政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針5051 号  2019・5・21(火)

2019/05/21

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わたなべ りや うじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5051号
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        2019(令和元年)年 5月21日(火)



           米中貿易戦争、高関税は序の口:宮崎正弘

           浜辺の歌」の取材であわや:渡部亮次郎

       昭和天皇が戦後占領下で発した詔勅:櫻井よしこ    
      
          
                      話 の 福 袋    
                       反     響
                      身 辺 雑 記



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米中貿易戦争、高関税は序の口
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)5月19日(日曜日)
          通巻第6084号 
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 米中貿易戦争、高関税は序の口、これからが本番だ
  5G開発で後れを取った米国勢、日本はお呼びではなかった
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 ▲5G特許をめぐる競争は数年前から熾烈化していた。

ファーウェイ排除の前段階からの米中激突の経過を振り返ろう。
 
2018年春に習近平がトランプに直接電話をかけて、泣きついたとかの情報
があるほど、ZTE(中興通訊)へのインテルの半導体供給停止処分は衝
撃的かつ死活的だった。ZTEはインテルからの半導体供給が止まり、ド
ル箱だったスマホの組み立てが不可能になって倒産しかけたのだ。
 
ZTEはイランへの不正輸出がばれて、7年間の取引停止を言い渡された
ばかりだった。

トランプの次の手は中国への半導体製造装置の輸出禁止だった。
 
これで福建省晋華集成電路(JHICC)は、せっかく工場を新築したの
に、操業不能となった。台湾から来ていた百人のエンジニアも路頭に迷
い、鳴り物入りの最新鋭工場は閑古鳥、まもなくペンペン草がはえるので
はないか。

完全なるファーウェイ排除となれば、中国として生き残る道は部品の国内
生産しかない。半導体の自製化である。

日米はともかく、中国はスマホ、基地局の輸出先を欧州とアフリカならび
にミャンマーなどアジアの発展途上国の市場に置き換えている。東チモー
ルの山奥や、ミャンマーの辺疆へ行っても現地人がファーウェイを使って
いた光景を目撃したが、驚きである。

そのうえファーウェイは、最悪シナリオに備え、半年分の生産に必要な部
品をしずかに備蓄してきた。昨秋にぴたりと停まった日本への発注が突如
ぶり返していたのは、部品備蓄が目的だったのだ。

鴻海精密工業は董事長の郭台銘が次期台湾総統に立候補するなどと息巻い
たが、中国の主力工場から大量のレイオフをなし、インドなどへの工場移
転を発表した。また一部は台湾へ復帰するとした。

米中貿易戦争は凄まじい突風となって全中国に吹き荒れ、一部、共産党の
高官は「GDPの1%減となるだろう」と予測するが、1%ではなく、
10%の悪影響がすでにでている。中国の株式市場は暴落寸前で、5月5日
から17日までに深セン株式市場で7・5%の下落、上海株式市場で5・
6%の下落となった。

遅きに失したが、中国は半導体に自製化を本格的に稼働させる。なにしろ
インテルとクアルコムからファーウェイのみならず業界3位の小美(シャ
オメイ)も、廉価販売のOPPOも、半導体の供給を受けてきたのだか
ら、今後、生産が直撃弾を受けることになる。

習政権は、半導体内製化に発破をかけ、開発メーカーなどが赤字であって
も、株式市場から資金を調達しやすいように上場を急がせる方向にある。


 ▲5G特許の「出願件数」で中国は米国を抜いた

5G開発競争で、たしかに中国は「特許出願」の件数において世界最大で
ある。あくまで「出願」で、特許が「成立」した件数でないことを留意し
た上で、次の一覧を眺めてみよう。
 
5G必須特許出願の企業別シェアは、ドイツの「IPリッテクス社」の調
査に拠ると、

 ファーウェイ(中国)      15・05%
 ノキア (フィンランド)    13・92
 サムソン (韓国)       12・74
 LG (韓国)         12・34
 ZTE(中国)         11・70
 クアルコム(米国)        8・19
 エリクソン(スウエーデン)    7・93
 インテル(米国)         5・34

明らかに米国並びに北欧が劣勢にあり、中国の大手二社で34%強。世界
の3分の1を占める。日本企業と言えば、「まるでお呼びでない」。

ただし、中国勢の特許出願は基地局に関する技術が殆どである。だが、一
見優勢にみえる中国の5G開発には幾つかの深刻な問題点がある。

第一に「出願」と「成立」した特許とをよくよく吟味しなければならな
い。出願が多くとも、特許として認められるかは別の問題である。

第二に5G技術は4Gの上に成立するのである。つまり4G特許は圧倒的
に米国クラルコムが保有する上、5Gは、4G特許へのロイヤリティ支払
いを前提とする。だから中国はダミー(シンガポール籍のブロードコム)
を使って、クアルコムの買収に、史上空前の買収金額を示して乗っ取ろう
としたのだ。

土壇場でアメリカは、この中国が背後にいる野心的な買収案件に「国家安
全保障にかかわる」として拒絶するという行動にでた。
 
すでにオバマ政権時代から、中国の通信機器のスパイ行為、バックドアな
どの仕掛けによって情報が中国に筒抜けになっている「国家安全保障上の
脅威」は情報関係者から指摘されていたが、オバマ政権はなにも手を打た
なかったのだ。

米下院情報委員会は報告書を作成して「ファーウェイ、ZTEなどの通信
機器は中国のスパイ活動ならびにサイバー攻撃に悪用される可能性が高
い」と警告したため、ようやくオバマ大統領は2013年の米中首脳会談にお
いて「経済スパイ行為をしない」という合意をしたが、中国はこれをまっ
たく無視してきた。


 ▲クアルコムとアップルの特許訴訟、突如、和解へ

さらに重要な変化がアメリカで起きた。アップルとクアルコムは特許使用
料問題で深刻な特許裁判を展開していた。アップルがクアルコムの特許が
異常に高いと難詰し、合計270億ドルの訴訟を米国メーカー同士でいがみ
あい、このためアップルは5G製品の発表が出来ず、このまま行けば
ファーウェイ独走を許すことになる情勢にあった。

「アメリカ企業同士があらそっている場合か」と政府や議会、株主、メ
ディアから叩かれ、急転直下の和解。これでアップルの5G参入に目処が
立った。

米国企業が認識する中国の脅威とは、次期ハイテクで中国の後塵を拝する
ような事態が目前に迫り、焦燥がつのった背景がある。とくに習政権が
「2015 中国製造」を打ち上げたときに、アメリカは脅威を深刻に認識した。

2017年1月に発足したトランプ政権はホワイトハウスに特別対策室を設置
し、ハイテクに明るい専門家を急遽寄せ集めて、リストを作ってきたのだ。

当時、ホワイトハウスを訪問した加瀬英明氏から同年夏ごろに直接聞いた
のだが「技術の専門家のデスクがもの凄く増えている」。トランプ政権は
発足直後から、この問題に対応するチームを直轄してきたことになる。


 ▲世界の株式市場から時価総額250兆円が蒸発した

2019年5月10日、トランプ大統領は、追加関税増額措置(2000億ドル分の
中国製品に25%の高関税)を発表、続けて同月15」日、ファーウェイへの
部品供給を事実上とめる「非常事態宣言」の大統領令に署名した。「中
国」と名指しはないが、だれが見ても中国製品の流入阻止が目的であるこ
とは明瞭だ。

同時に米商務省は「ELリスト」を作成し、およそ68社をその対中禁輸リ
ストに挙げた。

このため株式市場は大混乱に陥った。世界すべての株式市場から時価総額
に直して、約250兆円が蒸発した

 ァーウェイは世界68社から年間670億ドルにおよぶ部品を購入してき
た。日本からは村田製作所、東芝メモリィ、日本電産、ローム、
SONY、三菱電機など電子部品、カメラ11社、アメリカはインテル、ク
ラルコム、マイクロソフト、ブロードコムなど、じつに33社、そして台湾
と韓国からで、中国でファーウェイに部品を収めてきたのは京東方科技集
団、BYDなど25社に過ぎなかった。

むろん、米国企業をも直撃する。

トランプの支持基盤である中西部では穀物輸出の農家、穀物商社が輸出減
に悲鳴をあげた。サイロも、バージ船のターミナルも物流に混雑する風景
はなくなり、中国でもターミナル、コンテナヤード、倉庫に行き交う
フォークリフトの数が顕著に減少し、とくに倉庫スペースは空きが目立つ。

一度は米国復帰を宣言していたハーレー・ディビットソンは対中輸出が難
しくなるため、4月23日、ウィスコンシン州からタイへ工場移転を決めた。
 
半導体を供給し、中国で組み立ててきたスマホ、とりわけアップルのi
フォンは激甚な直撃を受け、米国内での販売価格は150ドルほど高くなった。

5月初旬の株価下落率でワースト銘柄は半導体のインテル(10・7%の暴
落)、化学材のデュポン(9・8%)、半導体のエヌビディア(7・
8%)、アップル(6・9%)、動画配信のネットフリックス(6・
2%)という具合だった。

アメリカも中国も高関税適用対象からライフラインのかかわる品目を外し
てきたが、とくに中国は豚肉、食料などの税率を据え置いた。報復で中国
が高関税をかけたのは、ガスなど米国以外の輸入代替国があるものに限ら
れた。

一方、米国も消費財(傘とか、スポーツシューズ、PC、スマホ)への関
税を据え置いてきたが、これらも第四次報復関税が発動すれば対象となる。

米中貿易戦争、まだまだ先の見通しが不透明だ。

     
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1896回】       
――「民國の衰亡、蓋し謂あるなり」――渡邊(8)
渡邊巳之次郎『老大國の山河 (余と朝鮮及支那)』(金尾文淵堂 大正
10年)

             ▽

撫順炭鉱の苦力宿泊所を覗く。彼らは「其得る所の賃金は多く之を賭博に
費やす」のであった。彼らを取り纏める「把頭」と呼ばれる中国人の人足
頭は妻帯し、「權力と高給とによりて、猶人らしき生活を樂み得べしと雖
も」、苦力には賭博程度の楽しみしかない。

「上半身裸體の炭塵に汚れたる儘」で「頭を衝き合ひつゝ、嚴禁せる賭博
に耽る」。賭博を発見した「年少日本人監督のために棍棒を以て叱咤打擲
せらるゝも怒らず、驚き且笑つつて蜘蛛の子を散らすが如く逃げ去る」の
であった。

そんな有様を目にした渡邊は、「窃に惻隠の情を催さゞるを得ず。其生活
の寧ろ動物的にして、彼等の自覺の百年河清を俟つよりも望み難かるべ
し」と綴る。

こういう場面に出くわした際、おそらく欧米列強の支配者は「窃に惻隠
の情を催」すことなく、躊躇せず断固として厳罰で臨んだはず。殖民地の
被支配者に「窃に惻隠の情を催」していた日には殖民地経営なんぞできな
い、と嘯きながら。きっと、そうに違いない。

撫順から奉天を経由して南下し、山海関を越えて北京へ。

北京では初期の陸軍支那通を代表する青木宣純中将(安政6=1859年〜大
正13=1924年)に会っている。因みに、青木が北京政府応聘の軍事顧問と
して黎元洪総統の近くにあったのは1917(大正6)年1月から1923(同12)
年1月までである。

「温容一野翁の如き風貌」の青木によれば、「支那の戰爭と稱するもの、
聲容を以てし、文書を以てし、電報を以てし、必ず殺傷相當るが如き激烈
なる鬪爭に出づるにあらざるをや、風雲の動くところ安心すべからず」と
説く。

話が佳境に入る直前、客人が来たということで渡邊は青木の許を辞去して
いる。これから青木が何を話そうとしたのか。大いに興味をそそられると
ころだが、青木や坂西利八郎以下の陸軍支那通、それに大陸浪人の功罪に
ついては、いずれ詳細に論ずることにして、今は渡邊の旅を先に進みたい。

渡邊は明朝歴代皇帝を葬る十三陵、居庸関、弾琴峡、長城(八達嶺)な
どを回るが、「初めて支那人の盗癖の油斷ならざる」を知る一方、「支那
人の衣服纏ふの嚴にして、婦人は全く皮膚を露出せず、男子は上半身を露
出すると雖も、斷じて腰部以下を示さず、少年童女と雖も亦相同じく、女
兒は決して胸背並びに乳房を暴露せず、村落の間亦此習慣を存せる」を
知ったと記す。

さらに足を中国本部と外蒙との接点に位置する張家口まで伸ばす。「人口
六萬五千を有する北京以北唯一の商業地」とはいうものの、やはり旅館に
は閉口したらしい。

「當惑したるは便所の設備の不完全なり。大便所は外壁ありと雖も、入
口に戸あるにあらず、各箇の間に隔壁障陛屏あるにあらず、諸人偶然同時
に會せんか、相並んで脚を接して相見つゝ便せざるべからざるの奇劇を演
出すべし。從つて余等夜中若くは?旦人なき時を窺つて之を爲すの道を取
れり」。

「人口6萬5千を有する北京以北唯一の商業地」でこれだから、他は押し
て知るべし。とはいえ、これがスタンダードだから我慢、ガマン、我慢、
ガマン、我慢・・・である。

張家口郊外の農村を歩き「鮮人の深入此の地方に及べるか」と綴る。出
稼ぎ農民か。入植者か。彼らの進出と日本の影響力拡大は重なっているの
か。彼らは独自に黄塵万丈の地まで進出したのか。確かに「木は動かせば
死ぬが、ヒトは動かすと活き活きする」ものだ。

張家口から北京に戻り故宮内の武英殿で「清朝鐘愛の珍寶」を見る。

其輸送の間、多くの僞物と交換せられ」て、最後は権勢家に私蔵されてし
まう。彼らこそ「獨り國寶を私するのみならず、又國家國民を私して其存
亡消長を雲烟に附するの徒なり。而して民國此等の徒に富む、民國の衰
亡、蓋し謂あるなり」。
ニセ国宝、ニセ国家に、ニセ国民・・・?《QED》
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★読者の声 ★READERS‘ OPINIONS ★どくしゃのこ 
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(読者の声1)「中共の混乱に備える」

新聞によると中共の国民の年平均収入は100万円に達したという。

これをもって良かったという人もいるだろう。しかし社会心理学の分析で
は、社会動乱は生活が良くなると逆に起こりやすいという。

フランス革命やロシア革命もそうだった。これは不満が増大するからだ。
靴を履いていなかった人が靴を買うと、もっと良い靴を履いている人を嫉む。

腕時計を持っていなかった人が腕時計を持つと,もっと高価な腕時計を持
つ人を嫉む。以前は縁が無いと思っていた世界が目に入り欲望と同時に不
満に火が付くのだ。

ということで、中共社会は生活の向上で皮肉にも何時でも火が付く状況に
なってきたのではないか。この解決は普通選挙法の実施しかない。欲求不
満を内部で相殺させるのだ。

しかし独裁体制ではこのガス抜きが出来ない。圧力鍋状態になってゆく。
すでに追い詰められた共産党独裁政権は、仏教寺院まで破壊して、モグラ
叩きに必死だ。しかし共産党幹部まで共産主義を信じている人はいない。
共産主義は「裸の王様」だ。

そして中共内外にすでに王様は裸だと指摘する子供が現れている。正統な
権威は暴力では維持できない。あとは時間の問題だ。ガス抜きして軟着陸
するか。それとも、である。どうなるか分からない。

なお習近平が共産独裁政治を文化といっているが8千万人も殺した政治が
文化だとすると恐ろしい。日本は再軍備を固めるべきである。憲法棚上げ
特例法で再軍備だ。(落合道夫)


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浜辺の歌」の取材であわや
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      渡部 亮次郎

歌謡歌手の岩崎宏美がNHKのラジオ」深夜便で「浜辺の歌」を歌った。この
時間には「琵琶湖周航の歌」を舟木一夫が、「浜千鳥」を森繁久弥が歌って
いた。「歌謡歌手の歌う叙情歌」だった。

その中の一曲「浜辺の歌」の取材であわや一命を取り落とすところだった
22歳の秋を思い出した。

私は大学を出てNHK秋田放送局に就職。1968年だった。6月からは大館
駐在の記者として、市役所前の下宿を根城に秋田県北部全体のニュースを
カバーしていた。

そうしたある日、米内沢(よないざわ)で作曲家、故成田為三の記念音楽
祭がある、と聞いた。まだテレビが地方まで普及していない時代。音楽祭
というのはどんなのか知らないがラジオにとってはうってつけの素材だろう。

ところが下宿で調べると録音テープが底をついているではないか。早速秋
田の局へ電話して、客車便で送ってもらう手配をした。夜9時ごろの奥羽
線下り急行で大館駅に到着することになった。

大学を出てまだ1年目とはいえ、既にいっぱしの酔客になっていた。急行
が到着するまで時間がある。一杯飲み屋で日本酒を飲み始めた。
銚子で2−3本は確かに飲んだ(酔った)。

時計を見て、自転車に跨った。坂道を下って駅を目指した。間もなくタク
シーにはねられて道端に吹っ飛んだ。新品の自転車はくちゃくちゃ。そこ
は坂下の十字路。確かに即死しても可笑しくなかったが、起き上がってみ
たら、額に小さな瘤ができているだけで亮次郎はちゃんと生きていた。

多分、酔っていたために無抵抗だったのがよかったのだろう。翌日は汽車
で米内沢をめざし、音楽祭の一部始終を録音して事無きを得たのであっ
た。デスクには秘匿した。老齢になって初めて人に語る真実である。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、成田 為三
(なりた ためぞう)は1893(明治26)年12月15日―1945(昭和20)年10月
29日)秋田県出身の作曲家。

秋田県北秋田郡米内沢町(現在の北秋田市米内沢)の役場職員の息子とし
て生まれる。1909(明治42)年、鷹巣准教員準備場を卒業、秋田県師範に
入学。同校を卒業後鹿角郡毛馬内小学校で教鞭を1年間執る。

1914(大正3)年、上野にある東京音楽学校(現在の東京藝術大学)に入
学。在学中、ドイツから帰国したばかりだった在野の山田耕筰に教えを受
けた。1916年(大正5年)頃、『はまべ(浜辺の歌)』を作曲。

1917(大正6)年に同校を卒業。卒業後は九州の佐賀師範学校の義務教生
をつとめたが、作曲活動を続けるため東京市の赤坂小学校の訓導となる。
同時期に『赤い鳥』の主宰者鈴木三重吉と交流するようになり、同誌に多
くの作品を発表する。

1922(大正11)年にドイツに留学。留学中は当時ドイツ作曲界の元老と言
われるロベルト・カーンに師事、和声学、対位法、作曲法を学ぶ。

1926(大正15)年に帰国後、身に付けた対位法の技術をもとにした理論書
などを著すとともに、当時の日本にはなかった初等音楽教育での輪唱の普
及を提唱し、輪唱曲集なども発行した。

1928(昭和3)年に川村女学院講師、東洋音楽学校の講師も兼ねた。
1942(昭和17)年に国立(くにたち)音楽学校の教授となる。1944(昭和
19)年に空襲で自宅が罹災、米内沢の実兄宅に疎開する。生家は阿仁川へ
りにあったが1959(昭和34)年に護岸工事で無くなっている。

実家で1年の疎開生活を送った後、1945(昭和20)年10月28日に再び上京
するが、翌日脳溢血で53歳の生涯を閉じる。葬儀は玉川学園の講堂で行わ
れ、国立音楽学校と玉川学園の生徒によって「浜辺の歌」が捧げられた。

遺骨は故郷の竜淵寺に納骨された。故郷の米内沢には顕彰碑が建てられ、
「浜辺の歌音楽館」で為三の業績を紹介している。

「浜辺の歌」や「かなりや」など歌曲・童謡の作曲家、という印象が強い
が、多くの管弦楽曲やピアノ曲などを作曲している。しかし、ほとんどが
空襲で失われたこともあり、音楽理論に長けた本格的な作曲家であったこ
とはあまり知られていない。

愛弟子だった岡本敏明をはじめ研究者の調査では、作品数はこれまでに
300曲以上が確認されており、日本の音楽界で果たした役割の大きさが再
認識されつつある。2012・5・1





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昭和天皇が戦後占領下で発した詔勅
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           櫻井よしこ

「昭和天皇が戦後占領下で発した詔勅の意味を汲みとることが令和時代の
課題だ」



御代替わりと長い休日で沢山の本を読んだ。その1冊、『昭和天皇 二つ
の「独白録」』(東野真著、NHK出版)は1997年6月放送の「NHKス
ペシャル」を基にした作品だ。NHKの報じる歴史物にはおよそいつも独
特の偏りと臭気を感じるが、約20年前に出版された本書も例外ではない。
それでも考えさせられる著作だった。

「昭和天皇独白録」といえば、90年12月号の「文藝春秋」のスクープを思
い浮かべる。東野氏は他にも「独白録」が書かれていたことを明らかに
し、その作成は東京裁判において天皇無罪を確定させるための対策だった
とする。

そうした動きの背景には、昭和天皇に対する厳しい米国世論があった。45
年6月のギャラップ世論調査では「処刑せよ」が33%、「裁判にかけろ」
が17%、「終身刑」が11%、「追放」が9%で、70%が強い敵愾心を抱い
ていた。東京裁判終了後も厳しい感情は消えず、50年3月の同世論調査で
は、「天皇を戦犯として裁くべし」が53%だった。

皇室を潰し、国柄を断ち切ってしまいかねない米国国民の激しい対日感情
をどのように回避し得るのか、先人たちが重ねた苦労は測りしれない。

国民統合の中心に天皇を戴く形を辛うじて守ったとはいえ、日本の国柄と
はほど遠い現行憲法を受け入れるなど、先人たちは苦渋の選択をした。し
かも、占領下で日本に強要された無理難題の真実は、厳しい検閲制度ゆえ
に国民は知るべくもなかった。

こうした戦後体制をどう考えるか、昭和天皇のお言葉が東野氏の著書に出
てくる。それは「昭和天皇独白録」をほとんど一人で速記してまとめた内
記部長、後に侍従長を務めた稲田周一の備忘録中のお言葉だ。

46年8月14日、終戦記念日を前に陛下が首相ら閣僚を前に、述べられた以
下の件である。

「戦争に負けたのはまことに申訳ない。しかし、日本が負けたのは今度丈
ではない。昔、朝鮮に兵を出して白村江の一戦で一敗地に塗(まみ)れた
ので、半島から兵をひいた。そこで色々改新が行われた。之が日本の文化
の発展に大きな転機となった。このことを考えると、此の際日本の進むべ
き道も自らわかると思う」

昭和天皇が胸に描いた「此の際日本の進むべき道」は、右のお言葉の約8
か月前に発せられた詔勅に示されているのではないか。占領下で迎えた新
年の詔勅を昭和天皇は以下のように始められた。

「ここに新年を迎える。顧みれば明治天皇 明治の初国是として五箇条の
御誓文を下し給えり」

その後に昭和天皇は五箇条の御誓文全文を続けられた。後年、この件につ
いて、五箇条の御誓文を国民に伝えるのが詔勅の「一番の目的」だった、
「民主主義を採用したのは、明治大帝の思し召しである」「民主主義とい
うものは決して輸入のものではないということを示す必要が大いにあっ
た」と語られている。

民主主義は米国からの輸入ではない、五箇条の御誓文に示されているよう
に、明治以来日本が高々と掲げた価値観である。国民は祖国を信頼し、自
信を持ってよいのだと仰ったのだ。敗戦したからといって、祖国を恥じる
必要はないとのお考えでもあろう。

憲法は国柄を表現するもので、国の基いである。昭和天皇や先人たちは、
前述のように他に選ぶ道もなく木に竹を接いだような現行憲法を受け入れ
た。私たちは70年以上、その一文字も改正できずにきた。日本はまるで米
国に魂を抜かれた操り人形のようではないか。令和の時代の課題は、昭和
天皇が発せられた占領下における詔勅の意味を真摯に汲みとることだろ
う。それが憲法改正だということはもはや説明の必要もないだろう。
『週刊ダイヤモンド』 2019年5月18日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1279 


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重 要 情 報
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◎19日のスポーツ、井上尚弥の快勝他:前田正晶

ボクシング:
WBSS(=World Boxing Super Series)の準決勝で井上尚弥がプエルトリ
コのエマヌエル・ロドリゲスと対戦することは承知していたが、何時のこ
とだったかまでには注意していなかった。ところが、昨19日の午後7時頃
にPCを起動してYahoo Newsを見ると、この試合は既にスコットランドのグ
ラスゴーで現地時間の18日に開催されていて、井上が2回でTKO勝ちしたと
報じられていた。そのこと自体は大変結構な事だと思った。

だが、我が国のボクシング連盟か現地で取材していたフジテレビの手落ち
で、8時間の時差がある我が国への結果の報道を19日の放送予定時刻であ
る21時まで待たせるような話し合いが出来ていなかったようだった。それ
で、私はフジテレビの番組が始まる前に、井上が2回に3度も不敗を誇るロ
ドリゲスをダウンさせて、レフェリー・ストップで勝っていたと承知して
しまったのだった。

こういう手落ちというか不手際はゴルフの中継放送には良くある事だが、
昨年だったか女子のプロゴルフの所謂メージャー大会では「テレビ中継の
録画放送前は、協定によりネットでの試合結果はテレビが終わる前には報
道しない」と出たことすらあった。尤もな措置だと思って見ていた。それ
に引き換えフジテレビは何をやっていたのかということだ。即ち、事前に
結果を承知していて今更ながらの録画放送を番組開始から散々引っ張られ
た後で試合を見るのは確かに興醒めだった。だが、井上の勝利は観戦する
方としては矢張り快感を味合わせて貰えた。

折角ここまで来たのだから、井上尚弥には何時になるのか知らないがフィ
リピンの王者ノニト・ドネアとの決勝戦でもKOで勝って貰いたいものだ。
それにしても井上は凄いと思う。「怪物」という渾名に相応しい強さだと
思う。

女子のプロゴルフ:
ボクシングはこのような結果で大変結構だったが、その前に終わっていた
女子のプロゴルフ「ほけんの窓口レデイース」の結果は大変好ましくな
かった。最終18番ホールまでもつれ込んでいたのは良かったが、結果的に
は韓国勢の言いたくはないが「凄まじいばかり」の集中力でパッティング
を決められて、イミニョンが優勝して2,100万円を持って行かれ、申智愛
にも2位に上がられてしまった。彼らの賞金の稼ぎ振りから見れば、最早
生活を賭けている状況ではあるまいが、その勝負所でのパッティングの集
中力には驚かされる。

私は一般論として「我が国のプロゴルファーたちはアメリカや欧州勢に技
術的に劣るのは兎も角、韓国勢にまであれほどの差をつけられているのが
本当に情けない」と何時も不満に思っている。スキルも兎も角、彼らは
もっと精神力と集中力を鍛えて置くべきで「ここぞ」という時にはパット
を決めて欲しいのだ。何時まで韓国勢に貴重なスポンサーが提供して下
さった賞金を取らせる気なのか。現状を恥じて深刻に反省して、より一層
精進すべきだ。


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身 辺 雑 記
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21 日の東京湾岸は久し振りの雨、散歩は午後の延期。

猿江公園で散歩の途中、白い綺麗な花に出遭った。家人に聴くと「うつ
ぎ」というそうだ。生まれ育ったところは秋田の水田単作地帯の真ん中、
花など皆無だった。

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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
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