政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針5031 号  2019・5・1(水)

2019/05/01


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わたなべ りや うじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5031号
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        2019(令和元年)年 5月1日(水)


     コンゴ共和国、IMFに救済を求めて2年:宮崎正弘

               「夜と朝の間に」:渡部亮次郎

         文在寅、親北反米路線で確信犯:櫻井よしこ
       
                      話 の 福 袋    
                       反     響
                      身 辺 雑 記



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コンゴ共和国、IMFに救済を求めて2年
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019)4月30日(火曜日)
        通巻第6060号 <平成最後の日>
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 コンゴ共和国、IMFに救済を求めて2年
  20億ドルの「援助」棒引きに直面した中国が慌てた
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コンゴ共和国の対外債務は44億ドル(2017年IMF),このうち20億ドル は中国が貸与しているが、沖合で産出する石油利権と結びついている。ア フリカ西海岸で中国投資が最大なのはアンゴラ、次ぎはナイジェリアである。

コンゴ共和国の輸出品は石油、ガス。独立前、この国はフランス領だった ので、いま流通する法定通貨は「海外フラン」である。フランスが海外植 民地としているニューカレドニア、タヒチなどに流通する通貨と同質のも ので、ユーロ・ペッグである。

大航海時代と列強のアフリカ植民地時代を振り返れば、このコンゴ共和 国、となりのコンゴ民主共和国(旧ザイール)、南に位置するアンゴラ は、ベルギー国王の「私有地」だった。すべて併せると、日本の5倍ほど の宏大な面積を国王一人が植民地化し、人民を奴隷のように酷使して銅鉱 山などを開発し、富を独占した。

その後、アンゴラはポルトガルに、コンゴ民主共和国はベルギー領、そし て冒頭のコンゴ共和国はフランス領と分けた。

2017年、懸念されたようにコンゴ共和国は借金が返せなくなってIMFに 救済を申し入れた。

結論はこの6月に出るが、もし救済案がまとまると、援助国は80%程度の 債権放棄を要求される。

IMFの最終決定権はいうまでもないが、米国が持つ。慌てるのは中国、 はじめて対外債権が「紙くず」と化けるからだ。フランスも多少の債権を もつがゆえに救済に前向きではない。

これまで「借金の罠」と非難されてきた中国の対外援助は、スリランカで ハンバントラ港を担保に99年の租借をなした。パキスタンでもグアダール 港を43年間租借という条件を勝ち取ったが、パキスタンのIMF救済に 北京は前向きな姿勢を取らず、結局、イムラン・カーン首相はイスラム同 胞のサウジアラビア、UEA諸国から200億ドル前後の緊急資金援助をな して、危機を乗り越えようとしている。

パキスタンはいまのところIMF救済を申請していない。

ジンバブエ、ベネズエラの経済崩壊でも、中国は積極的救済策を講ぜず、 固いとされた経済的な絆は唐突に凍結状態となった。ベネズエラの経済破 綻はキューバとニカラグアを貧窮化させるというドミノ現象を産んだ。

アフリカ諸国へシルクロード構想で、プロジェクトを運んできた中国も、 コンゴでは担保を設定していないらしく、中国は対外債務の肩代わりを行 使したが、コンゴの場合、この手口が通用しない。


 ▲西側の失策でもあるが、当該国家には国家意識が欠落しているのだ

さて、このコンゴ共和国(西側は「コンゴ・プラザビル」と呼ぶ)より悪 質で悲惨な状況にあるのが、となりのコンゴ民主共和国(こちらを西側は 「旧ザイール」もしくは、「コンゴ・キンシャサ」と呼ぶ)である。

ここは昔のザイールだ。モブツ・セセ・セコという奇妙な独裁者が35年 間、この国を壟断し、富を独占した。つまり国富を横領し、資金はドルに 替えてスイスに預金した。

西側があまりの独裁政治と腐敗ぶりにモブツを見放すと、軍事クーデタ、 部族間抗争が激化し、国土は荒廃した。

およそ600万人のコンゴ人が虐殺されたか餓死した。

西側はルアンダとウガンダの虐殺(およそ百万人が虐殺された)に眼を向 け、ついでスーダンでおきたジェノサイトを批判したが、ルアンダの反政 府軍、武装勢力がコンゴ民主共和国に侵入し、東部住民を虐殺していた事 実に眼を瞑った。スーダンのジェノサイトにメディアの報道が集中し、い つしかルアンダとウガンダの虐殺事件は風化した。

ルアンダの大虐殺は、狩猟民族のツツ族が、農耕民族のフツ族を襲撃した 民族戦争の性格が濃厚である。そしてツツ族の武装勢力が、国境を越えて コンゴの山岳地帯へ武器とともに侵入し、原住民を追い立て、婦女子をレ イプし、老人、子供らを虐殺した。

一方、ルアンダ政府軍は、米国などが傭兵然として、スーダンの国連軍に 投入した。

なにゆえに、コンゴ民主共和国でユダヤのホロコーストをしのぐ虐殺が進 行していても、国際社会は無力だったのか。米国をはじめ、英国、仏蘭西 が沈黙し、国連も報告書を作成して虐殺の詳細のレポートを作成しながら も、だまりこんだ。
 

▲戦略物資争奪戦争の犠牲になった夥しいアフリカ人の血

理由はコバルト争奪である。

自動車エンジンの触媒、高速裁断、スマホに大量に使われるコバルトは、 このコンゴ民主共和国の東部山岳地で産出し、ほかに銅鉱山、ダイヤモン ド、タングステンの宝庫でもあり、西側の戦略物資の一大産地なのだ。
 
コバルト鉱山はかつての宗主国・ベルギーの利権だったが、米国の経営に 移り、しかしジェノサイド批判を怖れた米国企業は株式の大半を中国に 売った。中国はスマホならびに宇宙航空産業の原材料確保の目的で、コン ゴ資源獲得に血眼となった。

この資源獲得戦争という重大にして地政学的な理由が、コンゴにおける無 政府状態をもたらし、悪化させた。

アフリカ投資600億ドルを豪語し、北京にアフリカ首脳54ヶ国の代表を 呼 びつけた中国アフリカフォーラムが賑わったものの、実際に中国が投資 を実行したのは88億ドルに過ぎず、しかも投資した国々では反中国暴動が 頻発し、アフリカ諸国への処理方が分からない中国は、めずらしくまごつ いている。
 
     
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1887回】                 
――「『私有』と言ふ點に絶大の奸智を働かす國である」――竹内(13)
  竹内逸『支那印象記』(中央美術社 昭和2年)

              ▽

首都である北京のどこにも中華民国の建国を示す「都市装飾の記念」が見 当たらない。

「現北京の主要なる名所地」を占めているは清朝盛時の建造物ばかり。し かも街を歩けば「頭の天邊に清朝遺臣の表號として豚の尻ツぽを遺して」 いる姿が嫌でも目に飛び込んでくる。建物から人間まで清朝当時のまま。 かくして「錆は地金にまで喰い入つてゐる」と。

どうやら1911年の辛亥革命を経て建国された中華民国ではあるが、立憲 共和政体という外皮の下は依然として清国のままだった。やはり、この国 に立憲共和はムリらしい。伝統から離れようとしないのか。伝統が人々の 日常に骨がらみに絡みつき逃れられないのか。伝統のしがらみが心地よい のか。

北京を囲む豪壮堅固な城壁が僅か3年で建造されたと同じように、宮殿を 囲む紫禁城もまた短時日で築造されたのだろう。だから主の居る間は「装 飾や人間や儀式やらで燦然としてゐた」が、「一朝主を失つた借家となつ た場合、例へ?色の柱や瑠璃甍が遺つてゐるとしても、根が大味なんだか ら、何の風情もない」と、素気なく切り捨てた。

清朝盛時の贅を尽くした建造物とはいえ、「一歩その内部へ踏込めば大味 な建築の伽藍洞に過ぎない」。とどのつまりは「内面的に退嬰回想の享樂 と形式主義の生活から生れ出た産物であることは否むことは能きない」。

かくして「清朝宮殿に關する地域には私を喜ばせるに足る一ツの藝術も崇 美もない」と「一刀両断」である。ダメのものはダメ、である。

さて夜は「露店の居列ぶ前門大街」の京劇小屋に繰り込んだ。

「劇場内が秩序整然として善美榮華が盡されてゐては、最早其處に支那劇 の世界は半減されて了ふ」。「兎も角支那劇は電光燦然の劇場であつては ならない」。そのうえに客席は「無秩序同樣に滿員であらねばならない」 し「蒸暑く、薄暗く、然も汗臭い」必要がある。そうでなければ「火繩の 藝當も引立たない」し「汗だくだくの半裸體の輕業も變なもの」になって しまう。

「さらには白樂天を先祖に有するこの國の名優が天心に響けと叫び上げる あの金切聲と、それを讃美すると言ふよりも應援する素敵!素敵!の聲と が、自他一致の境に於て轟然沸騰する喧囂の場面を現さない」。

ここで竹内が「ホウ」とルビを振る「素敵!」の2文字だが、じつは「叫 好」と呼ぶ大向こうから舞台の役者に浴びせられる「好(ハオ)!」――歌 舞伎で言うなら「成田屋!」「中村屋!」「成駒屋!」「たっぷり!」の 類である。

このように竹内の指摘を追ってみると、芝居小屋観察の鋭さに驚かざる を得ない。これまでも数多くの日本人が京劇についてウンチクを傾けてい るが、芝居小屋内の雰囲気――京劇鑑賞法――をこれほどまでに見事に言い当 てたのは芥川の竹内の2人くらいだ。

芥川が中国を訪れたのは大正10(1921)年の春だから、時期的には竹内 に重なることになる。上海でも北京でも、芥川は当時の中国でも第一級の 「戯遊(しばいくるい)」との評価の高かった村田烏江や辻聴花などに京 劇小屋に案内される。

「支那の芝居の特色は、まず鳴物の騒々しさが想像以上な所にある。殊に 武劇――立ち回りの多い芝居になると、何しろ何人かの大の男が、真剣勝負 でもしているように舞台の一角を睨んだなり、必死に銅鑼を叩き立てるの だから、到底天声人語じゃない。実際私も慣れない内は、両手で耳を押さ えない限り、とても坐ってはいられなかった。

が、わが村田烏江君などになると、この鳴物が穏やかな時は物足りない気 持ちがするそうである。のみならず芝居の外にいても、この鳴物の音さえ 聞けば、何の芝居をやっているか、大抵見当がつくそうである」と綴った 後、「『あの騒々しい所がよかもんなあ。』――私は君がそう云う度に、一 体君は正気かどうか、それさえ怪しいような心もちがした」と。
《QED》 

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★読者の声 ★READERS‘ OPINIONS ★どくしゃのこ 
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(読者の声1)スペインで「極右政党」が大躍進、議席ゼロから20余席 に増やしたとNHKが報じましたが、主張をみていても「極右政党」の ボックスは、移民増加反対、EUへの懐疑と当たり前の声を言っているだ け。第一党となった左翼がほかの政党と連立を組むらしいですが、NHK は、これは「中道左派」とか、解説していました。
価値観が出鱈目で腹が立ちました。(HS生、大阪八尾市)


(宮崎正弘のコメント)「極左」の視点からみれば真ん中は「極右」にみ えますね。「左翼」は「中道左派」とか、「中道」をわざわざ挿入してイ メージを良くし、まさに印象操作。

日本でも左翼メディアの偏向報道はあいもかわらず、アメリカはもっと酷 い。しかしNYタイムズやCNNが仕掛けたトランプのロシアゲートが でっち上げと分かって、CNNは30%視聴率を失ったように、実際の選 挙では保守が多数派となり、アメリカではトランプが勝ちました。

「極右」とは「穏健保守」のこと、メディアは「極左メディア」と置き換 えれば納得がいきます。


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(読者の声2)「御即位奉祝式典」並びに奉祝行進のご案内です。

皇太子殿下には5月1日、第126代天皇陛下として御践祚遊ばされます。

我ら民草、連綿たる皇統の御承継をことほぎ、かつは皇位の無窮を熱祷し つつ、令和の新御代を仰ぎたく存じます。就きましては国民としての誠を 捧げるべく、下記により御即位奉祝式典並びに奉祝行進を執り行ひます。
              記
日時    令和元年5月2日(木)13時開式(12時半開場)
会場    文京区民センター2A
       文京区本郷4−15−14 TEL 03-3814-6731
  都営三田線/大江戸線「春日」駅 徒歩2分
        東京メトロ・丸の内線/南北線「後楽園」駅 徒歩5分
式次第   国民儀礼、聖寿万歳、実行委員長・来賓挨拶
記念講演  宮本雅史氏(産経新聞編集委員)
      「御代替はりー我々の役割は」
      長谷川三千子氏(埼玉大学名誉教授)
      「御即位を奉祝する」
会場協力費 1千円
奉祝行進  15時より 約1時間半程度
主催    御即位奉祝委員会(実行委員長 近藤誠)
連絡先   中村信一郎(090−4815−8217)
                  
                   
     
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「夜と朝の間に」
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    渡部 亮次郎

このタイトルの歌を唄ったのは女装で有名になったピーターである。作詞 のなかにし礼は男なのか女なのか判然としないピーターを
夜と朝の境目の判然としない時間に譬えて作詞した。

「夜と朝の間に」

唄 ピーター
作詞 なかにし礼
作曲 村井邦彦

<夜と朝の間に ひとりの私 天使の歌を聴いている死人のように

夜と朝の間に ひとりの私 指を折っては繰り返す 数はつきない

遠くこだまをひいている 鎖につながれた むく犬よ
お前も静かに眠れ お前も静かに眠れ

夜と朝の間に ひとりの私 散るのを忘れた一枚の花びらみたい

夜と朝の間に ひとりの私 星が流れて消えても 祈りはしない

夜の寒さに耐えかねて 夜明けを待ちわびる小鳥たち
お前も静かに眠れ お前も静かに眠れ>

ピーター 本名:池畑 慎之介 いけはた しんのすけ
1952年8月8日(62歳) 大阪府堺市西区 生まれ。
血液型 A型 俳優、タレント、歌手

慎之介は、上方舞吉村流四世家元で、人間国宝にもなった吉村雄輝 の長 男として生まれた。3歳で初舞台を踏み、お家芸の跡継ぎとして父から厳 しく仕込まれた。5歳の時に両親が離婚。母・池畑清子と暮らすことを選 択、鹿児島市で少年時代を過ごした。慎之介が母方の池畑姓を名乗るのは これ以降である。

池畑の性的指向は長らく公表されていなかったが、のちになってバイセク シュアルであることを明言し、男女共に恋愛経験があることを公にした。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

そう言えば私はラヂオとテレビの記者として育ったので、「きょう」とか 「きのう」「おととい」「今月」「先月」「今年」「去年」というテンスの原 稿を書き続けた。だが、これは新聞や雑誌では通用しない言葉であった。

たとえば、きょうに「きょう」とラジオやテレビで放送するのは当然だ が、新聞で「今日」と書いても、配達されるのは「あす」だから、きょう は昨日になってしまっている。だから日付を書くしかない。

TVの記者の古手になったら、盛んに雑誌から原稿を依頼されるようになっ て、このことを厳しく実感した。原稿は例えば、2月に「今月」と書いても 発売される頃は「先月」になってしまっているから
原稿はもともと「今月」ではなく「2月」と書かなくてはならない。

このことはインターネットの世界でも同様である。今日はすぐ明日になっ てしまい、4,5日経ったらいつの今日かわからなくなってしまうではな いか。

投稿してくる人はTVを見ながら「今夜の番組で」と打ち込んでくるが、明 後日になってメルマガやブログに掲載しようとしても、「今夜」とはいつ の今夜か分からなくて困る。今夜とか昨夜ではなくて初めから日付で語っ ていただかないと、主宰者泣かせの原稿になっている。

これきりのことを書くのに、ピーターのことから書きはじめた。
「夜と朝の間に」と言えばピーターだから、こうなった。私はNHKで政治 記者を約20年やったが、正式なNHK教育を受けていない。

非正式職員に採用されて、秋田県大舘市駐在の記者(単身)になり、放送用 (耳から聞かせる)文章を独りで考えて送った。1年後、試験に合格して正 式記者に採用されたが、もはや教えるところは無いのか研修所(東京・ 砧)へは入れられず仙台の現場に突っ込まれた。ネタや文章がNHK的でな いのは、その所為だろう。2010・2・27


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文在寅、親北反米路線で確信犯
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        櫻井よしこ

南北両朝鮮が米国に追い詰められている。とりわけ韓国の文在寅大統領へ の米国の圧力は巧妙である。

4月11日、文氏は“建国”を祝う予定だったが、米韓首脳会談のため、大事 なその記念式典を諦めて訪米した。にも拘わらず、ホワイトハウスでのト ランプ大統領との会談は、前代未聞の哀れな結果に終わった。

文氏は10日にソウルを出発し、同日夕方にワシントンに到着したが、米国 側との予定は一切組まれていなかった。翌11日午前中に、ポンペオ国務長 官、ボルトン大統領補佐官、ペンス副大統領とそれぞれ面会したが、三氏 共に文氏の北朝鮮寄りの姿勢に批判を加えたと見られる。北朝鮮に非核化 の意思は読みとれず、制裁緩和はあり得ない、米国はむしろ制裁強化を考 えていることなどが強調されたと考えてよいだろう。

その後、トランプ、文両首脳は夫人を伴って首脳会談を行った。夫人同伴 の首脳会談など通常はあり得ない。トランプ氏は文氏と二人で語り合う必 要を認めていなかったのだ。現に会談冒頭、メディアからゴルフのマス ターズトーナメントの勝者は誰になると思うかと問われ、トランプ氏は文 氏を横においたまま延々と語った。結局27分間もトランプ氏の話が続き、 文氏との会談時間は驚きの2分間、しかも通訳つきだ。その後に他の閣僚 たちも参加しての昼食となった。4月12日、ネット配信の『言論テレビ』 で元駐日韓国大使館公使の洪熒(ホンヒョン)氏が語った。

「2月末にベトナムの首都ハノイで米朝会談が決裂した後、文氏は康京和 (カンギョンファ)外相や鄭景斗(チョンギョンドゥ)国防部長官を米国に送 り、三度目の米朝首脳会談の開催や対北朝鮮制裁の解除を要請させまし た。対北経済援助で米国には負担をかけない、韓国が負担するので開城 (ケソン)工業団地も金剛山(クムガンサン)観光も再開させてほしい、など とも言わせました。米国側は全て拒否し、そのような話題であれば、米韓 首脳会談はなしだと、通告したのです」

一人飯

朝鮮問題の専門家でシンクタンク「国家基本問題研究所」研究員の西岡力 氏も『言論テレビ』で語った。

「朝鮮語で『一人飯』をホンバプといいます。韓国の若者の間で一人でご 飯を食べるのが増えていて、ホンバプという言葉が流行っているのです。 文氏は米国到着の10日夜がホンバプ、11日朝もホンバプ、11日昼にようや く米国側との食事にあり付いた。本当に相手にされなかったのです」

米国の厳しい態度は文政権の裏切りに対する冷遇だと洪氏が断じる。文氏 の裏切りとは、米朝首脳会談を実現させるために、文氏が金正恩氏は北朝 鮮の非核化を決意していると米国に伝えたことだ。正恩氏が表明したのは 北朝鮮の非核化ではなく、朝鮮半島の非核化である。これは韓国を守るた めに米国の核を使うという発想自体もなくしてしまうこと、即ち米韓同盟 の破棄を目指す言葉であり、北朝鮮が所有する全ての核や関連施設の一掃 とは、全く異なる。

当初、北朝鮮の非核化に希望を抱いたトランプ政権は、やがて正恩氏に非 核化の意思がないこと、文氏の嘘を確信したと思われる。国連制裁に違反 してでも北朝鮮支援に動こうとする文氏を牽制するために、米国政府は文 政権の頭越しに韓国の経済界に働きかけ始めた。

昨年9月には、ニューヨークにある韓国の7つの銀行の支店に米財務省が 直接電話をして、米国が北朝鮮に制裁をかけていることを承知しているか と警告した。西岡氏が語った。

「韓国系の銀行は現在、送金業務を止めているといわれます。もし送金に 北朝鮮と関係する資金が入っていれば、米国の副次的制裁(secondary sanction)を受け、一切のドル決済が停止されるやもしれない。そうなっ たら銀行は潰れます」

昨年4月27日の板門店での南北首脳会談にも、9月18日の平壌での南北首脳 会談にも、文氏は多くの韓国企業代表と開城工業団地の組合長らを同行さ せた。文氏は金正恩氏と共に白頭山に登ったが、そのとき正恩氏に開城工 業団地組合長を紹介し、組合長に直訴させた。「委員長様、何とか開城工 業団地を再開させて下さい」と。

正恩氏は今年新年の辞で「南朝鮮の人民の要望に応えて、無条件で開城工 業団地を再開する」と演説し、それを受けて文氏は開城工業団地再開で米 国を説得すると公言した。だが、北朝鮮を利するだけの工業団地再開に は、前述のように米国が完全拒絶の姿勢を貫いた。

支持率は下がる一方

その間、ソウルの米大使館の専門官は文氏に同行した財閥や企業に直接電 話攻勢をかけた。米政府が北朝鮮に制裁をかけているのは承知か、と警告 したのである。洪氏が強調した。

「米国は朝鮮半島での70年間に多くの教訓を得ています。そしていま、文 在寅と韓国企業を切り離しているのです。文は米国の警告を聞かない。な らば企業や韓国国民に直接働きかけようというわけです。核を諦めない北 朝鮮に送金を続けるのか、米国との貿易や自由社会との絆を選ぶのか、と 米国は迫っています」

韓国国民も文氏の危うさを実感しているに違いない。支持率は下がる一方 だ。経済は停滞し失業率は高まり続けている。にもかかわらず、文氏は最 低賃金をこの2年間で約30%も引き上げた。残業を規制し労働時間を大幅 に短くした。人件費は高騰し、倒産は急増、失業率がさらにはね上がる悪 循環である。笑い話のような現実を西岡氏が紹介した。

「統計上失業者が増えると困るので、文氏は60歳以上の失業者に週1回大 学に行って電気を消す、又はゴミ拾いをするなどの仕事を作り、役所が賃 金を払うことにしました。税金で失業率の統計に化粧を施しているのです」

支持率低下や米国の警告にもめげず、親北路線を変えない強い反米の意思 が文氏の人事から読みとれる。一例が統一部長官に指名された金錬鉄(キ ムヨンチョル)氏である。この人物は米国が韓国に要請した THAAD(終末高高度防衛ミサイル)配備に反対し、開城工業団地の早 期再開を主張する反米主義者である。

同人事は韓国議会の反対にも拘わらず、文氏は考えを変えなかった。文氏 は米国に公然と対立姿勢を見せたに等しく、米国を欺く手法で開城工業団 地再開をはじめ北朝鮮支援に走り出しかねない。

暴走の気配を見せる文氏に、米国が対決姿勢を強め、韓国国内では対抗勢 力が力をつけつつある。2月27日、自由韓国党の代表に黄教安(ファンギョ アン)氏が選ばれた。朴槿恵政権で法務部長官や首相を務めた公安検事出 身の62歳は、文政権の安保政策と経済政策を「亡国政策」と批判する。

野党勢力はまだ弱いが、それでも文氏の足下は決して盤石ではない。韓国 はいつ何が起きてもおかしくない緊張の中にある。
『週刊新潮』 2019年4月25日号 日本ルネッサンス 第849回



       
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重 要 情 報
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◎我が国のせいにするのは誤りではないか:前田正晶

以下は18年の4月29日に論じたことだが、1年経った今でも通用すると思っ て一部を手直して再度投稿した。

私は「我が国のトランプ大統領に関するマスコミ報道は、アメリカのアン チ・トランプのテレビと新聞の fake news をそのまま垂れ流しているか ら悪評ばかりだ」という一部の有識者の意見は概ねその通りだと信じてい る。既に述べたように、大統領としての実績は兎も角、私は個人的にはド ナルド・トランプという人物は好みではないのである。その独断専行的な 手法もさることながら、国際的な貿易取引の実態に疎いのではと思わせる 政策を打ち出されたり、貿易赤字を我が国の所為にされるのもフェアーで はない思っている。TAGで押してくるのも筋が違うと思う。

即ち自国の貿易赤字がアメリカに売り込んでいる中国などの貿易相手国の 責任であるが如き事を言われ、安全保障の為に鉄鋼とアルミの輸入に関税 をかけると言い出されたのがその揺るがぬ証拠ではないのかと思わせられ た。永年アメリカ製品の対日輸出に従事してきた者としては、基本的に輸 出国ではないアメリカで多くの企業が懸命に輸出に励んでこなかった結果 として赤字が続いたのであって、その点を頬被りされるのはフェアーでは あるまいと言いたいのだ。かのオバマ大統領でさえ、空洞化して出ていっ た多くの産業に戻ってくるように要望されたではないか。

そこに、宮崎哲弥氏が今週の(1年前であるが)週刊文春に連載している コラム「時々砲弾」でトランプ大統領の貿易赤字対策の誤謬をUKの Financial Times(FT)の記事を引用して解りやすく説明していたので、 私にも良く理解できたのだった。そこで、一寸長くはなるがご参考までに その記事を引用してみようと思い立った次第だ。

>引用開始
「トランプ大統領は、アメリカが全ての国に対して持つ「マクロの収支」 における赤字と特定の一国に対して持つ「二国間収支」における赤字の双 方をアメリカの損失と見做し、その責を貿易相手国に帰している。この貿 易収支、あるいは貿易収支を含む経常収支についての認識は完全に間違っ ている。そもそも貿易赤字はその国の損失を意味するものではないし、貿 易黒字はその国の得分を意味しない。かかる誤見を「重商主義の誤謬」と 呼ぶ。

では経常収支(>貿易収支)の赤字の原因とは何か。FTは明解に答えてい る。「経常収支の赤字は主に関税や貿易規制ではなく、財政政策や人口動 態、為替レートをふくめ主としてマクロ経済のさまざまな要因によって影 響される。そうでなければ、赤字が意味するのは、インドのような国は慢 性的な貿易赤字を抱えているから開かれた貿易体制を敷いているに違いな い、ということになる。インドに輸出しようとした人なら誰でも、明らか にそうではないと証言するだろう。

経常収支の黒字、赤字は、各国の経済主体が最も有利と判断して選択した 行動(=貯蓄投資バランス)の結果としてある。平たくいえば国内の需要 が縮小し、国民の多くが貯蓄をする場合、経常収支は黒字に傾くことがあ るし、国内消費が活発で、国民の多くが投資を行うような場合、経常収支 は赤字となる。経常収支はこうした国内の経済活動を反映するものなのだ。

従って輸入産品に思い関税を課したり、貿易相手国に「市場開放」を強要 したりしてしても、アメリカの貿易赤字は決して縮小することはない。仮 に赤字減らしという目的が正しいとしても、この種の貿易政策は先ず役に 立たない。トランプ大統領の国内向けの目玉政策である大幅な減税や巨額 の公共投資は、米国の国内消費、投資を活発化させる。その結果として貿 易赤字ますます膨れ上がるだろう」<引用終わる

なるほどと思った。現にトランプ政権が関税賦課政策を開始した後でも赤 字は目立って減少してはいないのだ。特に目立ったことは、トランプ大統 領が「関税を賦課した結果で財務相には現金が大量に入ってくるように なった」とTwitterで述べておられたのを見れば、大統領が何か思い違い をしておられるとしか思えないのだ。言うまでもないが、連邦政府に入っ てきている金はアメリカの輸入業者か需要者が納めたものである。

私は1972年にM社に転出した頃には「アメリカは我が国に対して貿易では 赤字になっているが、アメリカの産業界はこれに失望するべきではない。 それは我が国の多くの製造業界の企業では米国の大手メーカーが持つ特許 やライセンスを受けているので、それに対する出費というかアメリカ側が 受け取っている毎年のローヤルテイーは決して少額ではない。こういう状 況を考えればアメリカは必ずしも赤字を嘆く必要ないのでは」と聞かされ ていた。

この宮崎氏のFTの記事を引用しての解説はより具体的な説得力があったと 思って読んだ次第だ。いや、寧ろトランプ大統領とその側近にはあらため てFTをお読み願いたいとすら考えたのだった。いや、失礼を顧みずにもっ と率直にいえば、この辺りにトランプ大統領の貿易の実務を経験されてこ なかった弱点があるのではないかと思うのだ。


◎閃きが当たった女子のゴルフ他:前田正晶

またしても申智愛にやられた:

平成が残すところ何日などというお祭り騒ぎにはウンザリであるだけでは なく、当方には何の有難味がない10連休とあっては、家に籠もってテレビ でも見ている他なかった。その中でも最も興味があったのが「フジサンケ イレデイスクラシック」だった。それは2日目まで上位を走っていた吉本 ひかる、上田桃子、大江香織、藤田光里という我が国のプロが優勝できな いという閃きがあったからである。そこには、優勝の常連である申智愛や 安宣柱等が首位と5打差の7位までには顔を出していなかったという、大い なる不安材料があったのだ。

ところが、吉本ひかる以下の上位にいた連中が接戦を演じている間に、 ふと気が付けば申智愛が8アンダーで何時の間にか首位に立っていて既に プレーを終えた形になっていたのだった。即ち、日本勢は2打差の申智愛 をあの難しい川奈のコースで追いかける立場に立たされていたのだった。 聞けば、申智愛は19位から出て一気に8アンダーと突っ走って3日間通算も 8アンダーとなって優勝となってしまったのだった。げに恐るべき世界的 ゴルファーの実力だった。だが、当方は「閃きがこういう形であったと は」と憤懣やるかたない思いだったし「またやられたか」と落胆していた。

毎度のことだが、余りの情けなさについ感情的になって偏見を言えば 「だから、あの国のゴルファーたちに唯々諾々とヴィザなんか出すなよ。 麻生副総理ではないが何らかの制裁措置でも考えたら如何か」と心中で叫 んでいた。

DeNAの10連敗:

先に「ラミレス監督は余程知恵を働かせて腕で運を取り戻せるように工夫 しないと、この逆境からは容易に脱出出来ないよ」と予言めいたことを 言ったので、28日の対読売の試合も恐らくダメだろうと予測して見てい た。ところが、またしても1回の裏に京山がVILLANUEVAと書いてヴィヤヌ エヴァと読ませるメキシコ人でMLB経験者に2ランホームランを打たれたの で、これでは試合が終わったのも同然だと思わせてくれた。結果的には2 対7での負けだったが、得点がソトの2ランホームランだけでは何ともなら なかった。

これで2日続けて得点はホームランだけという形になって「ホームラ ン、打ち打ち負けるヘボテイーム」と往年の大和球士の名言を思い出させ てくれた。兎に角、サッカーで言う「セットプレーからしか点が取れず、 流れの中では取れない」と同じ形で攻める形が出来ていないし、ラミレス 監督の選手起用にも「世代交代」を焦る余りの偏りも見える気がしてなら ない。それにソト君はホームランこそ打つが、あのような外国人独特の 「俺が俺が」という自分優先では、日本式のテイーム優先の野球には不向 きに見えるのが気懸かりだ。もしかして、このまま負け続ければ「監督の 休養」にでもなってしまうのか。

何れにせよ、当方の好みではない方が勝ってしまったのが、28日のスポー ツの結果だった。それは顎関節症に未だな止まされている体調と同様に、 芳しくなくて面白くない試合ばかり見せられてしまった。


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身 辺 雑 記
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1日の東京湾岸は曇天、午後には雨が降るようだ。

30日、隣の第三亀戸中学校の芝生の校庭では近隣の男の子たちがやってき て遊んでいた。平和な光景だ。天気はどんよりと曇っていた」。午後には 女生たちがやってきてテニス二に興じていた。83になった私の中学時代は 野球の選手。キャプテンで4番で投手だった。軟式ボールを103M投げ100M を裸足で11秒で走った。だから1塁に出れば必ず盗塁した。
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