自
身の再選に役立つであろうテレビ映えのする首脳会談実現に邁進するだろ
う。金正恩、習近平、プーチン各氏らとにこやかに握手する場面を創り出
すために、安易な妥協がなされかねない。米国の国益よりもトランプ再選
が優先されれば、対北朝鮮、対中国で日本にとって不利な国際情勢が生じ
るのは容易に見てとれる。ボルトン辞任は実に大きな損失なのである。
『週刊新潮』 2019年9月26日 日本ルネッサンス 第869回



  
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「香港デモの黒幕は、アメリカだ!」
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どうも習近平は、「香港デモの黒幕は、アメリカだ!」と
考えているようです。



<【独自】習主席「一部外国勢力が混乱引き起こしている」
香港デモで“アメリカ批判”
FNN 9/26(木) 11:43配信

香港の抗議デモについて、中国の習近平国家主席が、安倍
首相との会談で、アメリカを念頭に、「一部の外国勢力が
混乱を引き起こしている」と批判していたことがFNNの取材
でわかった。>


「一部の外国勢力が混乱を引き起こしている」そうです。

どういうことでしょうか?



<香港で大規模デモが始まった2019年6月、大阪で行われ
た日中首脳会談で、安倍首相は「早く落ち着くことを願
っている」との考えを伝えた。

日中の関係筋によると、これに対して、習主席は「一部の
外国勢力がかき乱し、混乱を引き起こしている」と、アメ
リカを念頭に不満を示し、「香港の件は、完全に中国の内
政だという事実を変えることはできない」と強調したとい
う。>



「一部の外国勢力」とは「アメリカ」のことだそうです。

これ、「またまた習ちゃん、妄想発言を」と思う人は、
「米英情報ピラミッド」に洗脳されすぎかもしれません。

しかし、世界情勢を追っている研究者たちにとって、


「アメリカが、独裁国家の民主勢力を支援している」


ことは、常識です。


「嗚呼、北野はやはりトンデモ、陰謀論者だ!」


と思う人はいるでしょうか?

一応、少し証拠を出しておきましょう。

たとえば、03年の革命で失脚したジョージアのシェワル
ナゼ元大統領は、こんなことをいっている。

朝日新聞03年11月29日付。


<前大統領は、議会選挙で政府側による不正があったと
する野党の抗議行動や混乱がここまで拡大するとは「全
く予測しなかった」と語った。

抗議行動が3週間で全国規模に広がった理由として、


「外国の情報機関が私の退陣を周到に画策し、野党勢力
を支援したからだ」

と述べた>

また05年の革命で失脚したキルギスのアカエフ元大統領
は、以下のように発言しています。

<「政変では米国の機関が重要な役割を果たした。


半年前から米国の主導で『チューリップ革命』が周到に
準備されていた」>

(時事通信05年4月7日)

2011年12月、モスクワで大規模なデモが起こった時、プ
ーチンは、アメリカを非難した。

<ロシアのプーチン首相、デモを扇動と米国を非難

【モスクワ(CNN)】ロシアのプーチン首相は8日、
先の下院選をめぐる不正疑惑に対する抗議デモを米国が
扇動していると非難した。>

(CNN.co.jp 2011年12月9日)

さらに、オバマは、アメリカが2014年2月のウクライナ
革命を主導したことを認めています。

「ロシアの声」2015年2月3日付から。


<オバマ大統領 ウクライナでの国家クーデターへの米当
局の関与ついに認める

昨年2月ウクライナの首都キエフで起きたクーデターの内
幕について、オバマ大統領がついに真実を口にした。

恐らく、もう恥じる事は何もないと考える時期が来たのだ
ろう。

CNNのインタビューの中で、オバマ大統領は「米国は、ウ
クライナにおける権力の移行をやり遂げた」と認めた。>


「You Tube」で「Obama admits he started Ukraine rev
olution」を検索すると、オバマの発言が確認できます。


というわけで、香港デモも、

「米中覇権戦争の一環」なのですね〜〜〜。


日本政府は、この戦争の「真剣度」を知ってほしいと思い
ます。

平沼騏一郎さんは1939年8月28日、


「欧州の天地は複雑怪奇」


と絶叫し、総理大臣を辞任しました。

これ、第2次大戦が起こる4日前です。


こんな重要な時期に、日本の総理大臣は、

「あ〜、欧州で何が起こってるか全然わかんねえよ!」

と告白している。

総理がこんなですから、そりゃあ日本、勝てません。

それで、2次大戦がはじまってから1年経ったころ、日本は

日独伊三国同盟を結んで、正式にナチスドイツの同盟国に
なりました。

そして敗戦。

今の日本政府も、きっと世界で【戦争】が起こっているこ
とを知りません。

だから、同盟国アメリカの敵中国に急接近している。

それが、どれだけ深刻な裏切り行為か、政府は自覚してい
ないのでしょう。

日本は何もしなくても自動的に勝てるのに、判断ミスでわ
ざわざ「負け組連合」に入りそうで、とても心配です。


自分で書いてこんなことをいうのは何ですが、政治家の知
り合いがいる方は、是非



━━━━━━━
重 要 情 報
━━━━━━━

◎アメリカの産業の実態とその変化に思う:前田正晶

物づくりからGAFAへ:

私がアメリカの大手の製造会社だったウエアーハウザーその他で経験し且
つまた見聞してきた残念なことを挙げておきます。偉そうに言えば「アメ
リカの生産現場と交流し組合員とも語り合ったから言えるのだ」とご理解
ください。畏メル友尾形美明氏は下記のように指摘されました。

「確かにアメリカのブルーカラーには英語も満足に話せない人が結構いる
ようです。一方でアメリカには世界中から最高の頭脳が集まるのも事実で
す。生まれも育ちの違う、つまり民族も宗教も考え方も違う他民族国家な
のです。」

私はこのご指摘が重要なのだと思います。アメリカの大手の製造会社は
R&Dに膨大な予算を割いています。それだけではなく、研究所に入って石
を投げればPh.D.に当たると思うほど多数の優秀な人材を揃え、素晴らし
い新規のアイディアを生み出しています。ところが、問題点はそれらを実
際の商業生産段階に移した時にその研究の成果を活かすような労働力が圧
倒的に不足しているのです。より具体的にいえば狙った通りの製品が出て
こないのです。

例えば、私が輸出していた液体容器原紙は牛乳やジュースの容器になって
いました。その容器の加工のライセンスを我が国に下ろしていたのがアメ
リカの企業です。ところが、我が国ではライセンサーよりも遙かに質の高
い進歩的な容器を我が国独特の優れた労働力で次々に創り出したのです。
アメリかでは絶対に出来ないとされていたワインの紙パックを創り上げた
のが凸版印刷で、逆にそのライセンスをアメリカのメーカーに下ろしました。

自動車にしたところで同じで、アメリカにオリジンがある車が我が国に
入ってから、アメリかでは出来なかったような車種が続々と出来上がった
のです。我が国の優れた頭脳もありましたが、そこには歴然とした労働力
の差が出たのです。その他にもアイディアはアメリカにあった製品が、我
が国でアメリカ以上に進化した物が幾つあったかです。

何年前でしたか、凸版印刷の2人の購買部長さんをウエアーハウザーの本
社と工場の他にご案内したことがありました。1人は営業部長から転任さ
れた方。そのお二方がアメリカで美術印刷の厚い本をめくりながら言われ
ました「最近はアメリカでも美術印刷の腕が上がってきたじゃないか」
と。彼らはその高級印刷の技術では我が国の方が遙かに進んでいると言わ
れました。

会社側と労働組合が法律的にも別個の存在となっているアメリカ式の製造
のシステムにも長所はあるのでしょうが、現実には遺憾ながら競争力は
劣っていると思えてなりません。であるからこそ、アメリかではGAFAがあ
そこまで発展したのでしょう。明らかに製造業というか頭脳集団がアメリ
カを変えたのでしょう。シアトル郊外のショッピングセンターの片隅に
あった小さなオフフィズを構えたマイクロソフトがあそこまでになると、
誰が予見できたでしょう。


◎安倍総理とトランプ大統領が署名して貿易交渉が終わった:前田正晶

印象としては我が方は何とかして最低線を死守したかの感があった。と
言うのも、最初からTPPの線を限度とするとうたっていたのだから、そこ
までに至ってしまったのは寧ろ当然の結果だったということではなかった
か。昨26日のPrime Newsに登場された細川昌彦氏と佐藤正久前外務副大臣
の遣り取りを聞いていても、トランプ大統領の選挙対策に一歩も二歩も
譲って花を持たせたのではとの感は否めなかった。

私はこの交渉で最初から気になっていたのが、トランプ大統領が持ち出
していた我が国との間の貿易赤字の解消と数百万台(誤認識であるのは明
らかだが)もの自動車の輸入を規制しようかという姿勢と現行2.5%の関
税を通称拡大法232条に基づいて25%に上げるという脅しとも駆け引きの
材料とも言える高飛車な作戦である。トランプ大統領は明らかにアメリカ
の自動車産業の衰退が自国の労働力の質と技術力不足にあるとは認識され
ていないとしか見えないのだ。

私が繰り返して採り上げてきた94年7月のカーラヒルズ大使の「対日輸出
を増やすためには初等教育の充実と識字率の向上が必要」と認められたア
メリカの労働力というべきか職能別組合の欠陥を是正しない限り、国際市
場でアメリカ産の自動車が売れる訳がないという認識をトランプ大統領は
お持ちではないのだと思っている。私は自信を持って言うが「私は数少な
いアメリカの組合員たちと頻繁に語りある機会を得て、彼らに「技術力と
品質の向上と改善無くして君等の職の安全の保証はない」と語りかけてきた。

念の為申し上げておくと、アメリカの組織では会社側と組合は法的に別個
の存在であり、その間に人的な移動もなければ私が行ってきたような会社
側の者と組合員の対話の機会などそう滅多に訪れるものではないのだ。こ
の点は我が国の組合対会社との関係とは全く異なるのだ。何度も指摘して
来たことだが「組合員が別個の組織である会社に転籍することなどあり得
ない」と思っていて誤りではないのだ。組合員の身分は法律で保証され、
時間給は年功序列で上がっていく仕組みになっているのだ。極論を言えば
「努力せずとも昇給していく」組織なのだ。


私は諸般の事情があって3交代の組合員たちと一日中「何故技術の向上と
品質の改善が必要か」を説いて聞かせたことがあった。これ自体が言わば
異例である。その組合員たちの中には確かに英語が危ない者もいれば、東
南アジアからの移民もいた。彼らに英語が通じるのかと疑問すら抱いた。
そういう組合員たちを激励して鼓舞して意欲を高めていく必要があったの
だ。即ち、彼らの向上心を如何にして掻き立てるかが課題だった。我が国
の基準と常識では考えられない国なのだ。

私はそういう経験をして組合員たちと接触してきた珍しい日本人だった
のではないかと密かに自負している。彼らをその気にさせない限り我々会
社側のjob security どころか、輸出市場での成功などは覚束ないのだ。
一気に論旨を飛躍させれば「トランプ大統領はこのようなアメリカの組合
の実情を何処まで認識されているの」なのだ。極めて強力だと聞くUAWの
組合員を余程督励しなければ、日本車に勝てる車は出来ないのではないのか。

そこをご存知の上で数量制限だの25%の関税などと言っておられるのか
なと、ついつい疑いなくもなってしまう。また、専門家の先生方もアメリ
カの生産現場に入って組合員たちと膝つき合わせて調査したり、語り合わ
れた経験をお持ちなのだろうか。そういう自国の労働事情を見極められた
上での232条発動なのだったら、仕方がないとは思う。だが、常識的には
アメリカの会社側の幹部が工場を訪れて、組合員たちと語り合うとか意見
を聞くことなどほとんど考えられないほど、組織的な違いがあるのだ。

私は我が国の自動車産業界ではこのようなアメリカの労働事情を認識し
ておられると、経験上も承知している。だが、今回は型破りのトランプ大
統領が積極的に実際の交渉の指揮を執られているようだ。その大統領に
「貴国の実情は斯く斯く然々ですから、そこを踏まえてご交渉願いたい」
というような話し合いが出来るのだろうか。難しいだろう。ではあって
も、何とかして実態を認識して頂くよう努力せねばなるまい。ボルトン氏
が去った後では直言する者はいなくなったとか聞いたが。



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身 辺 雑 記  
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27日の東京湾岸は快晴。



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