政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針5139 号  2019・8・17(土)

2019/08/17

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 わたなべ りやうじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5139号
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       2019(令和元年)年 8月17日(土)



    ブラックスワン(黒い白鳥)は香港だった:宮崎正弘

        文在寅大統領の光復節における演説:前田正晶

     「中国国防白書、対米戦勝利への決意」:櫻井よしこ
           
                      話 の 福 袋    
                       反     響
                      身 辺 雑 記



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ブラックスワン(黒い白鳥)は香港だった
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)8月16日(金曜日)
        通算第6171号  <前日発行>
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ブラックスワン(黒い白鳥)は香港だった。あり得ないことが起きた
  中国武装警察(第二軍)、深せんスポーツ・スタディアムに百数十両
の軍用車両集結
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 「トランプ大統領の香港問題への態度は微温的だ。もっと人道のもとる
中国を非難すべきである」と連邦議会からの突き上げが激しい。「生ぬる
い」と批判する代表格はペロシ下院議長だが与党議員も同調している。

「われわれの情報機関に拠れば中国の武装した部隊が香港との国境付近に
集結している。誰も怪我をしないように。誰も死なないように」とトラン
プ大統領がツィートした。

香港騒乱の黒幕はアメリカの陰謀だと攻撃しているのは中国である。

香港國際空港を占拠し、結果的に1000便の欠航となった。中国は抗議の
学生を「テロリスト」と呼び、軍事介入を示唆した。しかし学生が滑走路
を妨害したわけでもなく、旅客の安全を理由に欠航したのは香港当局。こ
れは手の込んだ嫌がらせで、抗議側を「悪」に印象づけるためである。

一連の香港の騒擾は誰が黒幕か? 米国の資金は平和団体、人権団体に多
少は流れ込んでいるが、この資金は抗議集会やデモ隊の資金ではない。ク
ラウドファンディングで、匿名の資金が在米華僑からも流れ込んだのは事
実だろう。

現時点で判明している最大のスポンサーはジミー・ライ(頼智英)であ
る。彼はリンゴ日報の社長だ。系列のアパレル店舗が放火されても、自宅
に火焔瓶が投げ込まれても、ひるまずに中国共産党の悪政を批判し続ける。

2019年7月8日、ジミー・ライは訪米し、ホワイトハウスでベンス副大統
領、ポンペオ国務長官と面会していた。一民間人にこの厚遇は注目してお
く必要がある。

トランプ大統領は、14日夜に、それまで香港問題には曖昧な中立姿勢を堅
持していたが、すこし変化がでた

しかしロス商務長官などは、「香港のことは中国の内政問題だ」と発言し
ているほど、冷淡である。

トランプ大統領は、変ロ長調。「習近平は偉大で賢い指導者だ。米中貿易
関税の話し合いの前に、まず習主席は香港ファーストで、この問題を平穏
に解決するべきだ」とツィートした。米中株式市場は荒れているが、日本
の株安はとまらず、香港問題が心理的不安材料として大きく被さってきた。

なにしろ「ブラックスワンは香港にいた」。あり得ないことが起きたのだ
から。やはり「香港がブラックスワンだ」(スティーブ・アイズマン)。
アイズマンはウォール街の投資家だが、2008年にサブプライムローンの破
綻を予想したことで知られる。ウォール街の大暴落と金融再編という大波
乱に至ったのは、サブプライムというブラックスワンだと示唆した。


▲次は18 日(日曜日)が合い言葉。日本政府、海外渡航に注意喚起へ

香港の学生や若者が、ボランティアで、自らの小遣い銭を使い、何を求め
て抗議するのか。利害を超えた行動を全体主義を報じ、自由を踏みにじる
中国共産党には理解できない。人民は支配するだけの対象だから、香港の
若者が「自由」とか「民主」という価値観を共有し、中国共産党に挑戦し
てきたことを理解できないのである。

世界の指導者も大きな関心を寄せ、ドイツのメルケル首相は習近平に「自
制」を強く促した。

さて次ぎに何をやらかすか、場所は何処か。なにしろSNSで連絡し取り
合っている香港の抗議行動参加者には強いリーダーが不在である。

しかもデモ隊の指揮系統は整合されておらず、黒幕も不在、リーダーの組
織統一が出来ず、参加者の行動を末端まで制御出来ていない。だから一部
が暴走する

週末から18
日(日曜)にかけて学生、若者はまた新しい取り組みに挑戦する。そのと
き、中国が介入するか、しないか。
まだ香港からブラックスワンは飛び立たちそうにない。
   
 

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読者の声  どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者
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  ♪
(読者の声1)貴誌6010号(読者の声3)に掲載された拙文中の『オース
トラリアン』紙の記事が見れない様なので同じ内容のものを貼ります。
https://www.wsws.org/en/articles/2015/03/23/japa-m23.html

7月初めに、ネットでDHCテレビの人気番組『真相深入り 虎ノ門ニュー
ス』を見てたら、地下経済評論家の須田慎一郎が共演者の「軍事漫談家」
の井上和彦に、安倍首相イラン訪問時に起こった日本タンカー攻撃の実行
者は誰かと質問。井上氏の回答は、「イラン革命防衛隊の一部」であった。
それを見て私ははてなと思ったが、須田氏は納得した感じ。ところが、二
週間後に同じくネットで某地方局の時事解説風お笑い番組を見たら、須田
氏が同じ質問をアラビア語研修を受けたアラブ・スクールの元外交官宮家
邦彦に繰り返してる。宮家氏の回答も井上氏同様に、「革命防衛隊の跳ね
返りの過激派が指導者層を無視して行った」と主張。
https://jp.reuters.com/article/wrapup-tanker-attack-idJPKCN1TE35V
 
須田氏は納得出来ないのか、イラン外相ザーリフのツイッター記事を根拠
に、「Bチーム(米国大統領補佐官ジョン・ボルトン、サウジ皇王太子ム
ハンマド・ビン・サルマーン(略称MBS)、アブダビ首長国皇太子ムハン
マド(MBZ)、イスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフ)の関与」を疑う
が宮家氏は一蹴。次に元東京都知事舛添要一は国際政治学者らしく、イラ
ンの支援を受けた「イエメンのフーシー派」ではないのかと鋭く問う。そ
の問いを中東専門家の宮家氏は、フーシー派はローカル組織で陸戦能力し
か無いと退ける。でも、果たしてイラン領海付近のホルムズ海峡で最高指
導者ハメナイ師の意向を無視して外国タンカー爆破など出来るのか。個人
的には、イラン指導部が安倍ちゃんの腹が座ってるのか試したと思う。
それは親米諸国の中で日本が一番甘く意志薄弱であるからだ。

 
さて、陰謀論ファンの為に「Bチーム」、特にイスラエルの関与の可能性
を見る。特にモサッドは不死身の超人集団という事であ(ネット上にはモ
サッドが年間数千件も工作実行という書き込みがあるが、千人を切るだろ
うモサッドの実働部隊は一体毎日何時間働くんだ、爆笑)。

そのモサッド関与の可能性はあるだろうか。参考意見として言うと、モ
サッドの任務は情報収集と要人暗殺や誘拐などシビリアンの工作が主で、
難易度の高い軍事的任務は特殊部隊の役割である。故に「ノー」である。
では、イスラエルが誇る多くの特殊部隊中でも最高エリート集団「サイェ
レット・マットカール(参謀本部偵察部隊)」なら可能だろうか。同部隊
はウガンダのエンテべ空港で、ハイジャックにより人質になった100名以
上の自国民を奇跡的救出するなど実績がある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%99%E7%A9%BA%E6%B8%AF%E5%A5%87%E8%A5%B2%E4%BD%9C%E6%88%A6

これも参考意見を言うと「ノー」である。サイェレット・マットカールは
あくまで地上部隊で海軍の特殊部隊は別にある。では、米国海軍特殊部隊
シールズのイスラエル版である「シャエテット13」の実力とはどの程度な
のだろうか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%A7%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB13

同部隊には高い評価も有るが、どうしても「ナヴィー・マルマラ(地中海
上のマルマラ島)号事件」の鎮圧失敗が思い起こされる。
https://en.wikipedia.org/wiki/MV_Mavi_Marmara
 
2010年イスラエルに封鎖されたガザ地区に、某NGOが物心両面で支援する
為のトルコ船籍ナヴィー・マルマラ号が、封鎖突破してガザ上陸するのを
阻止する為にシャエテット13が、ヘリコプターから同船に乗り込み速やか
に鎮圧する筈だったのが、船上に隠された鉄パイプや刃物で隊員がボコボ
コにされ傷付いた。焦った同部隊は力づくで反乱をねじ伏せたので数十人
の死傷者が出て、それまで親密だったイスラエルとトルコが緊張関係とな
る契機であった。同事件は軍事的失敗である以上に政治的大失敗となる。
https://en.wikipedia.org/wiki/Gaza_Freedom_Flotilla
https://www.youtube.com/watch?v=pDUUgRnXZ9I

事件当時イスラエル海軍は批判を受けて反省するどころか、何故か諜報機
関モサッドを猛烈に批判したが、その理由は、モサッドのエージェントが
一人でも同船に乗り込んでれば武器隠匿が分かった筈で肝心な場所に誰も
居ないのはモサッドの怠慢だ、という事らしい。その時に、モサッドって
結構地味な仕事するんだ、と学んだ(笑)。

同時に自国の諜報機関や特殊部隊の失敗を(軍事機密を除いて)包み隠さ
ず報道するメディアと、それを受け止め判断材料にするイスラエル国民の
安全保障リテラシーの(恐らく国民レベルで世界一の)高さには感心せざ
るを得ない。

一方で北朝鮮が自国を滅ぼす可能性のある核ミサイルの開発を続ける最中
に、ミサイル防衛システムのイージスアショア設置に反対する程にまで愚
かな(恐らく国民レベルで世界一)低い安全保障リテラシーしか持ち合わ
せない日本国民とは、天地の差があると言わざるを得ない。さらには、米
国に守ってもらう分際でありながら、ロシアのトロール工場が垂れ流す陰
謀論に耽り、敵と味方の区別も付かなくなっている。

そのロシアは北朝鮮にミサイル防衛システムを破るべく作ったイスカンダ
ルミサイルの技術を提供して、北朝鮮はKN23ミサイル実用化に成功してし
まった。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47829970W9A720C1FF8000/
   (道楽Q)

(宮崎正弘のコメント)「虎ノ門ニュース」、名前は聞いたことがありま
すが、見たことがないのでコメントは差し控えます。

  ♪
(読者の声2)「大東亜戦争の真実」というネットの討論番組を見まし
た。歴史的・事実的に大東亜戦争の真相に迫る議論は、大変勉強になりま
した。

その鋭い精力的な議論も、今後日本はどうしたら良いかという段になる
と、袋小路に迷い込んだような重苦しさがありました。それだけ今の日本
の現実が、もどかしい状態にあるからに他ならないと思います。
焦っても仕方ありません。急がば回れ!とのこと技にもある通り、原点に
立ち戻って考え直してみたいと思います。

本物の真理とは、ただ単に事実と合っているかというだけではなく、全体
とのつながりにおいても、つまり学問的に体系化されてその真理性が揺る
ぎないものになって、はじめて真正の真理といえると思います。もう少し
具体的に云いますと、体系的真理は、世界の本質である全体性の絶対精神
と、事実から導き出された部分性の相対的真理との、否定的媒介を通じた
統一・統合によって、はじめて出来上がるものだということです。
 この真理の体系化、すなわち学問の体系化の道を史上初めて解き明かし
たのは、ヘーゲルです。ところが自称弟子のマルクスは、その学問への道
を破壊してしまいました。
その結果、以後の西洋の学問の発展は、学問の冠石を失ってフラフラと歪
なものになってしまいました。その学問の冠石を失って糸の切れた凧のよ
うになった学問は、力のある邪な我欲によって、いいように悪用されるこ
とが多くなり、人類を正しい方向へと導いていくものとはなりませんでした。
そのことが如実に表れたのが、科学技術を発達させた白人が、それを用い
て有色人種を殺しまくり、植民地収奪や、奴隷としてこき使って富を蓄積
していったという事実です。

 一方、その学問を生み出し、発展させた西洋から遠く離れた東の最果て
の地に、もう一つの学問的な潮流が芽生え、世界に類を見ない独自の発展
を遂げている国がありました。言うまでもなく、その国は日本です。
日本は、縄文の太古からヘーゲルの学問と似た構造の哲学的認識を持って
おりました。その哲学的認識とは、対自的な全体性としての天・神・天
皇・国家と、それに対するところの即位的な部分性としての自己・臣民・
国民とを、見事の統一した認識を、国民の仮想に到るまで皆が普遍的に
持っていました。このように対自の見方ができるので、相手を思いやる心
が育ち、自己よりも対自を重んじる共存共栄の精神が育まれ、それが言語
にも反映されて、世界最高唯一無二の弁証法的な日本語が作られたのです。
 ヘーゲルは、絶対精神の本流の流れを継ぐ人類の歩む道を、次のように
規定しました。<生命ー認識ー学問>と。つまり、つまり、人類は、絶対
精神としての己自身を自覚し、学問を創り上げて己自身を絶対理念とし
て、以後の世界創造を学問的・神的・合理的に行っていく存在である!と。

 その通りに、人類の歴史を大づかみに見ると、学問をものにした流れが
本流となって、人類の歴史的発展を牽引していくことになります、大東亜
戦争は、そういう観点から見てとる必要があります。
すなわち、学問を真の学問にする要となるヘーゲルの学問の冠石を駆逐す
ることに成功した、国家を否定する金融グローバリズムと共産主義グロー
バリズムは、全体性を否定し、対自を否定して、歪んだ学問を歪んだ目的
に奉仕させて、世界を席巻していきました。それが、人種差別的植民地体
制の構築であり、共産主義という人類を滅ぼす熱病の蔓延でした。
 これに対して、ヘーゲルの学問を自力で独自に実践してきた日本は、江
戸期に理想的国家の実現して、ヘーゲルの国家論の学問性を実証し、武士
道精神を社旗の隅々にまで浸透して、ヘーゲルの対自即自の認識論をも実
現していました。
このような土壌があったからこそ、西洋から学問が入ってきたときに、瞬
く間にそれを吸収して自分のものとし、高山先生が紹介してくれたよう
に、北里柴三郎のように、西洋の研究首が手も足もでなかったペストの謎
を、あっという間に解き明かして、香港の人々を救済できたのです。
 大東亜戦争の真実・真相は、日本の本物の学問勢力と、西洋のニセモノ
の学問勢力との闘いだったということです。
本物の学問勢力は、有った王的振りの中、孤軍奮闘して、敗れたりとはい
え、欧米の人種差別的植民地体制を崩壊させ、アジア・アフリカの独立の
道を切り拓いて、人類の歴史を大きく前進させたのです。
今の世界は、ニセモノの学問である共産主義グローバリズムも、禁輸グ
ローバリズムのいずれもが、人類を救い導くものでないことが実証され
て、行き先を求めて混迷しているのに乗じて、嘘を平気で事実であるかの
ように騒ぎ立てる非学問的勢力が、大きな顔をして騒ぎ立てて、世界をま
すます混乱させようとしています。
 以上の観点から、私が常々説いている、日本の復活のカギは、ヘーゲル
の学問の復
活をはかり、その学問をもって国家の再興を図るべきであると考えます。
そしてそれ
が、人類の歩みをまともな軌道に戻す唯一の道であると信じています。 
(稲村正治)

     

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文在寅大統領の光復節における演説
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            前田正晶

当初のテレビのニュースでは何時もの「切り取り報道」だったので、如何
にも文氏が我が国に対する非難・攻撃を「トーンダウン」したかのように
聞こえた。だが、全体を聞かされてみると確かにやや真っ向からの非難や
攻撃は穏やかになったとは言え、私には韓国独特の我が国を一格下に見
た、俗っぽく言えば「上から目線」で、「今からでも日本が対話と協力の
道に乗り出せば,我々は快く手を取る。公正に貿易し,協力する東アジア
をともにつくりあげていく」と格上が誘っているかのような表現もあった。

私のこの演説に対する印象を一言にすれば「これから先に韓国に如何にす
るかは矢張り簡単ではない」となる。全くの余談だが、全般的に「ウリ」
(我が国)が屡々聞こえた。

私は文在寅大統領は決して危機感を覚えていない訳ではないが、あれだけ
の聴衆を目の前にして我が国対して譲歩するかのような演説をするのは適
切ではないと判断したのだと考えている。即ち、これから先にも譲歩か軟
化があると見るのは早計であると思いながら聞いて(字幕を見て)いた。
現に戦時中の半島からの労働者問題にも慰安婦問題にも触れていなかった
し、「先に成長した国が後から成長する国の梯子を払いのけてはならな
い」と貿易管理の手続き変更を非難するのを忘れてはいなかった。

また、「日本が隣国に不幸をもたらした過去を顧みる中で,東アジアの
平和と繁栄をともに牽引して行くことを望む」とも言っていた。私はこれ
こそ現在に我が国との関係悪化は全てが韓国側が仕掛けが事であり、我が
国は何ら非難される行動を起こしていないにも拘わらず強硬姿勢を採る背
景には、我が国の過去の朝鮮半島の統治は到底許すことが出来ない悪事だ
と言っているのだと聞こえた。「この恨みは1,000年経っても消えない」
と言ったのは朴槿恵前大統領だったか。

何れにせよ、韓国は大統領がやや軟化した演説をしている傍らで、「安倍
NO」という私には見当違いだと思わせてくれるプラカードを持った20,000
人(主催者発表)のデモを行っていた辺りに、対韓国問題の処理のやりに
くさがあると思っていた。安倍総理というのか政府というのか私には解ら
ないが、この問題の処理に「落とし所」など簡単に探ることなく、文在寅
大統領以下その非を認めさせて多少時間をかけても、この愉快ならざる問
題を解決して頂きたいと切に望む次第だ。

なお、韓国語の訳は産経新聞の報道に準拠した。

◎14日のPrime Newsは「3人の元外交官に聞く」だった:前田正晶

この企画は既に何度か放映されていたので、出席者も予測出来ていた。即
ち、並び順から田中均氏、藤崎一郎氏(元駐米大使)、宮本雄二氏(元駐
中国大使)だった。外務省入省が1969年の同期だそうで。外務省で位を極
めた方々が見る現在の外交問題を語られるという点に興味があった。

司会の反町が何故か話題を先ず田中氏に振る事から入っていったので、
同氏の発言が最も多かった感があった。そこで、私がこれと思った話題を
採り上げてみよう。

対韓国問題だが、田中氏は韓国を担当した時期もあったので韓国を知って
いるのだと断った上で「現在の文在寅大統領の反日的で筋が通っていない
発言や、その他の者たちの数多くの無理無体な主張に一々反応せずに無視
しておく方が良い。反応すればまた熱くなって応じてくるので際限がな
い。落ち着くまで放っておくべきだ」と指摘された。私は黙っていれば、
相手は言い分が通ったと思って付け上がるので反論すべしと言い続けてき
たが、練達熟練の外交官はそうは考えていないと解った。

お三方が一致して批判されたのが、河野外相が駐在の韓国大使を外務省に
呼んだ時にその発言を中断させて「無礼だ」と非難した態度は宜しくない
と厳しく批判された事だった。テレビカメラを入れていた場であのような
態度を取るのは今流行のポピュリズムであり、将来ありと期待した河野氏
だけに困った事だと思うという訳だ。但し、河野外相はその英語力を活か
して韓国の矢張り英語が上手い康外相と密接に電話連絡しておられる点は
評価されていた。

輸出管理手続きの変更については藤崎氏だったと記憶するが、あの経産省
で行った説明会では「矢張り事前に服装等はどのようにするかくらいは打
ち合わせておいた方が良かったし、如何に何でも半袖シャツはあるまいと
思っただけではなく、韓国に対して『こういう変更をするから』くらいの
告知があった方が良かったのでは」と言われた。これは細川昌彦氏も指摘
しておられたが、あの韓国側の2名はあの地位に転じてきたばかりで何も
知らず、あの案件の基本的な解説に数時間を要したにも拘わらず、帰国後
には経産省を非難する報告をされてしまった点も述べておられた。

お三方の見立てでは「矢張り文在寅大統領がその任にある期間中は、我が
国と韓国との間にある諸問題や外交関係には所謂落とし所はあるまいとの
事だった。文在寅大統領や韓国に数多くいる人たちにとって「韓国の併
合」は許すベからざる何物にもまさる怨念の一件であるから、彼らは譲る
まい」と言われるのだ。しかも政権が変わればまた見解が異なってくるの
で、容易に決着はつくまいと言われていたと聞いた。

トランプ大統領については同じ外務省出身の宮家邦彦氏と岡本行夫氏が否
定的な発言を繰り返しておられたので、肯定的なご意見は少なかったが、
田中氏が「トランプ大統領は対中国の交渉と言うか解決を引き延ばしたま
まにしておかれる事だろうから、数多ある公約の中で未決になっている我
が国との通商交渉では必ずやドカンと大きな要求を突きつけてくる危険性
がある」と予測された。私は我が国との貿易赤字はそれほどではなくと
も、選挙対策を考えた時に強硬姿勢に出てくるだろうことはあり得ると
思っている。

トランプ大統領に関しては外務省お偉方が高い評価をしておられるとは到
底予測出来なかった。その点は藤崎氏が「それにしてもあのトランプ氏の
言葉遣いは酷いですな」と言われたにに対して田中氏と宮本氏が直ちに賛
成された事が素直に表していたと思う。私は既に採り上げたが、昨年の1
月には何と“shithole”などという「汚い言葉」を使われ、しかもそれを我
が国のメデイアが一斉に誤訳した例があった。私は以前に「トランプ氏の
言葉遣いは、その鉄板の支持層であるプーアホワイト以下向けになってい
る場合が多いので、品格に欠ける場合がある」と指摘した。

お三方は矢張りと言うべきか何と言うか「外交を政府や官僚だけに任せて
おいて置くのは」という意見を述べておられたが、それは私でもある意味
で尤もだとと思う。私はお三方




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「中国国防白書、対米戦勝利への決意」
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             櫻井よしこ

中国が7月24日、4年ぶりに国防白書、「新時代における中国の国防」を発
表した。米国への強烈な対抗意識を剥き出しにした同白書は、2017年12
月、トランプ大統領が発表した「国家安全保障戦略」、続く19年1月に米
国防総省が発表した「中国の軍事力」の報告に、真っ向から対抗するものだ。

トランプ政権は中露両国を米国の安全と繁栄を侵蝕する脅威だと定義し
た。国際法や戦後の世界秩序を否定して、力で現状変更を試みるのが中国
を筆頭とする国々だと名指しで非難し、米国主導の体制を守り通さなけれ
ばならないと謳い上げたその米国に、中国が立ち向かっているのが今回の
白書である。

同白書は、新時代の中国の国防は習近平国家主席の「強軍思想」に全面的
に従うことによって成されるべきだと繰り返し、強調している。

「戦えば必ず勝つ」強い軍を作るために高度の技術革新を行い、情報化を
徹底して「軍事革命」を完遂することを掲げている。

目標は2020年までに戦略構築能力を顕著に磨くこと、35年までに軍事戦
略、軍組織と人材、武器装備体系の近代化を成し遂げること、21世紀半ば
までに世界最高水準の軍を創ることである。

習氏はなぜ、このようにあからさまに軍拡を強調するのか。理由のひとつ
は、国内政治基盤が盤石ではなく、強気の政策で求心力を高めなければな
らないからだとの指摘がある。習氏の強気の構えが、白書では軍拡の責任
をすべて米国に押しつける形となって表れている。以下のように、米国が
一方的な軍拡路線を突き進んでいると非難するのだ。

「米国の挑戦で主要国間の競合が激化した。米国は核能力を増強し宇宙、
サイバー、ミサイル防衛を進め、世界の戦略的安定を損ねている」

そもそも国際社会の軍事的緊張は、中国が過去30年間、世界史の中でどの
国も行ったことがないような大軍拡を続けてきたことに起因するとの自覚
はどこにも見られない。

「一番ダーティな仕事」

台湾情勢についても、台湾が「米国の影響」を虎の威のように借りて頑強
に独立を志向している、と中国は断ずる。台湾は92年合意を認めず、中国
との関係を切り、独立を手にしようとする。憎悪の対立を深めるこれら分
離主義者は中国の安定を最も深刻かつ直接に脅かすと、言葉の限り、非難
している。チベット独立、東トルキスタン(ウイグル)独立も中国の安全
保障と社会の安定において同様に脅威だと非難する。

米国を秩序と安定を乱す勢力として厳しく責めるのとは対照的に、中国自
身の軍事力はあくまでも防衛と平和維持のためだと言い張るのだ。

たとえば第一章の「国際安全保障の状況」の中では、「アジア太平洋諸国
は運命共同体の一員としての自覚を強めている」として、南シナ海の情勢
をバラ色に描いている。

「南シナ海情勢は安定しており、沿岸諸国のリスク管理は適切になされ、
相違は超越され、均衡と安定、開放性を備えたアジア安全保障の枠組みに
多数の国々が包摂されている」という具合だ。

他国の島々を奪い続ける中国に不満を持ちながらも、弱小国であるが故に
十分な抗議ができないベトナムやフィリピンを持ち出すまでもなく、南シ
ナ海情勢が安定しているとは、中国以外の国々は考えないだろう。

ここで私は、静岡大学教授の楊海英氏が雑誌『正論』9月号で語った言葉
に深く納得する。氏は「中国という国はいつも世界で一番美しい言葉を
使って一番ダーティな仕事をします」と喝破したのだ。

中国の内モンゴルに生れた楊氏は、モンゴルの人々が中国共産党から受け
た信じ難い迫害の詳細な調査を長年続けてきた。だからこそ氏の中国観察
には真の力がある。中国の国防白書には楊氏が指摘したように、背後に暗
い闇を隠した美しい言葉がちりばめられている。

再度南シナ海を見てみよう。日本のタンカーは石油を満載してホルムズ海
峡からインド洋を東進し、マラッカ海峡から南シナ海南端部に入り、台湾
海峡またはバシー海峡を通って日本に到達する。

日本の生命線の一部である南シナ海を、中国は均衡と安定を特徴とする開
かれた海だと白書に謳った。だが、約ひと月前の7月2日、中国は同海域で
対艦弾道ミサイル東風(DF)21Dと、東風(DF)26の2発を発射し
た。対艦弾道ミサイルは中国だけが配備する特殊な兵器だ。

中国大陸から発射されたDF21Dに関しては、江蘇(こうそ)省南京と広
東省韶関(しょうかん)に各々一個旅団が配備されている。射程は1500キ
ロ、南シナ海全域はカバーできないが、空母キラーと呼ばれて恐れられて
いる。

台湾の次は尖閣と沖縄

なぜ、空母キラーか。DF21Dはイージス艦に搭載される弾道弾迎撃ミサ
イルのSM3なら撃ち落とせる。だが、イージス艦に搭載できるSM3の数
は限られており、中国が同時に多数のDF21Dを発射すれば、防御は困難
で空母への大きな脅威となるのだ。

DF26も脅威だ。射程4000キロで、南シナ海全域をカバーする。無論、日
本も射程内だ。核弾頭と通常弾頭の両方を搭載可能で、彼らはこれをグア
ムキラーと呼んでいる。

中国軍は彼らの最新兵器であるこの東風ミサイルを正確に撃ち込むため
に、ゴビ砂漠に空母を象(かたど)った目標を建築し、日々、訓練したと
いう。

こうして見ると、「南シナ海情勢は安定」という中国の主張は、南シナ海
が中国の支配する海になりかけているという意味だと思えてくる。万が
一、そうなった場合、日本のタンカーも商船も負の影響を受けずには済ま
ないのは明らかだ。

南シナ海の東北の出入口に当たる台湾はどうか。習氏は今年1月、台湾は
香港と同じく「一国二制度」を受け入れよ、台湾独立の動きには軍事力行
使の選択は除外できないと演説したが、まったく同じ主旨が白書にも明記
された。

「何者かが台湾の分離独立を目論むなら、いかなる代償も惜しまず、国家
統一を守る」と、蔡英文台湾総統に向けて、青白い炎のような恫喝を放っ
た。台湾が中国の手に落ちれば、次は尖閣と沖縄であり、長崎県五島列島
だと考えなければならない。

中国の白書は実に多くの警告を日本に突きつけている。中国は米国と全力
で覇を競い続けるだろう。当面中国に勝ち目はないが、中・長期的に、仮
に中国が覇者となったとして、その支配する世界は日本やアジア諸国に
とって不幸のどん底の世界になるだろう。一国二制度の実態も、民主主義
を約束する中国の言葉の欺瞞性も、私たちは既に知っている。

だからこそ、我が国は米国との協調を密にし、一日も早く、軍事を含むあ
らゆる面で日本自体の力を強化しなければならない。
『週刊新潮』 2019年8月8日号 日本ルネッサンス 第863号



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重 要 情 報
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◎英語で主張したいことを如何に表現するか:前田正晶

英語での表現力と討論の能力について考えて見よう。私は「基本的には発
音は正確であればあるほど良いのである」と考えている。それはそれとし
て、外国人に「聞き取って貰えた」か「通じた」という段階ではなく「国
際的な交渉の場で相手を説得するか納得させられるような論旨を、英語で
組み立てられる能力があるかないかが問題である」と認識している。肝腎
なことはTOEIC等のテストで何点取れていたかではなく、英語で
の”debate”の力が備わっているかいないかだということなのである。何し
ろアメリカ人たちは学校教育でdebateを学んできているのだ。

私は経験上も何度も「自分で言えるから結構」と通訳を断られた(偉
い?)方に出会っていた。しかし、ご当人が英語での表現力dに自信をお
持ちでも「ところで、あの方は何が言いたかったのか?私は良く解らなく
て弱った」とアメリカ人に困惑の表情で疑問を呈されたことが屡々あった。

このような私の見解と考えについて、仏文学者のTK博士(フランスの大学
院で博士号を取得されている、勿論フランス語で論文を書いて)は私の主
張に同意した上で、以下のような意見を寄せられた。

>引用開始
文法問題がどうの、とか語彙がどうの、という以前に、彼らとどう議論し
てこちらの主張を伝えるか、が問われているのだと思います。語学学校に
行ったレベルでは、お客様です。相手は商売ですから、必死でこちらの言
いたいことを汲み取ってくれます。

しかし、フランスの大学で教員として働いたり、博士課程の学生として登
録したりすれば、基本的にはこちらが向こうの論理に合わせなければなら
なくなります。さらに、自分の意見を通そうとすれば、当然向こうは否定
から入ってくるわけです。

学生時代、フランス語が苦手だったのですが、それは私が「自分は日本語
で論理的な文章が書けるのだから、それを単にフランス語に訳せば通じる
はずだ」と信じきっていたためでした。

実際に、フランス語で論文を書くようになって、単に日本語をフランス語
に訳せば良いのではなく、フランス式の論理に自分の主張を乗せなけれ
ば、通じさせるのは難しいことに気づきました。
<引用終わる

私は上記の「学生時代」以下に述べられていたところが重要だと信じてい
る。即ち、私はここを「相手国の文化と思考体系の我が国との違いを認識
してそれに合うような表現をしていかないと、容易には相手を納得させら
れない」と述べてきていた。その点を博士が専門的な視点から解りやすい
ように解説して貰えたと思っている。発音も聞き取り能力も表現力とは密
接な関係にはあるが、相互の思考体系の違いの認識もまた重要な要素であ
るのだ。

この辺りを、視点を変えてみれば小学校の3年から英語を学ばせようなど
と言って「万人がこのような高度な次元まで英語力を高めるように学ぶか
または教える必要はないと思う」ということ。その点については、岐阜女
子大他数校の大学で国文学を教えておられるKS氏のご意見も引用してみる

「英語ネイティヴが話す英語」と「世界共通語としての英語」は、おなじ
「英語」といってもおのずから別ものになる。そのどちらを対象にするの
かによって、いろんなことがちがってきます。日本の英語教育がNGなの
は、「そもそもどういう英語をめざすのか」が曖昧だという点にあると思
います。」

と明快に指摘されたいる。私は勿論同感である。「何だ。それでは他人様
の意見の引用ばかりで貴方の意見は何処に?」との疑問をもたれる方がお
られるかも知れない。だが、私は私の主張を支持して下さった学者の意見
を引用して補強しようとしていることをご理解願いたいのだ。

纏めてみれば「相手の懐に入って納得させるような主張をして説得しよう
と思えば、テストの点数を上げるような勉強の仕方に集中するよりも、相
手の国との文化と思考体系の違いを認識した上で、自分の主張の論旨を組
み立てることを優先する必要がある」と「そもそも文科省や小学校から大
学までの学校が、如何なる次元の英語を目指して教えるか、または学ばせ
るかを明確にしておくべきである」である。

論旨の組み立てが出来るようになることは重要だが、それと同等に肝腎な
ことは英語を母国語とする人たちは「これは言わずとも察してくれるだろ
う」というような人の良さの持ち合わせはないと、心得ておくべきなの
だ。即ち、手を抜くことなく、細部まで言うべき事は細大漏らず全部言う
ようにせねばならないということ。彼らに「腹芸」は通用しないのであ
る。この点は前述の「思考体系の違い」に属する事柄なのである。

急にこのような話題を採り上げた理由は「現今の対アメリカを含む国際情
勢からすれば、国際場裏における交渉や討論の場は益々増えていくことは
必定だ。そこでは、ただ単に流暢に英語で話せるだけでは不十分だし、上
述のようにTOEIC等で高い点が取れているかという問題ではない」と主張
したかったからだ。私は流暢な英語ではなくとも論旨の組み立てや、説得
力がある話し方を最小の数の単語でぶつけてこられた論客に何人もお目に
かかってきた。何れにせよ、英語の基本を十分に習得しておくことが先決
問題だと思うが。



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身 辺 雑 記  
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17 日の東京湾岸は快晴。


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