政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

全て表示する >

頂門の一針

2019/05/03


□■■□──────────────────────────□■■□ 
わたなべ りや うじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5033号
□■■□──────────────────────────□■■□

        
        2019(令和元年)年 5月3日(金)



       ラテン・アメリカ諸国で「洗車作戦」:宮崎正弘

            1秒でも早く政界引退を:渡部亮次郎

         文在寅、親北反米路線で確信犯:櫻井よしこ        
                      話 の 福 袋    
                       反     響
                      身 辺 雑 記


━━━━━━━━━━━━━━━━━
ラテン・アメリカ諸国で「洗車作戦」
━━━━━━━━━━━━━━━━━
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)5月2日(木曜日)
        通巻第6063号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ベネズエラ危機報道の影に隠れたが、ラテン・アメリカ諸国で「洗車作戦」
その結果、大手オデブリヒト倒産、かわりにやって来たのが中国企業だった
*********************************

「はい、こちらブラジル商事汚職課です」と、どぎついニックネームのゼ ネコン大手は「オデブリヒトS・A」。

ラテン・アメリカ諸国の大きな公共事業に必ず応札し、政治家に巨額の賄 賂を贈って入札に成功してきた。ブラジルを代表する巨大デベロッパーと して知られた。

2014年頃から本格化した「洗車作戦」とは、汚職政治家の訴追、追放。ケ イコ・フジモリにも収賄容疑がかかったほど、どの国もカネまみれ、ブラ ジルでアルゼンチンで、ペルーでメキシコで、大物政治家から大統領まで

訴追されて失脚した。なかには自殺に追い込まれた大統領もでた。

ブラジルの歴代大統領3人が起訴され、ペルーではガルシア前大統領が自 殺し、エクアドルでは前副大統領が懲役6年、過去に政治家や企業の入札 責任者に贈った賄賂の総額は35億ドル(邦貨換算4000億円弱)にものぼる という(米国ジェイムズタウン財団「チャイナ・ブリーフ」、2019年4月 24日)。

こんな会社まともな工事が出来るのだろうか?

 オデブリヒトS・Aの株式は下げ止まり、ついに2017年に会社更生法を 申請、なにしろ売り上げが十分の一となって、倒産は時間の問題となった。

汚職なんて、ラテン・アメリカではつきもの、なんでまた「洗車作戦」な どというくだらない政治キャンペンを開始したのか、これでは経済発展が 停滞すると旧裨益組は不満を述べる。

このオデブリヒトの失態、公共事業の空白という絶好の隙を狙って食い いってきたのが、またしても「あの国」である。

「ひどい企業汚職が去ったと思えば、もっとひどいのがやってきた」と陰 口の聞こえるほどに、オデブリヒトの失敗の穴埋めを、中国国有企業が引 き受けはじめたのだ。

また既存の企業を中国はつぎつぎと買収し、発電所まで建設している。よ ほど楽天的で享楽的、かつ刹那的な民族性が合うのか、ラテン・アメリカ の政治家には儒教を看板とするだけの国の、モラルのない人々との付き合 いは肌に合うようである。

▲賄賂漬けの南米諸国に「賄賂の本場」から応札するんだってサ

ところが異変がまた起きた。中国の投資集団の資金が息切れし、プロジェ クト中断や、入札後のキャンセルなどという失態が次から次へ明るみに出 始めた。

コロンビアのマグダデナ川浚渫プロジェクトもオデブリヒトが撤退したあ と中国の「チャイナ・ハイドロ」がやってきた。同社は以前に入札に失敗 したプロジェクトの復活を狙っているのだが、最終決定をコロンビア政府 はだしていない。

ペルーでは水力発電所をオデブリヒト撤退のため、中国の国有企業の「三 峡水力発電建設」が、13億ドルでプロジェクトを購入するとした。ところ が、オデブリヒト社に貸与してきたカネの焦げつきの回収をJPモルガン とSMBC(三井住友銀行)が要求し、ペルー政府と交渉に入った。

王岐山(国家副主席)と関係の深いHNA集団(海航グループ)は、リオ デジャネイロ空港をオデブリヒトから買う約束を提示してきた。これも中 国の外貨逼迫ならびに怪しげな経理内容からブラジル航空当局の反対に あって沙汰止みとなった。

2018年11月、賄賂スキャンダルで中断されていた火力発電を、ドミニカ政 府は国際入札にかけると公告した。応札したのは中国の葛州堤集団だけ だった。もともと同社は2014年の入札でオデブリヒトの半値を提示してい た。このためオデブリヒト社は政府高官に9200万ドルをばらまいていた。

ことほど左様に、ラテン・アメリカでも、ベネズエラの不良債権の圧迫 で、中国は熱意を失うか、もしくはファイナンスの面で危機に直面してお り、威勢の良かった最初の勢いは大きな後退をみせている。 
       
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIE 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  

平成天皇と皇后両陛下の和歌はセットとなっていた
その妙音に籠められた熱情、国民への篤き思い

  ♪
竹本忠雄『平成の大御代 両陛下 永遠の二重唱』(倫理研究所)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

平成天皇の御製は、天地を貫く一条の瀧、皇后の御歌で水が流れる。二重 唱なのだ。両陛下の和歌はセットとなっている。その妙音に籠められた熱 情、国民への篤き思い。

竹本氏は皇后陛下の選歌集『SEOTO せせらぎの歌』をパリでフラン ス語訳を刊行された。日本語版は扶桑社『祈りの御歌』(新装版は海竜 社)である。
 
両陛下の二重唱を二例。

(沖縄ご訪問のおりに)
 御製
激しかりし 戦場(いくさば)の跡 眺むれば 平らけき海 その果てに見ゆ
 
御歌 
  
波なぎし この平らぎの 礎と 君らしづもる 若夏(うずりん)の島

硫黄島玉砕に際して栗林忠道中将は以下を辞世とした

国のため 重きつとめを 果たし得で 矢弾尽き果て 散るぞ悲しき

 (硫黄島慰霊の旅にて)
 御製
 
精根を 込め戦ひし 人未だ 地下に眠りて 島は悲しき
 お歌
  
銀ネムの 木木茂りいる この島に 五十年(いそとせ)眠る み魂かなしき

 竹本氏は言う。

「日本の天皇にあっては、御霊鎮めという神道の秘儀をつうじて、やはり 死は乗り越えられていきます。この秘儀を両陛下の二重唱は達成し、不思 議な力を発揮していくのです。それは、単に空間的のみならず、遠く離れ た時間をも貫いて、むすんでいく力であります」
 そしてこうも言われる。

「天皇の御製は天と地を結ぶ一条の瀧です。それを承けて美智子さまの歌 によって瀧の水は流れはじめるということであります」
 評者のこころの中にも清流が流れた。

(編集部から) 本書は近くアマゾンでも販売予定です。当面は下記に直接 注文されるのが一番確実です。定価500円。連休明けから配送されます!
https://www.rinri-jpn.or.jp/ec/html/products/detail/450
       
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★読者の声 ★READERS‘ OPINIONS ★どくしゃのこ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)新天皇の即位に際し、各政党首脳の談話がありましたが、 日本共産党までが「象徴としての天皇が憲法を守り」云々と、えっ「天皇 制打倒」をいつ引っ込めちゃったのかと思いました。

 各国の反応でも、韓国は「天皇は謝罪せよ」と言っていたのが、いつの まにか逆転ですよ。これが天皇効果というものでしょうか。(MS子、杉並)

  ♪
(読者の声2)この度の御譲位(それにしてもメディアが「生前退位」と 書いているのは不敬です)。各国より多くの祝福の言葉を戴いておりま す。とりわけ、あの中国がすんなりと祝意を表したのには、びっくりしま した。

いかにも、中国らしい、「機を見るに敏」という感性を改めて感じます。 それに引き換え、韓国はどうするんでしょうか?

世界標準の「天皇陛下」という言葉も使わずに、どんな言葉を発するんで しょうか

あの国の異常性を改めて、日本国民が知れば、それはそれでオメデタイこ とであります。(HY生)

  ♪
(読者の声3)上皇陛下が「靖国神社」に一度も参拝されなかったことに は、戦時中を知る国民としては些か腹立たしいものがありますが、原因を 作ったのが時の総理大臣中曽根康弘でしたね。

今に残る日中関係をぎくしゃくさせたのはこの男でしょう。この様な人が 日本国の大勲位とは。日本人はどうかしていますね。(北九州素浪人)


  ♪
(読者の声4)1日の午後から、関東東部は終日雨。夕方、たまたま見た 雨雲レーダーには驚きました。

午後6時台に千葉県北部から太平洋に向かって光が2筋出ているように見 えます。光の筋はもちろん雨雲がないだけなのですが、その元はもしかし て。地図を拡大すると太いラインはの元はやはり「香取神宮」、やや北の ラインは潮来から「鹿島神宮」の南を通っています。皇室とゆかりが深い だけではなく御祭神は「武の神様」でもあります。

午前零時をすぎても2本のラインは太いまま。

「令和」が「日出ずる国」の復活の始まりを示しているようでもあり、東 の大国「アメリカ」と緊密に連携し「武備」を整えよと示しているようで もあります。「令和」の始まりにこのような不思議を見せられ、日本は本 当に「神の国」なのだなあと実感した一日でした。
  (PB生、千葉)


     
━━━━━━━━━━━ 
1秒でも早く政界引退を
━━━━━━━━━━━


      渡部 亮次郎

<鳩山首相「私腹を肥やしたわけではない」と辞任否定 元秘書起訴で会 見(12月24日18時10分配信 産経新聞)

鳩山由紀夫首相は24日、自らの資金管理団体「友愛政権懇話会」の偽装献 金問題で、東京地検特捜部が元公設秘書を在宅起訴するなど一連の処分を 行ったことを受け、東京・平河町のホテルで記者会見を行った。

首相は国民に謝罪しながらも首相辞任は否定、その上で実母からの12億6 千万円の資金提供を贈与と認め、平成14年に遡って修正申告し、贈与税約 6億円を納める考えを表明した。

偽装献金事件について「国民が疑問に思うのは当然だが、(秘書が献金処 理を)滞りなく処理していると任せていた」と説明。贈与についても「承 知してなかった」と繰り返した。

一方、首相は、過去に「秘書の行為の責任は議員の責任だ」などと発言し てきたことについて「私は私腹を肥やしたり、不正な利得を得た思いは一 切ない」と釈明。>

<「努力だけは認めて」=政権3カ月で鳩山首相>(12月16日11時19分配 信 時事通信)。努力したのではなく、すべての難問を先送りしただけで はないか。嬶を連れての派手な外遊を続けただけではないか。

<「すべてがまだ完ぺきとは言えないと思う。一生懸命努力していること だけは認めていただきたい」。鳩山由紀夫首相は16日午前、政権発足3カ 月を迎えたことについて、記者団を前にこう訴えた。

米軍普天間飛行場移設問題や2010年度予算編成作業などの懸案に関し「閣 僚の中でいろいろと声が上がって、(首相の)指導力がどうだという話が ある」と認め、「それは分かっているが、いずれ国民もこの答えが最適 だったと分かるときが来ると思う」。

重要課題の政策決定で足踏みが目立つことへの理解を求めた。> 

私が国内政治の現場を去って既に30年。したがって、現場の情景は全く知 らないが、鳩山由紀夫の馬鹿さ加減だけは、インターネットを通じてよく 分かる。

政治家になったのに、常識が無い。哲学が無い。困ったことがないから他 人の痛みが分からない。したがって戦略も戦術もない。努力を認めろと いっても、見える努力は一つも無い。

母上から一と月に1500万円もの小遣いを貰っておいて、知らなかったとい う。そんなことが世間に通用すると思っているから、宇宙人だといわれ る。だが宇宙人は確認されていない。

それなのに宇宙人と、敢えて言われるのは、無形人といわれているのと同 じだ。まず悩みがない。有っても悩まないから、悩みが無いのと同じなのだ。

だから本人は努力したといっても、解決した案件は一つも無い。ああじゃ ない、こうじゃないと、口から出任せを喋っているだけで、
どうすれば解決するか、考える事もできない。

多分、母親が元気なら、官邸に据えて、厄介を頼むところだろう。すべて そうしてきたからだ。だが、いまや87歳ともなれば、面倒を見てもらうわ けには行かないから、すべてが頓挫してしまったのである。

一方、月額1500万円の小遣いは何に使ったのか。あるいはブレインになる 人の買収、接待費に使ったのか。その割には碌なブレインがいない。使え ない商社マンしかいない。左翼に凝り固まって有害だ。

アメリカとの同盟関係を可笑しくし、中国に叩頭外交を展開する事になっ たのは、彼の誤れる哲学と偽情報に頼ったからである。「努力した」ので はなく「壊し」に専念した100日だったのだ。

早く総辞職し、議員も辞めたほうがいい。それも1分でも1秒でも早い方 が日本のためだ。2009・12・24



━━━━━━━━━━━━━━
文在寅、親北反米路線で確信犯
━━━━━━━━━━━━━━


        櫻井よしこ

南北両朝鮮が米国に追い詰められている。とりわけ韓国の文在寅大統領へ の米国の圧力は巧妙である。

4月11日、文氏は“建国”を祝う予定だったが、米韓首脳会談のため、大事 なその記念式典を諦めて訪米した。にも拘わらず、ホワイトハウスでのト ランプ大統領との会談は、前代未聞の哀れな結果に終わった。

文氏は10日にソウルを出発し、同日夕方にワシントンに到着したが、米国 側との予定は一切組まれていなかった。翌11日午前中に、ポンペオ国務長 官、ボルトン大統領補佐官、ペンス副大統領とそれぞれ面会したが、三氏 共に文氏の北朝鮮寄りの姿勢に批判を加えたと見られる。北朝鮮に非核化 の意思は読みとれず、制裁緩和はあり得ない、米国はむしろ制裁強化を考 えていることなどが強調されたと考えてよいだろう。

その後、トランプ、文両首脳は夫人を伴って首脳会談を行った。夫人同伴 の首脳会談など通常はあり得ない。トランプ氏は文氏と二人で語り合う必 要を認めていなかったのだ。現に会談冒頭、メディアからゴルフのマス ターズトーナメントの勝者は誰になると思うかと問われ、トランプ氏は文 氏を横においたまま延々と語った。結局27分間もトランプ氏の話が続き、 文氏との会談時間は驚きの2分間、しかも通訳つきだ。その後に他の閣僚 たちも参加しての昼食となった。4月12日、ネット配信の『言論テレビ』 で元駐日韓国大使館公使の洪熒(ホンヒョン)氏が語った。

「2月末にベトナムの首都ハノイで米朝会談が決裂した後、文氏は康京和 (カンギョンファ)外相や鄭景斗(チョンギョンドゥ)国防部長官を米国に送 り、三度目の米朝首脳会談の開催や対北朝鮮制裁の解除を要請させまし た。対北経済援助で米国には負担をかけない、韓国が負担するので開城 (ケソン)工業団地も金剛山(クムガンサン)観光も再開させてほしい、など とも言わせました。米国側は全て拒否し、そのような話題であれば、米韓 首脳会談はなしだと、通告したのです」

一人飯

朝鮮問題の専門家でシンクタンク「国家基本問題研究所」研究員の西岡力 氏も『言論テレビ』で語った。

「朝鮮語で『一人飯』をホンバプといいます。韓国の若者の間で一人でご 飯を食べるのが増えていて、ホンバプという言葉が流行っているのです。 文氏は米国到着の10日夜がホンバプ、11日朝もホンバプ、11日昼にようや く米国側との食事にあり付いた。本当に相手にされなかったのです」

米国の厳しい態度は文政権の裏切りに対する冷遇だと洪氏が断じる。文氏 の裏切りとは、米朝首脳会談を実現させるために、文氏が金正恩氏は北朝 鮮の非核化を決意していると米国に伝えたことだ。正恩氏が表明したのは 北朝鮮の非核化ではなく、朝鮮半島の非核化である。これは韓国を守るた めに米国の核を使うという発想自体もなくしてしまうこと、即ち米韓同盟 の破棄を目指す言葉であり、北朝鮮が所有する全ての核や関連施設の一掃 とは、全く異なる。

当初、北朝鮮の非核化に希望を抱いたトランプ政権は、やがて正恩氏に非 核化の意思がないこと、文氏の嘘を確信したと思われる。国連制裁に違反 してでも北朝鮮支援に動こうとする文氏を牽制するために、米国政府は文 政権の頭越しに韓国の経済界に働きかけ始めた。

昨年9月には、ニューヨークにある韓国の七つの銀行の支店に米財務省が 直接電話をして、米国が北朝鮮に制裁をかけていることを承知しているか と警告した。西岡氏が語った。

「韓国系の銀行は現在、送金業務を止めているといわれます。もし送金に 北朝鮮と関係する資金が入っていれば、米国の副次的制裁(secondary sanction)を受け、一切のドル決済が停止されるやもしれない。そうなっ たら銀行は潰れます」

昨年4月27日の板門店での南北首脳会談にも、9月18日の平壌での南北首脳 会談にも、文氏は多くの韓国企業代表と開城工業団地の組合長らを同行さ せた。文氏は金正恩氏と共に白頭山に登ったが、そのとき正恩氏に開城工 業団地組合長を紹介し、組合長に直訴させた。「委員長様、何とか開城工 業団地を再開させて下さい」と。

正恩氏は今年新年の辞で「南朝鮮の人民の要望に応えて、無条件で開城工 業団地を再開する」と演説し、それを受けて文氏は開城工業団地再開で米 国を説得すると公言した。だが、北朝鮮を利するだけの工業団地再開に は、前述のように米国が完全拒絶の姿勢を貫いた。

支持率は下がる一方

その間、ソウルの米大使館の専門官は文氏に同行した財閥や企業に直接電 話攻勢をかけた。米政府が北朝鮮に制裁をかけているのは承知か、と警告 したのである。洪氏が強調した。

「米国は朝鮮半島での70年間に多くの教訓を得ています。そしていま、文 在寅と韓国企業を切り離しているのです。文は米国の警告を聞かない。な らば企業や韓国国民に直接働きかけようというわけです。核を諦めない北 朝鮮に送金を続けるのか、米国との貿易や自由社会との絆を選ぶのか、と 米国は迫っています」

韓国国民も文氏の危うさを実感しているに違いない。支持率は下がる一方 だ。経済は停滞し失業率は高まり続けている。にもかかわらず、文氏は最 低賃金をこの2年間で約30%も引き上げた。残業を規制し労働時間を大幅 に短くした。人件費は高騰し、倒産は急増、失業率がさらにはね上がる悪 循環である。笑い話のような現実を西岡氏が紹介した。

「統計上失業者が増えると困るので、文氏は60歳以上の失業者に週1回大 学に行って電気を消す、又はゴミ拾いをするなどの仕事を作り、役所が賃 金を払うことにしました。税金で失業率の統計に化粧を施しているのです」

支持率低下や米国の警告にもめげず、親北路線を変えない強い反米の意思 が文氏の人事から読みとれる。一例が統一部長官に指名された金錬鉄(キ ムヨンチョル)氏である。この人物は米国が韓国に要請した THAAD(終末高高度防衛ミサイル)配備に反対し、開城工業団地の早 期再開を主張する反米主義者である。

同人事は韓国議会の反対にも拘わらず、文氏は考えを変えなかった。文氏 は米国に公然と対立姿勢を見せたに等しく、米国を欺く手法で開城工業団 地再開をはじめ北朝鮮支援に走り出しかねない。

暴走の気配を見せる文氏に、米国が対決姿勢を強め、韓国国内では対抗勢 力が力をつけつつある。2月27日、自由韓国党の代表に黄教安(ファンギョ アン)氏が選ばれた。朴槿恵政権で法務部長官や首相を務めた公安検事出 身の62歳は、文政権の安保政策と経済政策を「亡国政策」と批判する。

野党勢力はまだ弱いが、それでも文氏の足下は決して盤石ではない。韓国 はいつ何が起きてもおかしくない緊張の中にある。
『週刊新潮』 2019年4月25日号 日本ルネッサンス 第849回


     
       
━━━━━━━
重 要 情 報
━━━━━━━

◎40〜50年前を回顧すれば:前田正晶

私が頻繁にその言葉を引用する中部大学教授の細川昌彦氏(旧通産省 OB)は目下トランプ大統領が指摘される「我が国とアメリカの間で繊維品 や自動車の輸出を巡って摩擦が生じていたのは40〜50年も前のことだ」に 因んで、私が初めてM社に転進した1970年代初頭の頃のことを記憶にある 限り振り返ってみようと思う。1970年代初頭の頃であれば、現在72歳のト ランプ大統領や71歳のライトハイザー氏たちは未だ大学生だったかも知れ ない頃のことだ。そうであれば、「日本は何百万台もの自動車を安く輸出 して怪しからん」と聞かされていても不思議はないような気がする。

その頃のアメリかでは4月30日に指摘したことで「アメリカは我が国に対 して貿易では赤字になっているが、アメリカの産業界はこれに失望するべ きではない。それは我が国の多くの製造業界の企業では米国の大手メー カーが持つ特許やライセンスを受けているので、それに対する出費という かアメリカ側が受け取っている毎年のローヤルテイーは決して少額ではな い。こういう状況を考えればアメリカは必ずしも赤字を嘆く必要ないので は」という考え方が主流とまでは言わないが、アメリカ側が真っ向から我 が国を「怪しからん」とまでは厳しく非難してはいなかったと思う。

現実問題としてM社は我が国の某大手メーカーに塗工印刷用紙(解りやす く言えば「アート紙」のような光沢がある紙)のライセンスを降ろしてお り、オウナーは毎年のようにそのライセンスが正当に行使されているかの 調査に訪日されていた。解りやすく言えば「アメリカは色々な意味で我が 国の産業界を指導する立場にあり多くの特許権やライセンスを降ろす国 だったのである。言うなれば「アメリカに学べ」という時期だったと思わ せられた。

実際に、私はM社の印刷と事務用紙の工場を見学してその先進性と抄紙 機の規模の大きさにただひたすら驚かされたし、販売担当者が持ち歩いて いるマニュアルと製品見本帳が当時の我が国では考えられないほど見事に 合理化されていたのには脅威さえ感じたものだった。余談になるかも知れ ないが、M社の製紙部門は売却され、そのMの社名はM&Aが繰り返されてい た間に消滅してしまっているのだ。時は流れていたのだった。

当時のアメリカの企業経営では未だ我が国では珍しかった四半期決算が既 に花盛りで、経営者たちは僅か3ヶ月間の成績如何ではいともアッサリと 交替させられるような時代に入っていたのだった。同時にMBA(経営学修 士号)も大いに幅をきかせ、「MBA無用論」や「MBAこそ時代の先端を行く 存在」といったような議論が方々で採り上げられていた。私のW社の事業 部でも州立大学のMBAのマネージャーが彼の上司にある日突然彼と同年齢 のスタンフォード大学のMBAが着任して「不公平である」と怒り狂ってい たとうこともあった。彼が怒った理由は「彼奴の親が金持ちだからスタン フォードの高額の学費を負担できただけだ」というものだった。

私がその頃良く聞かされた話に「副社長や事業部長たちは自分の在任中 に事業の将来を考えて新た生産設備の導入や設備の近代化に多額の投資を して資金を固定化しただけではなく、費用対効果の実績が出ないようなこ とはやりたくないという消極的な経営の姿勢を採るか、我が身の安全第一 ばかりを考える者たちが増えてしまったのが、何れは問題になるぞ」とい うのがあった。換言すれば「絶対的に短期的に利益が上がるようなこと以 外には積極的に投資はしないという、短期的にしか物事を考えない連中が 増えていた」のであった。

そこに、現代の中国を始めとする韓国、インドネシア、ブラジル、タ イ、台湾等の新興勢力が「新規参入なるが故に世界で最新・最大・最高の 能力の設備を導入して古く・遅く・小規模で少量生産しか出来ない設備し かない先進国を輸出で圧倒しているのと全く同じ状態が起きていて、アメ リカは何時の間にか我が国やドイツの後塵を拝する工業国になってしまっ ていたかの如くだった。私はその典型的な例が自動車産業であると思って いるが、嘗ては我が国を指導していたアメリカの製紙産業は最早消滅した と言っても良い状態で、早い話ではW社も一昨年の9月で紙パルプ産業界か らの撤退を終えてしまっていた。

長い間アメリカの製造業をその一員としてみてきた私の目には「短期的 に物事を考えることを重視する四半期決算制を採った」、「新規の設備の 導入と合理化の投資が遅れた」(=飽くまでも利益を重視して儲からない 限り再投資には振り向けない)、「全体の70%に近いロッキー山脈以東の 国内消費に依存する経済である事」(=基本的に輸出国ではない)、「強 力な労組に押されて労務費を上げ過ぎたこと」(=空洞化の原因の一 つ)、「折角R&Dに多額の投資して産み出した技術革新等のアイディアの 商業生産化が拙劣だったこと」等々が、実に残念ながら何時の間にやらア メリカの産業界(物造り)の国際競争力を劣化させたというように思える のだ。

だが、21世紀の現在にあっては、上記は偏った見方であり、アメリカが今 や世上言われているGAFAの強大な力で世界を、ではなければ少なくと我が 国を、圧倒しているのは間違いないと思う。そのいう時代になっている最 中にトランプ政権が貿易赤字であるとか自動車の対アメリカ輸出が多すぎ るとか、農産物等を輸入を推進せよと迫るのも理解できないことはない、 だが、私の持論である「アメリカの輸出に従事する会社に、対日輸出を増 やす努力をせよ」とトランプ大統領に督励して貰いたいものだ。

また先日引用したUKのFinancial Timesが指摘していたことにも関連す ると思うが、貿易黒字を出している国の輸出企業が果たして輸出で利益が 出ているのかという点もお考え願いたいのだ。昔から我が国には「飢餓輸 出」という言葉があったし、輸出先の市場では他国との熾烈な価格競争 だってあるのが普通のことで、買い手にとっては輸入品でコストが合理化 出てきていることだってあるのだ。W社だって往年はアメリカの同業他社 との激烈な競争を演じた為に品質も向上したし我が国での最大の市場占有 率も確保できたのだ。トランプ大統領にGMに向かって「もう一度日本市場 でトヨタやホンダと勝負してこい」と激励して頂きたいと思うのだ。

◎連休なんて良い迷惑なだけだ:前田正晶

私にとっては「安倍内閣は何の為に10日も続けて休みにしようと考えた のか」と恨みに思うだけの連休が始まった。先ずは順調に老化しただけで はなく方々に時限爆弾のような病を抱えている身にとっては、掛かりつけ のクリニック4月27日の午後から5月の6日まで休診というのは最悪の条件 で拷問のようである。何かがあったらどうしようかと思う間もなく、あち こちに大事ではないが苦しめられる不具合が生じて「さて、どうすべき か。この時期にあっては何とか7日まで耐え忍ぶしかないのか」と思い悩 んでいた。

幸いなことに歯科医は30日と1日は診察するとのことで30日を予約して診 て頂いたので、関係ないと知りつつも窮状を訴えてみると「声がかすれて 出ないとか、胃が痛むし便秘気味だと言って大病院の救急に駆け込んでも 診て貰えないかも知れませんね」と言わば同情されてしまった。経験上も 言えるのだが、このような症状は掛かりつけのクリニックの先生に訴える べき性質なのだ。というような次第で、30日は諦めてプロ野球の中継を眺 めてひたすら耐え忍んでいた。何れにせよ、テレビを中心にしたマスコミ の平成から令和の騒ぎなどにはアホらしくて付き合う気にもなれなかった。

兎に角「安倍総理よ。貴殿は高齢の病気持ちの者たちがどれだけこの連休 に苦しめられているかを少しは考えたのか」と言ってやらねばなるまい と、唯々恨み続けていた。私に言わせて貰えば「10連休などは悪政以外の 何物でもない」のだ。

そこで、プロ野球だが偶然にチャンネルを合わせたヤクルト対DeNAの試 合は面白かった。その昔アメリカに「ルーズベルト」とカタカナ表記され た大統領がいたが(本当はローズベルトと読むらしいが)、彼は「野球の 試合は8対7のスコアが最も面白い」と言ったと記憶する。1日の試合は当 に途中まで8対7で非常に面白かったのである。そうなってしまった最大の 原因は、今や名監督なのかヘボなのか良く解らなくなったラミレスが、解 説者が「ローテーションの谷間だから」と言った3線級の投手ばかり3人も 出していたので、アッと言う間にヤクルトに7対0にされてしまった点に あった。

だが、「閃きの大家」は「さて、ラミレス監督はこのワンサイデッド・ ゲーム(「ワンサイドゲーム」はカタカナ語で英語では“one-sided”とな る)を何とかして追い付く」と閃いたのだった。「まさか」と誰しもが思 う大きな差があったが、私は追いつけると思って見ていた。

ところが、DeNAは「ここぞという時には先ず打たない」と看做しているソ トと筒香が所謂ソロホームランを打って反撃の口火を切り、アッという間 に好投していた原樹里から7点を取り、そこに当たっていないロペスまで もホームランを打って8対7にしてしまった。そこまで見て「なるほどルー ズベルト様が仰る通りだ」と感心していた。

そこから先が勝負の恐ろしさ。DeNAよりはテイーム全体が好調なヤクル トはバレンテインが凄いホームランを打って同点にしてしまったのだ。こ の勢いは好調なテイームとやっと10連敗で止めてきたテイームとの違いだ なと思わせてくれた。しかし、何と残念なことにTBSのBSはそこで中継を 打ち切ってしまったのだった。後はCSで中継でと言うが、我が方にはその 備えがなく、結果はネットで知った次第で、矢張りヤクルトが延長10回に 1点取って決めたとのことだった。勝負とはそんなものである。DeNAには 「あそこまで楽しませて貰って有難う」と感謝した次第。

この野球の観戦中に、この不安定な体調の原因を探って貰うべく呼び寄 せておいた愚息が到着して、筋肉痛の箇所の手当てをして貰うと同時に 色々と相談した。愚息は勿論医者ではないが、フットボールのコーチ等を 経験している間にある程度以上の知識を得たこともあるが、お医者様に知 り合いが多いのである。

それ以外には、言いたくはないが我が家は私の父までは2世代続いた医者 だったのだ。結果として血圧、心拍数、体温共に正常である。だが、顎関 節症発生以来心理的に弱っていたことに加えてやや低血圧気味である以外 は、特に心配はないだろうという結論に達した。

そこで、一夜明けて新天皇様のご即位の儀式の中継を拝見した後で、兎 に角少しでも多く食べて体力を取り戻そうとばかりに、勇敢にもステーキ と自分でガーリックライスが調理できる大久保通りのレストランに昼食を 摂りに出掛けた。連休の大久保通りには相変わらず何処の国とも知れない 外国人が圧倒的に多かったものの、我らが同胞も数多く出ていたので、か なり歩行には苦労させられた。新大久保駅前のバス停の直ぐそこに出来た 「何とドッグ」の店先には矢張り若い女性が群がっていたのは「何を好ん でこんなものを食べに来るのか」と腹立たしかった。

思い切って久しぶりに肉を食べて遠ざけていたコーラを飲んだ結果で、 愚息も家内も「顔色が良くなってきた」と言うので大いに気を良くして帰 宅した。だが、あれから3時間以上も経ってもどうやら無事に過ごしてい られるので、牛肉とガーリックの霊験あらたかだと思っている。だが、未 だに牛肉を噛むと少しばかり顎と頬の筋肉に疲れを感じた。この点だけは 未だ先が長いのかと少し落胆した。次の昭和大学の外来の予約は今月の30 日だから、それまでには何とかなってくれるだろうと密かに期待している。


━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━
憲法記念日の東京湾岸は、快晴、爽快。

2日の東京湾岸は曇天。厚くもナシ寒くもナシ。

               読者数:6001人

                         
                        



規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: 97 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。