政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針5075 号  20196・14(金)

2019/06/14



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 わたなべ りやうじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5075号
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        2019(令和元年)年 6月14日(金)



                 ファーウェイは:宮崎正弘

             敗訴していた創価学会:渡部亮次郎

          中国の対米威嚇、本音は何か:櫻井よしこ

                      話 の 福 袋    
                       反     響
                      身 辺 雑 記

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ファーウェイは
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)6月12日(水曜日)
       通巻第6107号 
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ファーウェイは「アンドロイド」に代替できるOS開発を2012年から
  「湖畔の討議」を経て秘密チームを発足、この日に備えていたとか
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ファーウェイのスマホ、世界で2億台を突破している。中国市場で優に五 割のシェア。しかしOSはグーグルのアンドロイドだ。マイクロソフトと 同様に、OSそのものは公開されているが、数々のアプリは、アンドロイ ドが基礎になる。

ところが米中貿易戦争の勃発、トランプ政権のファーウェイ排除によっ て、スマホ販売は激甚な落ち込み、それもOS「アンドロイド」が使えな くなるとどうなるのか、と消費者は顔面を引きつらせた。

現にフェイスブック、インスタグラムなどはファーウェイのスマホへのア プリ事前搭載をやめた。フラッシュメモリーの大手「ウェスタンデジタ ル」もファーウェイとの「戦略的関係」をやめると発表し、フォックスコ ンの生産ラインの一部が停まった。

インテルがZTEへの半導体供給をやめたように、米国が同社への供給を 中断すれば、つぎに何が起きるかは眼に見えている。

ファーウェイの部品供給チェーンは、国内生産が25社、米国が33社、日本 が11社、台湾が110社。他にドイツ、韓国、香港のメーカーがファーウェ イに部品を供給してきた。まさに国際的サプライチェーンである。

深センが中国ハイテクの本丸である。香港に隣接し、港湾も空港も複数 あって、グローバルアクセスの要衝でもある。貧しい漁村だった頃、1975 年頃だったか筆者は初めて周辺を取材したて経験があるが、当時の人口は 僅か3万、屋台が商店街で、冷蔵庫はなく、ビールも西瓜も冷えておら ず、肉は天日の下で売っていた。

深センの人口、いまでは1300万人。ハイテクパーク、科技大道、くわえて 付近には衛星都市の中山、仏山、東莞、厚街などを抱える。ZTEも、テ ンセントも、本社はここである。

ファーウェイ本社は深センの西海岸の悦海地区にあって本社だけでも従業 員8万人。このうち3000人がRD(研究開発)に携わっている。


 ▲独自のOS「鴻蒙」、間もなく登場

ファーウェイは記者会見して「独自OS」(鴻蒙)のスマホを八月か九月 には販売開始できる」と胸を張った。

ひそかに、この日に備えて独自の自家製のOSを開発してきたので、安心 せよという宣言、その独自OSは「鴻蒙」と名づけられた。海外では 「ARK」というブランドにすると、その手回しの良さには舌を巻く。

だが、次の話は本当だろうか。ためにするフェイクニュースのような気が しないでもない。 

2012年、深せんの「湖畔の宿」に秘かにファーウェイ社内の腕利きエンジ ニアを中心とする専門チームを担う社員が集められた。創業者の任正非じ きじきに出席し、「将来、グーグルからOS使用を拒否された場合、独自 のOSを用意しておく必要がある」として、秘密チームの発足が決まっ た。湖畔の宿の合宿は一週間続けられたという。

この独自OS開発チームは社内でも機密とされ、ラボは警備員の特別警戒 にあたり、2012年の秘密会以後、開発と研究が秘かに続けられてきた。場 所は東莞あたりと推定された。
 
2014年頃から米国は連邦政府職員、軍人のファーウェイのスマホ使用を禁 じ、トランプ政権になってからファーウゼイの全面禁止が検討され、まず は地上局から排除された。

2018年12月1日、CFOの孟晩舟がカナダで拘束された。同日、サンフラ ンシスコで「中国物理学の神童」と言われた張首晟教授が自殺した。
 
2019年に入るや、米国はファーウェイを「スパイ機関」と認定し、米国内 の部品メーカーに至るまでファーウェイ部品を使わないよう通達が及ん だ。5月、トランプは「非常事態」を宣言し、国防権限法により、ファー ウェイの米国市場からの駆逐を決め、同盟国に呼びかけた。英・豪・加に 続いて日本も追随し、携帯電話各社はファーウゼイ新機種の予約受付を中 止、もしくは延期するに至った。

市場でファーウェイのスマホの値崩れが起こり、中古スマホは大暴落、 OSのグレードアップをしたら使えなくなったなどの苦情が殺到した。
いよいよ正念場である。
      
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読者の声 ★READERS‘ OPINIONS 
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(読者の声1)三島由紀夫研究会からお知らせです。6月の「公開講座」 は渥美饒児氏(文藝賞受賞作家)をお招きします。

浜松在住の作家・渥美饒児氏が小説家を志した20代より30年間にわたって 蒐集した「三島由紀夫コレクション」を通じて、三島由紀夫への熱い思い を語って頂きます。渥美氏は文藝賞受賞作家です。
      記
日時  令和元年6月24日(月)18時半より(18時開場)
会場  アルカディア市ヶ谷(私学会館)
https://arcadia-jp.org/access/
演題  「私の三島由紀夫コレクション」
講師  渥美饒児氏(あつみじょうじ、小説家)
会費  一般の方、2000円。会員と学生は千円。

   <講師プロフィール> 昭和28年生、静岡県浜松市出身。日本大学 文理学部卒。『ミッドナイト・ホモサピエンス』(河出書房新社)で昭和 59年度文藝賞を受賞。『十七歳、悪の履歴書―女子高生コンクリート詰 め殺人事件』(作品社)を原作とした映画「コンクリート」(中村拓監 督)が平成16年に上映される。その他『孤蝶の夢―小説北村透谷』(作品 社)、『原子の闇』、『沈黙のレシピエント』(何れも中央公論新社)。 その他最新作として警察小説の傑作として評価の高い『潜在殺』(河出書 房新社)がある。浜松市在住。
 平成25年浜松文芸館で「三島由紀夫コレクション展」を主催した。 


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(読者の声2) 昨日、橿原神宮、神武天皇陵を参拝してきました。緑の美 しい橿原神宮では美智子皇后陛下(当時)の「遠つ世の風ひそかにも聴く ごとく、樫の葉そよぐ参道を行く」の歌碑を拝見し感動いたしました。
 さて加藤康男『通州事件の真実 昭和十二年夏の邦人虐殺』(草思社文 庫)のご紹介がありました。私のこの事件の視点は、独ソ戦を控えたス ターリンの支那事変を起こすための意図的な虐殺であったのではないか、 言うものです。

全体の因果関係は、1936.12.12の西安事件で蒋介石はスターリン指揮下 の中共の手先張学良に逮捕されます。この後蒋介石はそれまでの反共か ら、反日に転向しました。

かれは翌1937年の前半には対日戦の準備を完了しました。兵員百万の半年 分の食糧というのですから驚くべきです。

兵器については、ソ連が極秘裏に北方の蘭州を兵站基地に、シベリヤ鉄道 ウランバートル経由とウルムチ経由の2系統の大トラック輸送で大量の兵 器弾薬を運び込んでいました。最終的には飛行機(爆撃機、戦闘機)1千 機、赤軍顧問(将軍、パイロットなど)4千名など上りました。軍事援助 借款の総額は2.5億ドルに上りました。

1937.7.8から蒋介石は盧溝橋事件など対日挑発を開始します。これは戦 争責任を誤魔化すためと、日本人を興奮させ、冷静さを奪うためと思われ ます。

ロシアには「神は滅ぼす前にその理性を奪う」と言う格言があるそうで す。相手を激昂させるのです。

したがってこの通州事件はその材料に行われたのではないか。だから意図 的に残酷な殺人を行ったのではないか。

果たして、日本人は激昂しました。それこそスターリンが狙っていたこと でした。

蒋介石が1937.8.13に上海国際租界を奇襲すると、日本軍中枢は対応に困 りました。

作戦部長の石原完爾少将は冷静に上海からの即時撤収を主張しました。
ソ連を恐れていたからです。しかし国民が激怒していたので、他の幹部は 反撃して蒋介石に痛撃をあたえてから講和することを主張しました。これ は支那事変が講和のない戦争であることを知らなかったということです。

なお米国の支那通スティルウェル大佐(後米国支那派遣軍総司令官)は、 日本にとっての上策は撤退。そうすれば蒋介石は国共内戦を再開せざるを えない。下策は反撃して、泥沼の戦争に引きずり込まれること。おそらく 日本は下策をとるだろう。上策をとるにはよほど冷静な国民性と強い政府 の指導力が必要だから、と記しました。

そして残念なことに彼の予言通りになりました。これが小生の通州事件を 巡る因果関係の推理です。
詳しくは拙著『黒幕はスターリンだった』(ハート出版)をご参照下さ い。(落合道夫)




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敗訴していた創価学会
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    渡部 亮次郎

公明党が初めて衆議院に進出した時から、委員長を20年近く務めたのは国 鉄マン出身の創価学会員 竹入義勝氏。政界引退後の1996年、天皇陛下か ら勲1等旭日大綬章を受けたのをきっかけに創価学会から糾弾されるよう になった。

叙勲を機に朝日新聞の要請に応えて連載した「回顧録」で公明党と創価学 会の関係は「政」「教」一致であったことを赤裸々に暴露したことが創価 学会・公明党の逆鱗に触れた。

以来10年間、創価学会は機関紙「聖教新聞」で非難し続けた末、2006年5 月19日、公明党は「内部調査により、竹入が公明党委員長在職中の1986年 7月に自分の妻へ送った指輪の購入代金を公明党の会計から支出し着服横 領した」として、総額550万円の損害賠償を求める民事訴訟を東京地方裁 判所に起こした。

翌日には、創価学会の機関紙『聖教新聞』において提訴が大々的に報道さ れ、提訴後も同紙には折に触れて横領を非難する記事が掲載された。

しかし2008年3月18日、東京地裁は「党の会計から私的流用したとは認め られない」として請求を棄却。判決文では「横領したという当時は衆参同 日選の最中で、党トップの竹入氏が秘書や警護官もともなわずにデパート で夫婦そろって高価な指輪を購入するのは不自然」と指摘。

その上で、購入した指輪の具体的な種類や形状が特定されていないことな どを理由に、流用の事実は認められないとした。公明党側は即日、東京高 等裁判所に控訴した。

2008年12月4日に「互いを誹謗中傷せず、竹入が遺憾の意を表明した場合 は党側が控訴を取り下げる」との条件で和解が成立した。
学会側の事実上の敗訴であった。

この事件について、創価学会の機関紙『聖教新聞』は、着服横領事件を複 数回報道していたが、判決後も竹入との和解条項の全容は公表していない。

しかも一般のメディアも一切報じていない。この事実を明らかにしている のは「ウィキペディア」だけである。それだけマスコミはいまや創価学 会・公明党に、広告料、コマーシャル料を通じて支配されている事を証明 している。NHKも聴取料不払いで脅されればひとたまりも無い。

創価学会・公明党は後継委員長だった矢野絢也氏苛めも何年も前から開 始。公明党元国会議員らが矢野氏の自宅に上がりこんで手帳を持ち去った などの奇怪な出来事を巡り訴訟の応酬となった。

2005年、公明党の元国会議員である伏木和雄、大川清幸、黒柳明の3人 が、『週刊現代』に掲載された記事で矢野の手帳を強奪したかのように報 じられ名誉を傷つけられたとして、同誌発行元の講談社および同誌編集長 と、記事に実名でコメントを寄せた矢野らを訴えた。

この裁判で東京地方裁判所は2007年12月、原告側の主張を認め、講談社と 矢野の行為が名誉毀損に当たるとして同社と矢野に総額660万円(内330万 円につき矢野と連帯)の損害賠償金の支払いと、同社側、矢野それぞれに 謝罪広告の掲載を命じる判決を言い渡した。

同裁判には、矢野が3人に対して自身の手帳の返還を求める訴訟も併合さ れていたが、同判決は「被告矢野は、原告らの求めに応じ、自らの意思に 基づき、本件手帖等を交付し、被告矢野宅内を案内したことが認められ」 と請求を棄却。矢野は上告した。

2009年9月1日、最高裁判所第3小法廷は、週刊現代による伏木・大川・黒 柳3人への名誉毀損は認めず逆に矢野のプライバシーの侵害である旨の主 張を認め、持ち去った手帳の返却と300万円支払いを3人に命令した東京高 等裁判所判決を支持、上告を受理しない決定を下した。これもマスコミは 報道していない。

創価学会は2度までも裁判に敗れてしまった。しかもマスコミはそれを報 道しない。

「週刊文春」2009・10・1によると、
<秋谷栄之助会長の時代は、創価学会は矢野氏との関係を上手にコント ロールしていた。「ところが数年前、体調を崩し入院していた池田大作名 誉会長が退院後、自分が不在でも問題なく組織が運営されていたことで、 秋谷氏を遠ざけるように。

そして池田氏に追従する幹部たちが矢野問題を荒立ててからおかしくなっ た(学会幹部)。

秋谷氏は06年に会長を解任された。「後任の原田稔会長は選挙実務に疎 く、実質的に池田氏が采配している」(同前)が、公明党の比例区の得票数 は、秋谷会長時代の05年衆院選(898万票)をピークに凋落の一途。衆院 選の惨敗は「池田神話」の崩壊とも言えるのだ。

そこへ創価学会が「仏敵」としてきた矢野元委員長への叙勲を民主党の有 力議員が、内閣府に働きかけていることが明らかになった。

「仏罰論」の矛先は、今や創価学会・公明党自身に向かいかねない雲行き となっている>。出典「ウィキペディア」2009・09・09・26


 
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中国の対米威嚇、本音は何か
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       櫻井よしこ

「対話? 歓迎だ。戦い? 準備はできている。我々を脅かす? やれる わけがない」

これは6月2日、中国・国防相の魏鳳和(ウェイフォンホー)氏が米国への 対抗心も露わに中国国民の声として語った言葉だ。威嚇か、半分本気か。 米国の出方次第では戦争もあり得ると、生々しい敵対心を見せている。場 所はシンガポール、世界の安全保障問題の専門家が集う毎年恒例のアジア 安全保障会議でのことだ。

貿易戦争から始まった米中の対立は、いまや赤字黒字問題を超えて国の在 り方の根本を問う、価値観の衝突といわれる程、深刻になりつつある。対 立が深まる中で開かれたアジア安保会議に、中国は8年振りに現職の国防 大臣を送り込んだ。人民解放軍中将ら小物の軍人を出席させてきた去年ま でとは対照的である。国際会議の場で国防の重鎮が前述のような怒りの表 現を口にしたのはなぜか。

アジア安保会議で魏氏より1日前に演説したのが米国防長官代行のパト リック・シャナハン氏である。氏は間もなく議会での承認を経て国防長官 に就任すると見られている。氏の演説を背景まで含めて読むと、現在の米 国には、中国への非常に強い警戒心と、ここで中国の勢力を止めなければ ならないという固い決意が満ちているのが見てとれる。

シャナハン氏は、アジア安保会議で前任の国防長官、ジェームズ・マティ ス氏の「国家防衛戦略」を踏まえた「インド・太平洋戦略」を発表した が、その内容は中国の心を掻き乱したに違いない。

ちなみにマティス氏の国防戦略は、米国の真の敵は非国家勢力のテロリス トではなく、中国やロシアなどの国家だという考えに立っている。9.11以 降、テロリスト勢力を米国の主敵としてきた戦略を転換したのがトラン プ、マティスの両氏だった。

信ずるのは危険

同じ前提に立つシャナハン氏の戦略がどれ程中国に厳しいかは、氏の戦略 報告の中で中国の項目が「修正主義勢力としての中華人民共和国」と露骨 に表現されていることからも明らかだ。また、ロシアや北朝鮮に関する記 述が各々1頁で完結しているのに対して、中国のそれはおよそ4倍にわたっ ている。

アジア安保会議での演説は右の戦略報告と併せて考えなければならず、そ うしたとき、シャナハン氏の演説の一言一言がより強い中国敵視の色彩を 帯びる。

シャナハン氏は、インド・太平洋は自由で開かれた海でなければならない という、日本も全面的に同意する価値観を述べ、それを守るために使って はならない以下の「抑圧の手法」4点を挙げた。

?争いの場に先進の武器を持ち込み、力による恫喝で相手国の反対を封じ 込める、?他国の選挙や社会に介入してその国の内政に影響を及ぼす、?債 務の罠を仕掛け、腐敗を誘い、特定の政党に利益をもたらし相手国の主権 を脅かす、?他国の軍・民の最先端技術を国家ぐるみで窃盗する、である。

この演説では中国を名指しはしていないが、前述の戦略報告ではすべて中 国の項に盛り込まれている。また、中国の悪行はすでに世界周知のことで あるため、名指ししようがしまいが、シャナハン氏の主張が中国批判であ ることは直ちに理解される。

シャナハン氏は強調する−−「我々は現実を希望の色で塗り替えたり、非 友好的な行動を覆い隠す美辞麗句に惑わされてはならない。言行の不一致 を問題にすべきときだ」。

日本への警告ではないかと思った程、右の件(くだ)りは現実を映し出し ている。中国は米国との対立の負荷を緩和するために、日本に微笑外交を 展開中だ。だが、中国の微笑も涙も誠意も、信ずるのは危険である。

中国は、日本と共に一帯一路を推進し、当事国すべてが「ウィンウィン」 になる事業をしたい、日本との友好を深めたいと言葉巧みに言いながら、 尖閣の海には本稿執筆中の6月3日、53日連続で大型武装艦船4隻を送りこ んでいるではないか。4隻は度々領海を侵犯しており、海上保安庁が小型 ながら8隻態勢で必死に島を守っている。中国は尖閣諸島の施政権を握っ ている状況を作り、国際社会に尖閣の領有権は中国にあると印象づけ、わ が国の領土を奪おうとしているのである。日本は中国にも領土を奪われか ねないのだ。

友好を口にしながら、行動では領土略奪の動きを着々と進めるのが中国 だ。彼らは一度も領有したことのない南シナ海についても、たとえば 「2000年前から中国領だった」などと途方もない虚構話を吹聴する。その 種の中国の言動にシャナハン氏が言及すると、魏氏は即座に記者会見を開 いて反撃した。翌日の演説でも米国批判を展開した。

共産党の異形の支配

魏氏は米中貿易戦争について、「もし米国が話し合いたいなら我々は扉を 開けておく。もし彼らが戦いたいなら、我々は最後まで戦う」と語った。 冒頭で紹介した挑戦的な言葉はこの後に続くものだ。

台湾に関しては魏氏は奇妙な比較をしてみせた。米国は南北戦争で危うく 国が分断するところだった。だがリンカーン大統領のおかげで分断は回避 された。米国は分離してはならないのであり、中国も同様だ。だから中台 は統一しなければならないと、魏氏はいうのだ。しかし、台湾は一度も中 華人民共和国の領土であったことはない。米国の南北戦争とはなんの共通 項もない。それでも、「国家統一の擁護は人民解放軍の聖なる任務」「台 湾に対して武力行使をしないとは公約できない」と強調するのである。

さらに「人民解放軍は多くの戦争を戦ってきた。犠牲は厭わない」「圧力 や困難の度合いが高い程、中国人は勇敢になる」と胸を張り、シャナハン 氏との会談では「中国軍の決意と能力を見くびるべきではない」と一歩も 引かない構えを見せた。

対する米国は、ホワイトハウス(行政府)と議会(立法府)が一体となっ て中国に対峙する構えが自ずと出来上がった。シャナハン氏のシンガポー ル入りに上下両院の議員9人が同行し、シャナハン氏は彼ら一人一人を国 防戦略実現に必要な予算、約80兆円を確保してくれたリーダーとして紹介 した。最強の軍事大国である米国は、行政府も立法府も、共和党も民主党 も、一致して中国共産党の異形の支配を許容しないことを見せつけ、こち らも一歩も引かない。

土壇場で米中が劇的に和解する可能性はゼロではないだろうが、その対立 と戦いは長期にわたる深刻な展開になると考えるべきだ。地政学上も経済 面でも、中国は日本を自陣営に引き込もうとするだろう。ここで中国の微 笑に騙されて彼らの草苅り場になってはならない。一日も早く、自立性を 高め、より強い国になることだ。そのために早急な憲法改正が必要だ。
『週刊新潮』 2019年6月13日号 日本ルネッサンス 第855回



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重 要 情 報
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◎テレビ観戦だけでの評論の限界か:前田正晶

先ずは栗山監督と吉田輝星君に不明を恥じてお詫びせねばなるまい。12 日夜は吉田君に厳しい予想をした責任上、彼の投球は全部見ていた。その 前に「アレッ」と思わせられたことがあった。それはテレビ中継が始まっ た途端に閃いたことで「日本ハムの勝ちで、広島には目がない」だったか らである。1回の表にいきなり3球目を長野に一二塁間を抜くヒットを打た れた時には「だから言ったじゃないか」になるのかなと思わずにはいられ なかった。

ところが、あのアウトサイド一辺倒の組み立てが四球を続けて満塁になっ た時に、5番打者の西川が出てきたところで「これでは点にはなるまい」 と思った。それは広島は丸佳浩に巨人に逃げられて以来3番と5番打者の使 い方に苦しみ、到底その任にあらずと思う西川にせざるを得なかった苦境 がそこに現れてしまった。あの場面で失点無しに終わらせた吉田君も大し たものだが、そういう星を持っている生まれなのかなとふと思わせてくれた。

更に、12日当方が懸念した彼の高目に抜ける嫌いがある真っ直ぐを、遺 憾ながら打力に定評がある広島の打者が手を出して空振りしてしまうの だった。解説の梨田昌孝は真っ直ぐの球速は140 km台でも良く伸びるらし く空振りが取れているのではないかと説明していた。読み違いだった。梨 田が再三指摘していたように吉田君はインサイドは全く攻めることなく、 外とスピードが落ちるカーブで広島を抑えきってしまった。確かに長野に は2打席目で長打を打たれて失点はしたが、立派な出来だったと思う。梨 田は「これで通用すると証明された」と褒めていた。

広島は交流戦に入ってから打つ方の調子が下がっているのは確かだと思 うが、そこを幾らか割り引いても吉田君の投球は評価に値すると思った。 この辺りにもう30年近くもプロ野球を実際に球場まで見に行くことなく (健康上の理由はあるが)テレビで見るだけでは、適切な評価が出来なく なるものだと遺憾ながら認めざるを得ないと思った。今は何処かでコーチ をしているかと思う往年の日大のエース落合君の練習をネットの裏で見た 時には、ネットがあるので当たる訳はないと承知していても、怖くて1球 ごとに逃げていたのだった。その落合君でもプロでは大成しなかった。

月並みなことを言って反省すれば「矢張り現場に行って見なければ」と なるだろう。だが、もうその気はないし、主治医は許可しないと思う。吉 田輝星君、お見それしました。これから先は思い切りよくインサイドも攻 めて少しくらい負けても気にしないで沢山勝って下さい。栗山監督さんに も選手起用の慧眼に敬意を表します。

◎2,000万円問題は野党に絶好の言いがかりの機会を与えたのでは:前田正晶

私は嘗て「年金は100年安心」と当時の坂口大臣が残り少ない毛髪をかき 揚げながら述べていた際には「これは年金制度は崩壊することなく当分の 間は規定通り支給されるからご安心を」と言うことを意味したのだと思っ ていた。即ち、間違っても「老後の生活を年金だけで賄えるからご安心 を」と保証したのではないと解釈していた。それにも拘わらず、参議院選 挙で安倍政権と与党に揺さぶりをかけるこれといった材料がない野党は 2,000万の件を「年金に結びつけ、例によって例のごとき村田如きこじつ けの専門家を先頭に立てて選挙の争点化しようと懸命である。

私は既に2,000万円問題と年金とは別個の案件であると指摘しておいた が、偏向する各テレビ局はここを先途とばかりに野党支援の報道態勢を 採っていると見える。12日夜もPrime Newsには長妻昭が登場して彼らしく 理論的に橋本岳と金融庁の官僚に対してあげ足取り攻勢をかけていた。長 妻が言うには「年金制度が安心」なのか、「年金だけでは老後の生活が成 り立たない」の何れかをハッキリさせていなかった政府の責任であるのだ そうだ。私は年金問題の専門家と称される長妻が、そのくらいの違いを弁 えていないはずがないだろうと思うが、懸命に責め立てていたのはおかし いと指摘したい。

私は4〜5年前にある講演会で彼と船田元が論じ合うのを聞いたことが あった。その際の理路整然とした議論の展開を聞いていて「これほど筋が 通った議論が出来て知識も豊富な議員が、民主党員である事自体が非合理 的だ」と感じた。討論では完全に船田を上を行っていた。その長妻が枝野 如きが率いる立憲民主党に参加してからは理論も何も何処かに捨て去っ て、これがあの時の長妻かと奇異に感じるほどの悪相になって、ただひた すら内閣の揚げ足取りに専念するのは残念だという前に「枝野の毒牙にか かって気の毒だな」とすら思わせる下らない野党議員に堕していた。

長妻批判をこれくらいにするが、重ねて言っておきたいことは「立憲民主 党を頂点に野党どもが2,000万円の件を年金だけでは生活が出来なくなる と主張するのは論旨のすり替えで詭弁であるし、野球をやっている時に突 如クリケットを持ち込んだのと同じことである」と思う。その狙いは「そ ら見ろ。政府が何を言おうと年金だけでは老後の暮らしは成り立たない。 こんな政権は引き摺りおろう」と選挙民に訴えていこうという意図は明白 だ。私は内閣も自民党のこの論旨のすり替えを明らかにして、支持者に訴 えて出て欲しいと思っている。

現実問題として2,000万円の蓄えがなくて生活が破綻した高齢者の世帯 の具体例がどれほどあるのかな。金融庁が示した5万円不足の家庭は実例 ではないではないか。



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身 辺 雑 記
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14日の東京湾岸は快晴、爽快。

東京湾岸は13日、久しぶりの快晴。隣の第三亀戸中学校の芝生の校庭で は、生徒たちが三々五々遊んでいた。




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創刊日:2004-01-18  
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