政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針5116 号  2019・7・25(木)

2019/07/25


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 わたなべ りやうじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5116号
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        2019(令和元年)年 7月25日(木)



         GAFAは敵なのか、味方なのか:宮崎正弘

             1億総白痴化は成った:渡部亮次郎

     米中・米朝首脳会談、つきまとう危うさ:櫻井よしこ    
        
    
                      話 の 福 袋    
                       反     響
                      身 辺 雑 記

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GAFAは敵なのか、味方なのか
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)7月23日(火曜日)弐
        通巻第6153号  増ページ特大号
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 GAFAは敵なのか、味方なのか
  独禁法違反もなんのその、中国に協力する懲りない面々
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 GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)への締め
付けが欧米間で進んでいる。

GAFAは国境を無視したかたちで国際的なSNSの拡充、送金の自由、
手数料の低減などを実現する一方で、ハッカー、サイバー犯罪を助長し、
テロ組織への資金供給のネットワーク構築にも結果的に協力することに
なった。

自由主義経済システムから生まれたビジネスモデルが、西側の安全保障を
脅かす脅威となったのであり、歴史のアイロニーかも知れない。

まずG7で協議されている課題はGAFAの「課税逃れ」対策である。
「節税」と「脱税」は区別されるはずだが、GAFAの税金対策は徹底し
ていて、四社で74兆円もの売り上げを誇りながら、巧妙な手口で、本来
収めるべき税金を逃れてきた。

GAFAが法源として弁解・活用したのは、営業の「拠点」が恒久的施設
(PE)でなければ、課税対象とはならないという法律の穴をつき、例え
ばアップルは税率の低いアイルランド子会社を利用、グーグル日本支社
は、シンガポール子会社との間で広告契約として節税していた。
 
G7では、GAFAの課税逃れを見逃さず、先進国が一致して共通ルール
による課税強化策を講じるという方向はでたが、フランスが強く反対し
て、先へ進んでいない。ともかくG7は、危機感の共有で認識を共有した
ことは事実である。
 
G7各国は安全保障上の共通の利害を共有できても、税金では対立する。
2019年7月10日、フランスは米国との事前協議なしに「デジタル課税法
案」を議会通過させたため、税収が減ることになる米国が激怒した。

同月17日からフランスで開催された「G7中央銀行総裁、財務相会議」で
は、この課税問題を集中的に議論したが、まとまりがつかなかった。
 
就中、フェイスブックは問題視され続けてきたデジタル企業であり、規制
強化の方向性はワシントンで明確にでていた。法律制定には公聴会や専門
家のパネルを重なる必要があり、実際の規制強化には1年以上の時間がか
かるとされる。

2018年3月にフェイスブックから8700万人分の個人情報が漏洩したため、
司法省が調査してきた。西側のコンセンサスはプライバシー保護であり、
司法省の調査を待って米連邦取引委員会が制裁金を課すことになる。制裁
金は5400億円相当になると予測されている(すでにフェイスブックは、制
裁金を予測し積立金を準備中である)。


 ▲プライバシーが盗まれても、平然としているフェイスブックのダーク
サイド

GAFAへの規制強化に関しては欧米、ならびに日豪がほぼ共通の懸念を
抱いており、米国では連邦議会とは別にカリフォルニア州は単独で個人情
報保護の新法を制定した。

EU諸国でも個人情報管理を規制強化しており、EUはスマホOSとアプ
リの組み合わせは独占禁止法に抵触するとしてグーグルに制裁金を、フラ
ンスはプライバシー問題でもグーグルに制裁金を課した。

ドイツはフェイスブックの利用者からのデータ収集に対して大幅な制限を
かけ、またEUはインターネット広告問題でグーグルに制裁金を課した。
米FTCもグーグルに2250万ドルの制裁金を課した。

次なる難題はフェイスブックが発行を予定している仮想通貨(暗号通貨)
の「リブラ」をめぐる意見衝突である。

フランスは「通貨主権が侵される怖れが高く、金融システムに深刻な悪影
響がある」と根底からの疑念を表明した。

ムニューシン米財務長官も「国家安全保障上問題が多い」とG7で発言し
た。この文脈から見えてくるのは中国対策と同義語である。
 
フェイスブックは、親中企業として有名である。なにしろCEO夫人は中
国人。ザッカーバーグは何回も中国に通うほどに、依然として中国の巨大
なマーケットを狙っている。

 ¥フェイスブックは世界で27億人が利用している巨大デジタル産業だ
が、個人情報の漏洩というスキャンダル、選挙介入の「前科」があるた
め、米国議会の多くは「フェイスブックは危険である」と批判してきた。

「リブラ」に中央銀行が反対なのは多くの理由がある。

仮想通貨で決済が可能となれば請求書や振り込み手数料が軽減されるもの
の、それはドル、ユーロ、円などの資金需要を減退させる。究極的にはド
ル基軸体制が破綻する。

第一に通貨発行、通貨供給量を決めるのは各国の中央銀行の裁量であり、
仮想通貨が出回ることは経済主権が侵されるばかりか、国家そのものの存
在が問われる。独立国家としての主権が脅かされるからだ。

第二にマネーロンダリングに使われることは明らかであり、監視網がさら
に必要とされる。監査を強化すれば、資金洗浄の手口はますます高度化す
るといういたちごっこが現状だが、銀行を経由しない送金が可能となれ
ば、まともな監査も出来なくなる。

第三にテロリストへ資金が流れる可能性を否定できないことだ。犯罪行為
への送金も可能であり、言ってみれば暗号通貨「リブラ」発行という行為
は、国境をなくすのではなく国家をなくすという過激グローバリズムの権
化と認識されるからだ。


 ▲トランプ政権が迅速に動いた。

リブラ阻止。明確な行動目的を掲げて議会も動き出した。もとよりFRB
は反対の急先鋒だ。そのうえ、米国はリブラが国際的に流通する前に厳し
い規制をかけ國際的な包囲網を形成する方針である。

英国でもカーニー(イングランド銀行総裁)は、資金洗浄対策が不安定
で、事業開始は認められない」と発言している。

7月16日には米上院銀行委員会が公聴会を開催し、フェイスブック幹部を
呼んで、以下の問いかけを行っている。すなわち「マネーロンダリング対
策は万全なのか」「サービスを個人データに収集するのではないのか」
「なぜグーグルは米国を避けて、このリブラの拠点をスイスに置くのか。
課税逃れではないのか」など。

対してフェイスブックのデビット・マーカス副社長は「そもそもリブラは
フェイスブック主導とはいえ、マスターズ、ヴィザ等クレジットカード会
社など28社が参加する「リブラ協議会」のような多国籍企業であり、本
拠をスイスに設置するからにはスイス当局(スイス金融飯場監督寄稿)の
監査に従うし、米国の規則に従う」と明言した。

だが、いまの法体系では独禁法適用しかなく、銀行ではないフェイスブッ
クのビジネスモデルを規制する法律はない。

日本も同じ状況だが、大手SNSの言論空間では保守的な意見を書き込む
とネットから削除される。このような世論操作的な行為が頻繁に組織的に
行われており、グーグルやフェイスブックの言論操作、フェイク情報の垂
れ流しはかねてより問題視されてきた。
 

 ▲グーグルと中国の関係を調べ上げろ

米国の包囲網形成には欧州と日本が同意を示しており、過去の多くの情報
漏洩、個人データの売却ならびに詐欺事件の頻発など、その暗い「実績」
を前にすれば欧米日が、ことのほかフェイスブックに慎重に、否定的にな
るのは当然と言えるだろう。
 
トランプ大統領は「フェイスブックのリブラは信頼性がない。銀行規制を
課すべきだ」とし、パウエルFRB議長も「消費者保護で深刻な懸念を払
拭できない」と牽制した。

またウォーターズ下院金融委員長は「国家安全保障の観点からも開発を一
時中止せよ」。上院のタカ派テッド・クルーズは「反トラスト法に触れる
深刻な問題である」。

議会と政権が珍しく共闘を演じるのはリブロと中国問題だ」と或る議員は
批判のトーンを高め、「いっそのことリブロ解体が望ましい」とする。
 
IMFは暗号通貨に関しての報告書をまとめ、金融政策の機能喪失の懸
念、マネーロンダリングの怖れに加えて、銀行業務の縮小懸念をあげた。

以上見てきたようにリブラに関してはフェイスブックだが、ほかにも議会
公聴会にはアマゾン、アップル、グーグルの幹部が召喚され、独占禁止法
抵触、機密情報漏洩、データの流用懸念などについて執拗に質問を浴びせた。
 
トランプ大統領は7月16日に「グーグルと中国の関係」、つまりグーグル
が中国軍に協力している疑惑に対して調査を命じた。
   
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム

【知道中国 1929回】          
 ――「支那は日本にとりては『見知らぬ國』なり」――鶴見(22)
  鶴見祐輔『偶像破壊期の支那』(鐵道時報局 大正12年)

      △

では、なぜ第2の考えは成り立たないのか。かつて「支那即ち世界であつ
た」。だが、いまや「世界の一部分」であるばかりか「外國の壓迫といふ
ことが支那の政治的大因子であ」り、それ故に「悠長なる無政府状態も、
變遷的過渡期も支那民族にとつては之を續けて行くことが出來ない状態に
なつてゐる」からである。

次に「現状を不滿足なりと爲し革新をしなければならぬといふ説」だが、
今後の変化の可能性について鶴見は「凡そ6つの假定を想像して見る」。
 「その一つは英雄時代の出現である」が、「英雄政治の出現は先づ以て
覺束ないと見る方が穩當である」。

「第二の假定は、英米流のデモクラシー、即ち代議院制度に落付くであら
うといふ説」だが、「支那の如く、英米に全く異なる傳統を有し、國情を
有するところの國に、急に英米流の代議院制度が行はれるといふことは想
像し難きところである」。

「第三に、然らば中央集權に依るところの代議院制度は不可能であるにし
ても地方分權に依るところの聯省自治が可能ではないかといふ問題があ
る」が、その前提としては「支那人が自治の能力を本當に發揮し得る」の
か。加えるに「その自治をしたところの支那人が、果して聯省といふやう
な形で一國を成して存在し得るかどうか」――この「二つの條件」を満足さ
せる必要がある。

「第四に起きる假定は、經濟的立國論」である。これは「政治的に強き政
府を造らなくとも、各地方に産業を興して、支那といふ一個の社會が確立
すれば支那が發達する」という考えだが、ならば「今日直ちに政治的方面
から支那を開發しないでも宜からうといふ」わけにはいかないだろう。

「第五には、昨年華盛頓會議の際、唱へられた所謂支那の國際管理問題で
ある」。その場合、「世界の文明國が公平無私の考を以て支那の爲に政治
を代行する」といふ大前提が必要だが、「列國が果してそれだけの人道的
心持を以て利?を措き、他國の行政を管理し得」るわけがない。それが可
能だったとしても、「國家の體面上」、「支那人は決して之に黙從しまい
と思ふ」。

「第六に起つて來る假定は、支那が凡ての改革手段に失敗したる曉には、
寧ろ露西亞の如く外國との連絡を斷つた一個の社會主義國となることが可
能であるかどうかといふ事である」。当然のように「それは非常に大きな
冒險である」。それというのも、「支那人が果して社會主義の思想を有す
る國民であるかどうか」に加え、「露西亞と異つて支那は外國から侵入さ
れ易き境涯に在る」からであり、であればこそ社会主義化して対外閉鎖を
実行した場合、「外國が之を黙認するかどうか」が「明らかな問題」だか
らである。そこで社会主義化は「成功の可能性が頗る薄弱」と結論づけた。

ところが鶴見の旅行から27年5カ月ほどが過ぎた1949年10月1日、毛沢東に
率いられた共産党は「非常に大きな冒險」の末に、「露西亞の如く外國と
の連絡を斷つた一個の社會主義國」を地上に出現させてしまった。

「支那人が果して社會主義の思想を有する國民であるかどうか」に拘わら
ず、「外國から侵入され易き境涯に在」ろうがなかろうが、さらには「外
國が之を黙認するかどうか」の別なく、である。

しかも建国後を振り返ってみると、「先づ以て覺束ないと見る方が穩當で
あ」ったはずの「英雄政治」が毛沢東の手で実践されてしまった。もっと
も毛沢東の治世は独裁政治であったとしても決して「英雄政治」ではない
と否定されたらそれまでではあるが。
 
27年5カ月ほどを間に挟んだ中国の激変を、鶴見はどのように考えたの
か。もっとも日本も、中国をめぐる国際社会の政治力学も激変に継ぐ激変
であったわけだが。《QED》
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読者の声  どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
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   ♪
(読者の声1)ニューズウィークが特集号を出したMMT理論ですが、
ネットで経済評論家の三橋貴明氏が次のようにスティファニー・ケルトン
教授と講演、対談した成果を書かれています。

1.政府の財政赤字は、政府以外の経済主体にとっての黒字
2.国債発行残高は、政府が支出し、徴税で回収しなかった貨幣の履歴
(歴史的な記録)
3.経済の制約は財政ではなく、インフレ率(リソース、供給能力)
4.徴税は、国民の支出能力を奪い取る装置。消費税増税は消費抑制政策
5.経済がバランスしていれば、財政は赤字でも黒字でも均衡でも良い
6.日本は金融政策で国民の債務を増やすのではなく、財政政策で国民の
所得と自信を増やせ!

日本のマスコミは「黒船」に弱い。おまけに金髪で美人のアメリカ人経済
学者の主張となると、それなりに報じてくれるわけです(ケルトン教授を
お呼びした甲斐があった)。というわけで、「completely wrong(でたら
め)」な主流派経済学を否定するためのレトリック、手法は、なかなか洗
練されています。例えば、MMTの始まりと言える「ウォーレン・モズ
ラー氏の名刺」の話や、国民経済を「シンク(水槽)」にたとえる手法
は、見事の一言です。

【Front Japan 桜】ケルトン教授が明かした政府支出と税金の真実(他)
https://youtu.be/ywx-vplOG60

モズラー氏の名刺やシンクは、早速、チャンネル桜の番組で使ってみまし
た。いや、これは使える! あるいはケルトン教授は「財政赤字」や「政
府の負債(国の借金)」という言葉を問題視しており、この点も三橋が以
前からやっていた活動であり、共感しました。

具体的には、「財政赤字⇒国民黒字」。「国の借金⇒貨幣発行残高」
 いかがでしょう。

財政赤字は「政府以外の黒字」です。厳密には「海外」が入っているた
め、「国民」は不正確ですが、その辺りは理解した上で言葉を変更していく。

あるいは、財政赤字とは、自国通貨建て国債しか発行していない国にとっ
ては、「貨幣発行」に過ぎません。つまりは、財政赤字の積み重ねである
「国の借金(政府の負債)」は過去の貨幣発行の歴史的な履歴に過ぎな
い。つまりは、貨幣発行残高。

MMTは、現代の貨幣はもちろん、経済や財政、政府支出、徴税、国債発
行残高等について「正確な理解」を提供してくれる」(以上三橋氏の意見
を要約しました)。
 というわけで、MMT理論、如何でしょうか?(YT生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)なにも珍しい理論でもなく、ましてアメリカ人の
発明でもないです。

嘗て丹羽春喜教授が主張していた「打ち出の小槌」論です。政府紙幣を発
行し、経済の需要を高めると景気は恢復する。丹羽先生は1970年代す
でに、限られたデータを元にソ連の崩壊をいち早く予測した人で、アメリ
カでの評価が高かった。
 
  ♪
(読者の声2)貴誌前号のコメント中、川田龍平氏落選と書かれていまし
たが、22日午後になって当選に滑り込みました。(JJセブン)
  ♪
(読者の声3)米国憲法では、第2編第1節5項で「出生により合衆国市民
である者またはこの憲法成立の時に合衆国の市民である者でなければ、大
統領の地位に就くことはできない。

年齢35歳に達していない者および合衆国内に住所を有した期間が14年に達
しない者は、大統領の地位に就くことができない」
と規定しており、「出生により合衆国市民である者」(a natural born
Citizen)、「合衆国内に住所を有した期間が14年に達した者」でなけれ
ば大統領にはなれません。「移民」によって成り立ち、その後も移民を受
け入れていこうとする国家を樹立する限り、こうした考慮は必然であった
でしょう。

しかしながら、我が国ではこうした規定はありませんから、帰化した元外
国人でも、国会議員を経て首相にもなり得ます。

既に国会議員には多くの「帰化人」が存在すると言われます。また、日韓
の両親の間に生まれたと言われる大物政治家もいるようです。

我が国も、飛鳥時代などには、相当数の帰化人を受け入れてきたと言われ
るかもしれませんが、「国民国家」「福祉国家」となった現在とは問題の
基盤を異にするし、情報的にはもちろんのこと、物理的にも容易に移動、
越境できる現代において、移入者の量的増加、比率増大は、形成された既
成社会の質的変化を軽易に招来することになります。

移民、帰化人の急増が見込まれる現状を踏まえれば、被選挙権の要件につ
いては、あらためて慎重に検討する必要があるのではないでしょうか。

親の勤務等の事情から、「外地」で出生した方も多いでしょうから、少な
くとも、公職立候補者の経歴には、「出生地」、「主たる生育地と年数」
は明示されるべきでしょう。「国籍」は変更できますが、「出生地」「生
育地」は不動事実で「変更」できないからです。

「学歴」についても、「最終学歴」だけではなく、初等中等教育を含め
て、できるだけ詳細に開示されるべきです。人間の「経歴」「人物」を評
価するにあたって、「出生地」「生育地」「受けた教育環境」は、決定的
とまでは言えないとしても、重要な要素であることは間違いないことだか
らです。 

一般私人なら、個人情報のコントロール権(プライバシー権)というよう
な問題もあるでしょうし、一般私人がそれらの権利を主張することは、基
本的人権として保護されるべきでしょうが、公選で選出を望むという者
に、名誉棄損の保護法益が制限され、プライバシー権が制限されるべきは
当然であって、個人情報の自己管理権などあり得るわけがありません。
公開された、できるだけ詳細な客観的情報をもとにして、選挙民が被選挙
人の公職適性などを判断するべきであって、被選挙者側が情報操作をする
べきではない。

また、帰化の要件についても議論すべき点が多いと思われます。

米国では帰化の要件として、米国憲法、国旗、国歌への忠誠を誓わせ、公
教育でも日常的に励行されているはずですが、我が国では、国旗、国歌へ
の忠誠どころか、その国旗掲揚、国歌斉唱さえ忌避するような教員が多
数、初等中等教育を担っている。

また忠誠を誓わせるべき憲法も、軍事占領下に占領軍が作成したものであ
るというのが現状です。敗戦後70年の間、正面から向き合うことを避けて
きた、「国家」、「国民国家」とは何か、という問題をあらためて真剣に
問い直さなければならない時期だと思います。「国民国家とは人工的なも
のである」と考えられ、自然に生成されるというようなものではないにも
かかわらず、我が国ではその点に関して、あまりにも無自覚、無定見であ
り、認識不足であったのではないか。

ヨーロッパ大陸、英国、米国などにおける現下の大きな社会問題のほとん
ど全てにおいて、その根底には、「移民」「民族問題」「国民国家とは何
か」という問題が存在していると私は考えますが、我が国は、社会全体を
大きく揺るがすような根源的大問題である「移民」について、欧米の先進
事例について十分に研究することもなく、その社会的影響について十分に
考慮、議論することもなく、対応が軽率過ぎているように私には思えま
す。(椿本祐弘)


(宮崎正弘のコメント)グルジア(現ジョージア)など旧東欧が自由化さ
れたときは、外国帰りがいきなり元首になって、土着の人々と悶着を起こ
したり、この問題を取り上げようとするとメディアは回避したがりますね。

  ♪
(読者の声4)国際歴史論戦研究所(iRICH)主催の国連人権理事会にお
けるNGOサイド・イヴェントは無事終了し、幸いメディア報道もかなりあ
りました。ご参考までに添付ファイル(産経新聞)とタグ付けで、ご紹介
いたします。

このシンポジウムで、韓国側が作り上げた偽りのストーリーを完全に覆す
ようなプレゼンテーションを行いました。

そこで、iRICHは添付の通り、帰国報告会を、8/6(火)午後3時から、参
議院議員会館で開催いたします。
参考までに御案内申し上げます。
 https://www.sankei.com/world/news/190702/wor1907020038-n1.html
 ・・・『産経新聞』(7/2)
https://this.kiji.is/518894266074891361?c=247599509560559095
 ・・・『共同通信』(7/2)
http://japan-forward.com/geneva-symposium-exposes-the-myth-of-gunkanjima-as-hell-island/
 ・・・”Japan Forward “(7/11)
https://i-rich.org/wp-content/uploads/2019/07/2019-06-06
-産経新聞-UN-徴用工s-1.pdf ・・・『産経新聞』 第一面トップ(6/6)
https://i-rich.org/wp-content/uploads/2019/07/2019-06-07
-夕刊フジ-UN-徴用工-2.pdf ・・・『夕刊フジ』 第一面トップ(6/7)
https://i-rich.org/wp-content/uploads/2019/07/2019-06-10-FNN
-徴用工UNサイドイベント-1.pdf ・・・『FNNプライムニュース・オンラ
イン』(6/10)
https://www.sankei.com/politics/news/190701/plt1907010046-n1.html
・・・『産経新聞』(7/1)
https://japan-forward.com/former-gunkanjima-residents-to-debunk-koreas-false-claims-on-wartime-laborers-at-u-n-side-event/
 ・・・”Japan Forward” (6/12)
https://www.sankei.com/world/news/190712/wor1907120025-n1.html
 ・・・『産経新聞』(7/12)(山下英次)

  ♪
(読者の声5)ファーウェイが北朝鮮の通信網構築とメインテナンスを極
秘裡に支援していたと「ワシントン・ポスト」(7月22日)がすっぱ抜き
ました。

同紙によれば、ファーウェイは8年間以上にわたり、北朝鮮の複数プロ
ジェクトで中国国営企業と提携しており、米国の輸出規制に違反する、と
していますが、やっぱりねぁという感想ですね(KY生、大田区)


(宮崎正弘のコメント)前々から言われていたことで、意外感はありませ
んが、「ワシントン・ポスト」は内部文書を入手した上での報道ですか
ら、噂とは違います。



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1億総白痴化は成った
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    渡部 亮次郎

<1億総白痴化(いちおくそうはくちか)とは、社会評論家の大宅壮一
(故人)がテレビの急速な普及を背景に生み出した流行語である。「テレ
ビというメディアは非常に低俗な物であり、テレビばかり見ていると、人
間の想像力や思考力を低下させてしまう」という意味合いが強い。

元々は、1957(昭和32)年2月2日号の「週刊東京」(その後廃刊)における、
以下の詞が広まった物である。

「テレビに至っては、紙芝居同様、否、紙芝居以下の白痴番組が毎日ずら
りと列んでいる。ラジオ、テレビという最も進歩したマスコミ機関によっ
て、『一億総白痴化』運動が展開されていると言って好い。」

又、朝日放送の広報誌『放送朝日』は、1957年8月号で「テレビジョン・
エイジの開幕に当たってテレビに望む」という特集を企画し、識者の談話
を集めた。ここでも、作家の松本清張が、「かくて将来、日本人一億が総
白痴となりかねない。」と述べている。

このように、当時の識者たちは、テレビを低俗な物だと批判しているが、
その背景には、書物を中心とした教養主義的な世界観が厳然としてあった
と考えられる。

書物を読む行為は、自ら能動的に活字を拾い上げてその内容を理解する行
為であり、その為には文字が読めなければならないし、内容を理解する為
に自分の頭の中で、様々な想像や思考を凝らさねばならない。

これに対して、テレビは、単にぼんやりと受動的に映し出される映像を眺
めて、流れて来る音声を聞くだけである点から、人間の想像力や思考力を
低下させるといった事を指摘しているようである。>
『ウィキペディア』

都会でもいわゆる井戸端会議を聞くとも無く聞いていると、テレビが放っ
た言葉や映像はすべて「真実」と受け取られて居る。だから納豆を朝夕食
べれば痩せる、といわれれば、ちょっと考えたら嘘と分りそうなものなの
に、納豆買占めに走ってしまう。

識者はしばしばマスメディアが司法、立法、行政に次ぐ「第4の権力」と
いうが、実態は、マスメディア特にテレビを妄信する視聴者と称する国民
の「妄信」こそが4番目の権力ではないのか。

手許に本がないので確認できないが、若い頃読んだものに「シオンの議定
書」と言うのがあり、権力(政府)がヒモのついた四角い箱を各家庭に配置
し、政府の都合の良い情報で国民を統一操作するという条項があった。

<シオン賢者の議定書
『シオン賢者の議定書』(しおんけんじゃのぎていしょ、The Protocols
of the Elders of Zion)とは、秘密権力の世界征服計画書という触れ込
みで広まった会話形式の文書で、1902年に露語版が出て以降、『ユダヤ議
定書』『シオンのプロトコール』『ユダヤの長老達のプロトコル』とも呼
ばれるようになった。

ユダヤ人を貶めるために作られた本であると考えられ、ナチスドイツに影
響を与え、結果的にホロコーストを引き起こしたとも言えることから『最
悪の偽書』とも呼ばれている。

1897年8月29日から31日にかけてスイスのバーゼルで開かれた第一回シオ
ニスト会議の席上で発表された「シオン24人の長老」による決議文である
という体裁で、1902年にロシアで出版された。

1920年にイギリスでロシア語版を英訳し出版したヴィクター・マーズデン
(「モーニング・ポスト」紙ロシア担当記者)が急死(実際は伝染性の病
気による病死)した為、そのエピソードがこの本に対する神秘性を加えて
いる。

ソビエト時代になると発禁本とされた。現在、大英博物館に最古のものと
して露語版「シオン賢者の議定書」が残っている。>
『ウィキペディア』

議定書は19世紀最大の偽書とはされたが、19世紀末に既にテレビジョンの
装置を予測し、しかもテレビを通じた世論操作を描いていたのだから、偽
書を作った人物なり組織は天才的というほかは無い。

実際、日本では昭和28年のテレビ本放送開始とともに、大衆は力道山の空
手チョップを通じて、電波の魔力にしびれていたが、あれから数十年、い
までは「テレビこそ真実」という妄想を抱くに至った大衆と言う名の「妄
想」が権力と化している。

たとえばテレビがそれほど普及していなかった時代、政治を志す人間に
とって知名度と言うものが、最大のウィークポイントとされた。名前を有
権者にどれだけ知れ渡っているかが、勝敗の分かれ目であった。

しかし、今ではそれはテレビに出演することで大半を解決できる。まして
出演を繰り返すことが出来れば「露出度満点」でたちまち知名度は上が
る。大衆がとっくに白痴化してしまって「テレビは真実」と妄想している
から万全だ。

かくて政治はテレビ制作者に合わせた政治を展開するようになった。国会
の予算委員会がNHKテレビのタイムテーブルどおりに運営されているこ
とを見るだけで明らかであろう。

その実態に気付きながら自身は気付いてないフリをして5年間も政権を維
持したのは、誰あろう小泉純一郎氏である。

成果が上がらないまま、大衆の人気が落ちてくると、テレビは「総理の支
持率が落ちた」と放送し、大衆は更にテレビを信じて支持率を下げる、と
いう何とか循環に陥りながら気付かない。自分自身で考えることを何故し
ないの。

なんで支持しないか、テレビがそういっていたから。どこがいけないかな
んて、私分らない、テレビに聞いて、が実態じゃないか。

このように、大宅壮一や松本清張の指摘したテレビによる「1億総白痴
化」はとうの昔に完成しており、日本と言う国はテレビに振り回される低
級国家に成り下がってしまっているのだ。

したがって政治は真実からはなれてテレビを妄信する大衆の白痴状態に合
わせた流れを辿ってゆくはずである。また若いも中年も思い描くと言う
「痩せればもてる」信仰がある限り、関西テレビがいくら止めても「痩せ
る偽情報」はどっかのテレビから永遠に流れるはずである。2007.03.04



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米中・米朝首脳会談、つきまとう危うさ
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             櫻井よしこ

国際政治はテレビと共にある。

安倍晋三首相の20カ国・地域(G20)首脳会議での巧みな采配も、惜しく
も吹き飛ばされた感がある。世界の目は板門店でのトランプ・金正恩両首
脳に集中し、その他の印象を消し去った。凄いものだ。

6月30日、15時45分、トランプ大統領が韓国の「自由の家」からゆっくり
と軍事境界線に向かって歩き始めると、北側からは金正恩朝鮮労働党委員
長が歩み寄った。境界線の南北に二人が相対し、握手をし言葉を交わし
て、やがてトランプ氏が北側に足を踏み入れたとき、思わず私自身、大き
な笑顔になった。メモをとりつつ、冷静に見ているつもりが、大きな笑顔
がこぼれたのである。中継映像を見ていた人の多くも同様だったのではな
いか。

二人が北朝鮮側で暫し佇んで境界線に戻り、そのまま自然な形で揃って韓
国側に入ったときには、取材陣の叫び声が聞こえた。カメラに囲まれて立
ち話をする金氏は、大きな賭けに出たがうまく意思の疎通がはかれそうだ
と、ひと安心した様子だった。安堵と嬉しさを隠しきれない表情には、そ
の残虐な行動に似合わない子供っぽさが残っていた。

トランプ氏は「つい昨日、金委員長に会うことを思いついた」と繰り返し
たが、ワシントンで発行されている「ザ・ヒル」は、同紙が行った24日の
インタビューでトランプ氏が板門店で金氏に会う考えを語っていたと報じ
た。ホワイトハウスがセキュリティ確保のためその件を当日まで伏せるよ
うに依頼し、報道できなかったという。

トランプ氏側が少なくとも1週間は板門店会談について考えを巡らしてい
たのに対して、金氏にとってはいきなりの提案だったわけだ。金氏は「ツ
イッターを見て本当に驚いた」と語っている。これはトランプ氏との立ち
話を終えて、韓国側の「自由の家」に入り、トランプ氏と並んで坐ったと
きの発言だ。

安倍晋三首相の役割

「昨日の午後、初めて、会いたいというトランプ大統領のメッセージを聞
いた。私も再度会いたかった」

金氏は、トランプ氏の「会いたい」というメッセージを受けて、決断し、
板門店に来た。その間約24時間だったことになる。いきなり言われて駆け
つけた。面子にこだわらず、大決断をしたのは明らかだ。その決断力を考
えるとき、「我々はもっとよくできる。もっとよくなることを世界に見せ
られる」という金氏の言葉に希望を持ちたくなるが、やはり問いたくな
る。「もっとよくなる」とは、核・ミサイル廃棄と拉致問題解決を意味し
ているか、と。

両首脳の会談は50分間にわたった。トランプ氏は韓国を去るに当たり、
「予定は2時間半遅れたけれど、すばらしかった」と、紅潮した顔で語っ
た。舞い上がる程の上機嫌は、金氏との会話が具体的な果実につながると
の思いを抱いたからであろう。

北朝鮮相手の交渉が順調に進むとは中々思えないが、今回の「いきなり会
談」で化学反応が起き、交渉が前進する可能性はあるだろうか。

ここで、横田早紀江さんのトランプ評が思い出される。早紀江さんはこれ
までに二度トランプ氏に会っている。

「トランプさんは、あたたかな父性を感じさせます。よき家庭の一家のお
父さんという感じで、守ってくれるような印象でした」

国際関係が真に冷徹な力関係であるのは言うまでもない。それでもトラン
プ・金両氏の関係は、これから存外うまくいくのではないか。

そこで安倍首相の役割が重要になる。核・ミサイル・拉致の三課題を優先
すること、問題がすべて解決して初めて見返りを与えるという結果重視の
原則を守らせることだ。さもなければ北朝鮮とのせめぎ合いに敗れると、
トランプ大統領に助言し続けることだ。

今回、明確になったのは、トランプ氏は北朝鮮に関して、韓国の、そして
中国の助力を全く必要としていないことだ。

習近平主席は内外共に行き詰まっている。国際社会で中国の友人はほとん
どいない。そこで来日前の6月20日、21日の両日、習氏は恐らく、北朝鮮
の核問題と米中貿易問題を一体化させて米国の優位に立つべく平壌を訪れ
た。すると、23日にトランプ氏が金氏に手紙を送り、金氏はそれを「すば
らしい手紙がきた」と言って公表した。まずトランプ氏の手紙で、次に板
門店首脳会談で、習氏の意図は粉々に砕かれた。

金氏も習氏に、米国との仲介を求めているわけではない。求めているのは
国連の制裁破りをしてでも、援助してくれということだ。

中国の情けが命綱

習政権はすでに巧妙な制裁破りを実行中だが、具体例について6月28日の
「言論テレビ」で朝鮮問題専門家の西岡力氏が語った。

「国連制裁の対象になっていない観光で中国は正恩に外貨を与えていま
す。北朝鮮への中国人観光客は2017年が80万人、18年は50%増の120万人
でした。観光客が増えた背景に中国当局が観光業者に補助金を出している
という有力情報があります。旅行費用の7割を中国政府が補助し、業者が3
割取って、ツアーを4割値引きで売り出す。中国人は安い費用で平壌に行
き、焼き肉を食べてカラオケで歌って、夜は買春をするというカラクリです」

この種の客を満載した大型観光バスが毎日多数、北朝鮮に向かい、国連制
裁の対象である鉄鉱石や石炭の先物買いも行われているという。現物は制
裁解除の暁に受け取る条件で、支払いは半分に値引きして現金決済だとい
う。西岡氏の指摘だ。

「中国もそうですが、北朝鮮も騙す国です。先払いなどすれば詐欺にあう
のは当然だと思いますが、大丈夫だという。中国当局の保証があるからだ
そうです。国際社会が北朝鮮の核・ミサイル開発阻止でその外貨を枯渇さ
せようとしているときに、中国はこうした汚い手段で制裁破りをしている
のです」

国連制裁があり、米中の貿易戦争が続く限り、中国は米国に正面から逆ら
えない。結果、中国は今も巧妙なルール破りをしているが、さらに狡知を
極めていくだろう。中国の情けが命綱の金氏がどれだけトランプ氏に接近
するかは、中国のやり方をどれだけ国際社会が封じ込められるかという課
題と重なる。

G20の米中会談はその点で危うさを残した。ほとんどすべての中国からの
輸入品に25%の関税をかけるという第4弾の関税は回避され、米中はつか
の間の休戦に入った。そしてファーウェイへの米企業による輸出を一部認
めることになった。トランプ氏の直感や思いつきは素晴らしくとも、中・
長期的戦略は描き切れていない。むしろ戦略の欠如が懸念される。それで
は中国に敗れかねず、全く油断できないのである。
『週刊新潮』 2019年7月11日号 日本ルネッサンス 第859回



    
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重 要 情 報
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◎「有志連合」って何のこと:前田正晶

私は以前から我が国で普及している外国語の日本語訳には面白いというか、何故原語からそこまで離れた所謂「意訳」のし方をしたのかと言いたくなる例が多過ぎると指摘して来た。最高傑作は元の表現には何処にも“international”という言葉が入っていなかったにも拘わらず「国際連合」とされてしまった“United Nations”を挙げてきた。こう訳したのは何処の何方か知らないが、私には「何かに気を遣ってこう表現したのであって、敵国条項が存在することなどを一般の国民に見せたくなかったのだろう」と勝手に推理している。

仮にこの訳語が存在していなかった場合に、例えば大学の入試問題などに「“United Nations”を和訳せよ」と出題したら、果たして「国際連合」と訳せる者がいるだろうか。いる訳がないと思う。他にも幾らでもある。例えばオリンピックの「聖火」は元はと言えば“Olympic flame”だった。何処に「聖」という字があったか。

ところで、一躍我が国にとって如何に対応するか、または如何にして自国のタンカー等を守るかということで、国家の重大な課題となったホルムズ海峡での「有志連合」って如何なる意味かを考えて見よう。先に言ってしまえば、この元の英語の意味を考える時に何で「有志連合」となっているのも興味深く且つ奇っ怪なのである。偶々23日のPrime Newsで、最近ズバリと言いたいことを言われるようになった宮家邦彦氏が「有志連合」と訳したからおかしくなったと指摘されたことに刺激された次第。

元は“coalition”で、以前にも中近東だったかに自衛隊を派遣することになった時にも、この「有志連合」が使われていたので、おかしな訳語を作り出したものだと感心した記憶がある。いきなり例文を出してしまえば、“coalition government”と言えば「連立内閣」という意味で、何処にも「有志」は関連していない。ホルムズ海峡の場合には自国乃至は他国の船舶を守ろう(何処の国か海賊からなのか)という意志を持った国の代表が集合すれば「有志連合」でも良いのだろうか、“coalition”にそういう意味があるか辞書を引いてみよう。

Oxfordには先ず名詞として“a government formed by two or more political parties working together”と出てくる。次は“a group formed by people from several different groups especially political ones, agreeing to work together for a particular purpose”とあり、これには多少「有志」が入り込む余地があるかと思える。それではとジーニアス英和をみると「(正式)(党・国家などの一時的)連合、合同、(政治)提携」とあった。宮家氏が「有志連合何でするから・・・」と批判的に言われたのは解らないでもない。

マスコミの中の某通信社がそう訳したのか、政府の意向でそうなったかは知らないが、私には陳腐な言い方で恐縮だが「忖度」したい訳者の意向が濃厚に出ていると思う。私には外国発の言葉を訳す時に何故ここまで卑屈になって外国のご意向に阿らねばならないかが解らないのだ。「イランの脅威から自国船を守ろうとする集団」ではいけないのだろうか。乃至は何故「自営の集団」にはならなかったのだろうか。何処の国にも「守ろう」という意志はあるはずだから、“coalition”のそもそもの意味は無視して「有志連合」としたのか。面白い精神構造だ。

「何だ、結局は英語の講釈だったか」と言わないで頂ければ幸甚だ。

◎我が国とその若者は韓国に対して公平で優しいようだ:前田正晶

7月は病院通いもあって大久保通りを何度かバスで往復した。特に夏休み
に入ってから(何時からだか知らないが)は特に若い女性たちで韓国系の
多くの料理屋(テレビで聞く限りでは芸人たちは「ご飯屋さん」と呼ぶよ
うだが)と化粧品屋は大繁盛であるようだ。私はこの現象を見て痛感する
のだが、テレビでは「我が国と韓国の間は政治的には余りにもギクシャク
しているが、民間では観光客も数多く来日するし、若者はK―POP等を好
み、何とかドッグ等食べに大久保通りに殺到しているように民間交流が盛
んであるし、彼らは日本が好きだ」などと能天気なことを言っている。

私が毎月指摘しているように若き婦女子たちは我が国と韓国と間に吹き
すさぶ不協和の嵐など何処吹く風で、「何処が美味なのか」も分らない
「〜ドッグ」を食べに何時までも群を為して押し寄せて大久保通りを賑わ
しているのだ。彼女らは決して韓国に悪感情などを持ち合わせていないよ
うだ。その有様は恰も経済的に困窮しつつある韓国の財政を無意識に援助
しているかの如きだ。如何にも公正でフェアーではないか。ここ大久保か
ら百人町のKoreatownはかくして息を吹き返してしまった。

我が国民が政治問題を離れて如何に公平で偏見がないかを示す例に、女子
のプロゴルフがあると思っている。2年ほどは不振の谷底に沈んでしまっ
たイボミというマスコミが美女だと呼ぶ強いゴルファーがいる。私は韓国
が我が国に対して不当な条約違反等を繰り返すならば、我が国のプロゴル
フ界から数十億円にも及ぶかと疑っている賞金を取って行ってしまう韓国
人ゴルファーのヴィザ発給を考え直したどうかとまで言ってきた。ところ
が公平でフェアーな我が国の韓国の女性ゴルファーの支持者たちはイボミ
のファンクラブまで作ったそうだが、こういう時期にイボミのファンクラ
ブを結成するなどとは余りにも無邪気だし公平ではないか。

ゴルフの中継で解説する人たちもキチンと韓国人ゴルファーを「さん」付
けて呼んで一定以上の配慮を示している。何と言う美しい韓国人も含めた
外国人に対する配慮かと私は寧ろ感心している。文在寅大統領以下の韓国
政府の高官たちは、我が国ではこちらに来て稼いでいる者たちに対しても
ここまで丁重に扱っていると承知なのかと疑っている。我が国で韓国製品
の不買(不売)運動など一度でも起きたことがあったか。私はフェアー過
ぎるのではないかとすら考えている。

私は何も新宿区百人町や大久保に押しかけてくる若者たちに政治的意識に
燃えろとまで言う気はない。だが、文在寅大統領以下は彼らと我が国の民
間における対韓国感情がこれほど安定し且つ公正・公平であることを少し
は意識して、一度でも良いから「我が国の若年層や芸人や運動選手たちが
お世話になっております」と挨拶してもバチは当たらないと思う。Jリー
グにだって韓国代表級の選手たちに貴重な働く(稼ぐ?)場を提供してい
ると経済政策を誤った文在寅大統領以下は承知しているのだろうか。



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身 辺 雑 記
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25日の東京湾岸は晴天、爽快。

24日の東京湾岸、太陽が久し振りに顔をみせてくれた。
  
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  • 名無しさん2019/07/26

    シオン賢者の議定書

    https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%B7%E3%82%AA%E3%83%B3%E8%B3%A2%E8%80%85%E3%81%AE%E8%AD%B0%E5%AE%9A%E6%9B%B8&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwj_-qj8zs_jAhVpG6YKHae-CqIQ_AUIESgB&biw=1579&bih=652

    7万人の小児性愛犯罪者が起訴された? http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/52042666.html

    ウォルターズ氏「韓国がWTOに提訴した場合、日本は有利」 https://news.livedoor.com/article/detail/16820025/

    DHC会長「日本には驚くほど在日がいる。 https://www.youtube.com/watch?v=oKzDrNtj99U 

    メビウス

    https://www.google.co.jp/search?tbm=isch&q=%E3%83%A1%E3%83%93%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%80%80&chips=q:%E3%83%A1%E3%83%93%E3%82%A6%E3%82%B9,g_1:%E6%BC%AB%E7%94%BB&sa=X&ved=0ahUKEwi2sdX008_jAhUcw4sBHUsgC3QQ4lYIMygK&biw=1920&bih=985&dpr=1

    見え透いたウソをつく韓国政府に呆れる米国 https://shinjukuacc.com/20180204-01/

    夏 http://i1.wp.com/rastaneko-blog.com/wp-content/uploads/2019/07/hottopanntu361.jpg

    NHKに電凸!「輸出規制、韓国が領有権を主張する竹島、日本と韓国の同盟関係」・虚偽報道を連発http://deliciousicecoffee.jp/blog-entry-7572.html

    大三島分校

    https://www.google.co.jp/search?q=%E5%A4%A7%E4%B8%89%E5%B3%B6%E5%88%86%E6%A0%A1&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiK_9aW1c_jAhVRGKYKHYDFBi4Q_AUIEigC&biw=1920&bih=985

    「韓国のL/Cへの保証」説の実情 https://shinjukuacc.com/20190723-04/

    EUVレジスト:マスコミが語らない「米中」「日韓」貿易紛争の深層(特別寄稿)【訂正】 

    http://agora-web.jp/archives/2040525.html

    質問って質問者のレベルを表すものなんですよ https://ttensan.exblog.jp/27700768/ 

    朝顔

    https://www.google.co.jp/search?tbm=isch&q=%E6%9C%9D%E9%A1%94+&chips=q:%E3%81%82%E3%81%95%E3%81%8C%E3%81%8A,g_1:%E9%A2%A8%E9%88%B4&sa=X&ved=0ahUKEwjXwZeX2M_jAhXrxosBHUY5DhMQ4lYIPCgT&biw=1920&bih=985&dpr=1

  • 名無しさん2019/07/25

    現代文明は「石油文明」であり、全ての生活基盤は石油に依存して成立している。正確には化石燃料(石油、石炭、LPG、シェールガス、メタンハイドレートも含む)だが、原子力発電や燃料電池(水素発電)、風力や水力、太陽光の自然エネルギーにせよ、発電設備を作るには化石燃料が必要である。そのため石油は、資源物質でありながら、戦略物質という側面を持つ。商品は市場の需要と供給で価格が決まるが、戦略物質はこの市場原理の枠外にある。市場価格より高くても買うし、原価よりも安くても売る。あるいは高く買うという客に売らないこともあれば、安く売るバイヤーから買わないことも起こる。つまり、石油は市場価格と戦略価格で二重構造となっている。



     通貨もまた、単純な市場原理で価格は決まらない。為替は通貨供給量と需要で判断されず、そこには信用というファクターが入り込むからである。価格は通貨を発行する国家、あるいは中央銀行の信用度によって乱高下する。この信用の担保には、金や銀を使ってきた。安定した貴金属の価格とリンクさせることで通貨に信用を与える手法である。



     しかし、金本位制は金の保有量で通貨供給量が決まるという弱点があった。1925年の世界恐慌の際、金本位制下ではマネーサプライによる積極財政が行えず、当時の列強は相次いで金本位制から離脱した。そして第2次世界大戦後、世界中の金を積み上げたアメリカのドルによって再び金本位制は復活、大戦後に生まれた世界秩序を安定させていった。しかし、世界貿易が拡大していくにつれ、通貨供給量が追い付かなくなり、1971年のニクソン・ショックを経て終了した。これは各国がドルを得るたびに金と交換していたからであり、大量の金の流出でFRBのシステムそのものが破綻した。



     金との交換を止めれば、唯一の国際通貨だったドルの信用をどうするかという問題が出る。そこで旧体制勢=ディープ・ステイトは二重価格という特性を持つ石油とのリンクを考える。つまり、「石油ドル体制」の誕生である。



     戦略物資である石油は生産量や需要予測といったデータで価格は決まらず、価格決定そのものがブラックボックス化している。このブラックボックスを悪用することでディープ・ステイトたちは莫大な利益を吸い上げた。そこに石油ドル体制の問題があった。



     革命はディープ・ステイトたちの支配の源泉となってきた石油ドル体制の管理権を彼らから取り上げることも大きな目的にしてきた。しかし、石油ドル体制を解体するかは決まっておらず、決まっているのがディープ・ステイトたちを追い出すことぐらいなのである。



     これはエネルギーと国際間の取引に使う「ハード・カレンシー」をリンクさせるアイディアそのものは間違っていないためである。そこで、ディープ・ステイトを追い出した後、エネルギー生産と供給と、更に通貨供給量の信用できる管理体制を改めて作るという石油ドル継続派が台頭してくる。その一方、安心感のある金本位に回帰しようという金本位派も登場する。アメリカにすれば、石油ドルの継続が望ましい。現物志向の強い中国は金本位回帰を求めている。かくして新しい国際金融システムを巡る主導権争いは激化している。



     石油ドル体制で最もダメージを受けてきたのが、アメリカだった。アメリカは1980年代から40年以上に渡って巨額の貿易赤字を計上し続けてきた。しかも世界から商品を受け取っても、その代金を支払わずに紙切れ(米国債)を大量に渡すだけという行為を続けてきた。普通の国なら国家破綻していたはずである。しかし既存の石油ドル体制がアメリカの破綻を許さなかった。



     まず石油ドル体制では、日本や中国、EUなどのようにエネルギー資源の大部分を輸入に頼る国は、石油を購入するためにドルが必要になる。そのドルを稼ぐためにはドルの発行元であるアメリカに対して貿易黒字を維持しなければならない。また、世界各国が石油をドルで購入する為にドルへの需要は安定する。結果、いくらドルを刷っても需要があるために価格は維持される。もし価格を維持できないほどになれば戦争などで原油価格を無理やり引き上げて相殺する。石油が戦略物質ゆえにできる仕組みである。



     かくしてアメリカが破綻すれば、世界貿易ができなくなる。黒字国はアメリカの借金である米国債を買う形で支援せざるを得ない。いくらでも米国債を発行し、借金を雪だるまのように膨らませ、ドルをばら撒きながら歴史上最大の借金国家が誕生する。



     これはアメリカにとって恩恵ではなかった。このサイクルで無理やりドルの価格を維持すれば、アメリカ国内産業のコスト競争力を奪い、生産拠点は海外に移転する。為替システムが機能しない以上、産業の空洞化は加速する。



     これに対する手当は何もなかった。それが国際的な超富裕層=ディープ・ステイトの方針だった。彼らは「世界各国は石油をドルで購入する。そして、産油国が手に入れた巨額のドルを消費やアメリカへの投資などに回せば、ドルは循環し、アメリカに還流される。アメリカが赤字であっても、中近東の資源とドルさえ握っていれば、石油本位体制のビジネスは安泰であり、国家の貿易赤字は関係ない」という構想の下、石油ドル体制を作ったアメリカの産業基盤の空洞化や慢性的な巨額赤字、経済的失速は想定内であった。



     代わりに物造り以外の産業(金融業)を中軸に据える。金融業では高度な教育が前提となる。高度な教育を受けるのは莫大な金がかかる。それを払えない家庭は即座に貧困層へと叩き落され、その一方で世界中から投資が集まる金融業では、億単位の年収を得られ、少数の富裕層を形成する。結果、激烈な格差社会となって貧困層が急増したアメリカは、当然の帰結として国力を落とすことになる。



     ドルの表面的な価値はアメリカの国力に依存する。管理通貨体制の不換紙幣は、建前では発行国の国力と税収を担保にする。借金まみれで低下した国力、少ない税収のままで信用力を維持できるはずがない。ドル離れの始まりである。信用不安を起こしたことでいつ大暴落するのかという懸念が世界中に広まっていく。