政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針5058 号  2019・5・28(火)

2019/05/28


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わたなべ りや うじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5058号
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        2019(令和元年)年 5月28日(火)



                  <読書特集>:宮崎正弘

             「の」に賭けた初入閣:渡部亮次郎

    皇室を政治利用してはならないと自戒する:櫻井よしこ
     
           
                      話 の 福 袋    
                       反     響
                      身 辺 雑 記



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<読書特集>
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)5月26日(日曜日)
       通巻第6087号  <<日曜版>>
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<<読書特集>。
石平 v 安田峰俊『天安門三十年 中国はどうなる?』(育鵬社)
小川栄太郎『平成記』(青林堂) 
西村幸佑『韓国のトリセツ』(ワニブックス&PLUS新書) 
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIE 
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民主化を求めた学生、知識人の多くが「天安門広場」と周辺で虐殺された
その後、中国に本当の知識人がいなくなった。御用学者はあまた輩出したが。

  ♪
石平 v 安田峰俊『天安門三十年 中国はどうなる?』(育鵬社)
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6月4日は『天安門事件』から30年になる。

中国国内では、この事件は無かったことになっている。反面、無かった
「南京大虐殺」の嘘放送は大音響とともに繰り返されている。しかも、中
国共産党は世界中で反日キャンペーンを指令している。

東京はもとより、世界各地では天安門事件での犠牲者の追悼と中国共産党
批判の集会やデモが行われるが、中国国内では厳戒態勢が敷かれ、活動家
は事前拘束された。あるいは社会運動家でさえ厳重な監視の下に置かれ、
非政治的なボランティアの奉仕活動さえ、中国のNGOを政府が監視対象
としている。

天安門」とか「民主」とかの項目は、随分と前から削除されてきた。5月
16日ごろからはウィキペディアのすべての言語に接続できなくなった。
 
中国語版は2年前から接続できないが、これに加えて英語、日本語、フラ
ンス語、ドイツ語、ロシア語ばかりか、ヒンズー語、トルコ語など世界の
すべての言語のウィキペディアがアクセス不能状況となった。

いったい中国共産党は何を怖れているのか?

さて本書は、天安門事件の前の年に来日し、事件直後は神戸の中国領事館
前などで抗議集会に参加してきた石平を、気鋭のジャーナリストの安田峰
俊が矢継ぎ早やの質問を浴びせて、石平の胸裡に封印されてきた記憶、そ
の時の心境、精神の葛藤、遍歴を問いただすスタイルで構成されている。

天安門を語り始めると石は突如号泣し、論理的でなくなったと安田は実直
に綴る。封印されてきた記憶が音たてて甦るからだ。

しかし人の心の中を、その内面に潜む精神を他者がのぞき見ることには限
界がある。こころの中で、いったい誰と、何の目的で戦っているのか、精
神の孤独に苛まれながら思想の激流が人間を引っ張って行くのである。
 
「08憲章」を提議し、民主化という希望に一縷の望みをかけた劉暁波
は、全体主義の闇、そのおぞましさの圧政の下に散った。だが劉暁波は
「わたしに敵はいない」と遺言した。

中国民主党の王丙章主席はカナダへ留学して医学博士号を取得したが、約
束された将来を擲って、人生を犠牲にしてでも、中国の民主化のために中
国共産党と果敢に戦った。共産主義の闇に挑み、そして不当逮捕されて無
期徒刑のもと、惨たらしい拷問に堪え、中国の牢獄で闇と戦っている。い
まも戦っている。「中国のマンデラ」と言われる所以である。

しかし西側へ逃げた当時の学生運動の指導者たちは、投資家になり財テク
に励み、実業に乗り出した者もいれば、するりと身を躱して大学教授に納
まった凄腕もいる。

かつての活動家の誰がいまも民主化の理想を叫んでいるのだろう?
共産党打倒の、あの天安門民主化運動は、その理想は風化したのか?
石平はその怒りのために号泣するのである。そして絶望があり、懊悩し、
苦痛の呻吟の末に、決断して日本国籍を取った。以後、かれの筆は容赦な
く全体主義の欺瞞と戦ってきた。

天安門の指導者のひとりだった王丹は米国に渡って民主党人脈と交流する
うちにリベラルに染まって訳の分からない抽象論に走り、国内に残った者
は不動産投資に熱中するか、狂信的反日派に、そのレゾンデートルを見出
そうとし、純朴に訴え続けているのはNYに溶け込んだ陳破空や、台湾に
暮らすウアルカイシ(吾爾開希)くらいではないか。

言論の自由があるはずの日本においてさえ、石平は中国のスパイだと、中
国大使館筋が意図的に流している謀略に迂闊にはまった保守系の政治家や
ジャーナリストらもいる。与党関係者からも同じ情報が聞こえてくると、
なんと日本の政界は謀略に弱いかと絶望的になることがある。

来日から中国の歴史の残酷さと政治の全体主義的特質を批判し続けていた
石平の歩みを直視すれば、すぐにも回答は出るだろう。

彼は戦っているのである。ペンを武器として、果てることもない思想闘争
を、孤独と、周囲の在日中国人の迫害的な雰囲気に堪え、その良心をかけ
て戦っているのである。石平の強靱な内面が、行間から溢れ出ている。

       
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 平成の31年間を日本の歴史のなかに位置付けた労作

随所に現代日本人の知性と強要の劣化、人口減少への憂いが語られる 

  ♪
小川栄太郎『平成記 』(青林堂)
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分厚い本である。

平成の歴史を年度ごとにまとめているのだが、各年度の冒頭に御製、御歌
が掲げられており、かしこまる姿勢になる。

その次のページが年表の単年度版で、主な出来事、そして「自分史」を書
き込める工夫がある。編集技術的に言えば、洒落ている。謳い文句に「渾
身の五百枚」とあるように、歴史を淡々と叙す。政治、経済から社会、風
俗、流行の現象。なかでも文化的考察には小川氏独奏ともいえる解釈が挿
入される。

明治、大正、昭和、そして平成とはいかなる歳月であっただろうか。
 
21ページに掲げられた或る一覧表をみると、急に感慨が深まる。それは世
界企業の時価総額トップ50の一覧で.平成元年、世界のトップ50社
中、じつに32社を日本企業が占めていた。そして平成四年にバブルが崩
壊し、自民党が崩壊し、国民生活が崩壊し、伝統の秩序が崩壊した。

二流から三流政治家たちへ政権は受け継がれ、当然無能のリーダーたちは
何が国益か、何が大事な政策なのかがわからず、ひたすらポピュリズムに
埋没した愚策を展開し、日本はどん底になった。

平成30年、世界トップ50社のうち、日本企業がランク入りしているの
はトヨタ一社のみ。しかも32位でしかない(5月25日に来日したトラ
ンプは財界人との夕食会で「ミスター豊田は何処にいるのか? あなたは
偉大だ」と発言したそうな)

平成30年度の上位50社は米国と中国企業が寡占している。

ちなみに米国企業は31社、中国が7社。台湾、韓国の企業もリスト入り
しているのである。「日米逆転」から、いまや「日中逆転」。米中対立時
代に突入したことは、この一覧をみても証明される。

平成の終わりに評者(宮崎)もメディアに感想を求められたので一句を詠
んだ。

「風凪ぎて のどか極まれり 平成」。
 
さて、次のような箴言がそれとなく、挿入されている。
 
平成12年11月のことだ。

「文化界で驚くべき不祥事が発覚した。宮城県の上高森遺跡について、藤
村新一・東北旧石器文化研究所副理事長が自ら埋めた石器を発掘して、新
発見を偽っていた事が発覚したのである。25年にわたり、藤村は日本の前
期・中期旧石器遺跡発掘を一手に担い、発掘量の多さと2万年前までしか
遡れなかった日本の遺跡が70万年前までさかのぼれるとした研究成果が脅
威とされ『神の手』を呼ばれてきた。ところが、この事件を機に、業績の
ほとんどが捏造と判明する」(191p)

この捏造事件は日本の考古学の発展を10年は遅らせたと言ってよいだろ
う。その後、縄文土器で1万6500年前のものが出土しているが、まだ教科
書は採用しないように。

 平成28」年。

「石原慎太郎『天才』は、かつて石原が非難してやまなかった田中角栄
を、現在の目で改めて天才として描きミリオンセラーとなった。その結果
田中角栄ブームが起きるが、露骨な金権支配と地方の二重構造化、中国と
の政治癒着など、田中の罪科は大きい。それを『人間的魅力』の観点から
無条件に礼賛するブームは、出版界読書人の知性の低下を象徴している」
指摘のとおりである(ついでに触れておくと小川氏が司馬遼太郎を高く
買っているのは意外だった)。

また同じく43ページにある映画「シンゴジラ」はとても良い作品だが、こ
のイシューは、日本でしか通用しないので、外国の評価がほとんど聞こえ
なかった。

もう一つ。辛辣な評価だが、満腔の意を表したくなる表現がある。
  
平成30年。

「是枝監督『万引き家族』がカンヌ映画祭最高賞を受賞した。一人ひとり
の俳優の演技は優れているが作品そのものは悪質だ。子供に同情があつま
るヒューマンドラマなど、まず表現者として安直過ぎる。舞台は現在の日
本だが、こんな不潔な家屋は戦争直後でさえ普通の日本人は住みはしな
い。子供に万引きさせて生活の助けとしているが、この『家族』は働き盛
りの男女3人が一緒に暮らしているのである」(466p)
 
もし「人間性の哀歓を描きたいのなら、現実に瀕弧の社会矛盾が存在する
最貧国を歌いにせねばリアリティが根底から崩れる」と小川は痛烈な批評
を展開している。
 
はなから国際賞狙いでリベラルな「審査員に媚びを売る文化犯罪と呼ぶべ
き作品であろう」とズバリ真実を、相手の心臓を突いている。
        
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やたら面倒な隣人と上手に別れる方法」とは
 「非韓三原則」(助けず、教えず、かかわらず)で臨め

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西村幸佑『韓国のトリセツ』(ワニブックス&PLUS新書)
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トリセツとは何なのか、新造語がわからない。ひょっとして「取り扱い説
明書」? マニュアルのことだと気が付くまで、頭にランプがともらな
かった。

副題は「やたら面倒な隣人と上手に別れる方法」とあるので、脱亜論の現
代版というところだろう。

その奥義は「悲観三原則」じゃなかった「非韓三原則」(助けず、教え
ず、かかわらず)。福沢諭吉の唱えたように謝絶するべき悪友、それが
「あの国」だ。

どの世論調査をみても、韓国が嫌いという日本人がときに80%を超える。
好きだという回答は数パーセントしかない。

にもかかわらず日本で「韓流ブーム」が巻き起こった。演出だったこと
は、いまや明らかである。なにしろ岩手県の過疎の漁村を舞台にした
NHKドラマでは、韓国「現代」自動車のタクシーがやってくるし、茶の
間のテレビが韓国製という意図的な画像まで作られた。

と言っても宿命的に、地政学的に隣国であり、過去2千年、この厄介極ま
りなき隣人に付き合わされてきた。結果はろくなことがなかった。

「倭」という命名は軽蔑語、魏志倭人伝から唐書にいたるまで日本を倭と
呼び捨てているが、その倭は朝鮮半島の南部も経営していた。

だからこそ、神功皇后の三韓征伐、白村江があり、その敗戦ののち、我が
国は大津へ遷都し九州から日本海側に防人をおいて備えた。

刀伊の入寇、元寇があって、秀吉時代に「朝鮮征伐」という名のキリシタ
ン防衛戦争が起こり、明治新政府の「征韓論」、日清戦争、伊藤博文暗
殺、日韓併合、そして李承晩ライン、日韓条約と続いて、やっとこさ、朴
正熙のときに正常化した。

と思ったら、そうじゃなかった。盧泰愚時代からおかしくなって、金大中
以後のことはご承知の通り。廬武鉉、文在寅で最悪の日韓関係に陥没した。

「韓国は法治国家としての原則を捨て去ることなど平気な国である。(中
略)ともかく一貫性がなく、感情的に動く物事に付和雷同しやすい。今日
好んでいたものを明日には憎むという、どこか倒錯した感情が巻き起こる
のは、韓国の国民性」なのである(119p)

なにしろ自衛隊哨戒機にレーダー照射した韓国の駆逐艦は「広開土大王」
と命名されている。

日本をやっつけたと吹聴した武将の名前だが、広開土王は朝鮮族ではな
く、ツングース系である。

ところで、昨今のブログとか、フェイスブック、ツィッタの「威力」に関
して評者も知ってはいるが、SNSにはしょせん、情報はないのである。
したがって評者は、これらの新兵器を駆使して言論戦に臨んだことがない
ので、本書で縷々展開されている細かなネット議論の内容には疎い場所に
いた。

そういう次第なので、本書の分析は参考になった。
 
      
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★読者の声 ★READERS‘ OPINIONS ★どくしゃのこ
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   ♪
(読者の声1)http://freeasia2011.org/japan/archives/5594
アジア自由民主連帯協議会講演会報告と動画です・プロヴィール・ビカ
シュ・シャーカー
「タゴールと日本交流の100年」
 是非、ご参照下さい。(三浦小太郎)

  ♪
(読者の声2)歴史・公民>第10回 新東京塾 のご案内

<激動する世界情勢の中での 「日本」 の立ち位置とその使命 −先ず
「皇統断絶」を回避し、日本の「國體」を護り抜くことから−>のご案内
です。
            記

とき   令和元年7月20日(土) 13時00分〜16時30分
ところ  文京シビックセンター ・ 26階 スカイホール
(文京区春日1−16−21) TEL03-3812-7111(代表)
講演?  (13:10〜14:10)
「皇統維持に関する世論操作を許さない」
         講 師 : 空花正人氏(つくる会東京支部顧問)
講演?  (14:20〜15:50)
「令和の御代は、日本−皇室が危機に直面する」
講 師 : 加瀬英明氏 (つくる会顧問・外交評論家)
会費    研修会  1,500円(予約優先で先着 概100名様まで)
 懇親会  4,000円(予定) (予約制で 先着 30名様まで)
主催     新しい歴史教科書をつくる会 東京支部
<連絡先> 加藤幸太郎 TEL090−9244−2096
FAX 03−5993−1287
2740kxuy@jcom.zaq.ne.jp

     
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「の」に賭けた初入閣
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     渡部 亮次郎

建国記念「の」日が初めて施行された昭和42(1967)年2月11日。その時園
田直(すなお、故人)は衆院議員当選既に9回なのに未入閣で衆院副議長
のまま。しかも4日後に副議長に再選と言う椿事。

だが佐藤栄作首相は、園田の異能ぶりに感服していた。忘れずにこの年の
11月25日に行った第2次内閣の第1次改造で厚生大臣に抜擢した。園田は53
歳の初入閣だった。

「建国記念の日」と定められた2月11日は、かつて紀元節という祝日で
あった。

紀元節は、『日本書紀』が伝える神武天皇が即位した日に基づき、紀元の
始まりを祝う祝日として、1872年(明治5年)に制定された。

この紀元節は、1948年(昭和23年)(連合国による占領下)に制定された
「祝日に関する法律」附則2項で、「休日ニ關スル件」(昭和2年勅令第25
号)が廃止されたことに伴い、廃止された。

しかし独立を果たす1951(昭和26)年頃になると紀元節復活の動きが見ら
れ、1957年(昭和32年)2月13日には、自由民主党の衆院議員らによる議員
立法として、「建国記念日」制定に関する法案が提出された。

とはいえ、当時野党第1党の日本社会党が、この「建国記念日」の制定を
「戦前回帰、保守反動の最たるもの」と非難・反対したため成立しなかっ
た。

1957年8月2日、神社本庁、生長の家、郷友会、不二歌道会、修養団、新日
本協議会などの右翼団体は紀元節奉祝会(会長:木村篤太郎)を結成して
推進を画策した。

しかし、その後9回、法案提出と廃案を繰り返しただけだった。これに目
を付けたのが1965(昭和40)年12月20日、第45代衆院副議長に選出された
熊本県天草選出の園田直だった。

社会党国対委員長石橋政嗣(まさし=長崎選出}と密かに手を組み、建国記
念「の」日にして「2月11日」を国会ではなく政令で定めるなら反対しない
と言う妥協案を創り上げた。

名称に「の」を挿入して「建国記念の日」とすることで、“建国されたと
いう事象そのものを記念する日”であるとも解釈できるように修正したの
である。1966年(昭和41年)6月25日、「建国記念の日」を定める祝日法
改正案は成立した。

同改正法では、「建国記念の日 政令で定める日 建国をしのび、国を愛
する心を養う」と定め、同附則3項は「内閣総理大臣は、改正後の第二条
に規定する建国記念の日となる日を定める政令の制定の立案をしようとす
るときは、建国記念日審議会に諮問し、その答申を尊重してしなければな
らない」と定めた。

建国記念日審議会は、「粋人」菅原通済を会長に学識経験者等からなり、
総理府に設置された。約半年の審議を経て、委員9人中7人の賛成により、
「建国記念の日」の日付を「2月11日」とする答申が同年12月9日に提出さ
れた。

同日、「建国記念の日は、2月11日とする。」とした「建国記念の日とな
る日を定める政令」(昭和41年政令第376号)を公布、即日施行した。当
に「の」が自民、社会両党の妥協を成立させた。

また佐藤内閣にとっては実兄の岸信介内閣以来、歴代内閣の成しえなかっ
た事実上の紀元節復活を成し遂げたのであった。この「の」という奇策へ
の「回答」が園田の初入閣だったのである。

私はこうした経緯を当時NHK政治記者としてつぶさに取材。園田の頭の良
さにつくづく惚れた。彼が特攻隊生き残りである事も知って尊敬した。そ
うした事が後に私を外務大臣園田直の秘書官にした理由である。(文中敬
称略)2008・2・10



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皇室を政治利用してはならないと自戒する
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              櫻井よしこ

「昭和天皇の御心を正しく受けとめるとともに皇室を政治利用してはなら
ないと自戒する」

今年元旦、「朝日新聞」は1面トップで「昭和天皇直筆の原稿見つかる」
とスクープした。昭和60年頃から病に臥せられる63年秋頃までの御製、
252首が確認されたとの報道だった。

内、未発表の御製は211首あった。しかも昭和天皇の直筆で残されてお
り、同月7日には詳細が続報された。

ところが約4カ月後、雑誌「Hanada」6月号が「直筆御製発見 昭和
天皇の大御心」と題して「世界日報」編集局長、藤橋進氏の論文を掲載し
た。世界日報は朝日新聞が報ずる「かなり前に」昭和天皇の直筆原稿を入
手し、調査を進めていたという。両方を較べ読めば、昭和天皇の息遣いを
より近くより深く感じさせるのは藤橋論文である。

藤橋氏は、昭和天皇が乃木希典学習院院長(元陸軍大将)から教わった質
実剛健の精神を生涯守り通したこと、そのひとつの事例が、発見された御
製の資料にも見られると指摘する。

資料の中に縦8.8〜15センチメートル、横7.5〜10.5センチメートルのメモ
用紙8枚がある。小さいものは手のひら程の大きさだ。昭和天皇はその裏
にもお歌を書きつけていらした。メモ用紙には紙を貼り合わせたものもあ
るという。1枚の紙も無駄にしないお姿は乃木大将の教えの質実剛健その
ものである。

Hanadaは鉛筆書きの直筆原稿の写真を何枚も掲載したが、その字体
から昭和天皇のお人柄が伝わってくるようだ。昭和天皇の字体と話し言葉
には共通項があるように感ずる。質朴で飾るところがない。無駄もなく率
直だ。まっすぐ核心に迫る趣がある。

多弁でも能弁でもなかった昭和天皇にとって和歌は心の真実を表現する重
要な手段だったと思われる。ご生涯で約1万首を詠んだとされるが、今回
発見された御製の中には香淳皇后についてのお歌が4首ある。いずれも愛
情と思いやりに満ちている。

「露台にてきさきと共に彗星をみざりしこよひ(は)さびしかりけり」

体調をくずしていらした香淳皇后と一緒に彗星を見ることができない寂し
さを率直に表現していらっしゃる。4首すべてに「さびし」「かなし」と
いう言葉が入っている。香淳皇后への深い愛情の、少年のように純粋で率
直な発露だと受けとめた。

昭和天皇は政治家についてただひとり、岸信介元首相について詠まれ、3
首残された。

「國の為務たる君(は)秋またで 世をさりにけりいふべ(ぐれ)さびしく」

「その上にきみのいひたることばこそおもひふかけれのこしてきえしは」

「その上に深き思ひをこめていひしことばのこしてきみきえにけり(さり
ゆきぬ)」

この部分の欄外には「言葉は聲なき聲のことなり」と書かれている。昭和
35年の安保改定でデモ隊が国会を取り囲んだとき、岸首相は「デモの参加
者は限られている。(中略)私は『声なき声』に耳を傾けなければならな
いと思う」と語ったことを当然思い出す。「岸首相の孤独な戦いへの深い
同情を詠まれた」と、藤橋氏は解説したが、同感である。

作家の半藤一利氏は昭和天皇が岸首相を評価していたのかと「複雑な気持
ち」「日米の集団的自衛権を定めた安保改定に賛成の気持ちを持っておら
れたのだろうか」「心から驚いている」と朝日新聞にコメントした。

昭和天皇はひたすら国民の幸せと国家の安寧を願われ、立憲君主国の君主
として、国の安全を大きな高い視点から考えられたにすぎない。また、
「国がらをただ守らんといばら道すすみゆくともいくさとめけり」とも詠
まれたように、日本の国柄の大事さも考えておられた。昭和天皇のこの御
心を正しく受けとめたい。同時に、殊更にそのことを主張して皇室を政治
利用してはならないと自戒するものだ。
『週刊ダイヤモンド』 2019年5月25日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1280

   
     
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重 要 情 報
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◎特殊詐欺の電話がかかってきた:前田正晶

我が家の固定電話は「ナンバーデイスプレー方式」にしてあるので、登
録していないかあるいは知らない番号からの電話には出ない。だが、この
電話は私の名義で二つ持っている旧式の携帯電話で家内が使っている方に
かかってきた。二人で一瞬迷ったが、表示された番号が携帯電話だったの
で、もしかして知人からかもと思って出てみた。すると「水道工事の会社
で何とかかんとか申しますが、そちら様はこの電話番号で宜しかったで
しょうか」という近頃広く使われている妙な言葉遣いで話しかけてきた。

そこで「これは例の電話だな」と直感したので、「何処の誰にかけている
のか。第一”宜しかったでしょうか“という言葉遣いは何だ」とからかって
みると困惑したような声で「そちら様は板橋区でしょうか」と間抜けなこ
とを言い出したので、問答無用で切ってしまった。携帯電話の番号だから
と思って取った方も迂闊だったが、この種の電話があのような導入部で話
しかけてくっるという経験が出来ただけでも貴重だったかも知れない。

結論としては「矢張り、未登録か知らない電話番号からかかってきた電
話には絶対出てはならない」という大原則を再確認したのだった。今回は
携帯電話にかけてきたので、相手の番号が解ったが、固定電話の場合は
「ナンバーデイスプレー方式」にしておく方が安全である点も再確認出来
たのだった。更に言えば「彼らには携帯電話から携帯電話にかけてくる」
という手もあると知り得たのだった。面白かったのは、かけてきた奴は我
が家が何処にあるのかを知らぬようで「板橋区でしょうか」と言っていた
のも興味ある現象だった。ではあっても反省すべき点があった経験だった。


◎“八方塞り”中国&北朝鮮に対応迫る日米首脳会談
長谷川幸洋「ニュースの核心」

ドナルド・トランプ米大統領夫妻が25日から28日まで、国賓として日本を
訪問している。元号が「令和」に変わってから、初めて天皇陛下に会見す
る外国の元首夫妻になる。

トランプ氏は滞在中、安倍晋三首相と会談し、米中貿易戦争や朝鮮半島情
勢などについて意見交換する予定だ。今回の来日をどうみるか。

日本にとっては、米国との強固な同盟関係を世界にアピールする最高の機
会になる。安倍首相は先月末、米国を訪れて、トランプ氏と会談したばか
りだ。大統領は6月末に大阪で開かれるG20(主要20カ国・地域)首脳会
議でも来日し、安倍首相と会談する。

月に1回のペースでトランプ氏と会談する形になる。世界を見渡しても、
これほど強い米国との絆はない。

まして東アジアでは、文在寅(ムン・ジェイン)政権の韓国が、北朝鮮に
接近して「米国離れ」の気配を示しているから、なおさらだ。「日米vs
中朝+韓」の構図が強まるなか、これから韓国をどう扱うかは安倍・トラ
ンプ会談の焦点の1つになる。

そんな韓国はもちろん、中国と北朝鮮も日米会談の行方には気が気でない
だろう。

中国は貿易問題で米国と激しく対立している。トランプ政権の制裁強化に
対し、中国はすぐさま報復に出たが、どう見ても中国に勝ち目はない。そ
もそも、中国の米国からの輸入量が米国の輸入量に比べて4分の1程度し
かないのに加えて、米国からみれば、多くの中国製品は他国製品で代替可
能であるからだ。

その証拠に、制裁合戦の結果、中国の物価は上昇したが、米国の物価は上
がっていない。なぜかといえば、中国の生産者は他国製品に振り替えられ
たら、完全に市場を失ってしまうので、米国が課した制裁関税分を値下げ
せざるを得なかったのだ。

一方、中国が米国から輸入している製品は他国製品に振り替えできず、関
税分を価格に転嫁し値上げした。結局、中国の生産者が制裁関税のコスト
を負担する一方、米国は関税収入分が丸もうけである。中国は「ボロ負
け」だ。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は先月、年内に
「3回目の米朝首脳会談に応じる用意がある」との声明を出した。ところ
が、一方で5月に入ると、短距離の弾道ミサイルを2度、発射した。

これでは、米国は痛くもかゆくもない。国内の強硬派をなだめるために、
何かせざるを得ないが、「これくらいなら大統領を怒らせないだろう」と
いう中途半端な行動だ。逆に言えば「私も困っている。どうか、私ともう
一度会ってください」というラブコールにほかならない。

一言で言えば、中国も北朝鮮も「八方塞がり」に陥っている。トランプ政
権は相手が制裁に音を上げて動くのを待っていればいいだけだ。北朝鮮に
よる日本人拉致問題では、安倍首相も相手の出方待ちだ。無条件で正恩氏
との会談に応じる姿勢を示しているのは、呼び水である。

日米首脳会談は双方が基本認識を確認したうえで、中国と北朝鮮に対し
て、「ボールはそちら側にある」と対応を迫るかたちになるだろう。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉
県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修
了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説
に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務める。著書『日本
国の正体 政治家・官僚・メディア−本当の権力者は誰か』(講談社)で
山本七平賞受賞。最新刊に『明日の日本を予測する技術』(講談社+α新
書)がある。

【写真】 安倍首相(左)と、トランプ大統領は信頼の絆で結ばれている
安倍首相(左)と、トランプ大統領は信頼の絆で結ばれている。
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【ZakZak】 2019.5.25 〔情報収録 − 坂元 誠〕

◇◆◇写真映像情報網◇◆週刊AWACS 2019年5月26日◇◆◇◆◇

▼唸声一言/自衛隊に宇宙領域専門部隊

ミサイル攻撃だけでなく、ミサイル防衛にも位置情報は必須であり、人工
衛星ととともにコンピュータ・通信を制する者が地上権を制することにな
るでしょう。我が国では口先平和に長く馴染んでしまったために、宇宙開
発も進んではいるものの軍事開発ではありません。

国際法など守らない中国が着々と宇宙にも手を伸ばしています。それとと
もに通信とコンピュータ技術の進歩獲得は米国と並ぶところまで来ている
と言っても過言ではありません。宇宙空間を占領し、通信をハッキングさ
れたら、我が国は何の手をうつこともなく、中国に乗っ取られるでしょ
う。クリミヤがロシアに乗っ取られたのと同じです。遅すぎたとは言え、
何もしないのは論外、しかし、自衛隊は国民から受け入れられているにも
拘わらず、一部の政党や知事などには認められていない現実があります。

それ故の最低限の憲法改正となりましょうか。確かにもっと本質的な改正
が必要ですが、それではいつになるのか分かりません。こうして宇宙領域
専門部隊が創設されることで、日本国民が少しは我が国を取り巻く状況が
大きく変わってきていることを理解してもらいたいものです。

では、今週号をお楽しみください。

https://ameblo.jp/unarigoe/entry-12463899198.html

2019/5/26 唸声


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身 辺 雑 記
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28日の東京湾岸は曇天。
27日の東京湾岸は快晴、散歩は爽快だった。夕方、家人の次姉のおごりで自由が丘の焼き肉店。


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