政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針5131 号  2019・8・9(金)

2019/08/09

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 わたなべ りやうじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5131号
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       2019(令和元年)年 8月9日(金)



        ついに中国を「為替操作国」と認定:宮崎正弘

               「夜と朝の間に」:渡部亮次郎

       中国国防白書、対米戦勝利への決意:櫻井よしこ
              
                      話 の 福 袋    
                       反     響
                      身 辺 雑 記



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ついに中国を「為替操作国」と認定
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019) 8月7日(水曜日)
        通巻第6164号
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 トランプ政権、ついに中国を「為替操作国」と認定
裏の意図は中国の外貨準備を枯渇させ、金融システムを痲痺させる?
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2019年8月5日、ムニューシ米財務長官は、「中国は為替操作国であると
認定する」とした。ウォール街も東京証券市場も大下落に見舞われた。ザ
シティ、香港ほかを含めて平均で3・5%の株価下落となった。

米国の突如の中国「為替操作国」認定は、為替相場で人民元の対ドル相場
が1ドル=7人民元の大台を割り込み、このときに中国当局はむしろ介入
しなかったため違和感があった。なぜならこの日に限って言えば、中国が
通貨を操作しておらず、当面の人民元安容認の姿勢を示しただけだったか
らだ。

トランプは2015年に大統領選挙キャンペーンを開始したときから「私がホ
ワイトハウスに入ったら初日に『中国を為替操作国』として認定する」と
公約していた。公約実現は大統領就任から二年と七ヶ月後になった。

その前、7月26日にトランプ大統領のツィッターで「世界貿易機関
(WTO)が中国などを『発展途上国』として扱い、優遇措置を与えてい
るのは不公平だ」と主張した。

同時に「もし、WTOの制度改革が90日以内に大きく進展しなければ、途
上国扱いを中止する」とし、米通商代表部(USTR)に通告した。

WTO加盟以来、18年を経過しているうえ、すでに世界第2位の経済大国
がまだ「発展途上国」扱いを受けているのは、考えてみれば不思議なこと
である。

留意しておく動きが同時に起きている。トランプ政権はベネズエラの在米
資産凍結に踏み切ったのだ。8月5日に「大統領令」を発動し、「米国内
にあるすべてのベネズエラ政府資産の凍結」を命じた。

中国はこの動きを見逃さなかった。いずれ中国の在米資産も凍結されるの
ではないか。

ベネズエラ制裁理由はマドゥロ政権が「市民の不当逮捕や表現の自由への
介入、反対勢力弾圧などの人権侵害」を続けている事実だ。政府資産凍結
のほか、米財務省が制裁指定した人物についても、資産を凍結し入国を原
則禁止する」としている。 

同じパターンは、中国に適用可能である。おそらく対中姿勢、次の段階は
この方向で出てくるだろう。

さて為替操作国の「認定を受けた」かたちの中国はただちに反論し、為替
操作を否定し、また市場の反応はと言えば、1ドル=7人民現代から6・
9683に恢復した。

中国が重視するのは香港である。じつは為替は、この香港でレートが決ま
るからだ。姑息な手段を中国はたびたび用いてきた。

港市場に介入するために中国が短期債権を、連続的に起債しており、8月
6日にも、43億ドル(邦貨換算4500億円)を近く調達すると発表し
ている。

要するに、これで香港の為替市場に介入し、人民元を暴落から守るのであ
る。昨年末から、この手口は繰り返されている。


 ▲人民元の強さを中国はしばし護持するだろう

華字メディアは、米国の中国為替操作国認定を「貿易戦争の新段階」「第
二幕」と分析し、米中は「経済冷戦」に突入したと大書した。

第一に中国人民元が対ドルレートを下げれば、輸出競争力がつく。すでに
中国から輸入品のほとんどに関税を上乗せしているアメリカは、人民元が
下落すれば、関税分を相殺できるため、「操作」と認定する。

しかし実態は逆である。中国は人民元を無理やりにでも高いレートを維持
することによって、国威発揚に繋がる愛国主義を口実に、じつは輸入代金
の決済を安く抑えてきた。具体的に言えば原油、ガス、鉱物資源の決済で
ある。人民元が高いと有利な買い物が可能だった。穀物、豚肉など中国人
のライフラインを支える食料も人民元の対ドルレートが強いからこそ、強
気で輸入を拡大できた。

第二に中国から流れ出した天文学的なドル資金というダークサイドがある。

人民元が自由にドルと交換できて、しかも強いとなれば、外国の土地、不
動産買収も、強い人民元で買いたたくことが可能だった。
あまつさえ外国企業の買収に人民元パワーが発揮できた。それもこれも人
民元がドルと有利な条件で交換できたからだ。

御三家の「大活躍」を思い出す。

安邦生命保険はウォルドルフ・アストリアホテルなど、米国の名だたる不
動産を買いまくった。万建(ワンダ)集団は、全米映画館チェーンからハ
リウッドの映画製作会社にも手を伸ばした。海航集団は、ヒルトンホテル
チェーンから有力企業にまで、その魔手を拡げていた。
2年前から、海外資産の叩き売りをはじめ、必死の形相でドルを中国へ環
流させてきた。外貨準備が払底したからである。

第三に中国はAIIBやシルクロート、人民元決済兼などと言いながら、
ほとんどの貿易決済は依然としてドル基軸である。

外国企業の直接投資、香港を経由する株式投資があり、ドル準備の均衡が
取れていたかにみえた。「世界一の外貨準備」と喧伝し、一時は4兆ドル
近い外貨準備を誇ったが、いつしかドルを借入れ、ドルで社債を発行し、
それでも足りず、せっかく購入した北外国債権を片っ端から売却して手元
のドル不足を補ってきた。外国送金も海外旅行の外貨持ち出しも厳しく制
限され、異様なほど外貨準備の均衡に神経質となった。それでも2018年度
統計で、中国は公式的に670億ドルの外貨準備を減らした。

第四に中国の金融システムにおいては、ドルの増加分を人民元を印刷して
市場に供給できた。つまり貿易黒字が大きければ、国内の資金供給が膨ら
み、「世界の工場」と言われたときは、ドルの滞留がおきたほど。

それが過去3年のドル不足により市場に人民元の供給が困難となると、ド
ルの裏付けのない人民元を発行して、供給を続けた。不動産価格の維持、
株式市場の無理やりの価格維持作戦、そしてハコモノ、新幹線を作り続け
て人為的な好況を装うという、全体主義国家でしかできない離れ業を敢行
してきた。

ドルの裏付けの無い通貨発行は40%近いと言われており、原則的に人民元
相場に適用すれば「適正相場」は四割安。1ドル=9・8程度までの下落
が必要となる。

1人民元が現在の16円弱から9円60銭くらいに暴落することを意味す
る。算盤上の仮の数字である。

トランプ政権の中国為替操作国認定は、表面的には関税相殺を封殺するよ
うに見えて、じつはドル枯渇状況を深刻化させ、次の制裁発動までの時間
稼ぎと見ることが出来る。

 
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1936回】       
 ――「支那は日本にとりては『見知らぬ國』なり」――鶴見(29)
  鶴見祐輔『偶像破壊期の支那』(鐵道時報局 大正12年)

              △

すでに「支那の代議制度の失敗を看破した當時の愛國者は、相次で眼を?
育界に轉じた」が、「その最も著しき一人は、北京國立大學總長蔡元培先
生であ」り、「當時の守舊派の本城であつた北京國立大學」で総長を務
め、「單身舊思想の?窟に入て科學の鼓吹に努力した」。

「彼は八方の敵と抗爭し、危險身に及ぶをも意とせずして」、ついに北京
大学を全面改組し旧世代教員を放逐し、「北京國立大學を以て支那革新運
動の中心」たらしめ、1919年の五・四運動に繋がった。

北京大学の蔡元培総長、「南開大學の總長張伯?、東南大學の總長廓秉
文、上海の余日章、南通州の張謇、これ等は皆、胸に經國の志を拘いて子
弟を薫陶しているところの?育家である」。

このように教育界を中心に様々な努力がなされている反面、政局は「倍々
低落し、代議政體の失敗は一轉して軍人全盛の專制主義を招來し」、その
軍人政治が失敗したことで「各州の分裂となり、州の中心勢力は軍隊を有
する督軍の掌中に歸し」てしまい、いまや全土が「春秋戰國の時代の如き
紛亂」となった。かくして人民の苦しみを救う者なく、人心荒廃の局に達
した。

このような状況において「外國の侵略は日に倍々加はり、或は武力に依る
内政の干渉となり、或は經濟力に依る壓迫となり」、教育の普及など望む
べくもなかった。だが蔡元培ら教育界の先覚は「支那を濟ふ唯一の途は、
支那の子弟を教育し、新しき理想を以て新社會を建設するの外なき」を自
覚し、「支那の代議制度と、軍人制度の失敗は、少數の儒生に國政を託す
る危險を彼等をして痛感せしめ」た。その結果、「一般普通の教育の普及
に依て、四民國政に參與するの制度を樹立するの必要性を痛感せしむるに
至つた」。では、その「教育熱の中心思想は抑々何にあるのか」。

蔡元培の考えを想像するに、「大體の思想に於て佛蘭西のルソーの説に近
似して居ることを推察した」。つまり「自由、平等、博愛の三大義を以て
支那?育の中心思想としやうといふ」のだ。だが、この「三大義」の徹底
は「近代の社會組織、國家組織と背馳する」。この難題をどのように解き
ほぐすのか。

ところで1915回と1916回で言及した王正廷は、鶴見の「新しき支那の教
育の中心思想は何であるかといふ質問」に対し、「それは有用なる市民を
養成するに在り」と応えている。そこで鶴見は「ユーズフル・シテーズン
即ち有用なる市民」とは「19世紀中葉に英國に起つた功利主義の倫理觀念
を以て基礎とするところの有用といふ意味であるのか」と問うと、次のよ
うに応えている。

従来、教育は「支那に於ては、たゞ役人になるといふ一本の途しかな」
く、青年が官吏になることを必死に争い、官吏になったら「如何にしてそ
の位置を保せんかと苦心し漸くにして權要の位置に至るや、如何にして老
後を安泰ならしめるかと焦慮するやうにな」り、必然的に官吏の腐敗を招
くことになる。これに対し「英米佛日等に於ては、?育ある者は必ずしも
官吏となることを要しない」。それというのも「美術、文學、實業、科學
百般の事業に從事ことが出來る」。

だから「將來支那の教育の方針は、支那青年をして各方面に於て人類が國
家に盡すといふ精神を鼓吹し、單に官吏となつて老後を安んずることを目
的としないやうにしなければならない」。

つまり従来の「教育制度の缺點」が官吏の腐敗の根本にあるということだ。

王正廷の発言からほぼ100年が過ぎたが、中国における昇官発財(幹部に
なって出世する程に私腹を肥やせる)を可能にする権貴体制は一向に改ま
らる気配すら感じさせない。つまりこれからも中国では「ユーズフル・シ
テーズン」は生まれ得ないらしい。
《QED》
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読者の声  どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
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(読者の声1)貴誌6163号の巻頭記事の中で、ちょっと気になる箇所が有
りましたのでメールさせて頂きます。

フランスの「五月革命」の中で、サルトルが『「アンガージュ」(参加)
を呼びかけた』とありますが、「アンガージュ」は「アンガージュマン」
の間違いではありませんか?

「問題にコミットする」は、engagerアンガージェで、その名詞形は
engagementアンガージュマンです。 engageアンガージュ は二人称単数に
対する命令形です。(一読者)


(宮崎正弘のコメント)語学的解釈はおそらくご指摘の通りでしょうが、
当時の日本のメディアは「アンガージュ」を多用していた記憶がありま
す。なにしろサルトルの『嘔吐』『自由への道』は当時の日本でもベスト
セラーでした。本国仏蘭西で評価の低いサルトルの全集がでたのも、日本
だけの奇怪な現象でした。

サルトルを一番持ち上げたのは、あの新聞(今「極左のアジビラ」と呼ば
れています)でした。



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「夜と朝の間に」
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    渡部 亮次郎

このタイトルの歌を唄ったのは女装で有名になったピーターである。作詞
のなかにし礼は男なのか女なのか判然としないピーターを夜と朝の境目の
判然としない時間に譬えて作詞した。

「夜と朝の間に」

唄 ピーター
作詞 なかにし礼
作曲 村井邦彦

<夜と朝の間に ひとりの私 天使の歌を聴いている死人のように

夜と朝の間に ひとりの私 指を折っては繰り返す 数はつきない

遠くこだまをひいている 鎖につながれた むく犬よ
お前も静かに眠れ お前も静かに眠れ

夜と朝の間に ひとりの私 散るのを忘れた一枚の花びらみたい

夜と朝の間に ひとりの私 星が流れて消えても 祈りはしない

夜の寒さに耐えかねて 夜明けを待ちわびる小鳥たち
お前も静かに眠れ お前も静かに眠れ>

ピーター 本名:池畑 慎之介 いけはた しんのすけ
1952年8月8日(62歳) 大阪府堺市西区 生まれ。
血液型 A型 俳優、タレント、歌手

慎之介は、上方舞吉村流四世家元で、人間国宝にもなった吉村雄輝 の長
男として生まれた。3歳で初舞台を踏み、お家芸の跡継ぎとして父から厳
しく仕込まれた。5歳の時に両親が離婚。母・池畑清子と暮らすことを選
択、鹿児島市で少年時代を過ごした。慎之介が母方の池畑姓を名乗るのは
これ以降である。

池畑の性的指向は長らく公表されていなかったが、のちになってバイセク
シュアルであることを明言し、男女共に恋愛経験があることを公にした。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

そう言えば私はラヂオとテレビの記者として育ったので、「きょう」とか
「きのう」「おととい」「今月」「先月」「今年」「去年」というテンス
の原稿を書き続けた。だが、これは新聞や雑誌では通用しない言葉であった。

たとえば、きょうに「きょう」とラジオやテレビで放送するのは当然だ
が、新聞で「今日」と書いても、配達されるのは「あす」だから、きょう
は昨日になってしまっている。だから日付を書くしかない。

TVの記者の古手になったら、盛んに雑誌から原稿を依頼されるようになっ
て、このことを厳しく実感した。原稿は例えば、2月に「今月」と書いて
も発売される頃は「先月」になってしまっているから原稿はもともと「今
月」ではなく「2月」と書かなくてはならない。

このことはインターネットの世界でも同様である。今日はすぐ明日になっ
てしまい、4,5日経ったらいつの今日かわからなくなってしまうではな
いか。

投稿してくる人はTVを見ながら「今夜の番組で」と打ち込んでくるが、明
後日になってメルマガやブログに掲載しようとしても、「今夜」とはいつ
の今夜か分からなくて困る。今夜とか昨夜ではなくて初めから日付で語っ
ていただかないと、主宰者泣かせの原稿になっている。

これきりのことを書くのに、ピーターのことから書きはじめた。

「夜と朝の間に」と言えばピーターだから、こうなった。私はNHKで政治
記者を約20年やったが、正式なNHK教育を受けていない。

非正式職員に採用されて、秋田県大舘市駐在の記者(単身)になり、放送用
(耳から聞かせる)文章を独りで考えて送った。1年後、試験に合格して正
式記者に採用されたが、もはや教えるところは無いのか研修所(東京・
砧)へは入れられず仙台の現場に突っ込まれた。ネタや文章がNHK的でな
いのは、その所為だろう。2010・2・27


   
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中国国防白書、対米戦勝利への決意
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          櫻井よしこ

中国が7月24日、4年ぶりに国防白書、「新時代における中国の国防」を発
表した。米国への強烈な対抗意識を剥き出しにした同白書は、2017年12
月、トランプ大統領が発表した「国家安全保障戦略」、続く19年1月に米
国防総省が発表した「中国の軍事力」の報告に、真っ向から対抗するものだ。

トランプ政権は中露両国を米国の安全と繁栄を侵蝕する脅威だと定義し
た。国際法や戦後の世界秩序を否定して、力で現状変更を試みるのが中国
を筆頭とする国々だと名指しで非難し、米国主導の体制を守り通さなけれ
ばならないと謳い上げたその米国に、中国が立ち向かっているのが今回の
白書である。

同白書は、新時代の中国の国防は習近平国家主席の「強軍思想」に全面的
に従うことによって成されるべきだと繰り返し、強調している。

「戦えば必ず勝つ」強い軍を作るために高度の技術革新を行い、情報化を
徹底して「軍事革命」を完遂することを掲げている。

目標は2020年までに戦略構築能力を顕著に磨くこと、35年までに軍事戦
略、軍組織と人材、武器装備体系の近代化を成し遂げること、21世紀半ば
までに世界最高水準の軍を創ることである。

習氏はなぜ、このようにあからさまに軍拡を強調するのか。理由のひとつ
は、国内政治基盤が盤石ではなく、強気の政策で求心力を高めなければな
らないからだとの指摘がある。習氏の強気の構えが、白書では軍拡の責任
をすべて米国に押しつける形となって表れている。以下のように、米国が
一方的な軍拡路線を突き進んでいると非難するのだ。

「米国の挑戦で主要国間の競合が激化した。米国は核能力を増強し宇宙、
サイバー、ミサイル防衛を進め、世界の戦略的安定を損ねている」

そもそも国際社会の軍事的緊張は、中国が過去30年間、世界史の中でどの
国も行ったことがないような大軍拡を続けてきたことに起因するとの自覚
はどこにも見られない。

「一番ダーティな仕事」

台湾情勢についても、台湾が「米国の影響」を虎の威のように借りて頑強
に独立を志向している、と中国は断ずる。台湾は92年合意を認めず、中国
との関係を切り、独立を手にしようとする。憎悪の対立を深めるこれら分
離主義者は中国の安定を最も深刻かつ直接に脅かすと、言葉の限り、非難
している。チベット独立、東トルキスタン(ウイグル)独立も中国の安全
保障と社会の安定において同様に脅威だと非難する。

米国を秩序と安定を乱す勢力として厳しく責めるのとは対照的に、中国自
身の軍事力はあくまでも防衛と平和維持のためだと言い張るのだ。

たとえば第一章の「国際安全保障の状況」の中では、「アジア太平洋諸国
は運命共同体の一員としての自覚を強めている」として、南シナ海の情勢
をバラ色に描いている。

「南シナ海情勢は安定しており、沿岸諸国のリスク管理は適切になされ、
相違は超越され、均衡と安定、開放性を備えたアジア安全保障の枠組みに
多数の国々が包摂されている」という具合だ。

他国の島々を奪い続ける中国に不満を持ちながらも、弱小国であるが故に
十分な抗議ができないベトナムやフィリピンを持ち出すまでもなく、南シ
ナ海情勢が安定しているとは、中国以外の国々は考えないだろう。

ここで私は、静岡大学教授の楊海英氏が雑誌『正論』9月号で語った言葉
に深く納得する。氏は「中国という国はいつも世界で一番美しい言葉を
使って一番ダーティな仕事をします」と喝破したのだ。

中国の内モンゴルに生れた楊氏は、モンゴルの人々が中国共産党から受け
た信じ難い迫害の詳細な調査を長年続けてきた。だからこそ氏の中国観察
には真の力がある。中国の国防白書には楊氏が指摘したように、背後に暗
い闇を隠した美しい言葉がちりばめられている。

再度南シナ海を見てみよう。日本のタンカーは石油を満載してホルムズ海
峡からインド洋を東進し、マラッカ海峡から南シナ海南端部に入り、台湾
海峡またはバシー海峡を通って日本に到達する。

日本の生命線の一部である南シナ海を、中国は均衡と安定を特徴とする開
かれた海だと白書に謳った。だが、約ひと月前の7月2日、中国は同海域で
対艦弾道ミサイル東風(DF)21Dと、東風(DF)26の2発を発射し
た。対艦弾道ミサイルは中国だけが配備する特殊な兵器だ。

中国大陸から発射されたDF21Dに関しては、江蘇(こうそ)省南京と広
東省韶関(しょうかん)に各々一個旅団が配備されている。射程は1500キ
ロ、南シナ海全域はカバーできないが、空母キラーと呼ばれて恐れられて
いる。

台湾の次は尖閣と沖縄

なぜ、空母キラーか。DF21Dはイージス艦に搭載される弾道弾迎撃ミサ
イルのSM3なら撃ち落とせる。だが、イージス艦に搭載できるSM3の数
は限られており、中国が同時に多数のDF21Dを発射すれば、防御は困難
で空母への大きな脅威となるのだ。

DF26も脅威だ。射程4000キロで、南シナ海全域をカバーする。無論、日
本も射程内だ。核弾頭と通常弾頭の両方を搭載可能で、彼らはこれをグア
ムキラーと呼んでいる。

中国軍は彼らの最新兵器であるこの東風ミサイルを正確に撃ち込むため
に、ゴビ砂漠に空母を象(かたど)った目標を建築し、日々、訓練したと
いう。

こうして見ると、「南シナ海情勢は安定」という中国の主張は、南シナ海
が中国の支配する海になりかけているという意味だと思えてくる。万が
一、そうなった場合、日本のタンカーも商船も負の影響を受けずには済ま
ないのは明らかだ。

南シナ海の東北の出入口に当たる台湾はどうか。習氏は今年1月、台湾は
香港と同じく「一国二制度」を受け入れよ、台湾独立の動きには軍事力行
使の選択は除外できないと演説したが、まったく同じ主旨が白書にも明記
された。

「何者かが台湾の分離独立を目論むなら、いかなる代償も惜しまず、国家
統一を守る」と、蔡英文台湾総統に向けて、青白い炎のような恫喝を放っ
た。台湾が中国の手に落ちれば、次は尖閣と沖縄であり、長崎県五島列島
だと考えなければならない。

中国の白書は実に多くの警告を日本に突きつけている。中国は米国と全力
で覇を競い続けるだろう。当面中国に勝ち目はないが、中・長期的に、仮
に中国が覇者となったとして、その支配する世界は日本やアジア諸国に
とって不幸のどん底の世界になるだろう。一国二制度の実態も、民主主義
を約束する中国の言葉の欺瞞性も、私たちは既に知っている。

だからこそ、我が国は米国との協調を密にし、一日も早く、軍事を含むあ
らゆる面で日本自体の力を強化しなければならない
『週刊新潮』 2019年8月8日号 日本ルネッサンス 第863号


          
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重 要 情 報
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◎気が付けば甲子園の野球が始まっていた:前田正晶

止めてしまえば良いのに:

甲子園野球を止めよう:

確か37年前に、私はある大学の運動部の親の会合で雑談の中で初めて「甲
子園の野球は止めてしまう方が良い」と発言した時には全く受けなかった
し、ほぼ全員に「何を言い出すのか」という顔をされた。当然の反応だと
思った。私はその頃既に「あの全国大会はトーナメント方式の試合を勝ち
抜く為の基本技を鍛え上げるよりも、枝葉末節と言っても良いような技巧
を教えることにかまけているので好ましいものではないし、体力が十分に
備わっていない子供たちの将来すらも危うくしかねない」と負の評価をし
ていた。

高校の段階でやっている野球は自己犠牲を尊ぶ「1回の表でノーアウトで
走者一塁となるとバントする」というトーナメントを勝ち上がる為の手法
であり、野球本来の「投手は力一杯投げて、打者はそれに負けずに力一杯
打ち返す」という面白さを放棄してしまう、チマチマした競技にしてしま
うのだ。しかも、我が国では恰も高校野球が頂点にあるかの如くにシステ
ムが出来上がっているので、プロでも同様な試合運びになっているのだ。
私には興味半減以下となっているので詰まらないのだ。

こういうことをしているだけではなく、戦前の中等学校野球の頃とは違っ
て全国で4,000校(それを切ったとか)もが高野連に加盟している現在で
も、何が原因でこれほど酷暑になったかを顧みないのだ。その時期にあの
暑すぎる兵庫県に高校生を集めて昼間から野球をやらせて、どんなに否定
的な議論が巻き起ころうと意に介せず、体が出来ていない子供に100球を
超えて投げさせ、平気で何連投もさせるのが高野連であり、それと組んで
いる朝日新聞なのだから堪らない。投球数の制限は当然であり、現在のよ
うな気性条件下で何十試合もやらせるのは全く理不尽である。

この点は言い出せばキリがないのでこの辺で打ち止めにしたいが、西武
ライオンズには今井達也と高橋光成と2人の甲子園優勝投手がいる。彼ら
はプロになってから2年も3年も経った今でも、ものになっていないのは何
故だろう。これまでに何人の甲子園優勝投手や出場経験者でプロで伸びき
れずに落後していった者がいただろう。また、甲子園に出た事がなくて成
功した者の方が多いように見せるのは何故だろう。広島の中心選手に甲子
園活躍組が何名いるだろうか。



朝日新聞にはこの大会を賄える財力が残っているのか:

この主催者は新聞の購読者数が激減する前から出場校の選手の人数を18人
に限定するなど、野球の試合運びの内容も質も変わっている時代に投手が
連投せざるを得ないような人数に据え置いている。何を考えているのかと
いうこと。私は何年も前に「地方予選から少なくとも25人まで増枠して投
手には連投を許さないのはいうまでもなく、球数制限も課して少なくとも
5人は用意させるべきだ」と言ってきた。「それだけの人数が揃わない学
校は出場を諦めるか、2乃至3校が合併して出場すれば良い」と唱えたの
だった。その頃は現在のように酷暑ではなかったが。

問題は準々決勝や準決勝や決勝戦の間に休日を設けるような小手先では解
決出来ない事態になっていると、高野連も朝日も認識出来ていない点だ。
それに「朝日新聞潰すべし」との非難の声が上がっており収益の更なる悪
化を予測させるこの新聞に、ベンチに入れる高校生の数を増やす負担が出
来るのかという疑問がある。簡単に言えば、彼らの時代感覚の欠如である。

応援の在り方がイヤだ:

私は野球でもサッカーでもフットボールでも喧しい応援を見させられる為
に見に行った事はない。とは言っても、それぞれの観客がご贔屓のテイー
ムを応援する事までは否定しない。だが、笛や太鼓で五月蠅く騒ぎ立てる
のは願い下げにしたいのだ。と言うのは、私は純粋に選手たちの鍛え上げ
られていようといまいと技術と言うか巧拙を鑑賞したくて観戦するので
あって、応援を楽しみにしてはいないのだ。それは自分の学校の選手たち
を奮い立たせたいだろうが、それならばもっと静かに統制を取って声援だ
けしていれば十分ではないのかといいたくなってしまう。

特にイヤ何は愛社精神か何か知らないが、都市対抗野球の取引先にまで応
援を依頼する姿勢である。それだけではなく「何故大学や高校の応援指導
部の真似をした応援を社会人までがするのか」と、言うなれば炎上を覚悟
で批判したいのだ。またかと言われても「アメリカにはあのような風俗・
習慣はないよ」と言いたくなる。だが、圧倒的にホームテイームを応援す
る傾向は濃厚だ。人品骨柄卑しからざる紳士も淑女も立ち上がって、
“Kill ‘em!”(乱暴に訳せば「奴らを殺せ」だが)とやってはいるが。

NHKの中継放送:

「そうか。甲子園の野球をやっていたな」と気が付いてチャンネルを合わ
せた。彼らは高野連に言い含められたのか自発的なのか知る由もないが、
毒にも薬にもならない穏健な解説者を呼んできて批判的な事は一切言わず
に、事細かにラジオ時代の中継放送のままにアナウンサーは試合の進行を
描写してくれる。アメリカのように「画面を見ていれば何も言わずとも解
るだろう」というようなブッキラボーなことはしない。その代わりに投球
数が100や150球を超えても何ら非難めいた事は言わない。偉いものだと思う。

大船渡高の佐々木投手:

私はあの国保監督の県の決勝戦に投げさせなかった方針と言うか判断は正
しく善であったと思っている。野球の世界にいる人たちにとっては甲子園
は聖地でありあそこに出る事は何物にも代えがたいのだという主義主張は
解らないでもない。だが、誰が言ったか記憶もないが「(大学までを含め
て)ある競技に熱中していられる時期と期間などは限定されている。その
時期が終わった後の人生の方がはるかに長いのだ。その長期間を危うくし
てしまうまでの犠牲を払ってまでやる事か」という見方がある。「いや、
それは承知でリスクを冒すのだ」と言われれば「どうぞ、ご随意に」と言
うしかない。そういう価値判断が出来ない生徒たちに(無理に)強いるの
が正しいことなのかという疑問がある。

「何。プロや大学に行っても潰されることだってあるじゃないか」と言う
のか。私の個人的な見方では佐々木朗希君(こんな名前だったか)の体は
未だ出来上がっていないようだった。以前にも採り上げた話題でサニブラ
ウン・ハキームはとレーニングの手法が優れているフロリダ大学に行って
伸びたし、錦織圭はアメリカのIMGアカデミーで鍛えられた。佐々木君も
こういう科学的且つ合理的な教え方をするところで体を作ることを優先す
べきではないのか、もしもプロになりたいのであれば。


◎手続きに90日・・・佐藤隆一

産経BIZ8/8:「ホワイト国」韓国除外 東京応化「輸出手続き変わらず」

対韓輸出管理強化の対象となっている感光剤のレジストを製造する東京応
化工業は7日、2019年6月中間連結決算の記者会見で、韓国への製品輸出
の現状について「法令にのっとった手続きを粛々と進めており、特段の遅
れや問題は発生していない」と明らかにした。

会見した水木国雄常務は、7月の輸出管理強化以降、輸出申請を行ったか
について「答えを差し控える」としたが、「基本的に受注があれば手続き
を進める準備はできており、特段問題は発生していない」と強調した。

「ホワイト国(優遇対象国)」から韓国を除外したことに関しても「個別
申請が不要のライセンスがあるので、輸出の手続きはほとんど変わらな
い」とした。

一方、中間決算は売上高が前年同期比3.6%減の489億円、最終利益
は8.9%減の29億円と減収減益だった。産経BIZ

あらら、1か月しかかかっていません。韓国は何をバカ騒ぎしているので
しょうかね?確かに本当に困れば、韓国以外の国がもっと大騒ぎしていた
筈ですから、本当にパフォーマンスの好きな国です。あの騒いでいる人た
ちは、辺野古反対と騒いでいるプロのようなもので、金を貰って抗議デモ
をしているのでしょう。まさか、政府が金を出しているとは考えられませ
んが、あの文大統領ならやりかねませんからね。

そんなデタラメな国に韓国がなってしまうことを韓国国民はどう考えてい
るのでしょうか?反日を越えて愛国心から言えば、韓国は実に危険な状態
です。まともな韓国人であれば、日本云々よりも危険な個人の排除を優先
的に考える筈です。クーデターすらも絵空事ではありません。反日を煽り
ながら、ジワリジワリと韓国を北に近づけていますので。あの異常な反応
は全て北からの指示ではないでしょうか。

北朝鮮は中国とソ連の極悪非道なエッセンスを全て吸収していますので、
韓国を間違った方向へ向けることなど屁でもありません。反日で国民をく
すぐれば、みんなホイホイ付いていきますから。

いずれにしても、政権が変われば、文大統領は国家反逆罪で死刑でしょ
う。死にたくなければ、北朝鮮と一緒になるしかないと考えていので
は・・・。死刑にならなくても、ミッションをこなせなかった大統領とし
て、親分同様に自殺?若しくは自殺に見せかけて殺されることでしょう。
日本に入り込んでたくさんの無辜の日本人を拉致した北朝鮮ですから、お
隣の韓国ではやりたい放題でしょう。

さて、トランプ大統領も既に面倒で厄介な奴らだと気が付いていることと
思いますが・・・。



◎TBSには呆れるだけでした:前田正晶

主宰者は「見ない」と言われたTBSの6日夜の「報道1930」を見てしまい
ました。それは、BSフジのPrime Newsが野球中継になってしまったいた為
に、止むを得ず演題に釣られて見てしまいました。

報道1930では「文在寅政権が狙う報復」と題していましたが、出席者でま
ともだったのは松川るい参議院議員だけで、外務省出身の登誠一郎元室長
に朝日新聞論説員はTBSの主張を代弁させる為に呼んだとしか思えません
でした。兎に角、司会の松原も何とかして日本が悪かったという方向に
持って行くのに懸命だったとしか聞こえない状態。この番組は以前に毎日
新聞の津田外信部長に「輸出手続きの変更は愚挙だ」と言わせた実績があ
るので、朝日新聞論説員を呼んでくるのは普通ではあっても論外だと思い
ました。

私が松川さんの白けた顔をしていた登誠一郎の発言があの夜の白眉だっ
たと思いました。彼は「3品目の手続きの変更をするのであれば、事前に
韓国にこうしますと通告してからするのが外交」と曰ったのです。松川さ
んは同じ役所の先輩に当たる方に「それは間違いです」とまでは言えな
かったのか黙殺。呆れた発言でしょう。細川昌彦氏は明解に「外交マター
ではない」と言っておられました。こういう番組が存在する事自体が「利
敵行為」でしょう。朝日とテレ朝、毎日とTBS、東京新聞は困ったものです。


◎今度は産経が「シンデレラスマイル」とやってくれた:前田正晶

引き続き英文法の克服の仕方を。6日にも触れた事だが、私は七面倒くさ
い英文法を「音読・暗記・暗唱で何とか克服した」と回顧して見せた。結
果的には生きている言葉を後から追いかけて、かえって理屈っぽくした解
り難く覚えにくくした英文法を何とか自分の物に出来たのだった。それは
繰り返して音読し暗記する間に自然に正しい文法の形が頭に入って、英語
で何か書く場合でも、会話をする場合にも間違っても不正確な言葉か熟語
は出てこなくなったのである。その間に正しい文法を学校で教えられ、
「なるほど。ここにはそういう原則があったのか」と文法が後追いの形で
ついてきた事になったのだ。

ここでいきなり話題を変えたのかと思わせるアメリカ独特の冗談を紹介し
よう。未だ野球が存在しなかった時に、野球を細かい規則まで考え出した
人がスポーツ界の権威者にプリゼンテーションをして「こういう競技を広
く普及させましょう」と訴えたところ「そんなに規則でがんじがらめにし
た競技が受け入れられる訳がない」とにべもなく却下された」というも
の。何となく小難しい文法を優先的に教えれば、子供や生徒たちに「イヤ
語」を拒否されている現状と似ていないか。

話を本筋に戻そう。シンデレラスマイルではこれを英語で書いてみれば
“Cinderella smile”となって「シンデレラが微笑む」となってしまって本
来の「微笑みのシンデレラ」とは意味が違ってしまう。即ち、シンデレラ
が主語ではなくなっているし、smileの後に3人称単数の“s”が抜けた文法
的誤りにもなっている。産経新聞ともあろう会社が何を考えていたのかと
大いに疑問に感じた次第だ。

先日も採り上げた「進行形」を形容詞に使った語法というか、熟語を色々
と思い出そうとしてみた。だが、1年の66%以上を英語過ごした来た時期
を25年前に終えた現在では中々これという例が出てこなかった。それと
1994年1月末までの22年半には待ったなしで英語だけで仕事してきた最中
には勿論文法的な誤りを犯さないように話してはいたが、そういう事態に
追い込まれると朝から晩まで「文法」に注意していても、学校で教えられ
克服したと思っていた日本式の文法など何処かにとんでしまっていた。

それはアメリカ人の中にいれば、挨拶をすると“Thanks. I’m doing real
 fine.”などと「そこはreally fineでは」と戸惑うような事を言われる
し、かなりチャンとしたインテリ階層にあるはずの工場長に“Hey!
Don’tsay nothing.”などという二重否定が使われたし、「俺の言う事が
解っているのか」が“Are you with me?”などと言われれば、文法は兎も角
混乱させられるのだ。

「スマイルシンデレラ」が何故宜しくないかは既に指摘した。こう言う誤
りを防ぐ為には上記の「音読・暗記・暗唱がある」のだが、動詞の進行形
を名詞の前に置いた例文を沢山覚えておけば「そうだ、ここでは進行形を
形容詞のように使うやり方があった」などと考えないでも済むようになる
のだ。いや、なるようになるほど沢山の英文を覚えていく事だ。そこで、
以下にに思いついた(思い出した)例を幾つか挙げてみよう。逃げを打っ
ておけば、英語だけで暮らしていたのは25年前までの事だ。

He is a walking encyclopedia またはdictionary. と言えば「彼は生き
字引のように物知りだ」となるのだが、walk dictionary では文法的にも
誤りで意味を為さなくなるとご承知願いたい。

It’s a walking distance from here. と言えば「歩いて行ける距離で
す」のことになり ing を抜かすと文法的におかしくなる。一見、walk
distanceでも通じそうだし、恐らく解って貰えるだろうが、文法的におか
しいと相手には読まれてしまうだろう。

“running expenses” は「経常費」事で、ここでも進行形でなければなら
ない。維持費は“operating cost”であるが“running cost”でも良しとなっ
ている説もようだ。私は大名三塁手だった某氏の華麗な「ランニングス
ロー」(running throw)は「“throw”が走っていることになるのでは」と
否認してきた、では何と言えば良いかとなれば、フットボール用語に
“runand shoot”というのがあるので“run and throw”とでもすれば良い
かっている。でも、先日聞いたMLBの放送では確か“beautiful
runningcatch”というのがあった。

結論では「後追いで出てきた文法の枠に縛られる前に、何とかして多く
の例文を覚える事を優先しましょう。理屈はその後から追いかけても間に
合った先例がここにあります。私以外にもこれまでに紹介した成功例があ
るのもお忘れなく」となる。誤解なきよう申し上げておくと「これは決し
て文法無視の勉強法ではない」という事。私は「言葉が先で文法という理
屈は後から追いかけてきたのである」と考えている。


◎7日夜の櫻井よしこさんのPrime Newsでの独演を楽しく聞けた:前田正晶

この番組は生放送だからメデイアによる切り取り報道がないと勝手に信じ
込んで見ている。それは主に新聞の記事にある現象で「彼らにとって興味
があり、一般の読者を欺けるような部分だけを恣意的に切り取って虚偽の
記事に仕立て上げる事」が不可能だからである。最近の例を挙げれば、韓
国向けの3品目の輸出手続きの変更をさも禁輸のように、しかも手続きに
90日を要するかの如くに報じた虚偽の報道があった。これはひょっとして
意図的に韓国に「大変ですよ」とお知らせしたかったのかも知れないとま
で考えたことすらあった。

また、彼らの切り取り報道の例としてその他には、President誌の8月30日
号では金融審議会の「市場ワーキング・グループ」の一員だった中野晴啓
セゾン投信社長が政府が受け取りを拒否された報告書の中の重要項目を無
視して2,000万円不足の所だけ切り取って報道したと指摘して慨嘆してお
られたという例がある。矢張りメディアはあの際にはそういうことをして
いたのかと、あらためて確認出来た次第だ。

本題に戻ろう。桜井さんの主張は何時も通りに胸のつかえが下りるよう
なものだった。その中で私が新聞等が切り取って大々的に報じて欲しいな
と感じた事だけを採り上げてみようと思う。それは桜井さんも「文在寅大
統領の思い込みと妄想の産物」と指摘された「南北が一体となれば日本を
凌駕する経済力になる」という点を批判された後で語られた「もしも南北
が統一されてしまった後の高麗連邦(彼女はそうは言っておられなかった
が)は侮れない存在になる危険性がある」という点だ。

即ち、「経済的というか両国のGDPを合計したところで到底我が国を越え
る事はないが、アメリカの駐留軍を追い出した後ではDPRKの核兵器や
missileを備えた軍事力を持ち、我が国とアメリカとの関係を断って中国
とロシアを後ろ盾にする危険な軍事力を持つ国家が誕生するからだ」との
指摘である。それは我が国の直ぐ隣に虎視眈々と我が国と台湾を我が物に
しようとする“coalition”が出来てしまうという意味だと思って聞いてい
た。私の考えではこういう場合こそ「有志連合」と訳して良いと思ったの
で、原語のままにしてみたのだ。

私も文在寅大統領は最早精神的にも経済的にも思想的にも常軌を逸して
いるとは思うが、先日産経の黒田勝久氏も指摘された「今回の輸出管理手
続き問題の発生で文大統領は助けられた形になっている」というのを信じ
ている。桜井さんもその点を捉えて「文大統領は何としてもこの問題を奇
貨として来たるべき来年4月の選挙に勝って『憲法改正』を企んでいるの
ではないか」と指摘された。即ち、改正出来れば彼は更に、習近平主席の
ように、5年間在任の可能性が出てくるのだ。その後は政府等のあらゆる
機関の長に彼の息がかかった進歩派というか左派を思うがままに任命出来
るのだ。

私には果たしてそこまで行くか否かなどは解らないが、我が国は今のうち
に文在寅大統領にもその誤りを指摘して1965年の決め事を守って、強調せ
よと押していくと共に韓国の形振り構わぬロビーイングにそれこそ2度と
負けないように我が方の正当性と韓国の誤りを十分に正確且つ感情を抑え
た姿勢で世界の諸国に聞かせる必要があると考えている。

私はその諸国の中でもアメリカ、特にトランプ大統領には実体を正確に
ご承知起き願うように、あらためて総理かでも伝えるべきだと思ってい
る。言わずともお解りになっているなどと思うのは、それこそ妄想だと危
惧する。それは、現時点のアメリカ対中国の間を考える時、トランプ大統
領には我が国が期待するほど依存していていては危ないかと思っているべ
きかと私は看做しているが、悲観的すぎるかな。



━━━━━━━
身 辺 雑 記  
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9日の東京湾岸も快晴、爽快。

東京湾岸は8日も快晴。セミ時雨を耳にしながら都立猿江恩賜公園を散
歩。不思議なことに他に散歩者ナシ。暑いから外出を避けるのだろう。
暑気払いとばかりに、10日夜は久し振りに義姉夫妻と『あきら』で一献。

                         読者数:6001人

          








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  • Apeman生2019/08/09

    【 気が付けば甲子園の野球が始まっていた:前田正晶氏 】



    前田正晶氏の論稿、いつも興味深く拝読いたしております。

    今回の論題:甲子園大会の件で、軽不振のアサヒ新聞のせいで、高校生球児が酷使されているという趣旨かと受け取っております。

    ですが、この大会の主催がアサヒ新聞ということなので、連日満員の甲子園球場の「アガリ」の何割かが、アサヒ新聞へ戻されて・経営の助けになっているという話を聞いたことがあります。 ということで、あのアサヒ新聞が徐々に減少する固定層の代わりに、これからの世代を担う若者を食い物にしている構図では。