政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針5117 号 2019・7・26(金)

2019/07/26


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 わたなべ りやうじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5117号
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        2019(令和元年)年 7月26日(金)



   雀庵の「戦艦三笠で海戦追体験」:“シーチン”修一 2.0

         GAFAは敵なのか、味方なのか:宮崎正弘    

     脅威に囲まれる日本、いま安保を考えよ:櫻井よしこ

               買われる日本の国土:馬場伯明

    
                      話 の 福 袋    
                       反     響
                      身 辺 雑 記

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雀庵の「戦艦三笠で海戦追体験」
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    “シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/1】巨大で精巧な偽千円札を造って世間の度肝 を抜き、めでたく逮捕されて大いに満足したであろう赤瀬川原平が、「好 きなことばかりに心を奪われるのは、苦労を嫌がる怠け心だ」と読者を “叱責”していた。自嘲を込めた小話、落語の「まくら」、本番前の前技み たいなもので、共にハハハと笑っていればいい。

しかし、ロシア、支那など独裁国のアネクドートのようにピリッとした真 実はある。7/21の参院選で憲法問題はほとんど関心を呼んでいなかったよ うだが、考えようによっては「国民は今の世に満足している」ということ ではないか。国論を二分する大論争、両派が激突して死傷者続出、投票率 は90%!なんていう事態は誰も望んではいまい。激しい対立や憎悪、苦労 は嫌なもの。香港はどうなるのだろう。

美味しいものがいっぱいあって、お気に入りの服も手に入れやすく、楽し い娯楽もある、桃源郷、ネズミ―ランド、温泉、スマホ・・・昨日、Kが深 刻な顔をして小生の隔離室に来た。何だろうと不安になったら「あんた、 BSが映らないのよ、韓流ドラマをビデオにとっているのに、あんた、変な ことしたんじゃない!」。

「何だろうね」とプライヤーをもって展望塔に昇り、回路ボックスを開け てみたが異常はない。「分からんなあ・・・」と、プライヤーでコツコツ やっていたら、「アンタ、映った、映った!!」。All is right 世は事 もない。

日本はいい国なのである。火中の栗に手を出せばオイシイかもしれない が、火傷の恐れもある。先送りできるのだから、何も今、デイリ、喧嘩を 始めなくってもいいじゃないの、韓流ドラマ、一緒に見ましょうよ・・・

冷戦は仕方がないけれど熱戦は勝っても負けても被害は甚大だからなあ、 まさか「有権者の皆さん、喧嘩はわしらがやるさかい、あんたたちは神輿 に乗って、黙ってドーンと構えておりゃええんよ、のう」と言うわけにも いかないし。

第1次大戦。たった2発の銃弾(+小型爆弾の誤爆)がなんであんな悲惨 極まりない空前絶後の大戦争になったのか、今でも学者も分からないよう だ。隣国というのは昔から厄介なもので、「遠交近攻」が当たり前で、近 攻を我慢し続けていると内圧が高まって大爆発するのか。火山とか地震み たいで、もう人智を超えているようだ。

第2次大戦は独VS米のヘビー級タイトルマッチで、ミドル級の日本はやる 気がないのに米国から開戦を挑発された。売られた喧嘩を買わずに小さな 4島に引き籠ったら、今は恐らく三流国、ヘタレのコペル君だろう。日本 は1ラウンドか2ラウンドしかもたないと分かっていても吶喊していった。 その結果として国破れて焦土あり、腹は減れども食うものなし。

しかし、格下の日本が米英仏蘭露にファイティング原田のように果敢にパ ンチを繰り出し、16世紀以来先進国に植民地化されイジメられてきた有色 人種に大きな勇気を与えたから、世界中から植民地がなくなったのである。

20世紀の最大の世界史的事件は「日本の猛勇・蛮勇・英雄・義侠・狂気的 特攻による世界の植民地解放」、次いで「共産主義の自滅」「米国一強体 制」だろう。100年、200年後には世界の歴史家はそう書くはずだ。

中共は「敵のすきを狙って勝ったら攻める、負けたら36計逃げる」とい う、毛沢東が世界で初めて理論化し確立したゲリラ戦は得意だろうが(IS はこれを学んだとか)、正規戦はどうも苦手のようで、中越紛争では散々 な目に遭った。ゲリラ戦でも米軍を追い出したベトナム軍の方が上手だ し、中共は尻尾を巻いて逃げた。

中共は海戦も空戦も実戦経験が乏しい。中共の海軍、空軍を作ったのは終 戦で武装解除し赤軍(赤匪)に投降した日本軍である。「良い鉄は釘には ならない」と兵士を軽侮する支那では武士道精神や戦陣訓は伝わらなかっ ただろう。

中共の兵器はパクリで近代化できるが、最新鋭の戦艦、戦闘機であっても 勇猛果敢で訓練を積んだ将兵がいなければ戦争できないのではないか。

パクスアメリカーナが揺らいでくれば中共はすきを狙って台湾、南シナ 海、東シナ海で開戦する(したい)だろう。国内を団結させることにもな るし、負けても14億の国を占領して面倒を見るなんて奇特な国はない。た だ、中共は泰平の眠りをむさぼる日本を目覚めさせる“黒船”にはなる。そ れは日本にとっては「普通の国」になる僥倖だが、中共にとっては藪をつ ついて鬼、倭寇を出す奇禍、愚作、亡国になるだろう。

Z旗とともに日はまた昇り、中共包囲網は、昔は竹のカーテンだったが、 今度は鋼のカーテンどころか壁になる。「文明の衝突」であり「新版歴史 の始まり」だが、やがて支那全土は太子党、上海閥、共青団などの衝突に 加えて、ウイグル、チベット、モンゴルなどの独立運動が火を噴くから長 期の内乱になる。建国100年の2049年はどうなっているのか。

あのソ連は建国から72年で消滅した。赤い支那が2021年以降も健在ならば 新記録だが、米国は政権が変わっても中共を締め続けるだろうから、5年 後、10年後は分からない。独裁政権は軍が離反するとあっという間に潰れ る。チャウシェスク、フセイン、カダフィは政変の始まりと同時に殺された。

先日、親友2人と横須賀へ行った。戦艦三笠の最上艦橋、日本海海戦(明 治38/1905年5月)で露バルチック艦隊を迎撃した東郷司令長官が戦闘の指 揮をとり、秋山作戦参謀らの立っていた所はプレートが示されており、そ こに立つと「敵艦見ゆとの警報に接し、連合艦隊はただちに出動これを撃 滅せんとす。本日天気晴朗なれども波高し」の有名な秋山参謀の打電が思 い出された。Z旗が掲げられ「皇国の興廃この一戦にあり。各員一層奮励 努力せよ」と鼓舞した。

特務艦など後方支援船を含めると日本100隻、露160隻の大艦隊の激突で、 日英同盟の協力もあって日本は圧勝した。インドのネルー、支那の蒋介 石、イスラエル再建を先導したトランベルドール・・・日露戦争での日本 の勝利は虐げられていた民族に大きな勇気をもたらしたのだ。

足萎えで500mしか歩けない小生は先人の「立つんだ、ジョー!」の声に励 まされ、杖を頼りに7000歩も歩いた。三笠をじっくり見学し、横須賀軍港 めぐりの観光船で潮風を浴びて、もうすっかりエクスタシー。でも「天気 晴朗なれども足腰痛し」、果たして「大義に死す」機会はありやなしや。

おもしろうてやがて悲しき鵜舟哉(蕉翁)

老いた鵜は月夜の海に放たれるのか。桟橋から飛び込もうとすると屈強 な漁師に羽交い絞めされて「ダメだよ、爺さん、こんなところで自沈され たら皆の迷惑だ。第一、海洋汚染になるだろうが!ウッタク」なんて言わ れそうだな。「地球温暖化」では研究費を引っ張れなくなった学者どもは 今度は「海洋プラゴミ」で稼ごうというのだろう。セコイ、セコスギ!  ま、みんな、どっこい生きている。

生きるのは大変だが、美しく、格好よく死に花を咲かせるのはとても難 しそうだ。指揮者なら(バイトの唱道する)ブラボーの声の中で心臓発 作、なんて一種の戦死で絵になるが、そういう機会は天恵で、凡婦凡夫は 「せめて自宅で」がいいところか。

乃木大将の「水師営の会見」は日本と世界へ向けての最後の挨拶だった のだろうなあ。起承転結の人生のオチ、サゲ、エピローグ、結は難しい。 「ケツ」・・・「自分で自分のケツを拭く(自分の不始末の後処理を責任 持って自分でやる)」。きれいに拭かないと「クソヂヂイ」か。時効とか 免罪符はないのだろうか。

発狂亭“異端爺”雀庵の病棟日記から。

【「措置入院」精神病棟の日々(121)】【2016/12/29】【産経】「安倍 首相 真珠湾慰霊」。1941年12月8日の開戦から75年、45年8月15日の終戦 から71年、恩讐の彼方に「戦後」は終わり、新たな「戦前」が始まってい るのだろうか。目の黒いうちに中共崩壊を見たいものだ。

阿比留瑠比ボナパルト曰く「寛容の価値 中韓に迫る」って・・・彼らの 政権 or 民族の基軸は「反日怨恨」であり、寛容や受容は永遠にあり得な い、というのが真実だ。阿比留先生、ないものねだりは止めましょう、 放っておけば潰れますから。

それにしても欧州に参戦したいからハワイの4000人を犠牲に日本を罠にか け、ハワイ攻撃をさせるなんて、アカのFDR(ルーズベルト)一派はフー バー前大統領の言うように「狂気」だ。この間の事情を伝える公文書は 100年間は機密とされていたが、最近は130年に延長されたとか。

この狂気のお陰で米国は戦後世界の王者になった。だが4000人とその遺族 に犠牲を強いたことは、沈黙や虚偽ではなく、真実を語り、謝罪し報い、 償うべきだろう。この総括こそが戦後ジグソーパズルの最後のワンピース になり、歴史博物館の壁に掲げられることになるだろう。

石平「トランプショック 習政権翻弄」、中共軍が米軍の無人潜水機を盗 んだものの慌てて返した件。中共の南海艦隊が北京中央の気を引く(譲歩 を促す)ために個人あるいは組織としてやったのだろう。南海艦隊は胡錦 濤、李克強が率いる共産主義青年団が牛耳っている。北京は軍を掌握でき ていないのではないか。レームダックが始まっているのかもしれない。

田村秀男+浜田宏一対談「トランプ次期政権 日本経済どうなる」。田村 「日本はカネ余りです。企業も金融機関もそれぞれ300兆円を超す資金を 寝かせている。米国は日本企業の直接投資と銀行の融資を必要としてい る。日米緊密化は必然ですね」

カネがあるのだから国内に投資しろよ、国内に! 給料を上げて皆を元気 にさせ、消費を増やせよ。首都高などのインフラの老朽化を阻止するな ど、やるべきことは多い。辰巳JCなんてまるで絶叫マシンで、通るたびに ゾッとする。大地震に耐えられるのか。日本橋の上の首都高なんてみっと もない、まるで国辱だ。そのうち世界珍奇愚作奇怪遺産になりそうだ。 (つづく)2019/7/24


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GAFAは敵なのか、味方なのか
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)7月23日(火曜日)弐
        通巻第6153号  増ページ特大号
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GAFAは敵なのか、味方なのか
  独禁法違反もなんのその、中国に協力する懲りない面々
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 GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)への締め 付けが欧米間で進んでいる。

GAFAは国境を無視したかたちで国際的なSNSの拡充、送金の自由、 手数料の低減などを実現する一方で、ハッカー、サイバー犯罪を助長し、 テロ組織への資金供給のネットワーク構築にも結果的に協力することに なった。

自由主義経済システムから生まれたビジネスモデルが、西側の安全保障を 脅かす脅威となったのであり、歴史のアイロニーかも知れない。

まずG7で協議されている課題はGAFAの「課税逃れ」対策である。
「節税」と「脱税」は区別されるはずだが、GAFAの税金対策は徹底し ていて、4社で74兆円もの売り上げを誇りながら、巧妙な手口で、本来収 めるべき税金を逃れてきた。

GAFAが法源として弁解・活用したのは、営業の「拠点」が恒久的施設 (PE)でなければ、課税対象とはならないという法律の穴をつき、例え ばアップルは税率の低いアイルランド子会社を利用、グーグル日本支社 は、シンガポール子会社との間で広告契約として節税していた。
 
G7では、GAFAの課税逃れを見逃さず、先進国が一致して共通ルール による課税強化策を講じるという方向はでたが、フランスが強く反対し て、先へ進んでいない。ともかくG7は、危機感の共有で認識を共有した ことは事実である。
 
G7各国は安全保障上の共通の利害を共有できても、税金では対立する。
2019年7月10日、フランスは米国との事前協議なしに「デジタル課税法 案」を議会通過させたため、税収が減ることになる米国が激怒した。

同月17日からフランスで開催された「G7中央銀行総裁、財務相会議」で は、この課税問題を集中的に議論したが、まとまりがつかなかった。
 
就中、フェイスブックは問題視され続けてきたデジタル企業であり、規制 強化の方向性はワシントンで明確にでていた。法律制定には公聴会や専門 家のパネルを重なる必要があり、実際の規制強化には1年以上の時間がか かるとされる。

2018年3月にフェイスブックから8700万人分の個人情報が漏洩したため、 司法省が調査してきた。西側のコンセンサスはプライバシー保護であり、 司法省の調査を待って米連邦取引委員会が制裁金を課すことになる。制裁 金は5400億円相当になると予測されている(すでにフェイスブック は、制裁金を予測し積立金を準備中である)。


 ▲プライバシーが盗まれても、平然としているフェイスブックのダーク サイド

GAFAへの規制強化に関しては欧米、ならびに日豪がほぼ共通の懸念を 抱いており、米国では連邦議会とは別にカリフォルニア州は単独で個人情 報保護の新法を制定した。

EU諸国でも個人情報管理を規制強化しており、EUはスマホOSとアプ リの組み合わせは独占禁止法に抵触するとしてグーグルに制裁金を、フラ ンスはプライバシー問題でもグーグルに制裁金を課した。

ドイツはフェイスブックの利用者からのデータ収集に対して大幅な制限を かけ、またEUはインターネット広告問題でグーグルに制裁金を課した。 米FTCもグーグルに2250万ドルの制裁金を課した。

次なる難題はフェイスブックが発行を予定している仮想通貨(暗号通貨) の「リブラ」をめぐる意見衝突である。

フランスは「通貨主権が侵される怖れが高く、金融システムに深刻な悪影 響がある」と根底からの疑念を表明した。

ムニューシン米財務長官も「国家安全保障上問題が多い」とG7で発言し た。この文脈から見えてくるのは中国対策と同義語である。
 
フェイスブックは、親中企業として有名である。なにしろCEO夫人は中 国人。ザッカーバーグは何回も中国に通うほどに、依然として中国の巨大 なマーケットを狙っている。

フェイスブックは世界で27億人が利用している巨大デジタル産業だが、個 人情報の漏洩というスキャンダル、そして選挙介入の「前科」があるた め、米国議会の多くは「フェイスブックは危険である」と批判してきた。

「リブラ」に中央銀行が反対なのは多くの理由がある。

仮想通貨で決済が可能となれば請求書や振り込み手数料が軽減されるもの の、それはドル、ユーロ、円などの資金需要を減退させる。究極的にはド ル基軸体制が破綻する。

第一に通貨発行、通貨供給量を決めるのは各国の中央銀行の裁量であり、 仮想通貨が出回ることは経済主権が侵されるばかりか、国家そのものの存 在が問われる。独立国家としての主権が脅かされるからだ。

第二にマネーロンダリングに使われることは明らかであり、監視網がさら に必要とされる。監査を強化すれば、資金洗浄の手口はますます高度化す るといういたちごっこが現状だが、銀行を経由しない送金が可能となれ ば、まともな監査も出来なくなる。

第三にテロリストへ資金が流れる可能性を否定できないことだ。犯罪行為 への送金も可能であり、言ってみれば暗号通貨「リブラ」発行という行為 は、国境をなくすのではなく国家をなくすという過激グローバリズムの権 化と認識されるからだ。


 ▲トランプ政権が迅速に動いた。

リブラ阻止。明確な行動目的を掲げて議会も動き出した。もとよりFRB は反対の急先鋒だ。そのうえ、米国はリブラが国際的に流通する前に厳し い規制をかけ國際的な包囲網を形成する方針である。

英国でもカーニー(イングランド銀行総裁)は、資金洗浄対策が不安定 で、事業開始は認められない」と発言している。

7月16日には米上院銀行委員会が公聴会を開催し、フェイスブック幹部を 呼んで、以下の問いかけを行っている。すなわち「マネーロンダリング対 策は万全なのか」「サービスを個人データに収集するのではないのか

「なぜグーグルは米国を避けて、このリブラの拠点をスイスに置くのか。 課税逃れではないのか」など。

対してフェイスブックのデビット・マーカス副社長は「そもそもリブラは フェイスブック主導とはいえ、マスターズ、ヴィザ等クレジットカード会 社など28社が参加する「リブラ協議会」のような多国籍企業であり、本 拠をスイスに設置するからにはスイス当局(スイス金融飯場監督寄稿)の 監査に従うし、米国の規則に従う」と明言した。

だが、いまの法体系では独禁法適用しかなく、銀行ではないフェイスブッ クのビジネスモデルを規制する法律はない。

日本も同じ状況だが、大手SNSの言論空間では保守的な意見を書き込む とネットから削除される。このような世論操作的な行為が頻繁に組織的に 行われており、グーグルやフェイスブックの言論操作、フェイク情報の垂 れ流しはかねてより問題視されてきた。
 

 ▲グーグルと中国の関係を調べ上げろ

米国の包囲網形成には欧州と日本が同意を示しており、過去の多くの情報 漏洩、個人データの売却ならびに詐欺事件の頻発など、その暗い「実績」 を前にすれば欧米日が、ことのほかフェイスブックに慎重に、否定的にな るのは当然と言えるだろう。
 
トランプ大統領は「フェイスブックのリブラは信頼性がない。銀行規制を 課すべきだ」とし、パウエルFRB議長も「消費者保護で深刻な懸念を払 拭できない」と牽制した。

またウォーターズ下院金融委員長は「国家安全保障の観点からも開発を一 時中止せよ」。上院のタカ派テッド・クルーズは「反トラスト法に触れる 深刻な問題である」。

「議会と政権が珍しく共闘を演じるのはリブロと中国問題だ」と或る議員 は批判のトーンを高め、「いっそのことリブロ解体が望ましい」とする。

IMFは暗号通貨に関しての報告書をまとめ、金融政策の機能喪失の懸 念、マネーロンダリングの怖れに加えて、銀行業務の縮小懸念をあげた。

以上見てきたようにリブラに関してはフェイスブックだが、ほかにも議会 公聴会にはアマゾン、アップル、グーグルの幹部が召喚され、独占禁止法 抵触、機密情報漏洩、データの流用懸念などについて執拗に質問を浴びせた。
 
トランプ大統領は7月16日に「グーグルと中国の関係」、つまりグーグル が中国軍に協力している疑惑に対して調査を命じた。
   
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1929回】          
 ――「支那は日本にとりては『見知らぬ國』なり」――鶴見(22)
  鶴見祐輔『偶像破壊期の支那』(鐵道時報局 大正12年)

では、なぜ第2の考えは成り立たないのか。かつて「支那即ち世界であ つた」。だが、いまや「世界の一部分」であるばかりか「外國の壓迫とい ふことが支那の政治的大因子であ」り、それ故に「悠長なる無政府状態 も、變遷的過渡期も支那民族にとつては之を續けて行くことが出來ない状 態になつてゐる」からである。

次に「現状を不滿足なりと爲し革新をしなければならぬといふ説」だが、 今後の変化の可能性について鶴見は「凡そ六つの假定を想像して見る」。
 「その一つは英雄時代の出現である」が、「英雄政治の出現は先づ以て 覺束ないと見る方が穩當である」。

「第二の假定は、英米流のデモクラシー、即ち代議院制度に落付くであら うといふ説」だが、「支那の如く、英米に全く異なる傳統を有し、國情を 有するところの國に、急に英米流の代議院制度が行はれるといふことは想 像し難きところである」。

「第三に、然らば中央集權に依るところの代議院制度は不可能であるに しても地方分權に依るところの聯省自治が可能ではないかといふ問題があ る」が、その前提としては「支那人が自治の能力を本當に發揮し得る」の か。加えるに「その自治をしたところの支那人が、果して聯省といふやう な形で一國を成して存在し得るかどうか」――この「二つの條件」を満足さ せる必要がある。

「第四に起きる假定は、經濟的立國論」である。これは「政治的に強き政 府を造らなくとも、各地方に産業を興して、支那といふ一個の社會が確立 すれば支那が發達する」という考えだが、ならば「今日直ちに政治的方面 から支那を開發しないでも宜からうといふ」わけにはいかないだろう。

「第五には、昨年華盛頓會議の際、唱へられた所謂支那の國際管理問題で ある」。その場合、「世界の文明國が公平無私の考を以て支那の爲に政治 を代行する」といふ大前提が必要だが、「列國が果してそれだけの人道的 心持を以て利?を措き、他國の行政を管理し得」るわけがない。それが可 能だったとしても、「國家の體面上」、「支那人は決して之に黙從しまい と思ふ」。

「第六に起つて來る假定は、支那が凡ての改革手段に失敗したる曉には、 寧ろ露西亞の如く外國との連絡を斷つた一個の社會主義國となることが可 能であるかどうかといふ事である」。当然のように「それは非常に大きな 冒險である」。それというのも、「支那人が果して社會主義の思想を有す る國民であるかどうか」に加え、「露西亞と異つて支那は外國から侵入さ れ易き境涯に在る」からであり、であればこそ社会主義化して対外閉鎖を 実行した場合、「外國が之を黙認するかどうか」が「明らかな問題」だか らである。そこで社会主義化は「成功の可能性が頗る薄弱」と結論づけた。

ところが鶴見の旅行から27年5カ月ほどが過ぎた1949年10月1日、毛沢東に 率いられた共産党は「非常に大きな冒險」の末に、「露西亞の如く外國と の連絡を斷つた一個の社會主義國」を地上に出現させてしまった。

「支那人が果して社會主義の思想を有する國民であるかどうか」に拘わら ず、「外國から侵入され易き境涯に在」ろうがなかろうが、さらには「外 國が之を黙認するかどうか」の別なく、である。

しかも建国後を振り返ってみると、「先づ以て覺束ないと見る方が穩當 であ」ったはずの「英雄政治」が毛沢東の手で実践されてしまった。もっ とも毛沢東の治世は独裁政治であったとしても決して「英雄政治」ではな いと否定されたらそれまでではあるが。
 
27年5カ月ほどを間に挟んだ中国の激変を、鶴見はどのように考えたの か。もっとも日本も、中国をめぐる国際社会の政治力学も激変に継ぐ激変 であったわけだが。《QED》

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読者の声  どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
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(読者の声1)ニューズウィークが特集号を出したMMT理論ですが、 ネットで経済評論家の三橋貴明氏が次のようにスティファニー・ケルトン 教授と講演、対談した成果を書かれています。

1.政府の財政赤字は、政府以外の経済主体にとっての黒字
2.国債発行残高は、政府が支出し、徴税で回収しなかった貨幣の履歴 (歴史的な記録)
3.経済の制約は財政ではなく、インフレ率(リソース、供給能力)
4.徴税は、国民の支出能力を奪い取る装置。消費税増税は消費抑制政策
5.経済がバランスしていれば、財政は赤字でも黒字でも均衡でも良い
6.日本は金融政策で国民の債務を増やすのではなく、財政政策で国民の 所得と自信を増やせ!

日本のマスコミは「黒船」に弱い。おまけに金髪で美人のアメリカ人経済 学者の主張となると、それなりに報じてくれるわけです(ケルトン教授を お呼びした甲斐があった)。というわけで、「completely wrong(でたら め)」な主流派経済学を否定するためのレトリック、手法は、なかなか洗 練されています。例えば、MMTの始まりと言える「ウォーレン・モズ ラー氏の名刺」の話や、国民経済を「シンク(水槽)」にたとえる手法 は、見事の一言です。
【Front Japan 桜】ケルトン教授が明かした政府支出と税金の真実(他)
https://youtu.be/ywx-vplOG60
モズラー氏の名刺やシンクは、早速、チャンネル桜の番組で使ってみまし た。いや、これは使える! あるいはケルトン教授は「財政赤字」や「政 府の負債(国の借金)」という言葉を問題視しており、この点も三橋が以 前からやっていた活動であり、共感しました。

具体的には、「財政赤字⇒国民黒字」。「国の借金⇒貨幣発行残高」
 いかがでしょう。

財政赤字は「政府以外の黒字」です。厳密には「海外」が入っているた め、「国民」は不正確ですが、その辺りは理解した上で言葉を変更していく。

あるいは、財政赤字とは、自国通貨建て国債しか発行していない国にとっ ては、「貨幣発行」に過ぎません。つまりは、財政赤字の積み重ねである 「国の借金(政府の負債)」は過去の貨幣発行の歴史的な履歴に過ぎな い。つまりは、貨幣発行残高。

MMTは、現代の貨幣はもちろん、経済や財政、政府支出、徴税、国債発 行残高等について「正確な理解」を提供してくれる」(以上三橋氏の意見 を要約しました)。

というわけで、MMT理論、如何でしょうか?(YT生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)なにも珍しい理論でもなく、ましてアメリカ人の 発明でもないです。

嘗て丹羽春喜教授が主張していた「打ち出の小槌」論です。政府紙幣を発 行し、経済の需要を高めると景気は恢復する。丹羽先生は1970年代すで に、限られたデータを元にソ連の崩壊をいち早く予測した人で、アメリカ での評価が高かった。

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(読者の声2)貴誌前号のコメント中、川田龍平氏落選と書かれていまし たが、22日午後になって当選に滑り込みました。(JJセブン)

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(読者の声3)米国憲法では、第2編第1節5項で「出生により合衆国市民 である者またはこの憲法成立の時に合衆国の市民である者でなければ、大 統領の地位に就くことはできない。

年齢35歳に達していない者および合衆国内に住所を有した期間が14年に達 しない者は、大統領の地位に就くことができない」
と規定しており、「出生により合衆国市民である者」(a natural born Citizen)、「合衆国内に住所を有した期間が14年に達した者」でなけれ ば大統領にはなれません。「移民」によって成り立ち、その後も移民を受 け入れていこうとする国家を樹立する限り、こうした考慮は必然であった でしょう。

しかしながら、我が国ではこうした規定はありませんから、帰化した元外 国人でも、国会議員を経て首相にもなり得ます。

既に国会議員には多くの「帰化人」が存在すると言われます。また、日韓 の両親の間に生まれたと言われる大物政治家もいるようです。

我が国も、飛鳥時代などには、相当数の帰化人を受け入れてきたと言われ るかもしれませんが、「国民国家」「福祉国家」となった現在とは問題の 基盤を異にするし、情報的にはもちろんのこと、物理的にも容易に移動、 越境できる現代において、移入者の量的増加、比率増大は、形成された既 成社会の質的変化を軽易に招来することになります。

移民、帰化人の急増が見込まれる現状を踏まえれば、被選挙権の要件につ いては、あらためて慎重に検討する必要があるのではないでしょうか。

親の勤務等の事情から、「外地」で出生した方も多いでしょうから、少な くとも、公職立候補者の経歴には、「出生地」、「主たる生育地と年数」 は明示されるべきでしょう。「国籍」は変更できますが、「出生地」「生

育地」は不動事実で「変更」できないからです。

「学歴」についても、「最終学歴」だけではなく、初等中等教育を含め て、できるだけ詳細に開示されるべきです。人間の「経歴」「人物」を評 価するにあたって、「出生地」「生育地」「受けた教育環境」は、決定的 とまでは言えないとしても、重要な要素であることは間違いないことだか らです。 

一般私人なら、個人情報のコントロール権(プライバシー権)というよう な問題もあるでしょうし、一般私人がそれらの権利を主張することは、基 本的人権として保護されるべきでしょうが、公選で選出を望むという者 に、名誉棄損の保護法益が制限され、プライバシー権が制限されるべきは 当然であって、個人情報の自己管理権などあり得るわけがありません。

公開された、できるだけ詳細な客観的情報をもとにして、選挙民が被選挙 人の公職適性などを判断するべきであって、被選挙者側が情報操作をする べきではない。

また、帰化の要件についても議論すべき点が多いと思われます。

米国では帰化の要件として、米国憲法、国旗、国歌への忠誠を誓わせ、公 教育でも日常的に励行されているはずですが、我が国では、国旗、国歌へ の忠誠どころか、その国旗掲揚、国歌斉唱さえ忌避するような教員が多 数、初等中等教育を担っている。

また忠誠を誓わせるべき憲法も、軍事占領下に占領軍が作成したものであ るというのが現状です。敗戦後70年の間、正面から向き合うことを避けて きた、「国家」、「国民国家」とは何か、という問題をあらためて真剣に 問い直さなければならない時期だと思います。「国民国家とは人工的なも のである」と考えられ、自然に生成されるというようなものではないにも かかわらず、我が国ではその点に関して、あまりにも無自覚、無定見であ り、認識不足であったのではないか。

ヨーロッパ大陸、英国、米国などにおける現下の大きな社会問題のほとん ど全てにおいて、その根底には、「移民」「民族問題」「国民国家とは何 か」という問題が存在していると私は考えますが、我が国は、社会全体を 大きく揺るがすような根源的大問題である「移民」について、欧米の先進 事例について十分に研究することもなく、その社会的影響について十分に 考慮、議論することもなく、対応が軽率過ぎているように私には思えま す。(椿本祐弘)


(宮崎正弘のコメント)グルジア(現ジョージア)など旧東欧が自由化さ れたときは、外国帰りがいきなり元首になって、土着の人々と悶着を起こ したり、この問題を取り上げようとするとメディアは回避したがりますね。

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(読者の声4)国際歴史論戦研究所(iRICH)主催の国連人権理事会にお けるNGOサイド・イヴェントは無事終了し、幸いメディア報道もかなりあ りました。ご参考までに添付ファイル(産経新聞)とタグ付けで、ご紹介 いたします。

このシンポジウムで、韓国側が作り上げた偽りのストーリーを完全に覆す ようなプレゼンテーションを行いました。

そこで、iRICHは添付の通り、帰国報告会を、8/6(火)午後3時から、参 議院議員会館で開催いたします。
参考までに御案内申し上げます。
 https://www.sankei.com/world/news/190702/wor1907020038-n1.html
 ・・・『産経新聞』(7/2)
https://this.kiji.is/518894266074891361?c=247599509560559095
 ・・・『共同通信』(7/2)
http://japan-forward.com/geneva-symposium-exposes-the-myth-of-gunkanjima-as-hell-island/
 ・・・”Japan Forward “(7/11)
https://i-rich.org/wp-content/uploads/2019/07/2019-06-06
-産経新聞-UN-徴用工s-1.pdf ・・・『産経新聞』 第一面トップ(6/6)
https://i-rich.org/wp-content/uploads/2019/07/2019-06-07
-夕刊フジ-UN-徴用工-2.pdf ・・・『夕刊フジ』 第一面トップ(6/7)
https://i-rich.org/wp-content/uploads/2019/07/2019-06-10-FNN
-徴用工UNサイドイベント-1.pdf ・・・『FNNプライムニュース・オンラ イン』(6/10)
https://www.sankei.com/politics/news/190701/plt1907010046-n1.html
・・・『産経新聞』(7/1)
https://japan-forward.com/former-gunkanjima-residents-to-debunk-koreas-false-claims-on-wartime-laborers-at-u-n-side-event/
 ・・・”Japan Forward” (6/12)
https://www.sankei.com/world/news/190712/wor1907120025-n1.html
 ・・・『産経新聞』(7/12)(山下英次)

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(読者の声5)ファーウェイが北朝鮮の通信網構築とメインテナンスを極 秘裡に支援していたと「ワシントン・ポスト」(7月22日)がすっぱ抜き ました。

同紙によれば、ファーウェイは8年間以上にわたり、北朝鮮の複数プロ ジェクトで中国国営企業と提携しており、米国の輸出規制に違反する、と していますが、やっぱりねぁという感想ですね。(KY生、大田区)


(宮崎正弘のコメント)前々から言われていたことで、意外感はありませ んが、「ワシントン・ポスト」は内部文書を入手した上での報道ですか ら、噂とは違います。


    
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脅威に囲まれる日本、いま安保を考えよ
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             櫻井よしこ

7月1日、経済産業省が「大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて」 を発表した。韓国向けのフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の輸出 審査の厳格化が内容だ。

これらの戦略物資は、これまで韓国をホワイト国、即ち、貿易管理の体制 が整った信頼できる国であると見做して3年間申請不要で許可していた。 だが後述するように韓国はもはや信頼できる貿易相手ではないと判明し、 7月4日以降、輸出案件毎に出荷先、量などを日本政府に申請し、審査を受 けさせることになった。

「朝日新聞」は同措置を安倍晋三首相による韓国への感情的報復措置とみ て「報復を即時撤回せよ」と社説で主張したが、的外れだ。そもそも今回 の措置は、「禁輸」ではない。これまでの優遇措置を改めて普通の措置に 戻すだけである。たとえばEUは韓国をホワイト国に指定しておらず、普 通の国として扱っている。日本もEU同様、普通待遇で韓国と貿易すると いうだけのことだ。

安倍総理は地域の安定を損なう通常兵器や関連技術の移転防止をうたう ワッセナー協約に日本も入っていることを踏まえ、こう語っている。

「今回の措置は安全保障上の貿易管理をそれぞれの国が果たしていくとい う義務です。相手国が約束を守らないなかでは優遇措置は取れないのであ り、当然の判断です。WTO違反ではまったくない」

国連安保理・北朝鮮制裁委員会専門家パネルの元委員、古川勝久氏が FNNPRIMEで指摘した。

「2015年から19年3月の間に韓国国内で摘発されたのは計156件でした。そ のうち、実に102件が大量破壊兵器(WMD)関連事件でした」

氏が示した具体例の中には、核弾頭や遠心分離機のパーツ等の製造にも使 用されうる高性能の精密工作機械などがあった。「核兵器製造・開発・使 用に利用可能な物品を統制する多者間国際体制」(NSG)の規制対象と なる工作機械類の不正輸出事件も多数摘発されていた。核燃料棒の被覆材 として用いられるジルコニウム(14億6600万円相当)も中国に不正輸出さ れていた。

北朝鮮のために

不正輸出事件は2015年の14件から、17年及び18年の各々40件超へ、さらに 19年は3月までのわずか3か月間に30件以上へと、文在寅大統領の下で急増 した。日本政府は韓国政府に協議を呼びかけてきたが、「過去3年以上、 韓国政府との意思疎通は困難であった」と官房副長官の西村康稔氏が述べ たように、文政権は話し合いに応じていない。

ここで私は、文大統領の秘書室長(官房長官)だった任鍾晳(イム・ジョ ンソク)氏の奇妙な外国訪問を思い出す。17年12月、氏は4日間の日程で アラブ首長国連邦(UAE)とレバノンを訪れた。当時両国には韓国部隊 が派遣されており、任氏は大統領特使として部隊激励のために中東を訪問 したという。だが大統領秘書室長の外国訪問は極めて異例である。任氏は 文氏の親北朝鮮政策の主導者であり、親北朝鮮のUAEやレバノンで、北 朝鮮の重要人物と接触か、などと取り沙汰されたが、結局、何もわからな い怪しい訪問だった。

それから間もない18年1月1日、金正恩朝鮮労働党委員長が新年の挨拶で 「平昌五輪に代表団を派遣する用意がある」と発表した。朝鮮半島情勢激 変の始まりだった。このときまでに、韓国は国際社会による制裁破りも含 めて、北朝鮮のためにあらゆる障害を取り除くと、誓約でもしたのではな いかと疑うものだ。

現在までに文在寅政権は、韓国軍から北朝鮮に対峙する力を殆んどすべて 奪い去った。対北防諜部隊は事実上解体され、韓国は北朝鮮の工作に対し て完全に無防備だ。

韓国軍の武器装備体系にはイージス艦や潜水艦が含まれるが、海軍力が殆 んどない北朝鮮に対する備えとしては不必要なものだ。韓国保有の「玄武 2号」、射程300キロの弾道ミサイルは射程を更に長くしようと試みたが、 日本への脅威となるとして米国が止めさせた経緯がある。これらの武器装 備は日本を仮想敵国と位置づければおよそ全て納得できる。文政権が韓国 にとっての敵は日本だと見ていると、少なからぬ専門家が考えるゆえんで ある。

韓国が北朝鮮にさらに宥和的になって、連邦政府などの形で統一に向か い、大韓民国が北朝鮮に吸収されるとき、60万の韓国軍は日本への敵対勢 力となる。北朝鮮が核を諦めなければ統一朝鮮は核保有国となる。彼らは 前述のように多数の弾道ミサイルを有し日本攻撃も可能である。対する日 本には核は無論ない。弾道ミサイルもない。どのようにしてわが国を守る のか、心許ない状況の日本に対して、トランプ米大統領の重大発言がなさ れた。

米国に頼れない状況

6月24日、ブルームバーグ通信がトランプ氏の「日米安全保障条約は不平 等」「米国は日本防衛の義務を負うが、日本にはその必要がない」「日米 安保条約を破棄する可能性」もあるとの発言を報じた。26日にはトランプ 氏自身が「フォックスビジネス」の電話取材に応じて、「日本が攻撃され れば、我々は第三次世界大戦を戦う。日本を守り、命と、大事なものを犠 牲にして戦う。しかし、我々が攻撃されても、日本は我々を助ける必要が ない」と語った。大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議後の記者会見で 日米安保条約破棄の可能性を問われ、「全くない、ただ、日米安保は不平 等だ」とも言った。

現実を見れば、安保条約の破棄は見通せる近未来、日米双方の国益上考え られない。それでもトランプ氏の一連の発言は「本音」であろう。

トランプ氏は、米軍が差し出すのは命だが、日本側は結局、金でしかな い。「命と金」の引き替えは不平等だと言っているのだ。それに日本は応 えなくてはならない。

さらにもうひとつの問題が生じた。安倍総理がイランを訪問した6月13 日、ホルムズ海峡で日本の石油タンカーが攻撃を受けた。

7月10日には英国の石油タンカーがイラン革命防衛隊の武装船3隻に拿捕さ れそうになった。英海軍の護衛艦「モントローズ」がイラン船に砲を向け て警告し、イラン船は退散した。その後、英海軍は新たに駆逐艦「ダンカ ン」を中東に派遣した。

この間イラン側は一貫して如何なる関与も否定しているが、9日、米国か ら「有志連合」結成の提案がなされた。その主旨は、各国のタンカーの安 全は各国が守り、米軍は全体の調整をするということだ。

朝鮮半島、ホルムズ海峡、ペルシャ湾、すべてにおいて自国を自力で守ら なければならない体制に、世界はむかっている。米国との緊密な関係だけ に頼れない状況が生まれている。如何にして日本を守るのか。それをこの 選挙で問うべきであろう。
『週刊新潮』 2019年7月25日号 日本ルネッサンス 第861回



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買われる日本の国土
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    馬場 伯明

日本の国土がどんどん外国人に買われている。この事態を憂い、調査し、 問題を提起する人も多く、出版された著書も少なくない。国会でも何回も 論議されてきた。しかし、・・・何かもどかしい。

「爆買いされる日本の領土」(宮本雅史・2017・角川新書*1)「だれが日 本の領土を守るのか」(濱口和久・2012・たちばな出版*2)「日本、買い ます」(平野秀樹・1912・新潮社*3)、「日本が売られる」(堤未果・ 2018・幻冬舎新書*4)、など、関連の著書は数多い。

宮本雅史SAPIO・2017年11・12月号より。《北海道で「中国による日本領土 の爆買い」が進む。複数の専門家の意見をまとめると、これまで北海道で 中国資本に買収された森林や農地(・・宅地)などは推定7万haに達し、 山手線の内側の11倍以上の広さになる》とある。

7万haは700?(平方km)だと!事実(Fact)なのか?一応前提とする。ち なみに、東京都23区619?(山手線内63〜65?)、琵琶湖670.4?、佐渡島 854.76?、羽田空港15.16?、成田空港11.11?。私のふるさと長崎県島原 半島の3市合計の459.57?の1.5倍以上である。 

本稿では省略するが、「買われる日本国土」の具体的な事例は数えきれな いほどだ。上記の著書や国の資料などで確認していただきたい。だが、全 国の正確な数字は国でも把握されていないという。

この問題をQ&A方式で簡潔に記す。
Q1:どこの誰に買われているのか? A1:主に中国(企業・個人)。その 他、韓国、世界各国のファンドなど。

Q2:面積はどれほどか? A2:全国の正確な統計数字はない。「北海道だ けで推定700?(*1)」と膨大な面積である。北海道、新潟、長崎県(対 馬)、東京都23区など・・から全国に及ぶ。

Q3:日本にとり悪いことか? A3:経済振興目的だけならまだしも、国の 安全保障にとり悪影響を及ぼす可能性が高い。対策は急務である。
Q4:なぜ簡単に買収されるのか。A4:(1)他国と違い日本の法律では外 国人による買収は合法であり野放し状態である。(2)利益を求め土地を 売る国民や企業(所有者)がいる。(3)日本の山林・田畑が安すぎる。 

国家の三要素は、国民、領土(国土)、主権である。領土(国土)が外国 人に無制限に買われていくということは主権の重大な侵害につながる。

かつて、櫻井よしこ氏は、週刊新潮2011.3.10号の日本ルネサンス(第451 回)」で「国土を守れ」「国土売却の狂想曲」と書き、2017.5.10には、 「意見広告『中国が日本を買い占めています』」を(公財)国家基本問題 研究会で出した。だが、櫻井氏の真剣な警告も空しく「負け犬の遠吠え」 に聞こえる。その後も事態は変わらず、むしろ深く静かに潜航し拡大し続 けている。(買収者の、忍び笑い・高笑いが聞こえるようだ)。

では、どうすればいいのか?「前掲書」(*1〜*4)の提案部分なども参考 にし、私見を提示する。これらは、日本国民が、個別の経済の振興という ことではなく、国家の三要素、「国民、領土、主権」の重要な一角である 領土(国土)の重要性を認識し、とくに、国の安全保障上の立場から、不 退転の決意で実行しなければならないことである。

1.土地売買について国家間の相互主義を宣言し実施する。中国は日本への 国土(土地)の売却を禁止している。だから日本の土地の中国への売却も 禁止するということ。1925年(大正14年)に制定された「外国人土地法」 という立派な(!)法律がある。

この法の急所は4つである。

(1)日本国民・日本法人による土地所有権などを制限している国に対し て、同様に制限することができる(第1条)。
(2)国防上必要な土地について、外国人・外国法人の土地所有などを  禁止できる(第4条)。
(3)法律が適用されたことから土地所有権などを制限された場合は、   1年以内に譲渡しなければならない(第6条)。
(4)同法の施行には政令が必要であるが、日本国憲法下において政令は 制定されていない。

休眠中のこの法律を蘇らせなければならない。質問主意書(河野正美議員 2013.6.21)に対し、答弁(安部晋三内閣総理大臣2013.7.2)は「状況の 把握」や「検討して参りたい」だ。WTO:GATSで容認しており不利な状況 にはあるが、政府、国民が一丸となり強く折衝するべきだ。

なお、たとえば、アメリカ合衆国では、外国政府の土地所有は相互主義を 原則とする外交使節団法で判断される。また、米国では、外国政府や外資 による投資が安全保障や公共の利益を阻害すると判断されれば、国が強制 的に審査する制度もある(Wikipedia)。日本でもやろう。

2.土地の所有権等を完全登記主義とする。外国人に買収され所有されてい る土地の登記がされないことが多い。登記されていなければ真の所有者が 拡散し追跡ができない。税の徴収にも支障が出る。また、登記されても住 所が変わったら追えないので、住所変更届出を義務付ける。

3.外国人が買収した土地の明細を正確に作る。関連の届出を義務とし、遅 延したら高額の延滞金を課す。そのデータベースは国が責任を持って作成 し厳重に管理する。これは完全登記主義とともに国の安全保障の必要なコ ストである。

4.(仮称)国家安全保障土地法を制定する。「重要国土」については区域 設定、管理行為規制、売買規制、国公有化等の措置を規定する。重要国土 とは、その機能不全や消失が国家の安全保障、経済安全保障、公共の衛 星・安全等に劣化を齎す国土のこと。(*2・193頁)を参考にした。

2019.12初に私は対馬へ旅行した。タクシーに訊ね日本人経営のスナック へ入った。対馬は夜の厳原町も疲弊し韓国資本の進出が著しいという。し かし、国の安全保障のために対馬の土地の死守は不可欠だ。文永の役で元 の来襲を迎え撃ち、命を捧げた宗助國一統と島民に申し訳が立たない。元 の上陸地の小茂田浜神社(祭神:宗助國)を訪ね、黙祷した。

5.上記に反対する国内勢力を説得する(心は「撲滅」)。例示する。自民 党から各野党までの媚中派(中国に「媚びる」人)、「(いわゆる)反 日」勢力、外務省(中国寄りの立場の一部)、国交省(外資国土買収を助 長する立場の一部)、地方自治体(安全保障に関心が薄い一部)など。宮 本雅史氏は「(不動産取引)売国マニュアル」と国交省を批判する(*1・ 208 頁)。

6.具体的に1〜5を実現する行動を起こす。「武器を持たない、目に見え ない戦争が繰り広げられている(日本に帰化した中国人研究家談)」と宮 本雅史氏が言う。(*1・16頁)。これは厳しく長い活動・闘争である。

ところが、次に注目を!重要である。2019.1月号の雑誌「選択」に奇妙な 記事が掲載された。「『国土浸食』され放題の怠慢 外国人『土地買収』 を防がぬ自民党」である。以下、長くなるが《 》引用・抜粋する。

《・・「(中国等の)外資による土地買収規制を検討した自民党内特命委 員会の顛末を検証すると、彼らのいい加減さが浮き彫りになる」。ある自 民党関係者は歎息する。・・2010年頃から中国資本等による土地買収が注 目され、2013年に「安全保障と土地法制に関する特命委員会」が発足し た。旗振り役になったのは高市早苗政調会長。「ヒゲの隊長」佐藤正久委 員長。事務局長には元特捜検事の山下貴司が座った》。

《しかし、特命委はすぐに壁にぶち当たった。当初は威勢がよかった佐藤 は「重要地域に規制をかければ地価が下がるその保障はどうするんです か」と言い出した。(議員立法等で)山下が根回しで汗をかいた形跡はな い。2014年に入り特命委員会は開かれなくなった。言い出しっぺの高市に 至っては、この問題について触れることさえ避けて逃げ回っている》。

《・・休眠状態だった党特命委は、2017年11月に突如として活動を再開し た。委員長には新藤義孝。超党派の「日本の領土を守るため行動する議員 連盟」会長でもある。しかし、結論を言えば、特命委は今回もまたアリバ イ作り的に活動をしただけで任務を放棄した。

(新)メンバーには、若手の杉田水脈、松川るい、それに山田宏議員な ど。山谷えり子議員は「土地の所有關係の情報開示に関する小委員会」会 長。しかし、すぐに開催ペースは減少し・・・事実上の開店休業で外資土 地問題は放置されている》

《委員長の新藤は「表の議論をやると騒がれて進めない。インナー(非公 式)でやる」と周囲にこう嘯いている。しかし新藤が非公式で動いている 気配は皆無だ。他のメンバーもしかり。山田も今や特命委のことなど忘れ たかのように、防衛大臣政務官の仕事に夢中・・》(引用・抜粋終わり)

「選択」の記事は自信ありげで詳しい。情報源は自民党筋なのか。じつ は、対馬への韓国資本の侵攻が判明した2010年〜頃自民党の行動は素早 かった。2019.4.20には党外交関係合同会議で韓国の竹島不法占拠に「非 難決議」をした(2019.3.5「自由民主」)。これは、よし!

一方、北海道の土地買収問題については中国に対する自民党の反応が少し 鈍くはないか。2019.4.24〜29には中西経団連会長や二階党幹事長らが中 国を訪問し「一帯一路・・・を評価する」と発言した(同紙5.21号)。安 易に、評価している(阿る)場合だろうか! 

また、2019.2.21に参加した都内のある月例会で高市早苗議員が講師に 立った。短い12分間で政治リーダーシップ論5項目が披露され、私はそれ なりに納得した。だが「日本の国土を守る」の発言はなかった。

「選択」の記事の執筆者は調べればわかるだろう。しかし、記事は無署名 だから雑誌(会社)を代表する「主張」である。自民党は「選択」に2019 年1月号記事への反論の掲載を申し入れたのだろうか。数ヶ月を経たが後 の号の「選択」には掲載されていない。

自民党は機関紙「自由民主」紙上で反論すべきである。5.21号まで繰った が反論等はない。外国人土地買収問題で「逃げ回っている」「任務を放棄 した」「開店休業で外資土地問題は放置・・」「都合のいいときだけ愛国 をアピール」「特命委に参加・・猟官運動の手段」などと言われっぱなし だ。しかも、現職議員の実名を晒され、揶揄され、貶められたのである。

自民党はこのままでいいのか。「選択」に対しては毅然と対処してほし い。それでも、あれこれ言ってもこの課題は自民党・特命委が最後の砦で あろう。性根を入れて頑張ってもらいたい。(2019.7.25千葉市在住)



            
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重 要 情 報
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◎海外での発表で注意すべきは:前田正晶

プリゼンテーションの技法であるとも言えることだ。先ほど外務省の対外 的交渉乃至はプリゼンテーションの際の英語の質を問題にするようなこと を述べたが、誤解を避ける意味でも補足しておく。

問題は英語が上手いか下手かだけではないのだ。勿論、native speakerた ちと比較しても遜色がない英語力がある方が良いに決まっている。だが、 そこで経験上も指摘出来ることは「如何に緻密に論旨を組み立てて、説得 力があり、聞き手を引き入れるか、聞こうとさせるかが重要で肝腎な点な のである。換言すれば、ペラペラと英語でまくし立てるだけで説得力がな ければ、無意味だと言うこと。以上、念の為に申し上げておく次第だ。


◎WTOと対韓国の輸出手続き変更問題:前田正晶

私は悲観論者であり「韓国は何事でも我が国が相手となるか、我が国を勝 手に相手として設定してきた場合には、予期した以上の力を正常に発揮す ることもあれば、関係していようとしていまいと世界の諸国に得意のロ ビーイングを展開して我が国を貶めてきた歴史があること」を忘れてはな らないと思っている。スポーツの面ではサッカー、野球、ヴァレーボー ル、バスケットボール等々では、世界のランキングで下位にいても我が国 の代表を打ち負かしてきたことが遺憾ながら非常に多かった。特にゴルフ では再三指摘したように、毎年世界的な女子のプロの実力者たちがアメリ カの市場を捨てて我が国のトーナメントで巨額の賞金をさらっていった。

それとWTOと言うか「輸出手続きの変更問題」と何の関係があるのかと 訊かれそうだが、私は彼らの我が国を標的とした場合に発揮してくる裏表 の作戦の展開を警戒するから言うのである。特に彼らの「2枚舌戦法」で 実際に起きたことと全く異なる、如何にも自分たちに正義も理もあって、 我が国が無法なのであるという宣伝の仕方は要注意であると見ている。現 に、先頃経産省で開催された説明会でも「協議」であるとの主張を変え ず、実際に経産省から説明されたことと自分たちの主張を完全に歪曲して 自国内で発表していたではないか。

これと同じ手法でWTOにも臨んでくるのは明らかではないか。現に細川昌 彦氏以下が一致して指摘したように世耕経産相の言わずもがなの3番目の 項目を挙げて「報復だ」と主張していたではないか。私は彼らの論旨のす り替え問題も危険だと認識しているが、それにも増して危険なのは、虚偽 の情報で固めた内容であっても、それをWTOの諸国に向けて遍く広報活動 と陰に陽に展開していくだろうロビーイングによる懐柔作戦を恐れてい る。水産物の件の放射能とは問題が違うとの楽観論もあるようだが、私は 諸外国がどう受け止めるかを楽観視しない方が良いと悲観的に考えている。

24日夜のPrime Newsに登場した上智大学法学部の川瀬剛志教授の解説は、 初めの部分では悲観論者の私の懸念通りに韓国が提訴にまで持ち込んだ場 合には、我が国の敗訴もあるかと思わせられたほど具体的で、我が国の フェアープレーのみの作戦に疑問を呈されたかの如きだった。私は川瀬教 授の解説もさることながら、WTOの会合に出席されたのが経産省代表では なく、外務省の経済局長だったのには大いに不安感を募らせられた。それ は経済的な問題と主張するのだし、東京で説明会に臨まれたのも経産省の 課長たちだったからだ。

私が何故不安に感じたかと言えば、今日までに外務省の対外的交渉の仕方 は品が良過ぎて相手方を圧倒するような論旨を展開した例を余り知らない ので気になったしまったのだ。それだけではなく英語による発言でも、何 度かテレビで流れた音声だけで判断して言えば、主張の内容が綺麗事だし 声を張って強調すべきところでもノンベンダラリと平板に流れていて、お よそ迫力に乏しいと思っていたからだ。この点は英語が上手いか下手かで はなく相手を如何にして圧倒し、且つ聴衆に効果的に訴えるかの問題である。

しかも、フジテレビが韓国代表的に呼んできたのが毎回Prime Newsに登場 する度に無茶苦茶な論旨を展開して「韓国こそ正当で日本が誤っている」 と何ものを恐れずに発言する恵泉学園大学の李教授だったから始末が悪 かった。彼が如何にハチャメチャかを示す例に、反町を苦笑させた「日本 が韓国が不正に輸入品を横流しなどしていると言うのならば、その実例を 挙げて証明せよ」と言い出したのだった。反町も「我が国がそこまで追え る訳がないではないか。反証を挙げるのは韓国側の仕事」と切り返したら 黙った。

川瀬教授は「韓国が提訴に持ち込んでも言わば二審に当たる上級委員会に 行けば、そこは定員7人に対して3人しかおらず、そのうち2人も年内で任 期が切れるので、そこまで事が挙がっていっても審議しようがなく結論は 出せずに事が終わる」と指摘された。私はそこまでで「それでは韓国は何 を狙って提訴の持ち込もうとするのか」と単純に疑問に感じたし、ある意 味で安心もした。だが、我が国がこれまでのように上品に「正義は勝つ」 か「神のみぞ知る」的な姿勢でこの件に当たっていれば、一審では負ける ことがあり得るかとは矢張り悲観的にならざるを得ないのだ。

川瀬教授も「我が国も韓国に対抗すべく諸外国向けにそれなりの手を打っ ておられるだろう」という、言わば希望的観測のような「だろう話」をし ておられた。もしかして、我が国もチャンと外交ルートを通じて多くの関 連する国に我が国の手続き変更の正当性を訴えていると教授はご承知で も、敢えて明言を避けられたのかも知れないと好意的な解釈も出来る。だ が、相手は何分にも「嘘でも百回言えば本当になる、いや、してしまえ」 という「日本憎し」で凝り固まっている文在寅大統領率いる、我が国が相 手となると異常な闘志を燃やしてくる韓国である事を忘れてはならないのだ。


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身 辺 雑 記  
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26 日の東京湾岸は久し振りに快晴、爽快。

散歩する都立猿江恩賜公園では25日午前8時頃セミの初啼きを聴いた。

夏が来たのだ。セミと言えば、若い頃尾と訪れた北京の迎賓館を思い出 す。日中平和友好条約の締結交渉に外務大臣秘書官として随行したのだ が、折から真夏。セミの声で相手の話が聞き取れなくて弱ったものだ。

毛沢東は眠るのに五月蠅いと雀を全滅させたそうだが。セミはうるさくな かったろうか。
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創刊日:2004-01-18  
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  • 名無しさん2019/07/28

    シーチン”修一 2.0さん 頑張って!!

  • 名無しさん2019/07/26

    “シーチン”修一 2.0

    ありがとうございました。次回もお楽しみに

    しています。

  • 名無しさん2019/07/26

    2019/7/26 シーチンさんの記述は、知的レベルが高い。 足腰が弱っているようですが、知性・感性はするどい。 共感します。

  • 名無しさん2019/07/26

    アメリカの危機をどうにかしようとして大統領になったのが、ドナルド・トランプだった。「アメリカ・ファースト」を掲げて、構造的な貿易・財政赤字の問題を解決しようと躍起になっているのは、信用不安の解消が目的である。そのためにはマイナスの資金の流れ(貿易赤字)をプラスの流れに変える必要がある。だが、打てる手段がほとんどないのが実情である。事実、トランプがやっているのは世界各国に高率の関税をかけ、一方で「アメリカ製品を買え」という押し売りである。買うときはいちゃもんを付け、売るときはごり押しする。これではまともに付き合う国は無くなるだけである。そしてアメリカ離れが始まる。



     トランプ経済政策の問題は、「石油ドル体制」自体が限界を迎えているのもかかわらず、「石油本位制ドルを基軸通貨として維持しよう」としている点に尽きる。そもそもアメリカは「石油ドル体制」ゆえに国力が衰退し、借金が増えたのだ。それをプラスの流れにするには、「石油ドル体制」を解体するしかない。



     ところが、トランプ大統領は、「石油本位制ドルを基軸通貨として維持」を頑なに諦めなかった。トランプにすれば、石油ドル体制で今度はアメリカに儲けさせろ、利益を独り占めする権利がアメリカにあるはずだという気持ちであろう。だが、石油ドル体制によってアメリカが借金をしながら世界中の商品を買いあさってきたのも事実である。トランプの方針は余りにも都合が良すぎる。そのためトランプ政権を支えてきた軍と情報当局の愛国派軍部連合体も政権から距離を置きだし、アメリカ軍でさえ「アメリカ離れ」を起こしかねない状況となっている。



     石油ドル体制は、石油利権をアメリカの軍事力で押さえることでドルを石油交換券にしてきた。そのアメリカ軍が、「アメリカ離れ」をしたらどうなるのか? 

    すでにアメリカ軍はディープ・ステイトが管理する「油田の用心棒」の役目から降りてしまい、ドルは石油交換券の効力を失いつつある。



     2018年5月9日、アメリカは「イラン核合意からの離脱」を表明し、「対イラン制裁」を復活させようとした。これもイラン政府が「今後は原油取引の決済通貨をドルからユーロに切り替える」と発表したのが直接の原因だった。その他にもベネズエラやロシア、ナイジェリアなども「米ドル以外の通貨」で原油取引すると宣言している。



     石油交換券としてのドルの効力が失われてしまえば、アメリカは今のような巨額の貿易赤字を維持することはできない。トランプが慌てて高率の関税をかけ、世界各国に対して猛烈に「アメリカ製品を買え」と迫ったところで、ドルが暴落しない限り、アメリカの国際競争力が上がることはない。その意味でドルが大暴落した方が、はるかに救いがあろう。だが、ドルは当面下落することはない。ドルの大部分をアメリカ以外の国や企業、個人が保有しているからである。



     ニクソン・ショックを契機に「金・ドル本位制」から「石油・ドル本位制」へと移行し、世界各国は石油資源購入のためにドルをため込み始めたその時点で、すでに米ドルは世界の物となり、アメリカの通貨とは言えなくなった。しかも、ドルは人民元などの他国の通貨と連動している。もはやアメリカの一存で勝手にどうこうできるものではないのだ。この状況でトランプが各国にアメリカ製品を押し売りするだけでは「あまりにも足りないし、あまりにも遅すぎる」と言わざるをえない。



     要するに「戦後に作られた貿易ルールや枠組みでは、アメリカが抱える構造的な貿易・財政赤字の問題を解決することはできない」のである。



     世界的なアメリカ離れは、日本の安倍政権ですら「リスクヘッジ」を念頭に置いて動き出している。



     2018年5月8日、中国の李克強首相が日本を訪れた際、突如、「通貨スワップ協定の再開」や「インフラ開発の協力」など、金融経済協力強化の合意は日本の外交スタンスに大きな方向修正を施した。2013年の中国海軍による火器管制レーダー照射事件以降、断絶していた自衛隊との交流も復活、2019年10月の海上自衛隊の観艦式も中国海軍を招待すると正式に発表した。円と元の通貨スワップが再開すれば日本の米ドル離れが加速するのは間違いなく、それを見越して軍事面で中国との和解に動いている。



     サウジアラビアの政権も崩壊寸前となっている。トランプが「ロシアと仲良くしたい」と懸命にアピールするのは、エネルギー資源がロシアやイランなどからEUに流れているのも要因である。実際、イラン政府が「ドルからの脱却」を表明したのは「イランと中国をつなぐ新たな鉄道ルートの開設」が大きく関係している。



     2018年8月10日、アメリカ政府はトルコ製の鉄鋼・アルミニウムに対して関税を2倍に引き上げると発表し、その制裁への懸念からトルコリラが大暴落した。それを受けて8月15日にトルコのエルドアン大統領はアメリカからの輸入品21品目の関税を引き上げる報復措置を発表し、「戦争をする準備はできている」との発言まで飛び出した。その結果、トルコはアメリカ離れを加速させ、ドイツと急接近している。



     当然ながら、トルコとドイツはEUやインド、ロシア、中国など他の多くの国々と同様にアメリカによる対イラン制裁の呼びかけを無視続けている。いずれにせよ、アメリカのトランプ政権が、ドイツを筆頭とするEUやトルコ、ロシア、イランなどに制裁をかけるのは、既存の石油ドル体制崩壊を食い止めるために圧力をかけるしかなく、その結果、アメリカ離れを加速させてしまったのである。