政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

全て表示する >

頂門の一針5047 号  2019・5・17(金)

2019/05/17



□■■□──────────────────────────□■■□
わたなべ りや うじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5047号
□■■□──────────────────────────□■■□

        
        2019(令和元年)年 5月17日(金)



      習近平が「アジア文明対話」で基調講演:宮崎正弘

               35年目の日中友好:渡部亮次郎

       玉城沖縄県知事の中国おもねり外交:櫻井よしこ
          
                      話 の 福 袋    
                       反     響
                      身 辺 雑 記



━━━━━━━━━━━━━━━━━━
習近平が「アジア文明対話」で基調講演
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)5月16日(木曜日)弐
         通巻第6080号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

習近平が「アジア文明対話」で基調講演。この「茶番劇」の評価は?
 「他文明を理解しあい、文明の共生が大切。BRIはそのためにも協力
する」だとか
**********************************

5月15」日から北京では「アジア文明対話」(亜州文明対話大会)なる、
不思議な國際フォーラムが唐突に開催された。

冒頭に習近平が基調演説をおこなったのだが、抱腹絶倒の内容だった。

習近平はまず「一つの文明の価値観を他者に押しつけるのは、破滅的かつ
愚かである」と言った。これってアメリカのことを批判するつもりらしい
が、一方的価値観を押しつけてチベットなど他の文明を破壊しているのが
自分のことだと気がついていないのだ。

「平等でお互いが差違を理解し合い、文明どうしが共存するために相互理
解を深めることが必要である」とも言った。そして「人類は運命共同体」
だとも。(いったいウィグル弾圧、民族浄化、イスラム禁止、信徒の強制
収容所での洗脳はどうなるのか?)

また「女性地位の向上、貧困の是正のため中国はソフトパワーを発揮す
る。BRIはそのためにもアジア各国に寄与するのだ」と演説した。中国
軍の南シナ海での軍事的挑発はアジアに軍事的脅威を運び、従来の秩序を
破壊した中国の責任はどうするのか、と問いただしたくなる。

要するに米中貿易戦争を「文明の衝突」だとハンチントンを身勝手に解釈
しているのだが、その底の浅い文明論理解より、周囲の学者らがこの程度
の演説草稿しか書けず、文明論のレベルの低さには深刻に憂鬱となる。

このアジア文明対話には、なぜかギリシアのチプラス首相が招かれ、また
インドの有名な俳優が出席したが、ほかに著名な文明学者もおらず、何の
ためのフォーラムなのか、組織化も拙速かつ貧弱で、出席者から不満が噴
出した。

米中貿易戦争で関税を25」%もかけられた中国が直面しているのは未曾有
の「産業空洞化」だ。

時間の問題とされる「人民元大暴落」を目の前にして、党内からは習近平
の外交に賛意も上がらず、いや、党内の雰囲気はひたすら沈黙という、不
気味で激烈な批判に遭遇している。おそらく党内の誰もが、習近平は早く
やめろと望んでいるのである。

面子を失った習近平が国内の批判を回避し、国際的な画像を演出するため
に、予定にない基調報告になったのだ、と北京の雀たちは、首を傾げつつ
論じているそうな。ただしメディアは「貴重な演説だった」「中国の国際
的地位を確認できた」などと空虚な報道をしているが。。。

そう言えば、4月のBRI国際フォーラムも、習近平の晴れ舞台になるは
ずだった。

実相はと言えば、カネが欲しい元首クラス28ケ国、それこそプーチン、シ
シ、ナゼルバエフ、ルカシェンコ、ドウテルテらが出席したが、ついに具
体的な援助予算の額を示せず、参加者は深く失望した。同時に「嗚呼、中
国のドル払底はどうやら本物のようだ」と悟った気配が色濃く残ったよう
である。

     
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★読者の声 ★READERS‘ OPINIONS ★どくしゃのこえ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)岐阜女子大学客員教授 西村幸祐先生講演「日本人を騙し
続ける、報道されない事実」

フェイクニュースの本質は「都合の悪い事実」のカットにある。贋ニュー
スで本質と事実を隠すことが目的だ。平成の御代が終わったが、歴史、安
全保障の真実が削除され続けた時代だった。西村幸祐先生がそんな歴史を
振り返り、メディアに騙されない方法を考えます。

【講師】西村 幸祐(にしむら こうゆう)先生 批評家、岐阜女子大学客員教授
西村幸祐公式サイト http://kohyu-nishimura.com 
 
昭和27年東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科在学中より「三田文学」
編集担当。「ニューミュージック・マガジン」、音楽ディレクター、コ
ピーライターを経て1980年代後半からF1やサッカーを取材、執筆活動を
開始。2002年日韓共催W杯後は歴史認識や拉致問題、安全保障やメディア
論を展開。「表現者」編集委員を務め「撃論ムック」「ジャパニズム」を
創刊し編集長を歴任。現在は一般社団法人アジア自由民主連帯協議会副会
長、岐阜女子大学南アジア研究センター客員教授、関東学院大学講師。
 著書に『ホンダ・イン・ザ・レース』『幻の黄金時代―オンリーイエス
タデイ'80s』『「反日」の構造』『「反日」の正体』『マスコミ堕落論』
『NHK亡国論』『21世紀の「脱亜論」』『日本人に「憲法」は要らな
い』『報道しない自由』『西部邁・日本への警告』など多数。共著に『イ
チローと村上春樹はいつビートルズを聴いたのか』『トランプ革命で甦る
日本』などがある。

              記

【日 時】 令和元年5月18日(土) 14時30分〜16時30分(開場:14時
05分)
【会 場】 文京シビックセンター 4階シルバーホール(文京シビックセ
ンター内)
東京都文京区春日1-16-21  03-3812-7111

交通:東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」直結or都営三田線・大江
戸線「春日駅」徒歩1分
【参加費】 事前申込:1500円、当日申込:2000円、事前申込の学
生:500円、高校生以下無料
【懇親会】 17時〜19時頃 参加費:事前申込3500円、当日申込4000円
【申込先】 5月17日21時迄にメール又はFAXにて(当日受付も可)
(懇親会は5月16日21時迄)
    FAX 0866-92-3551 E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp  
(千田宛て)
【主 催】  千田会 https://www.facebook.com/masahiro.senda.50 
   https://twitter.com/Masahiro_Senda
   FAX 0866-92-3551 E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp
【後 援】新しい歴史教科書をつくる会 岡山県支部
【次回講演会予定】
●5月19日(日)夜間 元 帝京平成大学教授 杉原誠四郎先生講演「吉田茂と
憲法改正」
 https://www.kokuchpro.com/event/71b6fee4c5cfe84c9641c796a38d0b05 
●6月22日(土)夜間 元駐ウクライナ兼モルドバ大使 馬渕睦夫先生講演会
「令和の御代が始まった―世界と日本はどうなるか」
 https://www.kokuchpro.com/event/7056b2425d5b1a8df56a99080fb708e6 
●6月28日〜30日 作家 拳骨拓史先生とモデル MAYAと周る 歴史巡り&グ
ルメ 台湾ツアー
●7月13日(土)午後 作家 宮崎正弘先生独演会「余命半年の中国・韓国経済」
 https://www.kokuchpro.com/event/c237dbd6ec09c8fc1252184030ef9cc4



━━━━━━━━
35年目の日中友好
━━━━━━━━


   渡部 亮次郎

9月29日は1972年のこの日、田中角栄総理と周恩来総理が北京の人民大会
堂で日中共同声明に調印した記念の日。35年目の日中友好を謳歌する人、
貶す人、様々であろう。

斯く言う私はNHKからの同行記者。80人の中から選ばれた10人の中の1人と
して総理機に同乗を許された「近距離記者」だった。

宿舎は市の中心部の民族飯店(ホテル)460号室。ハンガーの位置がやたら
に高く、シャワーが随分ぬるかった。聞けばソ連人たちの設計だから背丈
が違うわけだ。

つまり1949年の建国直後の中国は、ソ連の勝手な振る舞いに文句一つ言え
ない弱い立場だった。やがて毛沢東はフルシチョフと喧嘩。自力更生を唱
えたが、農業も工業も先進国に遥かに立ち遅れてしまった。

これではならじと、周恩来らの助言もあって、隣国日本の力を借りる路線
をとり始めたが、日本はアメリカの鼻息をうかがうだけで中国は焦るばか
り。佐藤首相は周恩来から毎日のように「反動内閣」と貶され続けた。

ところがアメリカ国家安全保障担当大統領補佐官のキッシンジャー氏が
1971(昭和46)年7月9日、秘密裏に中国を訪問して周恩来総理と会談「72
年5月までにニクソン大統領が中国を訪問する」。

既に帰国してから4日経っていた15日に電撃的に発表。反中国姿勢をとっ
てきた佐藤政権は当に2階に上げて梯子を外されてバカをみた。

加えてニクソンは田中内閣になった直後の8月15日には金とドルの交換一
時的停止・10%の輸入課徴金実施などのドル防衛措置(ドル・ショック}を
与えて日本を揺さぶった。

政局は「バスに乗り遅れるな」とばかり日中国交正常化を急げというムー
ドに成り、ムードに乗る田中角栄前通商産業大臣が台湾派の前外務大臣福
田赳夫氏を圧倒的に破った。

三木武夫、大平正芳、中曽根康弘の各氏が田中支持。対する福田氏は自派
のほかは残りの弱小派閥の支持しか得られなかった。なんと言っても佐藤
氏からの「禅譲」待ちをした福田氏の戦略負けだった。

田中氏は外相に据えた大平氏と官房長官二階堂進氏を伴って9月25日には
全日空特別機で羽田を出発、一路、北京空港を目指したのだった。別の特
別機の記者団を合わせてカメラマン含め総計80人。

正午過ぎに到着。眩しいほどの晴天下、初めて中国国歌を聞いた。
しかし釣魚台の迎賓館に案内された田中総理らに接触する事は中国側の意
向で厳禁。時折、会見場にやってくる二階堂長官に聞いても「何も申し上
げられません」。それ以外の科白はなかった。

到着初日、人民大会堂での周恩来総理主催田中総理歓迎宴における
田中総理の日中戦争に関する謝罪の文言が軽すぎたとして問題になったと
か、青菜に塩の如き大平外相や外務省幹部を笑って、田中総理が「だから
大学出は駄目なんだ」と言った類の話はすべて帰国後に明らかになった
話。周恩来氏が田中さんに「天皇陛下によろしく」と言った話も。

かくて交渉は決着。毛沢東との会談はいつかと固唾を呑んで待ったがナ
シ。朝になって未明に会談(表敬訪問)があったこと、随員の随行は認め
られなかった事が明らかにされる始末。

発表された共同声明は内政不干渉が謳われたのに、あれから35年の日中関
係は中国による日本への徹底的な内政干渉の歴史であった、と言って過言
ではない。

また我々は食糧の面でも中国に絶対的に支配されている。産経新聞の北京
特派員福島香織さんが9月27の「北京春秋」で「安全な日本食は中国
製?」と嘆くほど日本食は中国に支配されている。

<北京の高級百貨店の新光天地に日本食品・農産品店舗が先ごろオープン
した。農林水産省の委託を受けて双日が手がけたもので来年の3月までの
期間限定。日中国交正常化35周年キャンペーンの一環。

食の安全に揺れる中国・北京で富裕層を対象に「安全で美味しい日本食」
を浸透させようと言うのが狙いだ。

冷凍ケースに並ぶ「サケ切り身冷凍パック」を手にとって裏を見ると原材
料は煙台。有名日本ブランドのサラダオイルは上海の製造。日本ブランド
の味噌は米国産大豆を中国の工場で加工とある。日本食と言いながらほと
んどが中国製?

店舗関係者に「原材料・製造100%日本と言う食品が殆どない」と文句を言
うと「原材料、調味料、製造のいずれかに日本がかかわっていれば日本食
品です」ときた。

店舗に並ぶ約180食品のうち、100%日本産はミネラルウオーターと米とレト
ルト食品ぐらいしか見当たらなかった。それに日本の輸入レトルト食品の
具だって中国産は含まれているのではと気になりだしたが「日本の食品自
給率は40%ですから」と関係者は涼しい顔だった。

何だ、農水省推奨の安全で美味しい日本食は中国が作っているのか。それ
が現実なのだろうが、どうもすっきりしない。・・・>

要するに日本の援助で近代化を急ぐ中国は既に日本の胃袋を制圧したと言
う事である。その代わり日本から進出している工場が全部引き揚げれば中
国は窒息するが、それは残念ながら杞憂に過ぎない。2007・09・28


    
━━━━━━━━━━━━━━━━
玉城沖縄県知事の中国おもねり外交
━━━━━━━━━━━━━━━━


           櫻井よしこ

少しばかり古い話だが、沖縄県知事の玉城デニー氏が4月18日、沖縄県を
「一帯一路」の中で「活用してほしい」と、中国副首相の胡春華氏に要請
したそうだ。

一帯一路構想は中国式の世界制覇計画である。手段を選ばないその手法は
世界の非難の対象となっており、日本政府も米国政府も強い警戒心を抱い
ている。

安倍首相は日本も一帯一路に協力していこうと言ったが、前提として各プ
ロジェクトについて透明性、開放性、経済性、対象国の財政健全性が担保
されなければならないとした。右の4条件が満たされるなら、日本企業が
プロジェクトに参入してはならない理由はなくなる。だが、現実には中国
がこれらの条件を満たすのは至難の業であろう。

日本政府はこのように中国に対する慎重な構えを崩していない。玉城氏の
中国副首相への要請は、日本政府が国家戦略として厳しい条件をつけて一
帯一路を警戒しているときに、直接外国政府に働きかけることで自国政府
の外交方針に逆行するものだ。

知事として言語道断ではないか。この件は全国紙では報道されなかった
が、沖縄の新聞が取り上げた。私の手元にある「八重山日報」と「琉球新
報」が4月27日に玉城氏の定例会見を報じたのだ。中国政府への働きかけ
は、同会見で玉城氏自身が披露したものだ。

両紙の報道によると、玉城氏は4月16日から19日まで、河野洋平氏が会長
を務める日本国際貿易促進協会訪中団の一員として訪中した。18日に胡副
首相と面談し、まず、「中国政府の提唱する広域経済圏構想『一帯一路』
に関する日本の出入り口として沖縄を活用してほしい」と要請した。胡氏
は直ちに「賛同」したそうだ。

習主席の沖縄訪問を要請

中国の巨額融資を受けて借金返済が滞り、港や土地を奪われるリスクにつ
いて記者が問うたのに対して玉城氏は、「『情報収集しながら、どう関
わっていけるか模索していく』と積極姿勢を示」した(「琉球新報」)。

不安定さを増す安全保障環境や中国の軍事力強化に関して問われると、玉
城氏は「国際交流などで国家間の全体的なつながりを深化させるのは有益
だ」と答え、習近平国家主席の沖縄訪問を胡氏に要請したことも明らかに
した(「八重山日報」)。

玉城氏は自身の発言の意味を理解しているのかと、思わず疑った。何より
も氏は自身の役割をどうとらえているのか。知事に外交権が与えられてい
るはずもない。にも拘わらず、沖縄県を一帯一路に組み入れようと働きか
けるのは、知事の権限を超えるだけでなく、日本政府の外交政策に反して
いる。一帯一路構想の旗の下で、どのように危険なパワーゲームが展開さ
れているか、知事として危機感を持つべきであろうに、それが感じられない。

折しも5月2日、米国防総省が「中国の軍事・安全保障の動向に関する年次
報告書」を発表し、中国の一帯一路構想の危険性を警告した。

報告書の指摘の中に、日本に最も影響のある点として中国の台湾戦略の分
析がある。報告書は、中国人民解放軍の戦略の最重要点は台湾問題だと
し、中国は「平和的統一」を提唱しつつ、武力行使に備えて軍事力の増強
を着々と進めてきたと詳述している。

台湾海峡有事で中国が取り得る軍事行動としては「航空・海上封鎖」「サ
イバー攻撃や潜入工作活動などによる台湾指導部の失権・弱体化」「軍事
基地や政治中枢への限定的な精密爆撃」「台湾侵攻」などを列挙している。

台湾への軍事力行使を習近平氏は否定しない。国際社会の戦略専門家は中
国は必ず台湾奪取に動くと見ている。台湾が中国の手に落ちれば、次に危
ないのは沖縄である。だからこそ、沖縄県知事は本来、どの政治家より
も、一帯一路を最も警戒しなければならないはずだ。

奪取の方法は軍事力に限らない。国防総省が指摘するように、21世紀の戦
争ではサイバー、情報、経済が大きな鍵になる。その経済力でがんじがら
めにして奪うのが一帯一路であろう。

国防総省報告書は、一帯一路に関連する投資が中国の軍事的優位を生み出
す可能性について明確なメッセージも発信している。たとえば、中国が特
定の国に港を建設すれば、遠く離れたインド洋、地中海、大西洋に展開す
る中国海軍のための兵站をそれらの港に築くことになり、中国の世界制覇
の基盤が自ずとできていくという指摘である。

国防総省の指摘を受けるまでもなく、私たちはすでに多くの事例を体験し
ているはずだ。顕著な例を、中国初の海外軍事基地を置いたジブチに見る
ことができるだろう。

すべてが異常

ジブチはアデン湾と紅海を見渡す戦略的要衝だ。中国以外に米仏伊の軍事
基地があり、自衛隊の小規模な拠点もある。だが中国の軍事基地は他国の
それとは全く様相が異なる。

中国以外の国の基地はジブチ国際空港を囲むようにして位置しているが、
中国だけかなり離れた海岸近くに海兵隊基地を築いた。現地を視察した外
務副大臣の佐藤正久氏によれば、中国軍の基地は広く、構造的にまさに要
塞の趣きだそうだ。

その基地は、中国の資金で造られた港に隣接しており、中国海軍の軍艦に
加えて商船が出入りする。注目すべきは、この港まで鉄道が敷かれ、それ
が隣国のエチオピアまで伸びていることだ。一帯一路と軍事戦略が合体し
ているのである。

さらに驚くのは中国がジブチに建設したアフリカ最大規模の自由貿易区と
物流センターだ。建設費は35億ドル(約3850億円)、ジブチにとって如何
に深刻な債務であるかはジブチのGDPが20億ドル(約2200億円)だと知
れば十分であろう。これが中国の仕掛ける債務の罠なのである。スリラン
カはハンバントタ港を借金のカタに99年間、中国に差し出した。ジブチも
同様の運命を辿りかねない。
『週刊新潮』 2019年5月16日号 日本ルネッサンス 第851回

           
━━━━━━━
重 要 情 報
━━━━━━━

◎慣用句(idiom)と口語(colloquialism):前田正晶

実は正直に言って、私には未だにこの二つの分類は困難で、その境界線
を何処で引くかが明確には解っていないのである。だが、そうとは言って
いられないので、この際「間違ったらご免なさい」で分類していくことに
した。

Idiomとは:

「慣用語句」とも訳されている。実際にこれを読んだり会話中に聞かされ
たりしても、直ちに「今、“idiom”が出てきた」と感じるようなものでは
ないと思う。Oxfordには”A group of words whose meaning is different
from the meanings of individual words”とあり、Websterには”An
expression that cannot be understood from the meanings of its
words but must be learned as a whole”となっている。即ち、慣用語句
の中の言葉一つ一つの見当がつくか意味が解っても、全体の意味は把握で
きない。だから全体を覚えよ」ということである。私はこれは極めて重要
な点だと思っている。

そこで慣用句の例を挙げてみよう。

He gave in.=「彼は屈服した」
He burnt his bridge (boat).=「彼は退路を断った」

He saw the handwriting on the wall.=「悪い兆候が見えた」、「悪い
お知らせだった」


I was between the devil and the deep blue sea.=「進退窮まったり」
Let’ get the show on the road.=「さー、仕事を始めよう」、「さー。
出掛けようぜ」

It’s a piece of cake.=「朝飯前だ」なのだが、“cinch”も“It was a
cinch.”の様に使われている。ジーニアスは“No sweat!”も例に挙げている。
How come you put up with such a bad treatment against you? では
“put up with”は「我慢する」か「耐える」の意味である。

A Mr. Jones came into the picture out of the blue.=「ジョーンズな
る者が突然登場した」という意味で、out of the blueが「突然」であり
「青天の霹靂」に似ている点が面白い。come into the pictureは「登場
する」と意味で使われている。

私はこれが慣用句かどうか判断がつかないが、「一方通行出口」に行くと
Wrong wayとなっているのが非常に興味深かった。Wrongの使い方では、ア
メリカ人は日本に来て「右ハンドル」の車を見てSteering wheel is on
the wrong side.と言ったのには驚かされた。「ハンドルが誤った方につ
いている」と言っていたのだから。


Colloquialismとは:

「口語」のことである。Oxfordには”A word or phrase that is used in
conversation but not in formal speech or writing.”とある。私は文語
の反対語で話し言葉くらいかなと考えている。即ち、信頼するに足る大修
館の辞書「ジーニアス」には反対語は”literary”となっている。私はこれ
と慣用句の区別は難しいと考えているが。そこで、私が思う例文は

I’ll take a rain check.=「次の機会にします」これはジーニアスには
「雨天順延券」となっており「招待などを次の機会にはお受けします」と
解説している。“rain check”を入場券から切られた後の半券のことと考え
れば解りやすいか。

I’ll sleep on it. =「今晩一晩考える」

Let’s hit the sack.=「さー、寝よう」



Hang in there!=「頑張れ」である。中国語では「加油」と書くと「頑張
れになるようだが、油を加えると頑張れるというのが面白い。この発音は
「ジャーヨー」と聞こえる。

How are you getting along in this hot weather? =「暑さに中で頑
張っているかい」とでも言うか。

少し長い文章になるが、

Thanks a million for your kindness extended to me when I visited
the United States last time. =「前回訪米した時の歓迎に感謝する」
とでもすれば日本語の訳になるか。例文の”Thanks a million”以下は話し
言葉であり、これを固い語体に書き換えればいくらでも言い方はあるが、
Let me take this opportunity to express my most sincere
appreciation to you for your kindness and hospitality, during my
last visit with the United States of America.
もその一例になるだろう。これは所謂“Thank you letter”に屡々登場する
決まり文句のようなもので、日常的にはこういう話し方はしない「文語
体」だ。なお、私はアメリカ人が日常的に使う”I’m gonna 〜.”(I am
going to 〜.”の省略)であるとか、”I wanna 〜.”(I want to 〜.の短
縮形)も口語の内だと考えている。こういう言い方をチャンと英語で話せ
ない段階で使うべきではないと思っている。

同様に広く使われていると思う例に”Me, too.”がある。これは言い換えれ
ば”The same here.”か”I think so, too.”辺りになるだろうが、この言い
方は文法的に誤りでありアメリカの所謂支配階層では蔑まれる語法だと知
るべした。




━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━

17 日の東京湾岸は快晴、爽快。午前中、大学病院で内科の定期検診がある。

東京湾岸は5月の今頃が一番気持ちの良い季節だ。寒くもナシ暑くもナ
シ。間もなく梅雨が来てやがて夏となるのか。
                        読者数:6001人   

                          


規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: 97 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。